冷たい彼女〔続編〕
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#127 [ゆーちん]
佐奈台風が再び俺らの元に上陸したのは、夏休みを2日後に控えた、とても暑苦しい日だった。


「もっしー、心?」

「久しぶりだね、佐奈ちゃん。」


電話の向こうからは明るい佐奈の声。


「今から剛ぶっ殺しに行くけど、一緒に行くぅー?」

⏰:09/02/01 17:26 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#128 [ゆーちん]
おいおいおいおい…西山さんが『ぶっ殺す』とか言わないでよ。


洒落になんないから!


「ちょっ、ちょっと佐奈ちゃん、落ち着いて!」

「落ち着いてるよー。」


まぁ確かに、落ち着いてはいる。

⏰:09/02/01 17:28 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#129 [ゆーちん]
でも落ち着きすぎて恐い。


「とりあえず深呼吸して。」

「は?私に命令?」

「あぁー、ごめん。深呼吸して下さい。」

「何でしなきゃなんないのよ。もぉ…ハァ〜。」

⏰:09/02/01 17:28 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#130 [ゆーちん]
大きく息を吐く音がしたので、どうやら深呼吸はしてくれたみたい。


「今どこ?」

「心はどこなのよ。迎え行くから場所言って。」

⏰:09/02/01 17:29 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#131 [ゆーちん]
バイト後の幸せである、凜ちゃんのマンションだった俺。


素直に場所を言うべきか、それとも島にいると嘘をつくか。


「えーっと…」

「さっさと答えてよ!」

「…凜ちゃんのマンションです。」

⏰:09/02/01 17:55 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#132 [ゆーちん]
「10分後に外で待ってて。」


それだけ言うと、佐奈の電話は切れた。


何、正直に言ってんだよ俺。


嘘つけば、今から凜ちゃんが作ってくれたカレーライスが食えたのに…。

⏰:09/02/01 17:55 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#133 [ゆーちん]
「凜ちゃあ〜ん。」

「…何で半ベソかいてんの。」

「俺が殺人者になっても彼女でいてくれる?」

「…話が見えないよ。」

⏰:09/02/01 17:56 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#134 [ゆーちん]
シレッとする凜の態度。


余計に泣けてくるよ。


「佐奈ちゃんから電話があって、今から剛ぶっ殺すとか言ってんの。で、俺のこと迎えに来るってー。もうやだよ、あの人…。」

⏰:09/02/01 17:57 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#135 [ゆーちん]
げんなりしていると凜の表情が変わった。


「私も行く!」


マジでー。


もう、何か、やだ。


「凜ちゃんは来なくていいよ。」

⏰:09/02/01 17:58 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#136 [ゆーちん]
「何でよ。私だって佐奈ちゃん心配だもん。」

「僕、カレーライスが食べたい。」

「一晩寝かせたほうが美味しいの!ほら、出掛ける仕度して。」

⏰:09/02/01 17:58 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


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