冷たい彼女〔続編〕
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#401 [ゆーちん]
同級生だけではなく、佐奈という姉ちゃん的存在の人にも相談したが、なかなか決断できずにいる。


「誰にもチクったりしないって信じてるから、佐奈ちゃんも心に話したんだと思うよ。」


チクんないよ、当たり前じゃん。

⏰:09/02/16 11:43 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#402 [ゆーちん]
チクるどうこうより、俺にできることなら何だって協力してあげたいって思う。


「妊娠なんて私達には、まだまだ無関係な出来事なんだって思ってた。だけどSEXしてるって時点で、1番身近な事になっちゃうんだよね。」

⏰:09/02/16 11:43 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#403 [ゆーちん]
凜の言う通りだと思った。


軽々しい気持ちなんかで、SEXはしちゃいけないんだ。


あれは愛を確かめあう行為だから。


「澪の妊娠、とても他人事には思えない。自分が澪の立場だったらどうするだろって考えちゃうんだよね。」

⏰:09/02/16 11:44 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#404 [ゆーちん]
「俺は反対なんかしない。」


本音。


上っ面な気持ちじゃないよ。


「凜ちゃんが妊娠したなら、俺は頭を下げるよ。産んで下さいって。」


凜の大きな目は、俺をじっと見ていた。

⏰:09/02/16 11:44 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#405 [ゆーちん]
「心。」

「ん?」

「頭も丸めてくれる?」


そう言った凜に、久しぶりにハグされた。


嬉しかった。


「坊主でも何でも、凜ちゃんの為ならできるよん。」


凜の顔は見えなかったけど、俺の予想…半泣きだったと思う。

⏰:09/02/16 11:45 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#406 [ゆーちん]
小さく零れた吐息と、鼻をすする音が聞こえたから。


「…バカ。」

「じゃあ凜ちゃんはバカの彼女だね。」

「うるさい。」


笑った声も、ちょっとだけ震えてた。


何だか俺まで泣きそうだった。

⏰:09/02/16 11:45 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#407 [ゆーちん]
『カレーの時間ですよ〜。』と、なんとも拍子抜けな母ちゃんの声が聞こえたのは7時ぐらいだった。


澪の事を知った以上、色々気になっていたけど、やっぱり凜といると楽しくて…ついつい母ちゃんの呼び声だけでも2人で笑い合っていた。

⏰:09/02/16 11:46 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#408 [ゆーちん]
「そんな呼び方ないだろ。」

「心ママ、最高。」

「ごめんね、くだらないテンションの母親でぇ。」


居間にいくと、全員集合。


「あっ、はじめまして。杉浦凜です。」

⏰:09/02/16 11:46 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#409 [ゆーちん]
父ちゃん、じいちゃん、ばあちゃんとは初対面の凜は慌てて挨拶をした。


「ほぇ〜、可愛い子だ。」

「心には勿体なくないか?」


じいちゃんとばあちゃんは凜を見て、口を開けていた。

⏰:09/02/16 11:47 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#410 [ゆーちん]
父ちゃんにいたっては…


「心なんかやめて、おじさんとデートしない?」


最低発言。


「くだらないオヤジは無視していいわよ。さぁ、座って。」


と、母ちゃんに促され、俺の隣に腰を降ろした凜。

⏰:09/02/16 12:02 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#411 [ゆーちん]
少し緊張しているみたいだった。


カレーライスやサラダ、お漬物に、なぜか魚の煮物がテーブルに並べられた。


「今日も魚の煮物?凜ちゃん、これ昨日の残り物なんだよ。」


父ちゃんがチクると、足元を母ちゃんに殴られたらしく一瞬顔を歪めた。

⏰:09/02/16 12:04 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#412 [ゆーちん]
いただきますをして、6人で他愛もない会話をして食事をする。


学校楽しい?


何の授業が好き?


好きな映画は何?


