僕しか知らない君へ
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#1 [太郎]
出張先に来てから毎日暇で、この年齢になってこっぱずかしいですが、ノートに彼女との出会いを書いてたら、完全自己満ですが小説っぽくなったんで、暇人さん、暇つぶしに良ければ読んでください!

⏰:14/03/10 13:44 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#2 [太郎]
彼女との出会いは中学生の頃だ。
2年で同じクラスになった。

彼女は俺の事知らなかったみたいだけど、俺は中学に入ってすぐに彼女の存在を知っていた。

見た目がめっちゃタイプだったからだ。笑

だけど中学生の頃の俺はまだまだ子供で、恋愛には興味ないフリしてた。

⏰:14/03/10 13:53 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#3 [太郎]
「安藤〜!お前さ、このクラスの女子の中だったら誰が1番いい?」

幼稚園の頃からの幼馴染の女好き、堀口が、毎日のように聞いて来た。

安藤とは俺の名前。

「別にいない。」

本当は真っ先に彼女の名前を叫びたいくらいだが、カッコつけの俺は恋愛興味無しを演じ中。

片想いの相手、彼女の名前は、橋本伊月。

⏰:14/03/10 14:01 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#4 [太郎]
「マジかよ〜。誰でも良いから1人言えよ!つまんねぇな。」

ませてる堀口には、そこそこ可愛い彼女がいた。

「堀口は?」

「俺?このクラスだったら断然伊月ちゃん!」

一瞬ドキッとする。
だけど平常心のフリ。

別に彼女とどうこうなろうなんて、これっぽっちも望んでいなかった。

⏰:14/03/10 14:04 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#5 [太郎]
彼女、橋本は、俺からしたら手の届かない相手だった。

友達も多くて、運動神経も頭も良い、俺は何より1番顔が好きだった。

だけど男子とはあんまり喋らないイメージで、おしとやかな雰囲気が、また興味をそそるんだ。

それに比べて俺は、目立つ男子グループに所属するわけでもなく、これといった特技があるわけでもなく、なんの取り柄もないつまらない男子だった。

⏰:14/03/10 14:09 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#6 [太郎]
そのくせ、三枚目に走れるユーモアもなく、恋愛なんて興味ないフリ。

中学生で彼女を作ってどうのこうの、なんて、俺には関係のない話だと思ってた。

そんなある日、中学生の子供からしたらプチイベントの席替え。笑

たんなる偶然か、運命か、橋本と隣の席になった。

⏰:14/03/10 14:14 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#7 [太郎]
無言で机をくっつける橋本。

内心心臓バックバクの俺。

嬉しいけど、奥手の俺は話しかけれるわけもなく、無言が続く。

ふと堀口を見ると、隣の女子にちょっかいをかけて楽しそうにしてた。

こうゆう時だけ堀口を心底尊敬する。笑

⏰:14/03/10 14:17 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#8 [太郎]
隣の席になって一週間、一言も会話を交わさない毎日。

それでも満足の俺。

橋本をチラ見して、心の中でヤバイ可愛い〜って叫びまくってた。

変態だな。笑

そしてある日の橋本。
今日の橋本は何故か様子がおかしい。

キョロキョロして眉間にシワを寄せている。

⏰:14/03/10 14:22 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#9 [太郎]
すると、パッと俺の方を見る。

チラ見がバレたと思い、俺はすぐ目をそらした。

や、やばい。変態がバレる。

「ごめん、安藤くん、次教科書見せてくれない?」

予想外のセリフ。

これが彼女との一番最初の会話だ。

⏰:14/03/10 14:24 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#10 [太郎]
次の授業は、必ず本読みをさせる教師の授業で、教科書は必要な時間だった。

「え?あ、あ〜いいよ。」

手が震えそうなのを必死に抑えて、カッコつけた返事をする。

「ごめんね、忘れて来ちゃった。」

照れ臭そうに微笑む彼女は、俺には天使に見えた。

その会話をきっかけに信じられないくらい彼女と話すようになった。

⏰:14/03/10 14:28 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#11 [太郎]
「わ、また教科書忘れた!」

「何回目だよ…。」

「ねぇねぇ、この落書きなに〜?」

「おにぎり。腹減ってた時書いたんだった。笑」

「なにそれ!笑えるっ。」

こんなくだらない会話でも相手が橋本だからすごく特別だった。

まさか橋本とこんなに話せるようになるなんて。

⏰:14/03/10 14:33 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#12 [太郎]
「おはよ!」

朝廊下で俺を見つけると挨拶する橋本。

「お、おーす。」

カッコつけ継続中の俺。

本当はおはよう!橋本!今日も可愛いな!…ぐらいのテンションだ。笑

「なぁ!最近お前伊月ちゃんと仲良しじゃん!ヒューヒューだなおい、安藤くんよ!」

堀口にからかわれる事すらもう幸せだ。

⏰:14/03/10 14:36 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#13 [太郎]
「そんなんじゃないわ別に。」

照れる僕。笑

「伊月ちゃんってあんまり男子と仲良くするイメージないのに、安藤にはよく話しかけてる気がするんだけど!マジで、お前のこと好きなんじゃねえの?俺の彼女に聞いてみたろっか?」

「そんなんじゃないって、余計な事しなくていいわ。」

このままで満足なんだから。
せっかくしゃべれるようになったのに。

⏰:14/03/10 14:45 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#14 [太郎]
なんだかんだ言いながらも、自分でも優越感にひたっていた。

他の男子からも橋本との仲を羨ましがられ、からかわれ、授業中に盛り上がった時なんかは先生にも「安藤!橋本!お前らはいつまでもぺちゃくちゃ喋るな!」なんて言われたり。

これが俺の幸せだった。

そんな幸せ絶頂な俺を地獄に突きおとす一日があった。

⏰:14/03/10 15:00 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#15 [太郎]
部活中、堀口に耳打ちされる。

「おい!あれ伊月ちゃんじゃね?体育館の前!男といるじゃん!楽しそうに!」

パッとグランドから体育館の方に目をやると橋本が、部活の先輩らしき男と親しげに話している。

胸のモヤモヤとゆうか、なんとゆうか、見たくない光景だった。

ドーン!

俺はぼーっとしすぎて頭にサッカーボールが当たって先輩に怒鳴られる始末。

堀口がそんな俺を見て隠れて笑ってやがる。

⏰:14/03/10 15:04 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#16 [太郎]
今までずっとカッコつけていた俺だったけど、その日の帰りに堀口にはじめて吐いた。

「橋本のこと…好き…かもしんない…。」

気持ち悪。笑

「ばかやろ〜そんなんすぐわかってたわ!お前も素直じゃないね〜、頑張れよ!安藤マジでいけそうじゃん!さっきの男はどうゆう関係なのか俺の彼女にこっそり聞いといてやるからさ!」

堀口の彼女と橋本は、仲良しだった。

「うん。」

落ち込んでいる僕は素直だった。

⏰:14/03/10 15:07 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#17 [太郎]
次の日。

「それでさ〜、その後にドラえもんがさ〜」

今日も仲良くおしゃべりする俺と橋本。

「…」

ただ、俺は昨日の事が気になって仕方なかった。

「ねぇ聞いてる?」

心配そうに俺を見つめる橋本。
そんな顔されたらますます他の奴に取られたく無くなる。

やばい、完全に独占欲が生まれてる。

「なあ、昨日さ…」

⏰:14/03/10 15:14 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#18 [太郎]
ハッ!

なに聞こうとしてんだ、俺。

「昨日?」

「いや、何もない。ドラえもんがなんだっけ?」

くだらないいつもの会話に戻そうとする…

「昨日が何??」

が、そんな簡単に行くわけないか。

「昨日部活中、告白みたいなんされてなかった?」

聞いちゃったーーーー!

⏰:14/03/10 15:17 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#19 [太郎]
「え?」

やば…。
なに聞いてんの、俺。

こうゆうの聞くキャラじゃねぇし、てか、まじ気持ち悪いじゃん。

橋本完全に引いてる。
やばいやばい。

自分でも顔が真っ赤になっていくのがわかった。

「見てたの?」

⏰:14/03/10 15:19 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#20 [太郎]
それに比べて冷静な橋本。

もう、マジで後悔。

「うん、なんか目についた、なに?彼氏出来た?やったじゃん。」

何言ってんの、俺。
負け惜しみだ。かっこ悪い…。

「何それ!告白なんてされてないよ。」

何だよ、照れてやんの、あ〜、やっぱり、昨日の奴のこと好きなんだろうな。

痛いわ、俺、いろんな意味で。

⏰:14/03/10 15:22 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#21 [太郎]
「ねぇ、安藤くんはいないの?彼女。」

はじめて橋本から、恋愛系の話。

「いないよ、できるわけないでしょ。俺に!」

「ははは、好きな子は?」

「そこ否定しろよ!好きとかも無いよ。」

本当はお前が好きだよ。
ばーか!

その後はまたいつもの、くだらない話。

結局昨日のあいつはどうゆう関係なのかハッキリ聞けないまま終わった。

でも確かめるまでもないだろう、俺の片想いは終わったんだ。

⏰:14/03/10 15:25 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#22 [太郎]
「安藤!俺の彼女に、伊月ちゃんの話さぐってみたけど、伊月ちゃんとこの前話してたのはバスケ部のキャプテンで、一ヶ月前に伊月ちゃんに告って振られてるらしい!なんか、伊月ちゃん好きな人がいるって振ったんだって!お前まだチャンスあるって!」

あれから何日か経ってから、堀口がそう言って来た。

マジで。

好きな奴いるんだ、じゃあ無理じゃん!

