幸せの歌
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#4 [水雄]
その話を聞かされたとき、僕は少し不機嫌になった
久しぶりに友人達と心置き無く騒げると思ったのに、今まで会ったこともない人が乱入してくるなんて、その上遅刻してくるとは
自分で言うのもおかしな話だが、クソ真面目な僕は、初対面だけどハッキリ言ってやろうと考えていた
そして、あまり関わりたくないと思っていた
その30分後、優は来た
「遅れて本当にごめんなさい!」
そう言って優は頭を下げた、可愛らしい声だった
頭を上げたその姿を正面から見たとき、心を持っていかれた
長くて綺麗な黒髪、大きな目、僕より少し背が低い
生まれて初めての一目惚れだった
「そんなこと関係あるか!言ってやる!」と意気込んでいた僕は、少しぶっきらぼうに
「早く行こう」としか言えなかった
12/06/25 11:25 iPhone :6MiDtwHE
:12/12/09 13:35
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#5 [水雄]
そのままみんなでカラオケへ
それぞれ好きな歌を歌い、かなり盛り上がった
そして、優の歌う番が来た
決して美化しているわけではないが、正直高校生のカラオケレベルではなかった
そのカラオケの間、何度か優の方を見たが、なかなか顔を合わせてくれなかった
あの言い方はマズかったかな…
そんなにきつい口調で言ったかな…
そんなことを考えているうちにお昼の時間
そのままカラオケボックスで食べることにした
ラーメンを頼んだ僕は、長かった前髪を束ねて、丁髷みたいにして食べていた
すると目の前から笑い声が聞こえた、優が笑っていた
「それ可愛いです!とても似合ってますよ!」
それが、あいつが僕に初めて掛けてくれた言葉だった
:12/12/09 13:37
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#6 [水雄]
カラオケボックスから出てみんなでプリクラを撮りに行った
その時、優は僕の隣にいた
死にそうなくらいにドキドキした、上手く笑えなかった
そのあとは一言も言葉を交わさず解散、バイバイと手を振ると、顔をうずくめて恥ずかしそうにあいつは手を降った
その姿に、また心を奪われた
たった1日で、驚くほど好きになってしまっていた
:12/12/09 13:39
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#7 [水雄]
その日の夜、僕のブログのBBSに書き込みがあった、あいつからだった
『今日は本当にありがとうございました!またみんなで遊びましょうね』と書いてあった
それからBBSでのやりとりが続いた、200件ぐらいしか書き込みがなかったが、3日後には1000近くまで行っていた
やがて普通にメールをするようになり、1月12日に僕と優は二人きりで会うことになった
:12/12/09 13:41
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#8 [水雄]
そして迎えた1月12日、朝目が覚めた瞬間から心臓がドキドキしていた
死にそうな位に緊張していた
学校の授業も頭には入らなかった
そして集合時間10分前、約束していた場所に着いた
しばらく待っていると、向こうから髪の長い女の子が歩いてきた、優だった
僕「あ、どうも」
優「こんにちは…」
スタートはかなり不安だったが、案外あっさり打ち解けていった
その日はいろんな事を話した
好きな動物、好きな食べ物、好きな芸能人
意外にも一致しているものは多かった
あいつはどんどん僕に質問してきた、そして不安そうな声で
「あの・・・水雄さん彼女はいますか?」と聞いてきた
「いませんよ、っていうか彼女できたことないです(笑)」
引かれるんじゃないかと思ったが、事実だった
笑ってごまかした
:12/12/09 13:45
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#9 [水雄]
すると優は
「え!?本当ですか!?意外です!」と答えた
正直心臓バクバクだったが、また笑ってごまかした
そのあとは本屋さんに行ったり一緒に服を見たりしていた、普通にデートしているみたいだった
辺りも暗くなり、夕食を食べに行った
美味しいオムライスを出す、可愛らしい店だった
すると優がこう言った
「ここの屋上から見える夜景、とっても綺麗なんですよ!食べ終わったら見に行きましょうよ!」
そういうのは普通僕が切り出す話じゃないかな…とか考えながら僕は
「じゃあ、食べ終わったら見に行きましょうか」と呟いた
:12/12/09 13:48
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#10 [水雄]
屋上に登ってみると、そこには本当に綺麗な夜景が広がっていた
見たことにもない風景に、口をバカみたいに開いて感動している僕に優は「ね?言ったとおりでしょ?」と笑顔で言い放った
優は落下防止用の柵に手をかけ、夜景の美しさに改めて感動しているようだった
その後ろ姿があまりにも愛しくなって、どうしようもなくて
気がつけば僕はあいつを後ろから抱き締めていた、その瞬間あいつの肩が少し揺れた
そしてそのまま気持ちを打ち明けていた、好きだと言った
今まで散々フラれてきた、期待はしてなかった
ただ、気持ちは伝えたかった
しかし答えはOKだった、意味がわからなかった
僕はその日、初めてキスをした
:12/12/09 13:50
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#11 [水雄]
そのまま屋上で話をした
その時、意外な事実を知った
カラオケに行ったあの日、なぜ顔を合わせてくれなかったのかを教えてくれた
「実は私、一目惚れしてしまってたんです、恥ずかしくって顔見れなくって・・・」
正直、さっぱり意味がわからなかった
女の子に告白された事も無いし、一目惚れなんかされたことも無い
ましてや女の子と話をしたことすら、数えられるほどしかない
でも嬉しかった、そんなことを言ってくれる人がいるなんて思ってもいなかった
何より、お互い一目惚れだったという奇跡が、薄っぺらく聞こえるかも知れないが運命だと思った
そして優は話してくれた
:12/12/09 13:53
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#12 [水雄]
優「水雄さん、あの神社見えますか?去年の年末、私元彼と一緒にお参りしたんです、ずっと一緒にいられるようにって。でも、その数日後、元彼は浮気をしてました、すごく悲しくて、大好きだったけど別れました、それをすぐに忘れさせてくれたのが、水雄さんなんです。」
僕「そうでしたか…、でも僕、具体的に優さんには何もしてませんよ?」
優「前に会った時のこと覚えてますか?あの時、水雄さんが突然前髪を結いて、その姿が面白くって、つい笑ってしまいました。何をしても楽しくなくて、笑えなかった私を笑わせてくれたのが水雄さんでした、すごく小さなことだけど、私にとってはとても大きなきっかけです。だからこれからも、私のことをもっと笑顔にしてくださいね?」
この一言が、ただただ嬉しかった
:12/12/09 14:04
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#13 [水雄]
その日はもっともっと話をしたかったが、時間も遅かったので、グッと堪えて家に帰らせた
バス停まででいいと言われ、そこまで見送った
今度はあいつが先にバイバイと手を振った
以前とは大違いの、満点の笑顔だった
:12/12/09 14:04
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