冷たい彼女〔続編〕
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#301 [ゆーちん]
このまま続けてもいいのか。
それとも我慢するか。
迷う俺に答えをくれたのは、他の誰でもなく、白い素肌をさらけ出している俺の彼女だった。
:09/02/05 12:28 :SH901iC :YIV4zkBU
#302 [ゆーちん]
「続き、してよ。」
『いいの?』と聞くと、小さく頷いた凜。
「高校入って、まだ1度もしてないじゃん。」
うん、そう。
もう何ヶ月もキス以上の事はしていない。
:09/02/05 12:28 :SH901iC :YIV4zkBU
#303 [ゆーちん]
高校入ってから、何だか凜を抱くのが怖かったんだ。
一気に色っぽくなった凜ちゃんを俺ごときが抱いていいのか?的な…ただのヘタレだ。
:09/02/05 12:29 :SH901iC :YIV4zkBU
#304 [ゆーちん]
最初は別に、SEXなんかしなくても幸せだった。
凜さえいればいい。
でもやっぱ…男だし。
ヤりたくなるよ。
そのたびに怖くなる。
:09/02/05 12:30 :SH901iC :YIV4zkBU
#305 [ゆーちん]
俺は凜にふさわしいのか、って。
もっと男らしくなんなきゃいけないんじゃないか、って。
そんな時、めちゃめちゃカッコイイ剛さんに出会い、すっげぇ感動した。
:09/02/05 12:30 :SH901iC :YIV4zkBU
#306 [ゆーちん]
俺も剛さんみたいなカッコイイ男になりたい。
なれるかな。
いや、なってみせる!
話はそれたけど…本当に続きしちゃっていいの?
「俺、根性なしだから。」
「知ってる。でも、私を抱く根性ぐらいは持っててよ。」
:09/02/05 12:31 :SH901iC :YIV4zkBU
#307 [ゆーちん]
凜の手が、俺の頬に触れた。
「私は心に抱かれたくて仕方なかったのに。」
ドストラーイク。
そういう言葉は笑顔で言ってくださいよ杉浦さん。
「そんな嬉しい事…俺、照れるわ。」
「好きな人とエッチしたいって思うのは当たり前でしょ?だから続き、して。」
:09/02/05 12:32 :SH901iC :YIV4zkBU
#308 [ゆーちん]
止まらなかった。
暴走だよ、暴走。
朝っぱらから、俺ら元気だよな。
ベットが揺れ動くたび、感情も揺れ動く。
可愛い、気持ち良い、好き、綺麗、最高…みたいなね。
:09/02/05 12:33 :SH901iC :YIV4zkBU
#309 [ゆーちん]
「心…ヤッ…っ…ンンッ。」
眉間にシワを寄せ、もがく凜。
しばらくするとシワが消え、体の力が抜けたのがわかった。
その後すぐに俺も果てた。
:09/02/05 12:34 :SH901iC :YIV4zkBU
#310 [ゆーちん]
久しぶりのSEXは、たまらなく気持ち良かった。
朝から汗をかくなんて、普通なら嫌なのに、この運動のせいで出た汗は嫌じゃない。
お互いシャワーを浴びてから朝ごはんを食べた。
:09/02/05 12:34 :SH901iC :YIV4zkBU
#311 [ゆーちん]
疲れるのかと思ったけど、妙に穏やかに過ごせた。
凜の機嫌もいい。
俺がバイトに行く前、いってらっしゃいのキスまでプレゼントしてくれたぐらいだから。
:09/02/05 12:35 :SH901iC :YIV4zkBU
#312 [ゆーちん]
:09/02/05 12:35 :SH901iC :YIV4zkBU
#313 [ゆーちん]
○●○●○●○
里帰り
○●○●○●○
:09/02/06 11:32 :SH901iC :ML7ZPUMw
#314 [ゆーちん]
ついにこの日が来た。
フェリーから降りて来る美少女!