俺なわけがないし。
ますます落ち込むぜ。

「もういいよ〜、無理だわ〜。」

⏰:14/03/10 15:30 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#23 [太郎]
「諦めんなよ!意気地なし!」

何とでも言ってくれ、僕は、自分に自信なんて無いんだ。

それから意気地なしの俺は何も行動を起こさないまま、3年生になり、橋本とはクラスも離れて話さなくなった。

連絡先くらい、交換しておけば良かったって後悔した。

でも連絡先なんか、聞けるわけねぇじゃん。肉食男子の君たちを羨ましく思うよ。

⏰:14/03/10 15:35 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#24 [太郎]
中3。

俺は、無理矢理な感じで、サッカー部のキャプテンになった。

対して強くもない学校だったけど、サッカーは好きだったから毎日サッカーするために学校来てた感じ。

今じゃ橋本とも話せないし。

橋本はバスケ部の副キャプテンになったとゆう噂を聞いていた。

⏰:14/03/10 15:38 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#25 [太郎]
毎月キャプテン会ってのがあって、放課後に各部活のキャプテンが会議室に集まってあた。

ある日、たまたま女子バスケ部のキャプテンが休みで、代わりに橋本がキャプテン会に出席していた。

久しぶりに同じ教室にいるってだけで、ドキドキする俺。

だけど席も遠いし、向こうは俺に気付いてすらいない様子。

やっぱ、好きなんだなぁ、俺。

⏰:14/03/10 15:42 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#26 [太郎]
「じゃ、キャプテン会終わりな〜暗くなったから、気をつけて帰れよ。」

部活もなく、すっかり暗くなった帰り道、とぼとぼ歩いていると後ろから声。

「安藤くん!」

ふりかえると、まさかの橋本。

うわ、約一年ぶりか?
緊張する。

「おつかれ、みんな帰り道反対だったから、私1人だったんだよね、暗くて怖いから途中まで一緒に帰ろうよ。」

「おう。橋本家どこだっけ?」

⏰:14/03/10 15:48 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#27 [太郎]
はじめは緊張しすぎて、目も合わせられなかったけど、話しだしてすぐに昔に戻ったみたいに会話が出来た。

昔みたいにくだらない内容で、中身のない会話だったけど、すごい楽しかった。

ちょうど家の方向が別れる場所に着いて、橋本はここでいいよって言った。

でも俺は家まで送るって言ったんだ。

なんかもう、今を逃したら一生橋本と話せない気がした。

⏰:14/03/10 15:51 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#28 [太郎]
本当はずっと後悔してたんだ。

なんにも出来なかったこと。

なんだか、急に気持ちが盛り上がる俺。

結局家まで送ることに。

くだらない会話をしながら、あっとゆう間に橋本の家到着。

⏰:14/03/10 15:53 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#29 [太郎]
「ごめんね。家まで。ありがと!またね。」

サラッと家に入ろうとする橋本。

ちょっと待て、俺このままじゃまた後悔する。

「なぁ!ちょっと、あそこの公園寄らない?」

近くに見えた公園を指差して誘った。

橋本は少し驚いた顔をして、その後ニコッと笑った。

⏰:14/03/10 15:57 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#30 [太郎]
今までずっと途切れなかった会話が、パタっと止まった。

無言でベンチに座る俺ら。

「寒くない?」

気を使って話し出したのは橋本。

「寒いな。」

俺はむしろ緊張で暑いくらいだった、俺から誘っといてこんな時まで橋本に気を使わせて、マジで情けない。

「安藤くん、顔真っ白だもん、これかしてあげるよマフラーあったかいんだよ」

後ろにまわってマフラーを巻いてくる橋本。

⏰:14/03/10 16:05 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#31 [太郎]
橋本はいつも俺をドキドキさせる。

もう、我慢出来ないわ。
振られてもいい。

後悔したくない。

俺の首にマフラーぐるぐる巻にする橋本の手を掴んで立ち上がる俺。

突然の行動に目をまん丸にする橋本。

「なに?ごめん、マフラー嫌?」

⏰:14/03/10 16:08 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#32 [太郎]
「橋本、俺、ずっと橋本の事好きだったんだ。2年、いや、1年の時からずっと良いなって思ってて、2年で同じクラスになって、マジで好きだって思った。ほんとはこんなこと言うつもりなかったけど…、今日また話せて、今言わなきゃもう伝えれない気がした。なんか、ごめん。でも、マジで好きだから。その、なんとゆうか、付き合ってよ!」

きゃあ〜
なんかめっちゃ喋るじゃん、僕。笑

完全空回り。
恥ずかし死。

⏰:14/03/10 16:11 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#33 [太郎]
はぁ…はぁ…

一気に喋りすぎて息切れする俺。
でも、スッキリした。

もう、どうにでもなれ!

橋本は、俺が無理矢理掴んだ手を見て顔を赤くしていた。

「あ!すまん。」

慌てて手を話す俺。

橋本の返事が怖くてもう、顔は見れなくなった。

⏰:14/03/10 16:16 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#34 [太郎]
「好き…。」

は?

確かにそう聞こえた。

思い切って橋本の顔を見る。

「好きだよ、ずっとあたしも好きだったんだよ。」

ドーン!
頭の中で花火が上がりました。

神様ありがとう。
こんなことあるんですね。

生きてて良かった〜。

これ、夢じゃないよね。
現実だよね!

⏰:14/03/10 16:20 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#35 [太郎]
「マジで…。はぁ、やば。すげぇ嬉しい。」

ベンチにしゃがみ込む俺の横に笑顔でちょこんとくっついて座る橋本。

もうむちゃくちゃ可愛くて、若かりし頃の僕は大興奮でした。笑

「大好き!」

橋本さん、さっそくそう言って僕の腕に抱きついてくるもんだから、ますます大興奮。

お互いに始めての恋人なのに、女ってすげぇよなぁ。堂々としてました。

⏰:14/03/10 16:24 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#36 [太郎]
それから、連絡先を交換して、毎日連絡とりあって、週に1回は一緒に帰って、もう、パラダイスな人生。

堀口から他の男友達からは、大ブーイング!

でもまぁ、なんだかんだで祝福してくれた。

まさかあの、俺の中のアイドルが、人生初の彼女になってしまうなんて。

これが、俺と彼女のはじまりでした。

⏰:14/03/10 16:28 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#37 [太郎]
初めての彼女。

俺にとって全てがはじめて。
もちろん、橋本にとっても俺がはじめて。

だから、大事にしないと。

責任感を感じていた、と言ったらまたいつものカッコつけになりますが、手を出すのにとても時間がかかりました。笑

今じゃどれも良い思い出です。

⏰:14/03/10 16:46 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#38 [太郎]
はじめて手を繋いだのも、はじめてのキスも、同じ日だった。

いつも微妙な距離をあけて帰る俺たち。

でも、もう彼氏彼女なわけで。
特別な関係なわけで!

そろそろ手くらい握らないと、堀口もうるさいし。

とにかく焦っていた。

橋本んちの近くの公園で話してから解散するのがお決まりになってた。

あのベンチに座ってくだらない話をだらだら。

⏰:14/03/10 16:50 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#39 [太郎]
心の中で、はぁ、今日も手を繋げなかったと、後悔。

ベンチに座ってたら手を繋ぐのなんて不自然極まりないし、何よりなんて言えばいいんだ…。

そんなことばっかりモンモンと考える僕。

「ねぇねぇ、安藤くんさ、いつも橋本って呼ぶけど、伊月って呼んでほしいんだよ〜もうさ、彼女だしさ…その方がさ、カップルっぽいしさ…」

頭ん中スケベな気持ちでいっぱいの俺に、照れながらそう言った橋本。

やばい!可愛すぎる。

⏰:14/03/10 16:56 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#40 [太郎]
「もぉ〜。やめてよ。」

可愛すぎるとすぐ興奮する僕。

「え?何が?」

「橋本、お前可愛すぎるぞ。」

興奮しすぎて壊れる僕。

「へ?だから橋本じゃなくて〜」

興奮に身をまかせて橋本を抱きしめてみせる僕。

「え?安藤くん?」

もうわけわからない僕にはてな?の橋本。

はじめて女子を抱きしめる感覚。
感想はやわらけぇー!

そして、いい匂い。はい、大興奮。

⏰:14/03/10 17:01 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#41 [太郎]
俺の突然の抱きしめにも嫌がらず、抱きしめ返す橋本がもうほんとに可愛くて、幸せだった。

また、ちゃんと座り直して勇気を振り絞って言う。

「手繋ぎたいんだよね〜、僕。」

「何その言い方、気持ち悪いよ。笑」

冗談っぽくじゃなきゃ無理だったんだ。

「はい、どうぞ。」

手を俺の手のひらに合わせ、笑う彼女。

「伊月ちゃん大好きです。」

はじめて名前で呼ぶ僕。
真っ赤になる伊月ちゃん。

⏰:14/03/10 17:06 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#42 [太郎]
この日からお互いに
伊月、純、と呼び合うように
なりました。

純は僕です。
安藤純です。

手を繋いでからは
僕の暴走が止まらずに
何度も抱きしめてみたり
手を触りまくってみたり、
男の部分を発揮します。

抱き合ってる途中に何度も
目があって、
何回目かでやっと
キスをする勇気を準備。

⏰:14/03/10 17:11 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#43 [太郎]
アイコンタクトで、今からするぞ!
的な俺に対して、
伊月ちゃん。

「待って!ちょっと待って!…恥ずかしいから。」

焦らすなぁ〜。

「もう我慢できないから。お願い。」

このやり取りを何回か重ね、最終的には目を瞑らせて、伊月の唇、いただきました!笑

一回じゃとどまらずに何回も何回も。

中3の僕、もうパンク寸前でした。笑

⏰:14/03/10 17:15 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#44 [太郎]
興奮しすぎて、さっそく舌を入れようとする僕にはさすがに伊月ちゃん。

「だめ。」

ストップ入りました。

「え〜お願い、ちょっと!」

「だめ〜、それはまた今度。」

「うぅ…はい。」

奥手でモテないこの僕が、こんなに頑張れちゃってる事にビックリでした。

しかもこんな可愛い伊月の、はじめてのキスを僕が頂きました!はい、自慢です。

⏰:14/03/10 17:19 📱:iPhone 🆔:5JVSyGwU


#45 [太郎]
そして、キスをしてしまったもんだから、次のステップに進みたくてまたモンモンする毎日が始まる。

伊月はそんなこと考える様子はこれっぽっちもなく、毎日嬉しそうに自分の事話したり、楽しそうにしてた。

親友、堀口なんかは、中3にしてもう何人目だってくらい彼女とやりまくってて、最近じゃ他校の後輩と付き合ったらしくて。

そんな話を聞いてしまうもんだから童貞の俺は焦る一方。

⏰:14/03/11 11:09 📱:iPhone 🆔:N.hA/bW6


#46 [太郎]
まぁ、他の同級生は、彼女すらできた事ない奴ばっかりだったから、余裕持ってて良かったはずなんだけど。あっ、軽く自慢入りました〜。

でも、彼女いる奴はみんな手出してたから…俺だって!!