本当に他愛もない会話。


だけど、江森家からの質問に凜はずっと笑顔で答えてくれた。

⏰:09/02/16 12:04 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#413 [ゆーちん]
「ごちそうさまでした。美味しかったです。」


凜は最後まで笑顔だった。


「時間があるなら、何もない家だけどゆっくりしてってね。」

「はい、ありがとうございます。」


と、いうことで部屋に戻った。

⏰:09/02/16 12:05 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#414 [ゆーちん]
「ごめんね。質問攻めで困ったでしょ。」

「ううん、楽しかった。」


凜はベットに座り、話してくれた。


「小学校時代に戻った気分だったよ。」

「小学校?」

「うん。さっきみたいに、毎日お父さんとお母さんと晩ご飯食べてたのって小学6年生までだったの。私が中学校上がって、友達付き合い優先してたから…家族団欒なんて小学生ぶり。」

⏰:09/02/16 12:05 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#415 [ゆーちん]
「そうなんだ。俺は昔からあんな感じだからさ…あんまりわかんないけど。」

「色々質問されて嬉しかった。お父さんとお母さんに質問されてるみたいで、答えるのも楽しかった。」

「そっか。」

「今度お父さん達が帰って来たら、さっきみたいに笑って話しとかできたらいいな。緊張とか遠慮とか無縁だった小学校時代みたいにさ。」

⏰:09/02/16 12:06 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#416 [ゆーちん]
そんな場面を想像した凜は、自然と笑顔になっていた。


その笑顔のためなら俺、何でもできる。


「きっとできるよ。」

「だといいけど。」


無言の合図で俺たちは唇を重ね合わせた。

⏰:09/02/16 12:06 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#417 [ゆーちん]
幸せなキス。


澪も早く、幸せになれるといいって本気で思った。


そんな夏休みも、もうすぐ終わる。

⏰:09/02/16 12:07 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#418 [ゆーちん]
●○●○●○●

>>2

●○●○●○●

⏰:09/02/16 17:18 📱:SH901iC 🆔:6OHVKZWc


#419 [ゆーちん]
○●○●○●○

2人の笑顔

○●○●○●○

⏰:09/02/18 17:18 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#420 [ゆーちん]
夏休み最後の日に、いつものメンバーが大輝の家に集まった。


中学の頃に戻ったみたい。


あの頃、大輝の家がたまり場でよく凜ちゃんとの惚気話をみんなに聞かせてたっけ。


オール無視だったけど…。

⏰:09/02/18 17:18 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#421 [ゆーちん]
大輝の家で騒いだ後、凜と香奈をフェリー乗り場まで見送る事になり、5人で向かった。


途中、いつもの海辺に立ち寄って大輝は海に向かって叫んでた。


「グッバイ夏休み〜!」


そんな大輝の隣で竜が呟いた。

⏰:09/02/18 17:27 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#422 [ゆーちん]
「グッバイ俺の春。」


香奈は大いに反応した。


「ちょちょちょちょ。竜、俺の春って…まさか別れたの?」

「うん。昨日フラれた。」

⏰:09/02/18 17:27 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#423 [ゆーちん]
竜がフラれたってのに、4人で大笑いした。


だって竜ってば、フラれるって感じのキャラじゃないんだもん。


「未練は?」

「そんなのねぇよ。新しい恋して早く忘れるつもりだから。」

「ギャハハハ!」

⏰:09/02/18 17:28 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#424 [ゆーちん]
バカ笑いする俺と大輝に、竜のキックが飛んで来たけど面白いもんは面白いんだよ。


「子沢山な家族作るのが夢なのに、なかなか思い通りにいきませんね竜さ〜ん。」

「うるせぇよバカ心!」

⏰:09/02/18 17:28 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#425 [ゆーちん]
「まじドンマイだね。香奈か凜ちゃんに女の子紹介してもらえば?」


大輝が提案した。


「探してあげるよ。うちの学校、彼氏募集の女だらけだし。」


香奈が協力してくれるらしく、商談成立。

⏰:09/02/18 17:42 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#426 [ゆーちん]
その後もくだらない話をして笑ったり驚いたり叫んだり。


