漆黒の夜に君と。[BL]
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#861 [ちか]
暫くして襖に黒いシルエットが映り、ゆっくりと開いた。
恭弥‥‥―――ッ
そこに立っていたのは紛れもなく恭弥だった。
自然と身体が前のめりになって、今すぐその名前を呼びたかったけど、俺のすぐ隣に立っていた男にがっちりと掴まれてどうする事も出来なかった。
:09/04/02 14:01 :P906i :Mc5Yvxbs
#862 [ちか]
恭弥も少し驚いた顔をして俺達を見ていた。
「どうして此処に神楽が?」
と恭弥が呟くと、隣で神楽さんが自分も捕まったんだと叫んだ。
これもこの人の作戦か何かか‥?
ワケが分からなくて俺の頭はさらに混乱する。
:09/04/02 14:12 :P906i :Mc5Yvxbs
#863 [ちか]
傍に立っているスーツの人が胸元から銃を取り出すと俺のこめかみに当てた。
銀色のソレから冷たい感触が伝わってくる。
どっちかを返すだの、
殺すだの‥‥
全然話についていけないんだけど!!
恭弥にどっちか選ばせて勝敗を決めるつもりか‥?!
話が違うじゃん…っ!!
:09/04/02 14:25 :P906i :Mc5Yvxbs
#864 [ちか]
一方の恭弥も黙ったまま
俺を助けに来てくれたんじゃないの…?
まさか、俺と神楽さんのどっちかで迷ってるの…?
そんな…―――
気づいてよ…ッ
全部神楽さんが仕組んでるのに‥‥っ!!!
言いたくても言えないそのもどかしさでさらに胸が苦しくなる。
潤む目で恭弥が見れなくて俺は下を俯いた。
鎖の音が小さく部屋に響く。
:09/04/02 14:34 :P906i :Mc5Yvxbs
#865 [ちか]
「そう言うことね。」
向こう側から小さく恭弥の声が聞こえた。
“そう言うこと”‥?
何が分かったんだ?
咄嗟に顔をあげると、恭弥は笑っていた。
いや、目は完全に獲物見つけた肉食動物の目だけど。
:09/04/02 15:49 :P906i :Mc5Yvxbs
#866 [ちか]
一歩、また一歩と恭弥がこっちに歩いてくる。
「来るなッッ!!!!!それ以上近づいたら2人とも…ッ「いい加減にしてくれませんか?‥‥倉田さん。」
面倒くさそうな口振りで恭弥がそう言うと一瞬、スーツの人達の動きが止まった。
それを見て恭弥はクスリと笑うと神楽さんに視線を落とした。
:09/04/02 16:52 :P906i :Mc5Yvxbs
#867 [ちか]
「全部神楽の仕業ってわけ?なんのつもりなの?こんな事して。」
そう言って恭弥は神楽さんをきつく睨み付ける。
恭弥気づいたのか…?!
でもなんで‥‥‥、
「なッなにを仰っているんですか!!私は捕まって…ッ」
「ソレ。」
神楽さんの動揺で震える声を遮って恭弥が指差したのは俺達を縛っている鎖だった。
:09/04/02 16:59 :P906i :Mc5Yvxbs
#868 [匿名]
:09/04/02 17:39 :SH905i :y.H7GPLA
#869 [ちか]
>>868└→匿名さま*
アンカーありがとうございます★今から更新するので、続きも楽しんで頂けたら嬉しいです♪´ω`*
:09/04/02 18:10 :P906i :Mc5Yvxbs
#870 [ちか]
>>867「それくらいの鎖、本気出せば壊すことなんて簡単だよね?
それにこのビルの造りに似合わない畳の部屋。神楽の趣味でしょ?
それから気づくまで時間がかかちゃったけど真ん中の人は神楽の執事(世話係り)‥‥、どう考えても君の仕業だよね?」
すらすらと言ってのける恭弥に神楽さん苦笑いを浮かべた。
「…さすが恭くんですね。降参です。」
神楽さんがそう呟くと同時に構えられていた銃がゆっくりと降ろされる。
:09/04/02 18:28 :P906i :Mc5Yvxbs
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