いつそうゆう雰囲気にさせようか、なんていいだそうか、毎日イメージトレーニング。笑

はじめて俺の部屋に誘った時も勇気が出せずに何も出来なかった。

付き合って4ヶ月くらいたった時、俺は覚悟を決める!よし、今度こそ!

⏰:14/03/11 11:13 📱:iPhone 🆔:N.hA/bW6


#47 [太郎]
「おじゃましまぁす。」

部活のない土曜日だった。
今でも忘れない!

伊月を部屋に連れ込んで、兄ちゃんに一言。

「絶対入って来るなよ!」

堀口からもらったコンドームをポケットのおく底に隠し持ち、いざ、勝負の時!

⏰:14/03/11 11:16 📱:iPhone 🆔:N.hA/bW6


#48 [太郎]
「よしもと新喜劇やってるかな〜」

伊月がさっそくテレビをつけてくつろぐ。

そんな色気のないテレビなんてどうでもいいんだ。

俺は常にいちゃついてたいのに!

「なぁ、もっとこっち来てよ〜。」

はい、気持ち悪い僕でました、でも頑張れ!童貞の僕!

「ん?何〜?」

テレビと買ってきたお菓子に夢中の伊月。
簡単にあしらわれる僕。

⏰:14/03/11 11:20 📱:iPhone 🆔:N.hA/bW6


#49 [太郎]
「おい〜。」

伊月の手を掴んで、無理やり俺のそばに座らせる。

「もう、どうしたの?」

おい、どうしたの?じゃねぇよ!
察しろよ!
だいたいわかるだろうよ!

「キスしてよ…」

とりあえずね、ここからだよね。

「え?なんで?」

なんで?と、来ましたか。
もう!伊月のいけず!

「いいから!」

もはや強引にキスをおっぱじめる俺。

⏰:14/03/11 11:26 📱:iPhone 🆔:N.hA/bW6


#50 [太郎]
「んん…ん〜」

照れながら受け止めてくれる伊月はもう本当にヤバイくらい可愛い。

もうキスは慣れたもんの俺。

帰り道、いつもの公園、俺んち、…たまに学校。誰もいないとこを見計らって。

その度にもっともっと伊月と先に進みたいって興奮する一方だった。

今まではずっと我慢してきたけど、今日の俺はいつもの俺とは違うぜ、男、安藤純、見せます!!!

「伊月…可愛い…すげー好き」

⏰:14/03/12 00:11 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#51 [太郎]
とりあえず、女子が喜ぶんではないかと思うロマンチックな言葉をいくつか連呼。

もちろん、本気で可愛いとか好きとか思ってるけどね!

いつもはある程度したら俺から離してギュッてして終わりにしてたけど、この日はずっと止めない僕。

舌もこれまでにないくらい絡めまくってもう、お互いの口はべったべた。

「じゅん…苦しいから、ストップ…」

⏰:14/03/12 00:14 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#52 [太郎]
俺を一生懸命離そうとするけど、そうゆうのも全部逆効果だから。

ますます襲いかかりたくなる。

「もうダメだ、伊月、我慢出来ねーや。」

そう言ってベットに押し倒す、自分でも強引な持っていきかた!

根は小心者なので、心の中ではビンタされたりしてマジで嫌がられたらどうしよう…って考えもあったけど、何故だか積極的な僕でした。

「え…?」

目にうるうる涙をためる伊月、その表情もたまらなく、良い!!!

⏰:14/03/12 00:18 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#53 [太郎]
「させて?」

させて?だって、ひゃ〜、何言ってんの、僕、気持ち悪い〜。

って、思いながらも、必死の僕。

真っ赤な顔で俺にしがみつく伊月をゆっくり抱きしめて、何度もキスして、ゆっくりゆっくり順番に触っていく。

そしてこの時はじめて伊月の胸をさわった。

僕、大興奮!
なにしろ、中3にして伊月ちゃん、巨乳だ!

⏰:14/03/12 00:22 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#54 [太郎]
体とか顔とか細いのに、なんでこんな出てるとこ出てんだよ、こりゃ反則だぜ!

なんせ、おっぱい星人の僕は、胸に集中攻撃。

「ん〜ん〜」

顔を隠したり俺の手を拒んだりしてるけど、やめてとか、嫌だとか、そうゆうの言わないって事はOKってことだよね?
照れてるだけだよね?

それならすんげー嬉しいんですけど。

⏰:14/03/12 00:25 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#55 [太郎]
その後も順番に事をこなして、いざ、これからってゆう時に伊月ちゃん。

「私…はじめてだから…うまくいかないよ、きっと…」

俺はこのセリフで、ほんとに俺のモノを受け入れてくれようとしてくれてるんだ!って実感して、余計に興奮。

「それはこっちのセリフだって、うまくいかなくてもいーの、俺はじめてすんの伊月とで、すっごい嬉しい。だから大事にする、優しくする!」

そうゆうと、何故か伊月は泣いてた。

理由はわかんなかったけど、嫌で泣いてる様子じゃなかったから、僕は大事に伊月の中に飛び込みました。笑

⏰:14/03/12 00:33 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#56 [太郎]
僕たちの初体験の感想。

うまく入りません!笑

伊月は痛がるし、血が出てきて俺すげー焦るし、すぐに中断して、ベットの中で慰めあって、またいちゃこきはじめて、また俺興奮してきて、何回もチャレンジして、

てな感じ。

最初に痛かったからか伊月は違う日にまたすれば良いじゃんって感じだったけど、俺は今日成功させたくて、ねばった。

もはやムードなんて考えちゃいなかった。笑

⏰:14/03/12 00:37 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#57 [太郎]
結局、何回目かで成功!笑

俺はもう最高の気分!
気持ち良いとかやっとうまくできたとか以前に、伊月がもうたまんなく可愛かった。

いちいち全部伝えてやりたいところだけど、それは俺だけの伊月にしておきたいからこれ以上は内緒だ。笑

とにかく、今日は童貞卒業記念日。
らんらんらん。笑

⏰:14/03/12 00:42 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#58 [太郎]
この日から、なんかやっと本当の恋人同士になれた気がした。

俺は基本的に根は暗いし、自分に自信なんてこれっぽちも無かったから、本当の恋人同士になれたら、少しは余裕が持てる気がした。

もう、伊月は俺の女だ!って、堂々と言える気がしてた。

でも…

この俺の独占欲の強さが完全に裏目に出てしまう。

⏰:14/03/12 00:45 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#59 [太郎]
世の女性をみんな敵にまわす気がしますが、僕は、大の束縛鬼だったのです。

Hしてから、さらにひどくなってしまった。

だいたい、伊月は本当にモテた。

伊月自身がしっかりした子だったし、俺と付き合ってる事はみんなが知ってたから、そんなに妬きもち妬く必要もなかったはずなのに、どうしても不安だったんだ。

頭は良いけど、どっか抜けてるとゆうか、スキがあるとこがあったから、俺がいない間にすぐ誰かにとられる気がして不安だった。

⏰:14/03/12 00:49 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#60 [太郎]
まず、携帯のメモリを全部見せてもらって、男のメモリを消してもらった。

女性陣…引きますよね?笑

伊月は、他の女子に比べてもともと男友達とかいないタイプだったのに、メモリに男が入ってる事にイライラしてた。

だって僕、まだ中学生だったんだもん、子供だったんだもん。…。笑

ちょっと違う男子に話しかけられたりするとこを目撃するだけで、ぐちぐち言う俺。

⏰:14/03/12 00:53 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#61 [太郎]
「私ほんとに、純以外の人興味ないし、純以外の男子に、心開けた事もないから。信じて?」

伊月はその度に俺をなだめてた。

今思えば、俺がキレられてもおかしくないのになぁ。

優しいなぁ、伊月ちゃんは。

その優しさに甘えてますます俺の束縛はヒートアップ!

堀口にも、「お前やりすぎ〜」って何度言われたことか。

⏰:14/03/12 00:57 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#62 [太郎]
そんな俺からの鬼のような束縛にも嫌がらない優しい伊月と、わがままな俺は、喧嘩することもなく、うまく付き合っていた。

ある日、一緒に帰る約束をしてて、下駄箱で待ち合わせてた。

俺は教室でなんかとろとろ帰る支度してて、急いで下駄箱に向かう。

すると伊月の姿が見当たらない。

あれ?さき行ったはずなのに。と思いながら下駄箱の隣にあった職員室の前の廊下をみると、人だかりが出来ていた。

なんか私服の男子が複数いる。

⏰:14/03/12 01:01 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#63 [太郎]
その周りには、バスケ部の奴らが群がってて、その中に伊月の姿もあった。

一瞬、はてな?って感じだったけどすぐにわかった。

私服の人たちは一個上の元バスケ部の卒業生で、どうやら中学に遊びにきたらしい。

この時俺らももう部活は引退してたけど、伊月もバスケ部だったから面識があるようで、同じバスケ部だった女子数人とその先輩たちと話してた。

俺の存在に気付かない伊月、俺は下駄箱の傘立てに座って、伊月が来るのを待ってみる。

⏰:14/03/12 01:05 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#64 [太郎]
俺は無性にイライラしてた。

ただえさえ、男と話してるとこを見せつけられて。

そんだけでも器の小さい俺の怒りは爆発しそうなのに、話してた相手、昔伊月に告白したとかゆう奴じゃん。

そう、俺が2年の頃に諦めるきっかけになったあの男!

