僕しか知らない君へ
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#312 [太郎]
伊月は短大を卒業して、すぐに就職。
ずっと入りたかった所には入れなかったみたいだけど、昔から伊月の好きな化粧品会社に入れたみたいで、毎日楽しくやってるみたいだ。
仕事の話を楽しそうに話してくれた。
職場が、実家からは結構遠いから一人暮らしとかしてんのかと思ってたけどまだ実家住まいで毎日通っているらしい。
すごい毎日忙しそうだけど、前からやりたかったらしいベリーダンスのレッスンも最近始めたみたいで、伊月らしいなぁって感心した。
:14/05/14 01:12 :SBM302SH :3FFnI6i6
#313 [太郎]
俺のことも聞かれたから、ろくな生活してないしどうしようかと思ったけど、あれからすぐ一人暮らしを始めたことや、いまだにバイトも少し入っていて、バイト先に伊月と仲良かった奴がいたから、そいつの話で盛り上がったりした。
最初に比べたらだいぶ緊張もほぐれて、普通に会話出来てるし、楽しめてる。
でもお互いに、今までの恋愛関係の話は出来なかった。
本当はすごい聞きたかったけど、なかなか切り出せない。
小さなカフェで、コーヒー一杯でそうとうねばる俺ら。
:14/05/14 01:15 :SBM302SH :3FFnI6i6
#314 [太郎]
店員の目もあるしな…。
「そろそろここ出るか。」
「うん、そうだね。どうする?もう帰った方が良いよね?」
いやいや!そんなつもりで言ってないです!僕は!
「伊月明日休みなんだよね?俺車だし、ドライブでもしようよ!」
「…でも…。」
「どっちにしろ伊月電車で帰るくらいだったら家まで送ってくし、乗ってよ。」
頼む、もう少し話させてくれ!
:14/05/14 01:20 :SBM302SH :3FFnI6i6
#315 [太郎]
いわば強引に車に連れ込む俺。
元カレとはいえ、ちょっとずうずうしかったかな…
なんか伊月急に俯いて大人しくなってるし…
「どっか行きたいとこある?」
それでも帰そうとはしない俺。
「…。」
やっぱ強引すぎたか。
:14/05/15 11:29 :SBM302SH :zuSuHBjI
#316 [太郎]
「…。大丈夫なの?純、こうやって二人で車乗ってても。」
口を開いたかと思ったらすごく言いにくそうにそう言った伊月。
「え?どうゆう意味?」
「純ごめん。久しぶりって言ったけど、私見ちゃったんだよね、純が彼女と一緒にいるところ。」
「彼女?彼女なんていないよ、俺。」
「来てたでしょ、私の職場の隣の店に。」
:14/05/15 11:32 :SBM302SH :zuSuHBjI
#317 [太郎]
はっ。
あの、舞と一緒に行った日、伊月気付いてたのか…
気付いてないと思ってたのに。
「いやいや、彼女じゃないよ。もう、会うこともないんだ。」
「え?そうなの?手繋いでたからてっきり。」
うわーばっちり見られちゃってますね。
「あぁ、なんか話すと長くなるけど、ほんとにあの子とは何も無いよ。ほんとに彼女もいないし。」
:14/05/15 11:36 :SBM302SH :zuSuHBjI
#318 [太郎]
「そっか。じゃあ余計な気を使っちゃったね。ごめん。…うん!ドライブしよっか、どこでもいいよ、場所。」
深くは聞いてこようとしないのは、俺に興味なんて無いって事?
それでも俺はやっと笑顔を取り戻してくれたのが嬉しくて車を走らせた。
とりあえず…こうゆう時はなんとなく海だな!笑
海へと車を走らせる車内。
他愛もない話をして盛り上がった。
すごい久しぶりだとは思えないくらいお互いに気を許して話せてたと思う。
まるで、あの中学の時に隣の席になった時のようだった。
:14/05/15 11:40 :SBM302SH :zuSuHBjI
#319 [太郎]
海について、堤防のコンクリートのとこに腰を掛けて、風をあびる。
少しトーンは落ち着いたけど、やっぱり恋愛関係の話はお互いにしない。
時間だけが過ぎて、もうそろそろお開きの雰囲気。
俺は伊月をもう一度手にいれたかったし、もう一度はじめたいと思っていたけど、久しぶりに会って、少なからずお互いに変わっている。
今日たくさん話したけど、会わなかった時間を埋める為に、時間をかけないといけないと思った。
:14/05/15 11:45 :SBM302SH :zuSuHBjI
#320 [太郎]
伊月を再び車にのせて、伊月の家までおくっていった。
その帰り道は今までとうって代わり、二人とも無言だった。
伊月は今何考えてるんだろう、俺は、久しぶりに通る伊月の家への道のりをいろいろな想いをのせ懐かしく走っていた。
無言のまま、伊月の家についた。
「今日はありがとう。久しぶりに会えて良かった。純も仕事無理せず頑張ってね。…じゃあ。」
伊月がドアに手をかける。
:14/05/15 11:49 :SBM302SH :zuSuHBjI
#321 [太郎]
「伊月!」
伊月の手が止まる。
伊月はもう、俺とよりを戻すなんて考えていないことはわかってた。
「ん?」
「これからさ、伊月が暇な日あったら、会おうよ。俺はいっつも暇だから。だめかな?」
「…いいよ。また連絡するね!」
少し驚きながらokをくれた。
俺の気持ちを伝えることは出来なかったけど、とりあえず心のなかで小さなガッツポーズを決めた。
:14/05/15 11:52 :SBM302SH :zuSuHBjI
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