時間が来て、凜ちゃんと香奈を見送ってから、男3人で竜の失恋会をすることになった。


つっても島でできる事って言えばトメ食堂奢りぐらいだけど。

⏰:09/02/18 17:43 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#427 [ゆーちん]
だからきんぴらごぼうとマーボー春雨を奢ってあげた。


美味い美味いって喜んでた。


そんな夏休み最後の日。


暑苦しい気候だったけど、とても楽しい1日だった。

⏰:09/02/18 17:44 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#428 [ゆーちん]
それからしばらくして、2つの話が動き出した。


9月の中頃、竜は恋をした。


相手は香奈の紹介で知り合った女の子。


竜は見た目に似合わず惚れっぽい体質らしく、すぐに恋に落ちてしまったらしい。

⏰:09/02/18 17:45 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#429 [ゆーちん]
「可愛いの?」

「可愛いっつーより、美人。」

「ほぉ〜。いいじゃん、竜は可愛い子より美人の子のがお似合いだぞ。」

「そう?嬉しい事言ってくれんね大輝ちゃん。」

「竜って恋するとウザいキャラになるよね。」

⏰:09/02/18 17:46 📱:SH901iC 🆔:ZDh6rUK6


#430 [ゆーちん]
「ウザい事言ってくれるね心ちゃん。」

「どういたしまして。」


朝のフェリー登校での光景。


男3人毎朝こんな話。


いまだに夏休みボケが治らないのに、竜の気の早い惚気話なんか聞きたくないっつーの。

⏰:09/02/21 16:53 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#431 [ゆーちん]
まぁでも竜が楽しいならいいや。


みんな幸せが1番だよ。


もう1つ動き出した話は、幸せなのか不幸せなのか…それはまだわからない。


明日、答えが出るらしく、俺のココロは浮足立ってた。

⏰:09/02/21 16:53 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#432 [ゆーちん]
翌日は朝から気が重かった。


澪の運命の日だから。


澪の彼氏が、今日結論を出そうと言って来た。


で、答えが出たら凜、香奈、千夏、美帆、そしてなぜか佐奈が集合して報告するっつう事になったらしい。

⏰:09/02/21 16:54 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#433 [ゆーちん]
何時にどこで集合してるのかもわからず、学校に言って授業受けて、弁当食って、先生に叱られて…で、バイト。


「江森、どったの?」


一緒にバイトをしている先輩が、俺の顔を覗き込んできた。


「何がっすか?」

「今日の江森、やけに静かだなぁと思って。」

⏰:09/02/21 16:54 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#434 [ゆーちん]
「そうっすか?」

「あぁ、もしかして彼女と喧嘩でもした?」

「してないっすよ。」

「それにしても江森の彼女って、よく食うよな。すっげぇ派手だし、年上だろ?」


はぁ?


先輩、誰かと勘違いしてる。

⏰:09/02/21 16:55 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#435 [ゆーちん]
「誰の話ですか?」

「夏休み前、ラーメン3杯くらい食いに来てたの、あれ彼女だろ?あ、もしかしてもうその人とは別れてるとか?」


バツの悪そうな顔をした先輩。


分かれてるも何も、付き合ってないし、その人と。

⏰:09/02/21 16:55 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#436 [ゆーちん]
「あれは彼女じゃないっすよ。」

「え?そうなの?」


すごく驚いていた先輩。


今の今まで、俺の彼女は佐奈だと思ってたのか先輩。

⏰:09/02/21 16:55 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#437 [ゆーちん]
なんて話をしていると店が忙しくなったので、先輩との雑談は終了。


いつものように頑張って働いた。


だけどやっぱり頭の片隅では澪の事が気になって、店のピークが過ぎた時、トイレに行ってメールをチェックしてみた。

⏰:09/02/21 16:56 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#438 [ゆーちん]
メールは無し。


着信も無し。


んー、どうなったんだろ。


超気になる。


凜に電話しようと思ったけど、いつまでもトイレに引きこもってる訳にもいかず、手を洗い、携帯電話をロッカーに戻してから店頭に戻った。

⏰:09/02/21 16:56 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#439 [ゆーちん]
「発見〜!」


…え?