「凜ちゃーん!」
キャリーバックを転がしながら、こっちに向かって歩いて来るワンピースの少女。
:09/02/06 11:32 :SH901iC :ML7ZPUMw
#315 [ゆーちん]
「おぉ!心、わざわざ私の出迎え?ご苦労だね。」
…出たよ。
ワンピース美少女の後ろから、ひょっこり現れたのはタンクトップに短パン女。
西山香奈さん。
:09/02/06 11:33 :SH901iC :ML7ZPUMw
#316 [ゆーちん]
「俺は凜ちゃんを迎えに来たのー。香奈なんか興味なし。」
「しばらく見ない間に生意気になったね。佐奈ちゃんの車の下敷きになればいいのに。」
:09/02/06 11:33 :SH901iC :ML7ZPUMw
#317 [ゆーちん]
あぁ、そういえば佐奈と香奈も一緒に帰って来てんだっけ。
忘れてた。
俺の頭の中は凜の里帰りの事しか考えてなかったから。
西山姉妹の帰省は正直…いや、言わないでおこう。
殺されたくないもん。
:09/02/06 11:34 :SH901iC :ML7ZPUMw
#318 [ゆーちん]
「で、その佐奈ちゃんは?」
「駐車場で待ってるって。凜、行こ。」
フェリーは、人だけではなく自転車や自動車も移動可能。
:09/02/06 11:35 :SH901iC :ML7ZPUMw
#319 [ゆーちん]
佐奈は自分の車まで持って帰って来たみたい。
帰省中、島で暴走でもするつもりですか?
やめてよね。
静かな島が一気に騒がしくなるお盆の始まりなんて、考えたくもないよ。
:09/02/06 11:36 :SH901iC :ML7ZPUMw
#320 [ゆーちん]
凜の荷物だけ運ぶつもりが、なぜか香奈の荷物まで運ぶ羽目に。
コロコロと2つの鞄のタイヤを転がしながら駐車場まで引っ張った。
「あ、いた。」
香奈が指さす先には見覚えのある車が。
:09/02/06 11:37 :SH901iC :ML7ZPUMw
#321 [ゆーちん]
あのうるさくて賑やかな車じゃ、この島で確実に浮く。
持ち主と同じだ。
佐奈も香奈も、この島じゃ浮いていた。
ちょっと派手派手しい格好をしてたばっかりに、周りに怖がられたり、変な目で見られたり。
:09/02/06 11:37 :SH901iC :ML7ZPUMw
#322 [ゆーちん]
別に見た目くらい何でもいいじゃんね。
大事なのは中身だよ。
って、凜に一目惚れだった俺が言うなって?
:09/02/06 11:38 :SH901iC :ML7ZPUMw
#323 [ゆーちん]
「佐奈ちゃん、元気〜?」
「あ、心?何でいんの。」
大事なのは、中身。
中身だよ、中身。
「凜ちゃんと西山姉妹のお出迎えに決まってんじゃん。」
「はぁ?んなバレバレな嘘つくなよ。どうせ私と香奈なんか眼中になかったくせに。」
:09/02/06 11:40 :SH901iC :ML7ZPUMw
#324 [ゆーちん]
「えっ…バレた?」
「ひき逃げするぞ、ハゲ。」
怖いけど、大事なのは中身の中身なんだよ。
うん。
中身の中身がいいから、俺は何だかんだで西山姉妹が好き…なのかな。
認めたくないけど。
:09/02/06 11:41 :SH901iC :ML7ZPUMw
#325 [ゆーちん]
香奈は助手席、凜は後部座席へと乗り込む。
俺も後部座席に乗り込もうとしたら…
「心の乗る場所ないよ?」
佐奈の車の定員は4人まで。
じゃあ俺も乗れるじゃん。
:09/02/06 12:09 :SH901iC :ML7ZPUMw
#326 [ゆーちん]
「何で?」
すると佐奈は後部座席を指さした。
凜の隣を覗き込む。
…乗れない理由がわかりました。
:09/02/06 12:10 :SH901iC :ML7ZPUMw
#327 [ゆーちん]
「家出っすか?」
「ただの里帰りだっつーの!」
「里帰りの荷物の量じゃないだろ、これ。」