まぁ!伊月に振られてる奴だけど!

それでも腹立つ。俺の伊月にもう近付くな。って思ってた。

…今思えば本当に器の小さい男…。お恥ずかしい…

⏰:14/03/12 01:09 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#65 [太郎]
しばらくたってから、伊月が慌てて俺のとこに来た。

「ごめんごめん、まだ来てないと思ってちょっと話してた〜、部活の先輩来ててさ。」

知ってますが。見てましたが!

「…怒」

あからさま態度に出す俺。

「…ごめん。」

察する伊月。

⏰:14/03/12 01:11 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#66 [太郎]
「とりあえず、帰るぞ。」

どこまでも、えらそうな僕。
こんな男、誰がみても嫌だよね。

「うん…。」

機嫌をとるかのように俺の手をとり、腕をくむ伊月。

いつもはみんなに見られると恥ずかしいとか言って、校門出るまでは手繋いでくれないくせに。

そうゆう風にされると、余計八つ当たりしたくなる。

⏰:14/03/12 01:14 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#67 [太郎]
「伊月!!!」

!!!
するの、後ろから男の声。

ビックリして振り向く俺と伊月。

その瞬間伊月が、パッと、俺と組んでいた腕を離した。

伊月の名前を呼んだのは、例の先輩だった。

まず、色々ムカつくことが発生しすぎだ。

⏰:14/03/12 01:17 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#68 [太郎]
まず、俺と帰っていくとこを見てるにもかかわらず、伊月の名前を呼ぶそいつ。

しかも伊月って、呼び捨てかよ!
おそらく、俺より先に伊月と親しくなってるであろうから、俺より先に呼び捨てにしてたんだな。

そして一番ムカついたのが伊月。

なんであいつに呼ばれてるってわかって、俺の腕を振り払うわけ?

そういえば、携帯のメモリを消す時、あいつのやつだけ、先輩だからとか言ってしぶってたな。

なんだよ、自分に告ってきた奴がそんなに気になるのかよ!

⏰:14/03/12 01:19 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#69 [太郎]
怒りをおさえ、とりあえず、その先輩の方を見てみる。

伊月は、困った様子。

「あっ、すまん。彼氏?」

そいつが、俺を見て伊月に聞く。

聞くまでもねぇだろうが!このチビ!

注:僕は身長が高い方だったので、ムカつく対象に、チビと命名します。

「うん!へへ。」

と、笑ってみせる伊月。

先輩なのに、タメ口なんですね、どんだけ親しいねん!くそ!

⏰:14/03/12 01:23 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#70 [太郎]
「マジか。じゃ、なんでもない!また遊びに来るわ!またな〜!あっ、彼、ごめんね〜」

二度と遊びに来んなこのチビ!二度と伊月の名前を呼ぶなチビ!ばーかばーか!

俺の心の中。笑

今思えばこの先輩、すごく良い人そうだったなぁ。俺にまで気を使って。
伊月なんでこの人振ったんだろう。笑

イラついてはいたが、礼儀だと思いそう言われた俺はそいつに頭を下げた。

鬼の形相で。

「うん、また〜!」

笑顔の伊月。怒

⏰:14/03/12 01:26 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#71 [太郎]
先輩が退散して、2人きりになっても、今度は伊月は腕を組まなかった。

俺は黙ってスタスタ歩く。

静かについてくる伊月。

「じゅん。」

僕の名前を呼ぶ伊月。

「…」

無視する、幼稚な僕。

⏰:14/03/12 01:28 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#72 [太郎]
「腕…、振り払ったのはごめん。…でも、あれは相手があの先輩だったからとかじゃなくて、人前で腕組んでるとことか見せるの恥ずかしかっただけだから。わかって??」

さすが伊月。
俺が1番怒ってるポイントは、わかっている様子。

「あの先輩、絶対まだ伊月に気があるじゃん。」

幼稚な僕の攻撃をしばし、ご覧下さい。

「そんなんじゃないよ、昔の話でしょ。」

⏰:14/03/12 01:32 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#73 [太郎]
「だって、俺の存在に気付いて、せっかく引き止めたのに食い下がっただろ?俺がいなかったらお前らどうなってるかわかんねーよ。」

再び俺の手をとり繋いでくる伊月。

「そんな事ないって。純、怒らないで、ね!」

手は…一応繋ぐ僕。笑

「なんでそんな事ないって言い切れるんだよ。」

「じゃあ、もしそうだとしても、私は先輩の事なんとも思ってないから関係ないよ、連絡先ももうわかんないし、アドだって純と付き合ってからかえて、向こうから連絡くることもないよ?純の事大好きだもん。」

⏰:14/03/12 01:37 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#74 [太郎]
中3にして、そこまで言ってくれる彼女、なんて大人なんだ。

そして俺は、まだまだケツの青い子供だ。

「俺、伊月があの人と楽しそうに話してんの見たもん。」

もう心ではさっきの伊月の言葉で納得いったはずなのに、調子にのって、ぐちぐちが止まらなかった。伊月の優しさに甘えてなかなか仲直りしようと出来なかった。

「ねぇ、どうして純はそんなに私の事信用してくれないの?」

伊月は、怒るとゆうよりも、悲しそうに言った。

⏰:14/03/12 01:40 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#75 [太郎]
「じゃあ伊月がもっと信用出来るように努力しろよ!」

俺ってやつは…。
とんだ大馬鹿野郎だ。

「…。」

伊月が俺の手を離した。

!!

急に焦る俺。

伊月を見ると、泣いてた。
すごい、苦しそうだった。

⏰:14/03/12 01:42 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#76 [太郎]
「…今日は、一人で帰る。」

そう言って先歩き出す伊月。

今まで俺がやきもち妬くのはよくあるパターンだったけど、こんな事になるのははじめてで、これが、俺たちの初喧嘩だ。

「…危ないから!家まで送るって。」

素直にすぐ謝れよ…。
この時の俺ときたら…

「いい。1人で帰れる。」

そう言われつつも伊月の後を歩く。

⏰:14/03/12 01:45 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#77 [太郎]
途中で何回も謝ろうとしたけど、上手く言葉がまとまらずに、言えなかった。

それでも送って行きたくて、結局伊月の家まで、伊月の後をつけた。

まるで、ストーカーの気分だった。笑

家にはいる時、一瞬こっちを向いた気がしたけど、合わす顔がない俺はうつむいていた。

伊月が家に入ったのを確認して、ひとり、家に帰る俺。

いつもはルンルン気分で帰るこの道のりが、この日は地獄だった。

⏰:14/03/12 01:48 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#78 [太郎]
家に帰ってから、何回もメールの文章を作って送信しようと思ったけど、返事が来ないとか…振られたら…とか、怖くて送れなかった。

もちろん電話も出来なかった。

明日学校で、直接謝ろう…。

でも…なんて言えばいいんでしょうか…。

⏰:14/03/12 01:50 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#79 [太郎]
次の日、昼休みに謝る事を決めた俺。

伊月の教室まで行くと、すぐに伊月と目があった。

気まずい…。

でも、今しかない!

伊月はクラスの女子と喋ってて、昼休みとか休み時間に俺たちが話したりすることなんて今までほとんどなかったから、俺が来て伊月に近付くと周りが少しザワついた。

中学生ってみんなウブだからそうゆうのすぐ騒ぐよね。

⏰:14/03/12 01:53 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#80 [太郎]
「伊月ちょっと話したいんだけど。」

もうすげー勇気を振り絞って言うと、伊月と一緒にいる女子が全員俺を睨みつける。

こ、こえ〜。

女子のこうゆう時の結束力、ほんとすごいよね。

俺の失態筒抜けなんすね、怖すぎっす。

「うん。」

伊月は案外普通に返事して俺について来た。

⏰:14/03/12 01:55 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#81 [太郎]
女子とはうってかわって、何も知らないそのクラスの男子は、ヒューヒュー的な、俺をあおるテンションMAX。「へーい、安藤やるじゃ〜ん!」…みたいな。

「うるさい、お前ら!」

本当に今はいじらないで下さい。

無言でひと気のない階段に向かい、2人で座った。

「…」

やばい…俺まだ謝る言葉考えてなかった…

⏰:14/03/12 01:58 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#82 [太郎]
「…伊月、昨日はごめん。俺、伊月の気持ち考えてなかったよな。」

「…」

無言のままの伊月。

「本当は、伊月のことは全部信用してる。好きだって思ってくれてることも全部信じてるし、あんな風に思ってないよ。」

「…」

しゃべりベタの俺だからいつもすぐにフォローしてくれる伊月なのに、この時はずっと黙ったまんまで、本当に振られるかと思った。

⏰:14/03/12 02:02 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#83 [太郎]
「伊月さ、いつも俺がヤキモチばっかやいても、優しいからさ、その通りにしてくれて何回も安心しようとしてくれてんのにさ、俺甘えてたんだと思う…。」