カウンターに見慣れた女が6人。


「なっ、何で来てんの!」


凜、香奈、澪、千夏、美帆、それに佐奈。


「何って、ラーメン食べ来た。」

「佐奈ちゃんの奢りなんだよ。」

⏰:09/02/21 16:57 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#440 [ゆーちん]
さすが姐御だな。


奢りだなんて。


「あ、あのさ…それより…」


何て聞けばいいのかわからなかった。


澪、どうなるの?


そんな疑問が顔に出てしまったのだろう。


凜が教えてくれた。

⏰:09/02/21 17:41 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#441 [ゆーちん]
「お祝いなの。」

「…お祝い?」

「澪の結婚祝い。」


泣きそうになった。


「それじゃあ…澪…」


幸せな笑顔を咲かせ、ピースサインをした新婦が言う。


「ママになるんだぁ!」

⏰:09/02/21 17:42 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#442 [ゆーちん]
おめでとう、よかったな、幸せになれよ。


何度もお祝いの言葉が口から出てくる。


「前祝いっつー事で、とりあえず私がラーメン奢ってやんだよ。どう、私太っ腹でしょ?」


佐奈も笑ってた。

⏰:09/02/21 17:43 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#443 [ゆーちん]
「おーい、江森。お前の友達か?」


他に客がいなかったので、マスターと先輩も近寄って来た。


すると先輩がニヤニヤしながらマスターに言う。


「マスター、あの真ん中の女性が江森の彼女っすよ。」

⏰:09/02/21 17:44 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#444 [ゆーちん]
…真ん中?


「え?真ん中の女性って私?」


1番派手な、佐奈。


「先輩、だから違いますって。」

「お兄さん、心と私はそういうんじゃないですよ。心は私の奴隷みたいなもんなんで。」


と、佐奈が笑顔で説明した。

⏰:09/02/21 17:44 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#445 [ゆーちん]
すると先輩は信じがたい目で俺を見た。


「奴隷になったつもりは無いんですけど…とにかく俺の彼女じゃないっす。」


佐奈はケラケラと笑っていた。


そして先輩に本命を教えてあげた。

⏰:09/02/21 18:04 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#446 [ゆーちん]
「あの子が俺の彼女です。」


先輩とマスターが凜を見る。


凜はニコッと笑い、頭を少し下げた。


「えぇ〜っ!」

「嘘だろ?」


異常なまでの驚き方。


「江森に騙されてるよ、君。」

⏰:09/02/21 18:05 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#447 [ゆーちん]
先輩、何言っちゃってくれてんですか。


「いや、でも江森は顔と愛想がいいから。頭はちょっと心配だけど、いい奴だからな!」


マスターのフォローも、若干トゲがあるような…。

⏰:09/02/21 18:06 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#448 [ゆーちん]
「美人だな、おい。江森なんか辞めて、俺と付き合ってくんねぇかな…」


先輩のリアルな呟きを聞いた俺は慌てて話を変えた。


「もう照れるんで!話題変えましょう、ね?みんな何食べるか決まった?」

⏰:09/02/21 18:06 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#449 [ゆーちん]
オーダーを取り、俺はマスターにお願いしてみた。


「マスター、実はあの子、今度結婚するんですよ。だからチャーシューおまけしてやって下さい。」

「おぉ、そりゃおめでたい。みんなにチャーシューおまけしてやるよ。」

⏰:09/02/21 18:06 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#450 [ゆーちん]
和やかな雰囲気。


ラーメンを作るマスターと先輩と違い、俺は暇だったので澪と色々話していた。


しばらくすると『結婚おめでとう。』と言いながらマスターが澪の前にラーメンを置いた。


「ありがとうございます。」

⏰:09/02/21 19:00 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#451 [ゆーちん]
「今度、旦那さんと食べ来てよ。またチャーシューおまけするから。」

