冷たい彼女〔続編〕

「へぇー。知らなかった。」

「祝え、心も竜も俺様を祝いやがれ！」

大輝に負けないよう元気な一日を過ごそうと、そのあとはテンション上げてみた。

が、ペース配分失敗らしく学校でエネルギー使いすぎてバイト前には空っぽ状態に近かった。

「凜ちゃぁ～ん。」

「テンション低。どうしたの？」

「今から家行っていい？」

「いいけど、バイトの時間大丈夫？」

「凜ちゃんに会わないとバイトなんてやってらんないよ。」

「あっそ。まぁ家にいるから勝手に鍵開けて入っておいで。」

携帯電話をポケットに戻し、最後の力を振り絞り凜のマンションまで急いだ。

合い鍵を使い、中に入る。

「凜ちゃーん。」

「早かったね。やけにテンション低かったけど何かあっ‥」

いきなりの充電方法に、凜は嫌がらず助けてくれた。

長く甘いキス。

思わずソファーに倒れ込んでしまったけど、キスは止まない。

「心…」

色んなキスをすると、色んな表情をしてくれる。

そんな凜が可愛くて愛おしくて仕方ない。

あー…やばい。

ヤリたいかも。

バイトまであと30分。

んー…、我慢しよう。

体を起こし、凜に抱き着きながら満タンになったとお礼を言った。

「私はキスだけじゃ満タンにならない。」

どっきーん。

何すか、その色っぽい発言は。

めちゃめちゃ心拍数上がりましたけど！

「まさか凜ちゃん…エッチしたかったとか？」

「自惚れるな、変態！」

俺の腕から抜け出し、冷ややかな笑顔を見せた凜。

そして、キスをくれた。

何だこれ。

最高に可愛いんですけど、僕の彼女ってば。

どっちが変態だよ。

凜ちゃんも知らず知らずのうちに、相当変態になってるよね～。

ややムラムラ気分を残したまま、バイトの時間になったので凜とバイバイした。

バイト先に到着すると、真っ先に矢崎先輩が駆け寄って来た事に、俺は思わず笑みを浮かべた。

「先輩、お疲れ様でーす。」

「おっ、おう。お疲れ様。江森、あっ、あのさ。ちちち千夏ちゃんに…」

何でこんな動揺してんだ？

思わず吹き出してしまった。

「ギャハハハ！先輩焦りすぎっすよ！」

「そりゃ焦るだろ？で、その千夏ちゃんは？どうなったんだよ！」

正直に教えてあげようか、それともからかってみようか…。

「江森ぃ、そんなに焦らすなよ。」

俺は器用じゃないから、先輩をからかってみるだなんて無理だね。

それに俺、そんなキャラじゃないし。