冷たい彼女〔続編〕
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#341 [ゆーちん]
「ううん。」
凜の表情が少し変わったのがわかった。
「どうしたの?」
「親が、来るの。」
「えーっ!」
つい、叫んでしまった。
それほど驚く出来事なんだ。
海外を忙しく飛び回る凜の親が来るって事は。
:09/02/06 13:19 :SH901iC :ML7ZPUMw
#342 [ゆーちん]
卒業式や入学式にも出席できない程、忙しいみたいなのに…。
「よかったね。それで凜ちゃんはお迎えに来たって訳?」
「うん。」
「そっか。会うの久しぶりなんじゃない?」
「一年以上会ってないからちょっと緊張しちゃう。」
:09/02/06 13:20 :SH901iC :ML7ZPUMw
#343 [ゆーちん]
困った表情の凜を見て、悲しくなった。
親と久しぶりに会えるのに、嬉しくないのかなって。
「大丈夫、大丈夫。元気な姿見せてあげなよ〜?」
:09/02/06 13:21 :SH901iC :ML7ZPUMw
#344 [ゆーちん]
「うん。心の事、機会があったら言うつもりだから。」
「俺の事?」
「彼氏だよ、って。」
:09/02/06 13:21 :SH901iC :ML7ZPUMw
#345 [ゆーちん]
さっきまで悲しんでたくせに、その言葉で有頂天になってる俺。
「えへへ〜。」
「そのデレデレした顔やめて。気持ち悪いから。」
早めに家を出て来てよかった。
フェリーの時間までまだ少しある。
こんなところで凜に会えるなんて思ってなかったから、すっげぇ得した気分。
:09/02/06 13:22 :SH901iC :ML7ZPUMw
#346 [ゆーちん]
1秒でも長く話したいって思ってしまう。
「ごめんちょ。つーか、昨日楽しかった?澪と遊んだんだろ?」
「あぁ…うん。まぁ。」
今日の凜の顔は忙しい。
コロコロと変わってく表情。
:09/02/06 13:24 :SH901iC :ML7ZPUMw
#347 [ゆーちん]
「楽しくなかったの?」
「んー…色々あって。」
「どうしたの?」
「女の悩みってやつ。ごめん、心にも言えない。」
「あら残念。」
「ごめんね?」
「ううん、別にいいよ。女の子も大変だね〜。」
「うん…大変だよ。」
:09/02/06 13:24 :SH901iC :ML7ZPUMw
#348 [ゆーちん]
時間も気になるし、凜も気になるし…。
キョロキョロする俺に、凜は言った。
「明日の夜会える?」
「うん。でもバイトだから遅くになるよ。」
「それでもいい。」
凜から誘ってくれるなんてさ、顔が自然に緩んでしまう。
:09/02/06 13:25 :SH901iC :ML7ZPUMw
#349 [ゆーちん]
凜の顔だけじゃなく、俺の顔も忙しいや。
「また連絡する。」
「うん。ご両親によろしく。いってきます!」
「いってらっしゃい。」
凜に見送られてバイトに行くのは、なかなか気分がいい。
調度すれ違う時間だったので、凜の両親には会えなかったけど、願わくば今夜は家族団欒楽しく過ごして欲しいと思った。
:09/02/06 13:27 :SH901iC :ML7ZPUMw
#350 [ゆーちん]
翌日の夜、バイトが終わると同時に凜から連絡が入り、約束通り会う事になった。
本島から帰って来た俺を出迎えてくれた凜。
「おかえり。」
「ただいま凜ちゃん!」
抱き着きたくなったけど、我慢。
手を繋いでそのまま海辺まで歩いた。
:09/02/06 13:28 :SH901iC :ML7ZPUMw
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