「アハハ、是非!」


すんげぇ和やか。


和やかだけど一人だけ違う雰囲気をかもしだしている奴がいた。


「江森、ちょっと集合。」

⏰:09/02/21 19:00 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#452 [ゆーちん]
「何すか?」


違う雰囲気の奴は、先輩。


なぜかそわそわしている。


「結婚する女の子ってあの子だろ?」


澪を指さす。


「はい。そうです。」

「じゃあその隣の子は?」

⏰:09/02/21 19:08 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#453 [ゆーちん]
指が澪の隣の千夏をさした。


「千夏?」

「千夏ちゃんって言うの?」

「はい。」

「千夏ちゃん、彼氏とかいんの?」

「んー、いなかったと思います。」

「じゃあ紹介して!」


えぇ〜、何だその展開。

⏰:09/02/21 19:09 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#454 [ゆーちん]
「一目惚れっすか?」

「一目惚れっつーか、千夏ちゃん可愛いじゃん。友達になりたいなぁ〜なんて。」

「一応聞きますけど、変な事しないで下さいよ?俺の大切な友達なんで。」

「しねぇよ。俺は江森と違って変態じゃないから。」

⏰:09/02/21 19:10 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#455 [ゆーちん]
凜に変態って言われるのは慣れてるけど、まさか先輩にまで変態扱いされるなんてねぇ。


…まぁいいや。


いつもお世話になっている事だし、先輩の恋を応援しますか。

⏰:09/02/21 19:10 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#456 [ゆーちん]
「ごちそうさま。」


みんなペロリと食べきり、本当に佐奈が全員分を支払っていた。


「江森ももう上がっていいぞ。彼女たちと一緒に帰ってあげな。」


マスターの優しい言葉のおかげで、いつもより少し早くに上がる事ができた。

⏰:09/02/21 19:11 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#457 [ゆーちん]
7人で夜道を歩いて、フェリー乗り場まで向かう。


凜、香奈、佐奈はここでバイバイ。


4人でフェリーに乗った。


「澪、まじでおめでとうな。」

「うん、ありがとね。」

「これからどうすんの?」

⏰:09/02/21 19:12 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#458 [ゆーちん]
「彼氏は学校辞めて働いてくれるの。私も学校辞めて家事とか料理覚えなきゃ。とりあえず来週にも籍を入れて、彼氏の実家で住むの。」

「そうなんだ。彼氏って本島だろ?」

「うん。」

「そっか。澪の父ちゃん厳しいのによくOKしてくれたんだな。」

⏰:09/02/21 19:12 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#459 [ゆーちん]
「今日朝から彼氏が家に来たの。それで不安にさせてごめんって。結婚しようって。そのあとパパとママにも挨拶した。」

「娘さんをください的な?」

「うん。でもパパはなかなか納得してくれなくて…だから私と彼氏で頑張って気持ち伝えたの。二人で頭下げてさ。そしたら100パーセント納得してくれはしなかったけど、怒りながらも、娘を絶対幸せにしろよって彼氏に言ったんだ。」

⏰:09/02/21 19:13 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#460 [ゆーちん]
そう話してくれた澪の笑顔は本当に本当に幸せそうで、目頭が熱くなった。


「よかったなぁ、澪。元気な赤ちゃん産むんだぞ?」

「おう!男の子だったら心みたいな泣き虫だけにはならないように育てないと。」

⏰:09/02/21 19:13 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#461 [ゆーちん]
澪と話していると島に到着した。


澪と美帆は同じ方向なので一緒に帰る。


美帆は、香奈と同じ高校だけど寮は使用せず実家通い。


Bガール全開のクルクル頭と、ママになるユルフワ頭は並んで帰って行った。

⏰:09/02/21 19:14 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#462 [ゆーちん]
千夏とは帰る方向は違うけど、一応送ってあげないと。