「…。」

「カッコ悪いな、俺…。」

「…」

「でもさ、すげー好きなんだ、伊月のこと、好きすぎて、なんていうのかな…幸せすぎて、いなくなるのがすごい怖いんだよね。」

「…」

伊月ちゃんうつむいたまんま。
もうダメなの?俺振られるの?…涙

⏰:14/03/12 02:06 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#84 [太郎]
「でも、昨日さ、俺があんなこと言って、伊月にあんな辛い顔させて、本当に馬鹿だなって思った。俺自分のことしか考えてなかったからさ、伊月が他の人のとこ行って俺から離れるのが1番嫌だって思ってたけど、俺と一緒にいても、伊月があんなに辛そうにするなら、意味ないなって思った。」

「…ヒック」

え!?泣いてる…
また泣かせてる…俺。

「もうこれからは、伊月の気持ち1番に考えるし、あんな顔させないように伊月がいつも楽しく出来るようにするし…」

⏰:14/03/12 02:11 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#85 [太郎]
「…頼むから、許して。本当にごめん。俺、伊月のことほんとに好きなんだよ。」

「…うん。」

涙を吹きながら伊月が少し笑った。

すっげーホッとした。
良かった…。

「泣くなよ…。」

頭をなでなでしてみる。

「だって…もう振られちゃうかと思ったよ…。」

なんて言い出す伊月さん。

⏰:14/03/12 02:15 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#86 [太郎]
「なんで俺が振るの?俺だよ、振られるかと思ったのは。」

「だって、純怒るから…。嫌われたかと思ったから…」

もう…なんて俺は幸せ者なんだ。
あんなことしてんのに、まだ俺のこと想ってくれてるなんて。

ほんとに俺なんかのどこがいいんだ。

ますます離したくなくなった。

「嫌いになるわけないじゃん。ばか。…ばかは俺か。」

これでもかって力で伊月をギュッとした。

⏰:14/03/12 02:18 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#87 [太郎]
可愛い伊月に抱きついて、改めてこの子の大切さを実感する。

「じゃ、仲直りのちゅってして。」

そんな可愛い事を言い出す伊月!
ヤバ!

「ちゅってしたら、もう止まんなくなるよ、僕。」

そう言っていちゃこく俺たち。

スカートに手を突っ込もうとすると「それはダメ!」と、お預け。

そうだよね、ここは学校だもんね〜。

⏰:14/03/12 02:22 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#88 [太郎]
仲直りの後のキスたちは、いつも以上に燃える。と、いうことを学ぶ僕。

そんなスケベな方面はともかく、
なんとか無事に喧嘩を乗り越えた僕たち。

原因は全て僕にあるような気がしますが…。

とりあえず、一件落着。

⏰:14/03/12 02:24 📱:iPhone 🆔:iJwyTbnE


#89 [葵]
最高におもしろい

⏰:14/03/13 01:11 📱:SH-09D 🆔:IPgXsNas


#90 [太郎]
マジすか( ゚д゚)
ありがとうございます!

⏰:14/03/13 14:51 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#91 [太郎]
それからは、やきもち妬いても今までみたいに理不尽な事を言わないように心がけた。

それでもやっぱりやきもち妬きには変わりの無い僕。

伊月のまわりの女子にいつも叱られていました。

自分でも束縛しながら、俺いつかヤキモチなんか妬かないでっかい男になりたいと思ったもんだ…。

⏰:14/03/13 14:55 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#92 [太郎]
3年も終わりに近付き、進路の話で持ちきりの時期。

俺は特に理由はないけど、受験したい高校が決まっていた。

先生からはその高校よりもう一つレベルの高い高校を勧められていたが、これ以上受験勉強に追われるのはごめんだ。頭の良くも悪くも無い高校に決めていた。

伊月は伊月で、俺とは別のところを受験するとか言って毎日勉強してた。

なんか、仲良い女子がみんなそこの高校だからだそうだ。

なんて不順な動機だ。

⏰:14/03/13 15:00 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#93 [太郎]
別々の高校に進学することになる俺たち。

この時の俺は、高校が離れる事の、ことの重大さを全然わかっていなかった。

家も近いっちゃ近いし、高校が離れたところで、自分たちの仲が今までと変わるなんて思ってなかった。

むしろ、別々の学校の方が色々話題も豊富で楽しそう、ぐらいに呑気に思っていた。

それは、大間違いだった。

⏰:14/03/13 15:03 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#94 [太郎]
僕は、自分がヤキモチ妬きの、束縛男だとゆう事をスッカリ忘れていたのだ。笑

のちに嫉妬しまくって、悩むこととも知らずに、卒業を控えた俺らは、残りわずかな中学校生活を満喫していた。

伊月とは特にでかい喧嘩もせずに、すごく上手く付き合っていけていたと思う。

⏰:14/03/13 15:06 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#95 [太郎]
すごく印象的だったのが、卒業式。

式が終わってからも、学校に残って余韻にひたるのは、卒業あるあるだよね?

みんなで写真撮ったり、恒例の女子が男子にボタンをもらいに来るとゆう儀式。

ちなみに俺にもらいに来た奴は…。1人。
しかも…男…。

部活の後輩なんだけど、俺の有り余ったボタンの数を不憫に思ったのか、笑いを堪えながら「ボタン下さい…」…だ。

舐められたもんだぜ!笑

⏰:14/03/13 15:14 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#96 [太郎]
基本的に俺は、部活の奴らで固まってたんだけど、学年のヤンキー的な存在のグループがあって、そうゆう奴らってイベント大好きだから一際盛り上がってた。

別にそいつらと仲悪いわけじゃないけど、そんなに関わった事もないのに、盛り上がってたからかそのグループが俺らんとこ来て色々話してて、その中の1人に言われた。

「安藤く〜ん!!!よっ!学年一の美女ゲットして、ウハウハな中学生活だったんじゃねーのぉ???」

照れ笑いでごまかす僕。

⏰:14/03/13 15:27 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#97 [太郎]
僕は、このヤンキー君のセリフがとても嬉しかったのです。

もちろん、僕からしたら伊月は世界一可愛いと思う、笑。けど、こうゆうタイプの違う奴もそう言う、特別な女の子が、自分の彼女なんだって思うと鼻高々だった。

この話は省略したけど、俺と付き合った頃、またタイプの違う生徒会の優等生の爽やかイケメン浅野くんが、伊月に猛アタックする事件も、過去にあった。

何が言いたいかと言うと、とにかく伊月はほんとに色んな人からモテた!

⏰:14/03/13 15:38 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#98 [太郎]
今だに、なんで俺と付き合ってくれたんだろうと、不思議に思う。

そんな、自慢の彼女でした。

なので、伊月はセーラー服のリボンやら、名札やら、あげれるもん全部無くなってた。

僕は一個ボタン無くなっただけなのに…。涙

あっ、第二ボタンは伊月ちゃんが欲しいって言ったからあげたよ!笑

⏰:14/03/13 15:41 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#99 [太郎]
そうして無事に卒業して、俺も伊月もそれぞれ志望校に合格。

高校に入学してからの俺も、相変わらず今までと同じく、面白味のない男だった。

こんな俺でも、新たな出会いにドキドキしていたんだけど、あっ、女相手とかじゃなくてね!特別な出会いもなくぬるぬるっとやり過ごしていた。

高校に入ってから仲良くなった男がいる。
名前は松野。

性格はお調子者のおしゃべり。…用は高校版堀口だ。

⏰:14/03/13 18:12 📱:iPhone 🆔:Py0tz05E


#100 [太郎]
口ベタな俺にはそんくらいの奴が丁度いいみたいだ。

ただ、堀口と違うところがひとつ!

松野はイケメンだ。
堀口、すまん。笑

イケメンのくせして、異常に女の子に優しくロマンチストな松野。

自然と松野の周りには女子が寄りつく。
そのおかげかなんなのか、俺も高校入ってわりとすぐ女子と話す機会が多かった。

ちゃんと、男の友達も出来たよ!笑

⏰:14/03/14 00:43 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#101 [太郎]
ロマンチスト松野におどらされて、高1の伊月への誕生日プレゼントは、サプライズで手紙を贈った。笑

伊月はすごい気持ち悪がった…。笑

その上、「私、純はこうゆうことしないところが好きなんだよ〜」と笑われた。

即、松野を呪った。笑

その件以来、俺は松野のロマンチックな提案は一切きかない。

やっぱりイケメンの松野だからロマンチックな行動やセリフが似合うんだと思う。

ふん!

⏰:14/03/14 00:46 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#102 [太郎]
伊月はとゆうと、高1の後半くらいから、どんどん見た目が派手になっていった。

高校で出来た友達はギャルばっかりみたいで、プリクラを見せてもらったら俺とは住む世界の違う人間だ〜と、怖くなった。

って言っても、伊月のギャルレベルは、世間から見たら可愛い程度なんだろうが、もともとギャルな苦手な僕はルーズソックス、イコール、ギャル。だった。笑

どんどん化粧も濃くなって、髪型もコロコロかえて、付け毛…じゃなくてエクステつけたり、伊月はそのままのが絶対可愛いのに!

と、心底悔やんだ。父親の気分だった。

⏰:14/03/14 00:50 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#103 [太郎]
「どんだけ目の周り塗るの」

「髪の毛なんかきつい匂いするよ、シャンプーのいい匂いの伊月はどこいったんだい?」

「痛!爪なげぇよ。」

そんな姑並みの小言を毎日ぶつける俺。

最初の方は本当に嫌だった。
すっぴんのがほんとに可愛いと思ったし、そんな見た目してたら変な男が寄りつくって思った。

でも伊月はそこは譲らなかった。

若いうちしか出来ない事したいってひたすら説得された。

⏰:14/03/14 00:54 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#104 [太郎]
相変わらず嫉妬深く、小言はうるさい俺だったけど、伊月は伊月で、見た目は少しあか抜けたけど中身は変わらずに良い子そのもので、一緒に過ごす時間はすごく幸せだった。

学校で会えない分、デートがすごく楽しみになる。

あんなに嫌だった伊月の化粧や制服の着こなしも、だんだん見慣れてそれはそれですごく可愛いと思った。

「伊月は何しても可愛いなぁ〜、俺、今日の髪型好きだ!」

結局、激甘な僕。笑

⏰:14/03/14 00:59 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#105 [葵]
毎日チェックして読んでるので完成を楽しみにしです♪

⏰:14/03/14 01:13 📱:SH-09D 🆔:3zFRWImQ


#106 [葵]
してますの間違いです(恥)

⏰:14/03/14 01:15 📱:SH-09D 🆔:3zFRWImQ


#107 [太郎]
ありがとう!嬉しい!!