凜の隣には、無造作に積まれた荷物荷物荷物。
:09/02/06 12:10 :SH901iC :ML7ZPUMw
#328 [ゆーちん]
よくもまぁここまで荷物を積めるなってぐらい。
「女は何かと必要なんだよ。」
「あぁ、そうですか。」
渋々、俺は佐奈ちゃんの車を見送った。
せっかく迎え来たのに凜も車乗ってっちゃうんだもんなー。
:09/02/06 12:13 :SH901iC :ML7ZPUMw
#329 [ゆーちん]
俺は太陽に励まされながら、家までの道をのんびり歩いた。
こんな事なら自転車で来ればよかった、と後悔しながらね。
:09/02/06 12:14 :SH901iC :ML7ZPUMw
#330 [ゆーちん]
寄り道せず杉浦家まで足を進めた。
「凜ちゃーん。」
玄関は開いたまま。
ふと足元を見ると、かわいらしいサンダルが脱ぎ揃えられていた。
:09/02/06 12:17 :SH901iC :ML7ZPUMw
#331 [ゆーちん]
「あぁ、やっと来たの。」
二階から降りて来た凜は俺を見て、そう呟いた。
「片付け終わった?」
「うん、まぁ。片付けって言う程荷物ないし。」
「あ、そっか。佐奈ちゃんの荷物見た後だから、どうも感覚が。」
:09/02/06 12:17 :SH901iC :ML7ZPUMw
#332 [ゆーちん]
「あの姉妹の荷物は私もビックリした。」
凜が笑った。
夏の暑さも忘れちゃうような涼しい笑顔のせいで、俺の心臓は締め付けられっぱなし。
:09/02/06 12:18 :SH901iC :ML7ZPUMw
#333 [ゆーちん]
「散歩でも行こっか。」
「いいよ。」
今日は自転車なし。
のんびりとしたこの島を、のんびりとした足取りで歩いた。
凜は日焼け対策として日影を選んで歩く。
日なたに引きずり出してやろうかと思ったけど、そんな事して嫌われちゃやだもん。
:09/02/06 12:19 :SH901iC :ML7ZPUMw
#334 [ゆーちん]
「凜ちゃんカレーライスはいつ作ってくれんの?」
「んー、そのうち。」
「明日作って?」
「明日は澪たちと遊ぶからダメ。」
「ちぇーっ。」
:09/02/06 12:19 :SH901iC :ML7ZPUMw
#335 [ゆーちん]
「そんなに食べたいんだったらママに作ってもらいなってば。」
「マザコンキャラ定着っすか?」
「へへッ…」
:09/02/06 12:20 :SH901iC :ML7ZPUMw
#336 [ゆーちん]
俺達は自然と海に向いて進んでいた。
観光客や島の奴らが楽しそうに泳いでいる。
見慣れた光景。
「心、あっち座ろう。」
「ん。」
凜が指さした先は、やっぱり日影。
ちょっと人込みから外れた場所だったので、二人っきりという雰囲気に何だかドキドキさせられる。
:09/02/06 12:21 :SH901iC :ML7ZPUMw
#337 [ゆーちん]
海を眺めながら何をするわけもなく、ぼーっとしたり、話したい事を話したり。
やっぱりこの島が1番。
のんびりできて、羽根伸ばせて、安らげて。
それに…
:09/02/06 12:22 :SH901iC :ML7ZPUMw
#338 [ゆーちん]
「凜ちゃーん。」
「ん?」
「チューしようよ。」
「やだよ。すぐそこに人いるし。」
「バレないって。」
「変たっ‥」
好きな人が隣にいて。
海で騒ぎ回る人達に隠れながらしたキスは、子供の笑い声がBGM。
:09/02/06 12:22 :SH901iC :ML7ZPUMw
#339 [ゆーちん]
唇が離れると『バカ心。』と言って、笑ってた。
「凜ちゃんとチューできんなら、バカでも変態でも何だっていいもぉん。」
そんな俺を嘲笑った凜。
ちょっとばかり、顔が赤くなってた気がする。
本当、可愛い。
:09/02/06 12:23 :SH901iC :ML7ZPUMw
#340 [ゆーちん]
次に凜と会ったのは2日後だった。