女の子を一人で帰らすな!って母ちゃんに怒られるもんな。


それに、先輩の話もあるし…。

⏰:09/02/21 19:14 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#463 [ゆーちん]
「千夏、送ってくわ。」

「ん?別にいいよ。」

「話もあるし。」

「話?浮気相手になろうって告白なら拒否だからね。」

「あーら残念。」


冗談言って笑いながら一緒に帰る事になり、クルクル頭とツンツン頭が並んで夜道を歩き始めた。

⏰:09/02/21 19:15 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#464 [ゆーちん]
●○●○●○●

更新不定期で
すみません

今日はここまで

>>2

●○●○●○●

⏰:09/02/21 19:15 📱:SH901iC 🆔:ZBtiAM72


#465 [ゆーちん]
○●○●○●○

恋の奇跡

○●○●○●○

⏰:09/02/23 10:53 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#466 [ゆーちん]
何だかんだで竜も幸せそうだし、澪も幸せ。


独り身の千夏にも幸せを掴んで欲しく、俺は口を開いた。


「ラーメン美味かっただろ?」

「うん、初めて行ったけど気に入った。また行くよ。」

⏰:09/02/23 10:54 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#467 [ゆーちん]
「おう、いつでも来てよ。」

「またチャーシューおまけしてくれるかな?」

「マスターの気分によるね。それより千夏に折り入って話があんだけど。」

「何?」

⏰:09/02/23 10:59 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#468 [ゆーちん]
「俺とマスター、それともう一人いたの覚えてる?」

「あぁ…うん。あの背高い人でしょ?」


千夏の様子が少し変わった気がした。


不思議に思いながらも俺は話を続けた。

⏰:09/02/23 11:00 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#469 [ゆーちん]
「矢崎さんって言って俺らより2つ年上なんだ。俺と同じ高校であのラーメン屋の近くに住んでる。」

「そう、なんだ。」

「で、その先輩が、その…千夏を、紹介して欲しいって‥」

「えっ!」

⏰:09/02/23 12:15 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#470 [ゆーちん]
大きな声を出して驚いた千夏の目は、真ん丸と見開いていた。


「どうしたの?」

「いや、あの…実はね?」

「うん。」

「私も心にあの人紹介してってお願いしようと思ってたの。」

⏰:09/02/23 12:16 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#471 [ゆーちん]
そう言って頬が一気に赤くなった千夏は俯いて笑ってた。


「…えぇっ?」


遅れながらも俺も驚きの声を張り上げた。


「千夏、先輩に惚れちゃったの?」

「惚れたって言うか…カッコイイじゃん、矢崎さん。」

⏰:09/02/23 12:17 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#472 [ゆーちん]
こんな奇跡…信じられない。


嬉しいを通り越して、疑惑もんだよ。


こんな事ってあるの?みたいな。


「何かあったら心が取り持ってよね。」

「あぁ…うん。もちろん。」

⏰:09/02/23 12:17 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#473 [ゆーちん]
度肝を抜かれたまま、俺は先輩の連絡先を千夏に教えてあげた。


「千夏から連絡する?」

「恥ずかしいからヤダ。矢崎さんから連絡してくれるの待つよ。」

「じゃあ明日バイトの時にでも先輩に千夏の連絡先教えて、メールでもするように言っとくよ。」

⏰:09/02/23 16:21 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#474 [ゆーちん]
「よろしく!」


喜ぶ千夏の家に到着し、バイバイした。


帰り道もなんだか頭が真っ白のままで、ぼんやりと帰宅した。


「気合い入れて歩け心!」


廊下でぶつかったじいちゃんに叱られたけど、何か気合い入んない。

⏰:09/02/23 16:21 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#475 [ゆーちん]
喜怒哀楽の激しい1日だったから疲れたのかも。


今日は早く寝よ。


明日また先輩に素敵なお知らせをしてあげなきゃいけないから、充電満タンにしとかなきゃね。

⏰:09/02/23 17:28 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#476 [ゆーちん]
「おっはー!」