⏰:14/03/14 10:56 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#108 [太郎]
「これが真由で、これが亜弓〜、はい!覚えた?」

ある日、高校で撮ってきた写真を広げて高校で出来た友達を覚えさせようとする伊月。

「ん〜…みんな顔似てるな。」

「全然似てないよ!はい、じゃクイズね、これは?」

「真由!」

「違う!優香だよ!」

えっ、優香なんてはじめて聞きましたけど。笑

自分の連れを覚えて欲しがるのは彼女あるあるだよね?笑

⏰:14/03/14 11:37 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#109 [太郎]
そんな事をしながら、伊月の写真をパラパラ見てると、写真にうつる男子を何人か発見。

しかもみんな、イケイケな感じだ。笑

「おい、男とうつってんじゃん、これ!」

僕のヤキモチスタート!

「あ〜これは優香の彼氏だし、ここにうつってる子みんな彼女持ちだよ。」

いや、そうゆう問題じゃないんだ、僕の場合は。

伊月と仲良さげにうつってる時点で嫌なの!笑

⏰:14/03/14 11:40 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#110 [太郎]
でも、あまり強くは言えない僕。

実は高校になった時点で、お互いに異性の友達を作る為に、連絡先交換してもいいって約束をした。

俺も、器のでかい男になりたかったし、周りから俺はやりすぎだってすごい怒られたから、しぶしぶ了承した。

すると伊月の野郎はみるみる男友達を増やし、メモリにも男友達大量!←携帯は見ちゃう僕。笑、あっ、勝手には見たことないよ〜!

⏰:14/03/14 12:02 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#111 [太郎]
それに比べて俺は…。

女のメモリなんて、
伊月
母さん
親戚のおばちゃん
ばぁちゃん家
春田さん(中学時代の伊月の親友)

たったの5件だった。笑

学校でしゃべる女友達は、ロマンチスト松野のおかげで数人いたけど、わざわざ連絡先交換なんてしないし。

学校以外で関わろうとも思わないし。
強がりじゃないよ!笑

⏰:14/03/14 12:06 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#112 [太郎]
「おい、ブス!それ俺のコーラなんだけど!」

ある日の日常だった。

同じクラスの女子に罵声をあびす僕。
彼女の名前は里花。

「ちょっとくらい良いじゃん!ケチ!」

「おい…純…女の子にブスはないぞ!」

ここぞとばかりに女子側につくロマンチスト松野。

「コーラの恨みはしつこいぞ。そんなんばっかり飲んでるからデブるんだぞお前。」

⏰:14/03/14 13:14 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#113 [太郎]
俺は当時、有吉よりも先どったかなりの毒舌キャラだった。

別にあえてやってたわけじゃないけど、きっと性格の悪さが隠しきれなかったんだろう…。

でも、毒舌がキャラクター化してくれてるおかげで、俺は何を言っても許されてる感があった。

まぁ女の子にはそこまでキツイ事言ってたつもりはないけど、こいつ、俺の冷えたコーラを飲みやがった里花には特別毒を吐いていた気がする。

⏰:14/03/14 13:17 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#114 [太郎]
それにはちゃんと理由があって、ほんとに里花はしつこい。

天然なのかなんなのか、トボけた事をしつこく俺に話しかけて来るから思わずキツイ言葉をぶつけてた。

何を言ってもへこたれる感じじゃないし、それはそれで、異性の連れって感じで楽しく過ごしていたつもりだった。

ちなみに里花は、ほんとにぽっちゃり系で、水泳をやっているらしく肩幅も広くごつい。

顔は…普通…と、言っといてやろう。笑

⏰:14/03/14 13:21 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#115 [太郎]
「ねーねー、そういえばさ、純が言ってたプリン、なんてやつだっけ?多分うちの近所のコンビニ種類豊富だから、あると思うよ!」

「マジで!買っといてよ!」

僕は大のプリン好きなのです。

コンビニで売ってるただのプリンなんだけど、俺が行くコンビニはいつも売り切れてて悲しんでいるのは、みんなが知ってた。笑

「純の好きな奴かどうかいまいちわかんないし、朝行く時あって、欲しい時は買ってきてあげるよ!」

里花ちゃん、なんて良い子なんだ!

「おう!なにお前、今日なんか可愛いよ。笑」

⏰:14/03/14 13:26 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#116 [太郎]
「え?マジ??ちょっと痩せたかな〜どうしよ〜」

「いやそれはない。」

「じゃあさ、朝コンビニ寄るとき連絡するからアドレス教えてよ!」

「え?」

高校に入ってはじめて連絡先を聞かれた。

相手がこいつかい!って感じだったけど。

「いらない日に買ってきちゃったら嫌じゃん、何?教えたくないの?ひどいんだけどぉ〜!」

「いやいや、いいよ、ほれ。」

断る理由もないし、伊月ともちゃんと約束してるし、携帯を渡した。

⏰:14/03/14 13:37 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#117 [太郎]
相手が里花とはいえ、なんとなくやましい気持ちになる俺。

…いやいや、伊月なんてもっとたくさん男のメモリ入ってるし、関係ないよな。

と、自問自答。

それから里花とはちょいちょい連絡をとった。プリンの件以外でも。笑

しばらくそんな感じが続いていたある時、松野に言われた。

⏰:14/03/14 14:07 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#118 [太郎]
「絶対里花、お前の事好きだぞ!」

松野だけじゃなく、周りの奴に結構言われた。

確かによく会話はするけど、俺は絶対それはないと思っていた。

何故なら、里花はイケメン好きだからだ。

ジャニーズや、その時その時の人気俳優やら、ミーハーな里花。

しょっちゅう男の俺に、あれがかっこいいだの次はあれが好きだの言ってきた。

もうみんな気付いてると思うけど、俺はイケメンとは程遠いルックスなので、ありえないと思った。

⏰:14/03/14 14:12 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#119 [太郎]
それでもみんながしつこいので、俺はこの日里花に聞いた。

「なぁ里花って好きな人いないの?」

俺が興味あるって思われそうで嫌だったけど…里花にも、毎日のように伊月の自慢してたし、その心配ないらないか。

「えっ??」

里花は顔を真っ赤にした。

…もしかして、こいつ!!

「…誰にも言わないでよ??実は…松野くんが気になるんだよね。」

拍子抜けだった。
そして、少し勘違いした自分が恥ずかしかった。笑

イケメン好きの里花。
そして、正真正銘イケメンの松野。

これでつじつまがあった!
なるほど。

だから松野と仲良い俺にちょっかいだしてたわけね。

⏰:14/03/14 14:54 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#120 [太郎]
話を聞くと、松野に気付かれたくなくて、彼女いる俺に絡む事で、松野にも近付けるし…とゆう魂胆だったそうだ。

完全にカモフラージュに使われる俺。笑

でもなんかまぁ、俺の事好きだって噂される事もなくなるし、ホッとした。

いやでも、女心を大事にするなら、俺から松野にいうべきじゃないよな?

じゃあみんなに誤解を解けないじゃん!意味ない質問するんじゃなかった…。

そんな事とも知らず、里花はすっかり乙女の表情をしていた。

⏰:14/03/14 14:57 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#121 [太郎]
「じゃあ告っちゃえよ、今松野彼女いないよ。」

「あんたさぁ!簡単に言わないでよ、私みたいなのがOKもらえるわけないじゃん…。」

「うーん…まずはダイエットだな!」

「もう!コラ!」

それはそれで、このネタで里花をいじるのも楽しそうだな。

「そういや、伊月ちゃんとはラブラブ?」

里花と伊月は会ったことないけど、俺から話を聞くから里花は伊月のファンになってた。笑

⏰:14/03/14 15:00 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#122 [太郎]
「まぁなぁ〜。あ、これ、昨日撮ったプリント倶楽部。笑」

さっそく自慢。

「きゃ〜伊月ちゃんほんと綺麗!なんで純なんかと…もっとカッコいい人いっぱいいるのに…。」

「余計なお世話だ!」

こころの中では全くの同感だったけど…。

それにしても、片思い中の乙女に彼女を自慢するなんて、ほんと無神経だよね、僕。

⏰:14/03/14 15:02 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#123 [太郎]
それから、松野に何回も言っちゃおうかと思ったけど、良心が痛んで、誰にも言わないようにした。

その代わり、男子からのいじりは終わらない…。

里花は、俺を信用したのか、よく松野の事を相談するようになった。

一生懸命松野を想う姿を見てて、いつの間にか本当に2人が結ばれてほしいと望むようになってた。

里花も想いがどんどん大きくなるようで、松野の事で、夜中まで電話する事もあった。

⏰:14/03/14 15:07 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#124 [太郎]
ある日、伊月と俺の部屋で遊んでる時だった。

トイレから帰ると、伊月が俺を睨んでいる。

「え?何?」

伊月が俺の携帯を指差して言った。

「里花って誰?」

そういえば、伊月は俺の携帯には女はまだ5人しか入ってないままだと思っていた。

わざわざ報告するのもおかしいし…。

も、もしかして伊月、やきもち…?
俺は内心ワクワクしていた。笑

⏰:14/03/14 15:11 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#125 [太郎]
「あ〜クラスの奴。なんかアドレス聞かれた!」

「へ〜、いつも聞かれても断ってるのに珍しいね。どんな子なの?」

嫌味ったらしく聞いて来る。
これはヤキモチなのか?

