幸せの歌
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#34 [水雄]
五月、ついに優が僕の家に遊びに来る日がやって来た
最寄りの駅で待っていると優が来た
僕「おっす!待ってたぞ!」
優「うん、ありがと…」
どう見ても大丈夫ではない、それでも僕は底抜けに明るく振る舞い、家まで一緒に歩いた
僕「じゃあ上がって、お菓子も用意してあるぞ〜」
それでも優の表情は曇ってる、どうやって聞き出すべきか迷った
僕「…少し頑張り過ぎたか?」
優「…うん」
僕「何があったか、話せる範囲で良いから教えてくれないか?」
その瞬間、優が僕の顔を見た
涙を必死で堪えた、今にも崩れてしまいそうな表情だった
:12/12/10 15:03
:iPhone
:D.8iEEJk
#35 [水雄]
優が話してくれた事は、とても悲しいことだった
同じ学校の人達から酷い事を言われ続け、心が悲鳴をあげていた
耳を覆いたくなるような言葉を浴びせられていた、それがとても辛くて悲しかったそうだ
抑えようのない怒りがこみ上げてきた、しかしどうすることもできなかった
優が通っていた学校は女子高で、恋愛どころか身内以外の異性と話すことすら禁止している奇妙な学校だった
下手に僕が動けば、優も罰を受けることになる、それだけは避けなければならなかった
僕「ごめんな、そんなに辛いことがあったのに、気付いてやれなくて…」
優「…ううん、いいんだよ、こうして話を聞いてくれることがありがたいから…」
それでも優の涙は止まらない、肩は震えて声が消えていく
そんな優を真正面から抱き締めた、力強く、大丈夫だよと言い聞かせるように
そして僕は優を抱き締めたまま歌を送った、僕が辛くてどうしようもない時にいつも聴いていた歌だった
:12/12/10 16:43
:iPhone
:D.8iEEJk
#36 [水雄]
誰もが皆幸せなら歌なんて生まれない
このフレーズから始まる歌は、THE BACK HORNのキズナソング
ずっと優は泣いていた、でも震えた声で
『ありがとう』
と確かに呟いた
背中を摩りもう一度強く抱き締めた
歌が終わり、もう一度優の顔を見た、笑顔に変わっていた
優「さっきの歌、なんていう歌?」
僕「もう一度歌おうか?」
優「いい!泣いちゃうから。でも良い歌だね」
何があっても一緒だ、改めて強く約束した
それが簡単に崩れるなんて思ってもいなかった
:12/12/10 16:58
:iPhone
:D.8iEEJk
#37 [水雄]
五月の半ば、ブログからメールが届いた、いわゆる申請というものだった
「初めまして!私も○○(よく書いてたバンド名)大好きなんです!良かったら友達になりませんか?」
何も考えず承諾した、これが引き金となった
優からのメールが突然素っ気なくなった、当時の僕は何も思い当たる節が無く、理由がさっぱり分からなかった
僕「最近機嫌悪いけどどうした?何かあった?」
優「そう聞きたくなるほど後ろめたい事でもあるの?」
僕「いや、何も無い」
この時から既に、崩れ始めていた
:12/12/10 17:17
:iPhone
:D.8iEEJk
#38 [水雄]
それから数日間、優から返ってくるメールはすべて不機嫌だった
今考えてみれば、なんとなく分かる
でも当時の僕は何も分かっていなかった
ついに僕は優に電話をした、答えを知りたかった
僕「最近どうしたんだ?気に障るような事したか?何も言わず不機嫌に振る舞うなよ」
優「本当に何も分からないの…?どうして他の人と楽しそうにやり取りするの?私の目が届く所で、よそ見しないって言ってたのに…」
そこで初めて気がついた、その瞬間猛省した
何度も謝り、ブログを退会した
それでも優の心に残った傷は大きかった、裏切られたと感じたのだろう
直接話をするため、遊びに行こうと誘った
その日は6月の19日に決まった
:12/12/11 18:53
:iPhone
:F2M6laig
#39 [我輩は匿名である]
一気に読みました。続き気になるので、また書いて下さいo(^-^)o楽しみにしてます
:12/12/11 19:57
:SH03B
:DQPhqJFM
#40 [水雄]
>>39匿名さん
目を通していただきありがとうございます
匿名さんの言葉が励みとなります、誤字脱字の無いよう気をつけます
:12/12/11 22:21
:iPhone
:F2M6laig
#41 [水雄]
六月を目前にしても、優の態度は変わらなかった
メールは10通と続かず、内容も薄かった
19日にちゃんと話せるのか不安だった
しかしそんな中でも、遊びに行く約束はできた
6月23日、街では祭りが開かれる
女性は浴衣を着て、屋台が立ち並び、人が溢れ返る賑やかな祭りだ
その祭りに誘えた事が嬉しかった、楽しみで仕方がなかった
その日が最後になるとも知らずに
:12/12/12 09:44
:iPhone
:3gw2yLDY
#42 [水雄]
6月に入り、僕は焦りを感じていた
初めて2人きりで会った日とは違った不安が、頭の中をぐるぐる巡っていた
僕「来週、何時から遊ぶ?」
優「まだ分からない、分かったら連絡する」
この頃から既に、崩壊を自覚していた
でもどうにか修復できると信じていた
表現できないほどの不安と焦り、何処と無く感じる孤独と違和感
自分の知らない所で、とんでもない事が起こってるんじゃないか、その予感はまさに的中していた
そしてやってきた6月19日、この日から全てが壊れ始めた
:12/12/12 11:22
:iPhone
:3gw2yLDY
#43 [水雄]
朝、携帯が鳴った、優からだった
優「今日検定だった、お昼からにしよう」
僕「了解、頑張ってな」
昨日から連絡しようと思えばできたはず、でもあえて何も言わなかった
朝食を食べ、家を出て出掛けた、本でも読んで時間を潰すつもりだった
ふと時計を見た、2時を過ぎていた、それでも優からの連絡は無かった
僕は優に電話を掛けた
:12/12/12 11:28
:iPhone
:3gw2yLDY
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