スーパースター、スーパーヒロイン
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#90 [Gibson]
私の体は、元の姿に戻ることなく、変身が解けそうになった部分も、再びモビルスーツに覆われた。

「…いつまでもこうしちゃいられない…。」

傷だらけの体を起こし、よろめきながら食糧庫へと向かった。

「…あった!爆弾だわ!」

棚の奥の方に置かれてあった、時限装置が設置されてあるそれを発見した。

⏰:09/02/08 01:23 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#91 [Gibson]
「…後20分…。」

目の前にある爆弾が、デジタル表示で爆発までのカウントダウンを、正確に刻んでいる。

私には爆弾に関しての、専門の知識がない。
下手にいじって、起爆させてしまったら、元も子もない。

私はそれを慎重に持ち上げ、落とさないように両手で抱えた。

「紗世子、どうするつもりだ!?」

ナナの言葉に返事もせず、食糧庫を出る。

⏰:09/02/08 01:32 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#92 [Gibson]
とにかく、人気のない場所へ…―

その思い一心で、1階まで階段を駆け下りる。

そして外に出ると、全力疾走で街を走る。

特異な体質を得た私は、もはや電車や自動車を追い越すことも訳ないほど、凄まじい速さで駆けている。

⏰:09/02/08 01:46 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#93 [Gibson]
この辺りの地理は、だいたい把握している。

私は街の外れにある、広い河川敷へとやって来た。

デジタル表示を見ると、残り10秒、9秒、8秒…と、既に時間はほとんど残されていなかった。

「だぁぁああーっ!!」

私は川に向かって、思い切り爆弾を投げた。

⏰:09/02/08 01:53 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#94 [Gibson]
3秒、2秒、1秒…―

…ドォォオオン!!

空に、巨大な黒い閃光が放たれた。
物凄い爆発音に、思わず両耳を塞ぐ。

「お、終わった…。」

爆発の煙が、ゆっくりと川の中に垂れ下がっていく。

安心とそれまでの緊迫感から解放された思いで、腰が抜けたように、その場にへなへなと座り込む。

「紗世子!大丈夫かっ!?」

後を追って来たナナが、私の元へと駆け寄る。

⏰:09/02/08 02:02 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#95 [Gibson]
数日後―

「ニュースや新聞では全然爆弾騒動のこと取り上げられていないし…なーんか正義のヒロインって言っても、地味な仕事ね!」

私はナナと、爆弾を投げた河川敷に再び来ていた。

命懸けでやったことの扱いのされなさに、少しふて腐れる。

「まあ、爆弾のことも組織のことも、お主以外は誰も知らないのだから。

それに、この任務に華やかさを求めているようでは、まだまだ半人前だな!」

「はぁーい。」

⏰:09/02/08 02:11 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#96 [Gibson]
「…私、おばあちゃんの素質を引き継いでないみたい。
すごかったんでしょ、私のおばあちゃんは。」

「いや紗世子、お主は千葉瑠璃子を越える逸材かも知れない。
的確な判断力に行動力、そして、負けん気の心。
今回はどれをとっても素晴らしかったぞ。」

「やっだぁー!急に誉めたりしないでよー!」

嬉しさから、私はナナをどついた。

⏰:09/02/08 02:18 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#97 [Gibson]
「それにしても、組織は何故こんなにも私たちに憎悪を抱いてるのかしら?

…まあいいわ、次に奴らがどんな行動を取ったとしても、それにひたすら立ち向かっていくだけよ!」

その場を立ち上がり、ガッツポーズをする私。

「…いい心意気だ。」

人間ではないナナと見る夕日は、いつもよりうんと綺麗だった。

⏰:09/02/08 02:24 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#98 [Gibson]
平穏を壊したり、人々を苦しみの中に放り込む、
そんな奴らは、この私が許さないわ。

私たちにどんな憎しみを抱いているのかはわからないけど、そのやり方はきっと間違ってる。

組織はこの手で、必ず崩壊させてみせる…!

それまでは全力で、与えられた任務を遂行するわ!

⏰:09/02/08 02:30 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#99 [Gibson]
「あっ、いけない!
今日は7時から、特撮のスペシャルがあるんだった!」

猛ダッシュで河川敷を走る。

「紗世子、本当に生身の姿か?
変身した時みたいに速いぞー!?」

その後を追うナナ。

そう、平和はただそこにあるんじゃない。
人々の手で、作り上げるものよ。

誰の手も借りられない私は、夜空に一つだけぽつんと煌めく星のように孤独だわ。
だけど、寂しく思ったり、くじけたりなんかしない。

その声を聞かなくても、皆が私の力を必要としているのだから。

Chapter01 END.―

⏰:09/02/08 02:43 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


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