嬉しい!笑

僕は今までヤキモチやくばっかりで、伊月からヤキモチ妬かれた事なんて一度もなかった。

「まぁ、普通に仲良い感じだったし断る理由もなく…どんな子って、全然可愛くねぇよ。伊月とは比べものにならない感じ!」

こうゆうこと言うのもなんかはじめてで嬉しい。笑

⏰:14/03/14 15:14 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#126 [太郎]
「もう!そうゆう失礼な事言わないの!ほんと純は女心をわかってないよ。」

と言いつつも、少しご機嫌は直った様子。

「ほんとだもん。高校入って連絡先交換したのその子くらいで、後は増えてないよ。伊月みたいにたくさん交換してないよ。」

「その子だけなんだ?そんなに特別なんだね。てか、電話だったから掛け直してあげなよ。」

か、可愛い。笑
伊月ちゃんでもヤキモチ妬いたりするんだぁ。ぽっ。笑

⏰:14/03/14 15:18 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#127 [太郎]
その場で掛け直さないとさらにプリプリする様子だったので、里花に着信。

「もしもし?」

『あっ、純?ごめんごめん。暇だったから電話してみた〜、今何してんの?』

「今彼女といるよ!悪いな!笑」

『マジで?なんか尚更ごめん〜。また明日ね!』

「いや全然いいよ、松野の話ならいつでも聞くからな。笑」

そう言って電話終了。

「松野の話…??」

⏰:14/03/14 15:21 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#128 [太郎]
松野には何回か会わせた事があったから、松野の名前にリアクションする伊月。

「あ〜この子さ、松野に惚れてんの!笑」

伊月になら、遠いし別に言ってもいいよね。

「そうなの??」

なんだかテンションの上がる伊月。

「完全にまだ片想いっぽいけどね。」

「なんだぁ〜そっか〜。えへへ」

「なに?伊月やきもち?」

ホッとした様子の伊月。

⏰:14/03/14 15:24 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#129 [太郎]
「だって、純が高校でどんな感じかわかんないし…私だって不安なんだからぁ。」

はぁ、可愛い!

大丈夫、全くモテてませんけど。笑

「もぉ〜伊月がいるのに他の女なんて、マジで興味ないよ俺、わかるでしょ!」

その後は2人で盛り上がっていちゃこいて…その後の行為は、省略。笑

でも、この伊月のヤキモチが最初で最後のヤキモチでした。笑

⏰:14/03/14 15:28 📱:iPhone 🆔:iclR7c1M


#130 [太郎]
その後も、松野に対して何も行動を起こさない里花。

里花の想いを知っているだけにすごいもどかしかった。

早く進展が欲しい俺は松野にこっそり聞いた。

「なぁもしも今、里花が告ってきたら松野お前どうする?」

突然の問いに不思議そうな松野。

「え?里花?いや、無いっしょ。笑 お前もしかしてアリなの?伊月ちゃんとゆう美女はもう見慣れちゃった?!」

アーメン、里花。
なんかすまん…。

「そんなわけないだろ、僕は伊月オンリーだけどさ。」

⏰:14/03/15 00:30 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#131 [太郎]
「しばらく彼女いないし、誰でも良いから付き合いところだけど、里花は無理だなぁ。さすがに。性格は良いんだけどねー。でも俺とは中身も合わなそう。」

やばい。里花。完全に無理だ、お前。涙

聞きたくなかった。
またしても、後悔の質問。

「…ふ〜ん。」

動揺するな、俺!
必死ですましたお顔をする。

可哀想だけど、あの様子じゃ今から里花がどんだけ努力しても、無理そうだ。

かと言ってそんな事里花に言えるわけもなく、俺は里花から松野の話を聞くたびに苦しくなるのである。

⏰:14/03/15 00:36 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#132 [太郎]
それからまたしばらく経って、なんと松野に好きな人が出来た。

俺はこれはある意味里花が救われる気がした。

松野に好きな人が出来た事を言ったら、自然に諦められるかもしれない。

いや、傷つくかな。

ある意味、伊月以外の女の子に対してここまで頭を使ったのは初めてかもしれない。

とにかく里花の恋を最後まで見届けるつもりで、俺からも松野の話をふったりしてたんだけど、最近の里花は、なんだか様子がおかしい。

⏰:14/03/15 00:44 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#133 [太郎]
松野が好きな人相手に盛り上がれば盛り上がるほど、そろそろ里花に言わなきゃまずいなって思ったし、とりあえず話したかったんだけど、学校ではまず俺と話さなくなった。

それにはたからみててもいつもより明るくなくて、俺には何かに悩んでるように見えた。

なんだよ、あいつ。

基本的に自分から話しかけないタイプの俺が、ついに里花を誘った。

「売店にパン買いに行かね??」

⏰:14/03/15 00:47 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#134 [太郎]
結構久々に話しかけるし、変に緊張した。笑

「えー!どうせ奢れとか言うんでしょ?やだぁ〜」

案外いつもと変わらない接し方をしてきたけど、なんやかんやでお断りされた。笑

結局話すことは出来ずに、なんかモヤモヤしてた。

だって、毎日のように話しかけてきてあーだこーだ話してた奴が、いきなり俺の存在無視だぞ?ひどくね?笑

女はそうゆう生き物なのか?涙

⏰:14/03/15 00:51 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#135 [太郎]
絶対なんかあったな、と思って気になる俺は、ついに電話をかけることにした。←しつこいよね。笑

夜中だった。

最近じゃメールも電話もよこさない。

俺から用もなく電話するのははじめてだった。いや、用はあるか。

『はい。』

「おう、もしもし?なにしてんの?今いい?」

『あ〜うん。どうした?』

いつもと変わらない里花。

⏰:14/03/15 00:53 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#136 [太郎]
「どうしたーじゃねえよ。なんなの?最近のお前。俺なんかした?」

『え!そんな事で電話してきたの?何それ〜ウケる〜!』

何を聞いてもウケられるだけで、はっきり答えようとしない里花。

だんだん本気でイライラする俺。

「まぁ、じゃあその話は置いといて、お前松野はどうすんの?松野の話ばっかりしてたのに、急に音沙汰ないからよ〜」

こうなったら話を変えよう。

『う〜ん。なんかさ、もう好きなのかわかんなくなっちゃって。ごめん、もう頑張るのやめたぁ。』

「なるほどな。松野好きじゃなくなったらもう俺は用無しってやつ?」

⏰:14/03/15 00:58 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#137 [太郎]
『いや、そうゆうんじゃなくて…。』

「いや完全そうだろ、俺だって結構真剣にお前には頑張って欲しいって思ってたのに…」

『ねぇ!もうやめてよ!!!…もうやめて。』

俺のセリフに食い入るように里花が叫んだ。

「え?お前泣いてんの?」

もうわけがわからなくなってきた。

『相談に乗ってくれてたのは感謝してるけど…。純は私の気持ちなんて全然わかってないよ。』

⏰:14/03/15 01:02 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#138 [太郎]
里花の勢いに圧倒されて、黙って聞くことしか出来なくなる僕。

『もう本当は、松野くんの事なんて、ずっと前から気にならなくなってた。』

!!!!!
え〜!俺がお前の為に考えてた今までは一体。

「は?何それ。マジで言ってんの?」

若干キレ気味な僕。

『もう!なんで気付かないわけ!私は松野くんじゃなくて、どんどん純の事ばっか考えるようになっちゃってたの!』

えぇええええ!!!
これはすごい衝撃だった。

目ん玉が飛び出るとゆうのは、この時の俺のことを言うんだと思う。

⏰:14/03/15 01:11 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#139 [太郎]
「え?」

『ほんとに気付いてなかったの?私はもう気付いてるのかと思ってたよ。もちろん、彼女いるの知ってるし、私は伊月ちゃんをすっごく一途に想ってる純が好きだったから…。』

好き…。
うわぁ、里花の言葉から聞きたくなかった。

嬉しくないとかじゃなくて、これまでの楽しかった友情が壊れていく気がして。

「ちょ、ちょっと待って。ちょっと頭ん中こんがらがってる…」

どんな言葉を返せば良いのかわからなかった。

⏰:14/03/15 01:14 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#140 [太郎]
その後、冷静になった里花に、落ち着いて話をしてもらった。

はじめは本当に松野が気になって、俺に言ったみたいだけど、すぐに俺の事が気になって、里花的には態度で示してたつもりだったようだ。それに全く気付いていない俺にめちゃくちゃキレる里花。笑

いやでも、俺には松野の相談してきてたんだよ?わかるわけないよね。

その上、里花が言うには、俺はいくつも里花に思わせぶりな態度や発言をしていたらしい。

俺がどんな思わせぶりをしたのか問い詰めると、ただの優しいセリフだった。

⏰:14/03/15 01:18 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#141 [太郎]
優しいセリフって言っても、普通の人間が常識的にかける言葉の程度。

でも、俺はなんせ毒舌キャラだから当たり前の言葉が里花に誤解を生んでいたみたいだった。

『純の事は本当に好き。でも、無理なのもわかってるし、付き合いたいとか願ってないの、なんか最近、純から伊月ちゃんの話とか聞くの辛くて…。純は松野くんの話しかふってこないし。笑 まぁ当然か。だからね、こんな風な伝え方になっちゃったけど、伝えれて良かった。ごめんね。』

里花がそう上手くまとめてくれた。

「いや、なんか、その、すまん。」

⏰:14/03/15 01:23 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#142 [太郎]
『謝んないでよ!辛いじゃん』

