漆黒の夜に君と。[BL]
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#803 [ちか]
「いいんですか?」
冷静を保ったままの声に、俺は襖に手をかけた時足を止めた。
「どう言う意味ですか…?」
振り返らずに口を開いた
「冥さんがこの勝負を受けないのなら、私は身を引きません。」
余裕な口調が解せない。
:09/03/27 23:08 :P906i :Kttm89gw
#804 [ちか]
「それがなんだって言うんですか。」
そんなの俺だって同じだ
絶対恭弥を譲ったりなんか‥‥、
「分からないんですか?
身を引かないと言うことは、どんな手段を使っても貴方達を引き離すと言う意味です。
同性同士の貴方達を引き離す事なんて簡単なんですよ?」
その瞬間、心臓が一気に心拍数を上げた。
どうしようもない焦りが俺の胸を掻き鳴らす。
:09/03/27 23:15 :P906i :Kttm89gw
#805 [ちか]
思わず俺は神楽さんの方へと振り返った。
「そ‥んな…こと‥っ」
落ち着け、落ち着け俺。
“引き離す”
その言葉を聞くだけで胸が張り裂けそうになる。
そんな事されたら俺…っ
動揺を隠しきれない俺に、微笑む神楽さん。
全部予想の範囲内ってワケか…。
こんな事なら端から優里の言う通り気をつけておくべきだった…!!!
バカだ…ほんとバカだ俺…。
自分の愚かさに、涙が滲んだ。
:09/03/27 23:27 :P906i :Kttm89gw
#806 [ちか]
「どうしますか?
勝負…受けてくださいます?」
神楽さんの言葉が俺の胸に刺さる。
どっちにしろ、俺に選択肢は無いってワケだ。
「…………受け‥ます。」
俺は小さく呟いた。
恭弥‥‥‥ごめん…。
俺がバカだったから、こんなことに…
でも、俺は恭弥との仲が引き離されることの方が辛いんだ…
苦しくて‥‥‥どうしようもなく恐いんだ‥
:09/03/27 23:32 :P906i :Kttm89gw
#807 [ちか]
俺は恭弥を信じてる。
恭弥がいつだって俺を信じてくれてるように。
ここに着くまでに、どんな罠が用意されてるかは分かんないけど‥‥
でも恭弥なら大丈夫だろ?
恭弥に勝てないモノなんて無いよな…?
信じてる。
信じてるから、どうか無事にここまで来て…――
:09/03/27 23:40 :P906i :Kttm89gw
#808 [ちか]
― 恭弥side.―
僕は今、某ビルの前に立っている。
「ここに居るの?」
睨みをきかせながら松山に問う。
「手紙にはそう書いております…」
そう返事を聞いてから、
一度ため息をついた。
なんで僕がこんなとこに来なきゃ行けないの、全く。
ただでさえ今機嫌が悪いって言うのに。
あぁ、仕方ないから僕がなんでこんなに嫌がりながら此処に来ているか説明してあげる。
:09/03/28 17:43 :P906i :xsG6IXG.
#809 [ちか]
それは一時間とニ十分ほど前のこと‥‥―――
僕は自分の部屋の窓から、じっと入り口を見ていた。
冥を乗せた車がなかなか帰ってこないからだ。
ふと腕時計に目をやると、いつもの帰ってくる時間を一時間も過ぎていた
車は既に学校に着いていると連絡を受けている。
なら、なんで冥が帰ってこない?
下校時間なんてとっくに過ぎている。
:09/03/28 17:50 :P906i :xsG6IXG.
#810 [我輩は匿名である]
:09/03/28 17:55 :P906i :bLtR/FB2
#811 [ちか]
>>810└→我輩は匿名さま*
アンカ-ありがとうございます★^^
:09/03/28 18:20 :P906i :xsG6IXG.
#812 [ちか]
>>809一向に車が帰ってくる気配はない。
一体どうなってるんだ?
ただでさえ、ここ最近は
高橋(英語教師)が冥を居残らすものだから一緒に居られる時間が減ってつまらないのに。
僕は苛立ちをおさめる方法を考えようソファーに座り込んだ。
:09/03/28 18:24 :P906i :xsG6IXG.
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