今でも
最新 最初 🆕
#146 [なおみ]
部屋に入った瞬間、きみちゃんの匂いがした。

私は急に切なくなった。

亮が部屋に入り、夏樹さんと何か話していた。
私は夏樹さんに挨拶もできずに、夏樹さんを見ることもできずに、ただ一点に集中していた。

部屋の奥のベッド。

頭に包帯をぐるぐる巻いていて、色々な機材が繋がれている人。

間違いなく、きみちゃんだった。

⏰:12/08/08 08:48 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#147 [なおみ]
私「きみちゃっ...」

私は思わずきみちゃんの両肩を掴んだ。

きみちゃんは眠っているようで、ただ繋がっている機械の音が響いていた。

私「や、きみちゃん!きみちゃん...!」

私は恐くて揺することはできなかったけど、何度も名前を呼んだ。

腫れ上がっている顔を見て、別人のような気もしたけど、紛れもなくきみちゃんで、これが現実なんだって実感した。

⏰:12/08/08 20:34 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#148 [なおみ]
泣きながらきみちゃんの名前を呼ぶ私を見て、亮も夏樹さんも泣いていた。

私は亮からきみちゃんのことを聞いたあと、脳死のことをちょっと調べてた。
内容は、亮が言ってた通りだった。

回復する事例は奇跡的なこと。

その回復したっていう事例だって、脳死って誤診だったんではないかって書き方もちらほらあった。

セカンドオピニオンを受けるとか、色々まだやれることはある。
けど、私は赤の他人だってこと。

奥さんでもなければ、親戚でもない。

私がとやかく口出しできる立場じゃないってこと。

そんなやるせない気持ちでいっぱいだった。

⏰:12/08/08 20:51 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#149 [なおみ]
私がいつまでもきみちゃんの手を握って泣いている状態を見て、亮が椅子を持ってきてくれた。

亮「なおみ...。」

私は立てなかった。
それを分かって、亮が私を持ち上げて座らせた。

ティッシュで私のぐちゃぐちゃになった顔を拭いてくれた。

その光景が、お別れをしたときのきみちゃんの姿と重なって、また泣けた。

⏰:12/08/08 20:58 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#150 [なおみ]
私「うっ...」

私はまた泣き出した。
亮はそんな私を抱き締めてくれた。

亮「泣くな泣くな。公貴の前では笑ってろ。」

私は亮のその言葉に余計泣いた。

夏樹さんがお茶を買ってきてくれた。

夏「なおみちゃん?初めまして。公貴の妻の夏樹です。」

夏樹さんはしゃがんで、お茶を渡してくれた。

⏰:12/08/09 10:06 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#151 [なおみ]
私「初めまして...。すみません、なんか、あたし...こんな...。」

夏樹さんは少し笑って私を撫でた。

夏「ありがとう、公貴のためにそんなに泣いてくれて。」

夏樹さんは、線が細くて、大人な女性って感じだった。
イメージと少し違った。

夏「公貴もね、きっと喜んでる。」

眠っているようなきみちゃんを、夏樹さんは見つめてた。

⏰:12/08/09 10:13 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#152 [なおみ]
夏「亮にね、なおみちゃんを呼んでって言ったのは私なの。」

私「え...?」

私は亮の顔を見た。
亮も私を見つめ返した。

夏「公貴が危篤状態のとき、公貴の携帯から色んな人に連絡取ったの。そしたら、なおみちゃんのメールを見て。」

私はそのときまっすぐ夏樹さんを見ることができなかった。

夏「最初は、哀しみしかなかった。」

私は俯いた。

⏰:12/08/09 10:34 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#153 [なおみ]
夏「それで、亮なら何か知ってると思って、私が亮に聞いたの。」

私はいたたまれなかった。

亮「なおみ、ちょっと外出るか。」

亮は私を起き上がらせて、外に連れ出した。



中庭みたいなところに出て、ちょっと歩いてた。

亮「悪いな。夏樹、今情緒不安定でさ。別になおみを責めるつもりで呼んだんじゃねんだよ。」

私は頷いた。
夏樹さんの精神が安定していないのは、目を見て分かった。

けど、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまっていた。

⏰:12/08/09 10:58 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#154 [なおみ]
亮「なあ。泣くなよ?」

亮はにかっと笑って言った。

亮「俺さ、なおみのこと気に入ってたんだよ。」

亮は照れた感じで笑ってた。

亮「でも、なおみが公貴のこと気に入ってたのは、とし○えんのときに既に気付いてた。ちょっと頑張ってみようと思ったけど、なおみのメールの返事で脈なしだってすぐ分かった。」

亮は爽やかに話してた。

⏰:12/08/09 22:32 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#155 [なおみ]
亮「公貴からなおみのこと聞いたのは、その年の暮れだった。おいおい!いつの間にそんなんなってたんだよー!って感じだった。笑」

私はちょっと笑った。

亮「そのときは、公貴も色々悩んでてさ。まあ、なおみのことでさ。」

私は胸がぎゅうってなった。

亮「なおみに中途半端なことしたってさ。でも一緒にいられないって。」

私「ふ...。」

私は案の定泣いた。

⏰:12/08/10 08:13 📱:Android 🆔:rbofEMRk


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194