自分が1番充電満タンになったつもりでフェリーに乗ったのに、俺より充電MAXの奴がいた。


「テンション高いんですね、大輝さん。」

「当たり前よ!今日は彼女との記念日だからさ〜。おデートなんです。」

⏰:09/02/23 17:28 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#477 [ゆーちん]
「へぇー。知らなかった。」

「祝え、心も竜も俺様を祝いやがれ!」


大輝に負けないよう元気な一日を過ごそうと、そのあとはテンション上げてみた。


が、ペース配分失敗らしく学校でエネルギー使いすぎてバイト前には空っぽ状態に近かった。

⏰:09/02/23 17:29 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#478 [ゆーちん]
「凜ちゃぁ〜ん。」

「テンション低。どうしたの?」

「今から家行っていい?」

「いいけど、バイトの時間大丈夫?」

「凜ちゃんに会わないとバイトなんてやってらんないよ。」

「あっそ。まぁ家にいるから勝手に鍵開けて入っておいで。」

⏰:09/02/23 17:29 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#479 [ゆーちん]
携帯電話をポケットに戻し、最後の力を振り絞り凜のマンションまで急いだ。


合い鍵を使い、中に入る。


「凜ちゃーん。」

「早かったね。やけにテンション低かったけど何かあっ‥」

⏰:09/02/23 22:05 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#480 [ゆーちん]
いきなりの充電方法に、凜は嫌がらず助けてくれた。


長く甘いキス。


思わずソファーに倒れ込んでしまったけど、キスは止まない。


「心…」


色んなキスをすると、色んな表情をしてくれる。


そんな凜が可愛くて愛おしくて仕方ない。

⏰:09/02/23 22:06 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#481 [ゆーちん]
あー…やばい。


ヤリたいかも。


バイトまであと30分。


んー…、我慢しよう。


体を起こし、凜に抱き着きながら満タンになったとお礼を言った。


「私はキスだけじゃ満タンにならない。」

⏰:09/02/23 22:11 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#482 [ゆーちん]
どっきーん。


何すか、その色っぽい発言は。


めちゃめちゃ心拍数上がりましたけど!


「まさか凜ちゃん…エッチしたかったとか?」

「自惚れるな、変態!」

⏰:09/02/23 22:12 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#483 [ゆーちん]
俺の腕から抜け出し、冷ややかな笑顔を見せた凜。


そして、キスをくれた。


何だこれ。


最高に可愛いんですけど、僕の彼女ってば。


どっちが変態だよ。


凜ちゃんも知らず知らずのうちに、相当変態になってるよね〜。

⏰:09/02/23 22:12 📱:SH901iC 🆔:VtEpKdxc


#484 [ゆーちん]
ややムラムラ気分を残したまま、バイトの時間になったので凜とバイバイした。


バイト先に到着すると、真っ先に矢崎先輩が駆け寄って来た事に、俺は思わず笑みを浮かべた。


「先輩、お疲れ様でーす。」

⏰:09/02/24 08:12 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#485 [ゆーちん]
「おっ、おう。お疲れ様。江森、あっ、あのさ。ちちち千夏ちゃんに…」


何でこんな動揺してんだ?


思わず吹き出してしまった。


「ギャハハハ!先輩焦りすぎっすよ!」

「そりゃ焦るだろ?で、その千夏ちゃんは?どうなったんだよ!」

⏰:09/02/24 08:13 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#486 [ゆーちん]
正直に教えてあげようか、それともからかってみようか…。


「江森ぃ、そんなに焦らすなよ。」


俺は器用じゃないから、先輩をからかってみるだなんて無理だね。


それに俺、そんなキャラじゃないし。

⏰:09/02/24 08:13 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#487 [ゆーちん]
携帯電話を取出し、アドレス帳から千夏を探した。


そして【千夏】と表示された画面を先輩に見せる。


「千夏も先輩と仲良くなりたいみたいなんで、先輩から連絡してあげてください。」

⏰:09/02/24 08:15 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#488 [ゆーちん]
「…へ?」