バイトに行く為、フェリー乗り場にいた時。
「心!」
見覚えのある白いワンピース姿の凜。
「凜ちゃん!偶然だね。」
「今からバイト?」
「そうだよ。凜ちゃんは?本島に行くの?」
:09/02/06 13:18 :SH901iC :ML7ZPUMw
#341 [ゆーちん]
「ううん。」
凜の表情が少し変わったのがわかった。
「どうしたの?」
「親が、来るの。」
「えーっ!」
つい、叫んでしまった。
それほど驚く出来事なんだ。
海外を忙しく飛び回る凜の親が来るって事は。
:09/02/06 13:19 :SH901iC :ML7ZPUMw
#342 [ゆーちん]
卒業式や入学式にも出席できない程、忙しいみたいなのに…。
「よかったね。それで凜ちゃんはお迎えに来たって訳?」
「うん。」
「そっか。会うの久しぶりなんじゃない?」
「一年以上会ってないからちょっと緊張しちゃう。」
:09/02/06 13:20 :SH901iC :ML7ZPUMw
#343 [ゆーちん]
困った表情の凜を見て、悲しくなった。
親と久しぶりに会えるのに、嬉しくないのかなって。
「大丈夫、大丈夫。元気な姿見せてあげなよ〜?」
:09/02/06 13:21 :SH901iC :ML7ZPUMw
#344 [ゆーちん]
「うん。心の事、機会があったら言うつもりだから。」
「俺の事?」
「彼氏だよ、って。」
:09/02/06 13:21 :SH901iC :ML7ZPUMw
#345 [ゆーちん]
さっきまで悲しんでたくせに、その言葉で有頂天になってる俺。
「えへへ〜。」
「そのデレデレした顔やめて。気持ち悪いから。」
早めに家を出て来てよかった。
フェリーの時間までまだ少しある。
こんなところで凜に会えるなんて思ってなかったから、すっげぇ得した気分。
:09/02/06 13:22 :SH901iC :ML7ZPUMw
#346 [ゆーちん]
1秒でも長く話したいって思ってしまう。
「ごめんちょ。つーか、昨日楽しかった?澪と遊んだんだろ?」
「あぁ…うん。まぁ。」
今日の凜の顔は忙しい。
コロコロと変わってく表情。
:09/02/06 13:24 :SH901iC :ML7ZPUMw
#347 [ゆーちん]
「楽しくなかったの?」
「んー…色々あって。」
「どうしたの?」
「女の悩みってやつ。ごめん、心にも言えない。」
「あら残念。」
「ごめんね?」
「ううん、別にいいよ。女の子も大変だね〜。」
「うん…大変だよ。」
:09/02/06 13:24 :SH901iC :ML7ZPUMw
#348 [ゆーちん]
時間も気になるし、凜も気になるし…。
キョロキョロする俺に、凜は言った。
「明日の夜会える?」
「うん。でもバイトだから遅くになるよ。」
「それでもいい。」
凜から誘ってくれるなんてさ、顔が自然に緩んでしまう。
:09/02/06 13:25 :SH901iC :ML7ZPUMw
#349 [ゆーちん]
凜の顔だけじゃなく、俺の顔も忙しいや。
「また連絡する。」
「うん。ご両親によろしく。いってきます!」
「いってらっしゃい。」
凜に見送られてバイトに行くのは、なかなか気分がいい。
調度すれ違う時間だったので、凜の両親には会えなかったけど、願わくば今夜は家族団欒楽しく過ごして欲しいと思った。
:09/02/06 13:27 :SH901iC :ML7ZPUMw
#350 [ゆーちん]
翌日の夜、バイトが終わると同時に凜から連絡が入り、約束通り会う事になった。
本島から帰って来た俺を出迎えてくれた凜。
「おかえり。」
「ただいま凜ちゃん!」
抱き着きたくなったけど、我慢。
手を繋いでそのまま海辺まで歩いた。
:09/02/06 13:28 :SH901iC :ML7ZPUMw
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