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#31 [蛍火]
 
私は目を閉じ深く深呼吸をして自分に言い聞かせた


よし、


目を開き客を見つめる


―――演技

   ……スタート

⏰:09/01/30 13:15 📱:auCA3C 🆔:8O6TFm.Y


#32 [蛍火]
 
「待たせちゃってごめんなさい…」
しゅんとした表情で上目使いで客を見上げる

「いいんだよぉ〜
葵ちゃんに会えるならいくらでも待つさ…ハァ…ハァ」

客は息を荒くして私の腰に手を回すと自分の股関を押しつけてきた

「あんッもう硬くなってる〜」
「ハァ…ハァ
葵ちゃんに早く入りたいみたいだねぇ…ハァッ」

そして首筋に顔をうずめ胸を揉み始めた
「柔らかいねぇ」

腰に回した手は背中をまさぐりドレスを脱がそうとする

⏰:09/01/30 13:48 📱:auCA3C 🆔:8O6TFm.Y


#33 [蛍火]
 
「あっまだダーメ、ベッドでしよ?」

私は可愛らしく言うと
焦る客の手をそっと払いベッドへ歩き出した

「葵ちゃん」

後ろから抱き締められ
そのままベッドに押し倒される

望実…
いい子にしてるかな
ちゃんと眠れたかな

犯されながら考えるのは娘のことばかり

⏰:09/01/30 14:18 📱:auCA3C 🆔:8O6TFm.Y


#34 [蛍火]
 
自分の欲求を満たす為に金を払う客
自分の体を商売道具にし金を稼ぐ私

同じだ
この腐った客と私も同じくらい腐ってる

こんな汚い方法でしか望実を育てられない
こんな汚れた母をもって望実は幸せなのかな




こんな汚れた私に手を差し伸べてくれる人はいるのかな

⏰:09/01/30 14:35 📱:auCA3C 🆔:8O6TFm.Y


#35 [ゆな]
読みやすいです
頑張って下さい(・∀・)ャ

⏰:09/01/30 15:02 📱:825SH 🆔:qfDHMt6w


#36 [蛍火]
 
―――am 3:00

シャワーで体を隅々まで洗い流し再び地味な服に着替える

あれから2人の客の指名を受け、ようやく仕事が終わった

やっと帰れる…


駅までとぼとぼ歩き
いつも立ち寄る自販機で飲み物を買う

烏龍茶とミルクティ
私と望実の分

ミルクティを薄汚れた鞄に入れ烏龍茶を開けた

飲もうと口を付けようとした瞬間…
  ――ドンッ

⏰:09/01/30 15:56 📱:auCA3C 🆔:8O6TFm.Y


#37 [蛍火]
≫ゆなさん
ありがとうございますっ
励みになります
(´・ω・`*)

⏰:09/01/30 15:58 📱:auCA3C 🆔:8O6TFm.Y


#38 [蛍火]
 
「!?」
「あっすんませーん!」

背中に思いっきり人がぶつかってきたらしく
一口も飲んでいない烏龍茶は顔にかかり服はびしょびしょ…

「うっわ〜
烏龍茶飲んでたんだ!まじごめんっ」

顔を上げると私の姿を見て
頭を下げている男

…ふざけんな
なんて最悪な日なんだ

まだ一口も飲んでないのに!
顔と服はびしょびしょだし!
行きは変なやつに絡まれるし!
仕事には遅刻して怒られるし!

⏰:09/01/30 16:42 📱:auCA3C 🆔:8O6TFm.Y


#39 [蛍火]
 
だんだんと怒りが強く込み上げてきた

今すぐこの男に怒鳴りつけてやりたい

でも…我慢だ我慢
面倒な事になりかねない

「大丈夫です、失礼します」

そそくさと返事をしてその場を去ろうとすると
今度はグイッと腕を引っ張られた

⏰:09/01/30 17:05 📱:auCA3C 🆔:8O6TFm.Y


#40 [蛍火]
 
………なにこれデジャヴ?
もー早く帰りたいのに!

「まだ何か?」

振り返り掴んでいる手の持ち主に目を向けた

「げ……」
「おはよーさん」



ま た で す か


掴んでいたのは先程会ったスーツ姿の男だった

⏰:09/01/30 18:00 📱:auCA3C 🆔:8O6TFm.Y


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