何かよくわかってない様子の先輩。


「ほら、早く赤外線の準備してくださいよ。千夏の連絡先知りたくないんっすか?」


やっと理解のできた先輩はパーッと笑顔を咲かせ、自分の携帯電話を取り出した。

⏰:09/02/24 08:15 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#489 [ゆーちん]
赤外線完了。


「先輩から連絡してあげてくださいよ?」

「おぉ、おう。わ、わかってる!」


大丈夫かな、先輩。


「江森、ありがとな!」


笑ってくれた、先輩。


喜ばれると俺まで嬉しくなる。

⏰:09/02/24 08:16 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#490 [ゆーちん]
その日のバイトでの先輩は、とんでもなくご機嫌で常連さんにも『何かいい事あったのか?』とからかわれていたぐらい。


喜ばれる事をすると、自分を褒めたくなるのはなぜなんだろう。


そんな事を思うのは、俺ぐらいなのかな?

⏰:09/02/24 08:16 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#491 [ゆーちん]
毎日が楽しそうな竜や千夏、それに先輩を見ていると、いつの間にか秋が近付いていた。


竜は相変わらず友達以上恋人未満の関係を楽しんでいるらしく、告白する機会を伺っているらしい。

⏰:09/02/24 08:18 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#492 [ゆーちん]
千夏と先輩はもうあと一歩。


お互い好きなのに、どちらも照れてしまい告白できずにいる。


そんなじれったい関係、見ているこっちがウズウズしてしまうんだ。


そんな秋の入り口。


凜の人生も変化しようとしていた。

⏰:09/02/24 08:18 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#493 [ゆーちん]
●○●○●○●

>>2

●○●○●○●

⏰:09/02/24 08:19 📱:SH901iC 🆔:cic0lmnk


#494 [ゆーちん]
○●○●○●○

震える声

○●○●○●○

⏰:09/02/26 18:13 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#495 [ゆーちん]
「冬休みにね両親が来るの。」


凜はマグカップを握りながら呟いた。


「そうなの?よかったね。」


ココアを飲んだ凜の表情は【よかった】とは程遠いものだった。

⏰:09/02/26 18:14 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#496 [ゆーちん]
「そうでもないよ。」

「どうして?」

「今までは海外を飛び回ってたんだけど、来年からはアメリカに留まれるみたいなんだ。」

「へぇ、いいねアメリカ。」


軽い気持ちで聞いていたけど、凜の次の言葉で俺の心臓は大きく波打った。

⏰:09/02/26 18:15 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#497 [ゆーちん]
「私をアメリカに連れて行くって、お父さん張り切ってるんだって。」


…それって、つまり。


「凜ちゃんがアメリカに行っちゃうって事?」

「…かもしれない。」

⏰:09/02/26 18:16 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#498 [ゆーちん]
思わず凜の手を握っていた俺。


「泣きそうなんだけど。」

「フフッ。何で?」

「凜ちゃんいないと生きてけないもん。」


そんな女々しい事を言ってる男なんて、頼りないって思われただろうな。

⏰:09/02/26 18:17 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#499 [ゆーちん]
だけど本当なんだ。


俺は凜がいないと無理だから。


海外なんかに行くだなんて、耐えられない。


「寂しいから行かないで。」

「…その言葉をどうして卒業の時に言ってくんなかったのよ。」

⏰:09/02/26 18:18 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#500 [ゆーちん]
数ヵ月前の事を思い出し、凜は笑ってた。


あのおかげで、俺は今、寂しいから行かないでと素直に言うって事を学べたんだ。


「あの時はごめん。でも今は…話そらさないで。」

「あぁ、うん。ごめん。」

⏰:09/02/26 18:18 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#501 [ゆーちん]
「凜ちゃんはお父さん達に何て言ったの?」

「行きたくないって言ったよ。」

「だったら…」

「心。あの時とは違うんだよ。島から本島に行くのと、本島からアメリカに行くのは訳が違う。」

⏰:09/02/26 18:20 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


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