最新 最初 全
#21 [蛍火]
19時か…
間に合わないな
いちお電話入れとくか…
電車に乗り早足で仕事場に向かう
夜の街は派手な彩りでライトアップされ昼間とは全く違う街になる
露出の激しい服をまとう女達に
いやらしい目つきで女を追う男共
:09/01/29 14:11 :auCA3C :S4zYO/GE
#22 [蛍火]
そんな中をパーカーにジーンズという地味な格好をした私は小走りで走る
人混みは上京して5年経つというのに未だに慣れない
鬱陶しい
息が苦しくなる
でも弱音なんか吐いてはいけない
私は強くなったんだ
愛する我が子の為に
自分自身生きる為に
私は今日も体を売る
:09/01/29 15:37 :auCA3C :S4zYO/GE
#23 [蛍火]
人混みを掻き分け先を急ぐ
今日は特に人が多いな…
あぁもう!急いでるのに
「さくら!」
突然耳元に大きな声が響き、
それと同時に誰かに腕を強く掴まれた
:09/01/29 15:59 :auCA3C :S4zYO/GE
#24 [蛍火]
驚いて後ろに振り返るとスーツ姿で背の高い男が私の腕を掴んでいた
どうやら人違いをしているようだ
「どちら様ですか?離して下さい」
私はそう言いながら掴んでいる手を振り払おうとするが
男は私を見たまま固まったように動かない
なんなのこの人…
「あの!急いでるんで離して下さい!」
私はきつく睨んでさっきよりも大きな声で言った
:09/01/29 17:28 :auCA3C :S4zYO/GE
#25 [蛍火]
「あ…あぁすまん、人違い」
男はようやく手を離すと私をまじまじと見てきた
「あんた名前は?」
は…?見ず知らずの他人に名前言う訳ないじゃない
「なんでですか?」
「いいから名前」
「教える必要ないですよね」
「なんで?早く名前」
「………」
「聞いてんだけど」
し つ こ い !
なんなの本当に
新手のナンパ?
こういうのは無視に限る
:09/01/29 19:19 :auCA3C :S4zYO/GE
#26 [蛍火]
見てくれてる人とか…いますかね(´・ω・`)
:09/01/29 19:20 :auCA3C :S4zYO/GE
#27 [蛍火]
私はもう一度
男の顔を睨みつけ走り出した
「あっ…おい!」
男の声が聞こえたが振り返らずそのまま仕事場まで走った
はぁっ…はぁ…
疲れた…
これから余計疲れる行為をするというのに、、、
:09/01/29 19:35 :auCA3C :S4zYO/GE
#28 [蛍火]
「遅いぞ!葵!」
仕事場に着くと店長に怒鳴られた
「…すみません」
「とりあえず一本入って客待たせてるから、さっさと着替えて行け」
私は店にあるドレスを手にとり着替えメイクを濃くした
:09/01/30 10:33 :auCA3C :8O6TFm.Y
#29 [蛍火]
さすがにジーンズとパーカーで仕事は出来ない
ピンクのドレスに身を包むと、この体は商売道具へと変わる
部屋の前に着き軽くノックをする
コンコン…
「どうぞ〜」
ガチャ
「大変お待たせしました。葵です。」
40代後半くらいだろうか
軽いメタボぎみの客は
もう既にベッドの上でパンツ一枚になっている
:09/01/30 12:55 :auCA3C :8O6TFm.Y
#30 [蛍火]
私の体を上から下まで舐めるように見ると私に近付いてきた
「葵ちゃん遅かったねぇ
おじさん待ちくたびれちゃったよぉ〜」
気持ち悪い
何度抱かれても
やはりヤる前は抵抗がある
これは仕事だ
私には金が必要なんだ
大丈夫、何も怖くない
:09/01/30 13:11 :auCA3C :8O6TFm.Y
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194