冷たい彼女〔続編〕

「さきにお風呂入ったら？」

「凜ちゃんも一緒に入ろ～！」

「絶対やだ。」

「…ケチ。」

一人でお風呂。

つまんない。

いつか凜ちゃんと一緒にお風呂に入るぞってのが、俺の目標。

…なんてね。

俺が出ると、入れ代わるように凜がお風呂に入る。

覗いてやろうかと何度も思ったけど、嫌われるのはイヤだから我慢。

凜のお風呂は長風呂で、待ってる間は暇だった。

やっと出てきたと思えば、化粧水だの美容液だの、なかなかベットに入れない。

「眠い。」

「だから先に寝ていいって言ってんじゃん。」

「やだ。風呂も一緒に入れないのに、せめてベットくらい一緒に入る。」

「何だそれ。じゃあ髪の毛乾かしてよ。」

お安い御用だ。

凜のサラサラした髪に、ドライヤーをあてる。

こんな繊細な髪に、ドライヤーの熱なんかあてちゃ悪い気さえする。

しばらくすると髪が乾いた。

「寝よっか。」

やっとベットに入る事ができたのは、俺が風呂から出て、１時間以上経っていた。

「ふぅ～。」

ベットに寝転がり、溜息を零す。

「今日は美味しかったし、楽しかった。」

「そうだね。」

「早くまた剛さんと遊びたいね。」

「…。」

「あれ？凜ちゃん、寝た？」

「寝た。」

「ブッ。可愛い。んじゃおやすみ。」

「おやすみ。」

目を閉じると、俺はすぐに意識を手放した。

夢も見ずにぐっすり眠った。

おかげで、翌朝はとんでもない一日の始まりを迎えてしまった。

まだ太陽が昇って間もないだろう。

なぜだか目が覚めたんだ。

目を開けると、目の前に凜がいた。

ビックリして声が出そうになったが、凜だと理解した瞬間、何だかたまらなく胸が騒いだ。

だから、ほんの一瞬、触れただけのキスをした。

何も知らずに眠る凜。

やっべー。

朝から暴走してもいいですか。

NOと言われても、俺の欲望だけが先走りしてしまっていた。

唇と手が、勝手に凜に触れる。

下着のつけていない胸を揉み、無防備な唇に強くキスをする。