「いやそーゆうすまんじゃなくて。マジで気持ちは嬉しいから。ほんとにありがとな。」

『そうゆうとこだよ、ばか。』

もう何を言っても怒られそうなので、何も言えなかった。

正直ほんとにビックリして、聞きたくなかった話だけど、里花の事をそこまで悩ませてたのは自分だったんだと思うと、少し反省した。

もちろん俺には伊月がいるから、里花の気持ちには応えられないけど、里花に想われていた事は素直に嬉しかった。

俺は友達としてみてたけど、本当に連れとして好きな奴だから、絶対幸せになってくれって思った。

⏰:14/03/15 01:26 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#143 [太郎]
次の日

「純〜!プリン買ってきたよー!」

どんな顔して里花に会えば良いのかヒヤヒヤしながら学校に行ったのに、拍子抜けするほど前の仲良くしてた頃に戻った里花。

「お〜さんきゅ!って、これ違うプリンなんだけど!」

「え?嘘。久しぶりすぎて間違えちゃったぁ」

「お前マジで頭足りないぞ。」

こうやって普通に接することが、精一杯の俺の思いだった。

「ひどい!もう自分で食べる!」

「うわ…またデブるぞお前。」

⏰:14/03/15 01:30 📱:iPhone 🆔:h2yuTCbc


#144 [太郎]
そんな、ぷち青春を感じていた矢先の出来事だった。

高校2年の春。

俺と伊月に家族を巻き込む出来事が起きた。

高2、俺たちはまぁ喧嘩もしながらも、うまい事やっていた。

俺の束縛もだいぶ柔らかくなり、伊月は伊月で、ギャルとゆうよりお姉さんみたいなのに興味を持ったらしくいっときのすごい激しい外見から俺の好みに近付いていた。

しつこいようだけど、モテモテの伊月の中でも高2の時が一番モテてたな!

その度に焦る僕。笑

⏰:14/03/16 22:35 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#145 [太郎]
ある日の夜、伊月から着信。

その日伊月は22時までバイトだって言ってたから、おかしいなって思った。

電話に出ると伊月の様子がおかしい。

話を聞くと体調が悪くてバイトを途中で上がらせてもらったらしい。

心配で、迎えに行くことにした俺。
あっ、自転車でね。笑

「大丈夫?」

⏰:14/03/16 22:38 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#146 [太郎]
ずっと気分が悪そうだったから、俺もあまり話しかけずに2人で歩き出した。

すると足を止める伊月。

振り返ると、うつむいて目に涙をためている。

「おい、大丈夫?」

「ううん…違うの。じゅん…。どうしよう…。」

こんな不安そうな伊月は見た事なくてすごい心配になった。

「どうした?」

⏰:14/03/16 22:41 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#147 [太郎]
「もしかしたら、私、赤ちゃん出来たかもしれない。」

「えっ!?」

正直信じられなかった。

思い当たる事をしたのは、3年近く付き合って来てたったの一回だけだった。

俺も伊月も基本的に根が真面目だし、毎回ちゃんと避妊してた。

たった一回だけ、ゴムがなくなった時があったけど、最後までしてなかったし、そんな確立で出来るもんなの?

ああゆうの、100パーセントじゃないって言うけど、ほんとにそれで出来た人いんのか?

⏰:14/03/16 22:44 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#148 [太郎]
いやいや、そんな事考えてる場合じゃないと思い、必死で動揺をかくし、いつからそう思ってたのかとか、色々話を聞いた。

伊月はずっと1人で悩んでたみたいで、やっと俺に言えた安心感や、これから先の心配で情緒不安定になっていた。

「大丈夫だって。とりあえず、確かめよう。そんなに1人で悩ませてごめんな。」

その3つの言葉を延々と繰り返してた。

生理が止まってから結構長い月日がたっていた事もあって、その時すぐに確かめようと思ったんだけど。

伊月がほんとにパニックに近い混乱を起こしてて、落ち着かせる為に一回俺んちにいくことにした。

⏰:14/03/16 22:50 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#149 [太郎]
「もし、本当に出来てたらどうする?」

落ちついた頃、伊月が俺に言った。

まだ17歳だった俺ら。
高校卒業もせずに、養っていけるのか。

こうゆう時に、すぐに言葉が出ない俺は、男として最低だと、心底思った。

「俺たちまだ高校生で、2人だけではやっていけないから、親に助けてもらわなきゃいけない。家族みんなで話し合って、一番良い方法を考えればいいよ。」

俺の中では、すごく考えて選んだ答えだった。

⏰:14/03/16 22:57 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#150 [太郎]
「家族に?そんな簡単に家族をあてに出来ない!もし出来てても2人で育ててく!」

「2人でなんて無理だろ!金だっていくらかかると思ってんだよ!」

どんどんヒートアップする俺ら。

「2人で働く!」

「働いてる間誰が面倒見るんだよ、誰にも支えてもらわずに産むのは無理だよ。」

「家族には…迷惑かけたくないよ…。」

伊月がそこまで、言う気持ちは、なんとなく理解出来た。

⏰:14/03/16 23:29 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#151 [太郎]
伊月の家には母親がいない。

小さい頃から母親代りで伊月たち子供の面倒を見てくれていた、ばあちゃんも高校に入学した頃に亡くなった。

今は父親と大学生の兄、 小学生の妹と4人で暮らしている。

伊月の父親は立派なご職業で、金に苦労する事は無い様子だったけど、仕事の忙しさであまり家にはいないし、やっぱり母親がいない生活にはたくさん大変な事もあったと思う。

⏰:14/03/16 23:33 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#152 [太郎]
それでもみんな仲良くて、お互いに支え合ってる良い家族だと、いつも思っていた。

小学生の妹の世話だったり、今は母親代りで家族を守る伊月からしたら、そんな家族に心配かけたくないんだろうと思う。

「大丈夫だよ。家族なんだからさ。俺んちの家族だって…話したら支えてくれるって。」

それに比べてうちの家族は平凡を絵に描いたような家庭だった。

⏰:14/03/16 23:37 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#153 [太郎]
そこまで立派なご職業じゃない父さん。笑
そんな父さんの事が大好きな母さん。

そんで、2個上の兄ちゃん。
んで、俺。

家の中では俺が一番無口だし、普段はそんなに話すことないけど、仲は悪いわけじゃないと思っていた。

こうゆう、いざとゆう時、思い浮かぶのは家族だったからそうとう頼りにしてきたんだと思う。

「純の家族にも迷惑かけたくないの…!」

⏰:14/03/16 23:40 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#154 [太郎]
異常に周りに迷惑をかけるのを恐れる伊月。

ずっと説得してたけど、聞く耳を持たないから俺の中で何かがプツンと切れた。

「いい加減にしろよ!」

「…。純には私の気持ちわかんない!どれだけ不安かも、どれだけ大変な事かも!…もう帰る!」

完全にヒステリックが起きていた。

こんな状態で帰られちゃ困ると思って腕を掴むけど、振り払って玄関に走る伊月。

⏰:14/03/16 23:45 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#155 [太郎]
「ちょ、待てよ!」

はっ、キムタクみたいになった。笑

俺が追いかけると、丁度母さんが玄関の前の廊下に立っていた。

半泣きの伊月を見て驚いている様子。

「あっ、すいません…お邪魔しました。」

挨拶して、外に出ようとする伊月。

「ちょっと待て!」

叫ぶ僕。

「あらぁ。」

思わず、あらぁと言う母さん。笑

⏰:14/03/16 23:47 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#156 [太郎]
伊月と母さんは今まで挨拶程度に顔を合わすくらいで一度も話した事は無かった。

俺が伊月に、母さんとは話して欲しくなかったからだ。

何故ならば、母さんは最強に口が悪い。

兄ちゃんが彼女を連れてくるとだいたい彼女の愚痴がはじまる。

伊月になんか言われたらたまったもんじゃないし、伊月に不愉快な思いさせたくなくて極力会わさないようにしてた。

母さんは俺の彼女ってゆうもんに興味深々で、色々聞いて来たけど、家の中でクールな僕はほぼその話題はスルー。笑

伊月は伊月で、もっと話したいとか言ってたけど話さなくて良いとシャットダウンしてた。

⏰:14/03/16 23:53 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#157 [太郎]
父さんの事になると大好きすぎて人が変わる。

口が悪くて嫉妬深い。

俺は完全に母さん似だ。笑

「…。」

そう、この時俺は必死だった。

伊月の腕を再び掴み、母さんに向かってとっさに言った。

「母さん!伊月…俺の彼女だけど、妊娠したかもしれない。」

とにかく伊月に、1人で悩むな、誰にも頼らずに決めようとするなって事を伝えたかった。

母さんに言えば、支えてくれる人はいるんだって思ってもらえると思った。

⏰:14/03/16 23:57 📱:iPhone 🆔:pU7W7/hw


#158 [太郎]
「ちょ、ちょっと!!」

なんて事を言うんだこいつ、とゆう目で睨む伊月。

言った瞬間やべぇと思った。
母さんに言ったところで丸く収まるわけがない。

「…。」

母さんフリーズ。

「伊月ちゃん?ちょっと待ちなさい、ちょっと火止めてくるから。」

すっとぼけた口調で母さんがそう言って、台所へ消えた。

「…。」

無言で靴を脱ぐ伊月。
諦めたかのようにしょんぼりしている。

⏰:14/03/17 00:01 📱:iPhone 🆔:3uowtQOU


#159 [太郎]
するとすぐに母さんがひょっこり顔を出して言った。

「お待たせ。とりあえず、2人共リビングに入りなさい。」

たんたんと話す母さんがめちゃくちゃ怖かった。

「で…でも…。」

躊躇する伊月。

「大丈夫よ!今日父さん帰り遅いし、旬もどうせ帰ってこないんだから。」

極め付けにとびきりのスマイルな母さん。
怖いわ!

あ、旬は、兄の名です。

結局リビングに入る俺。

⏰:14/03/17 00:08 📱:iPhone 🆔:3uowtQOU


#160 [太郎]
家に誰も帰って来ないアピールする母さんだけど、そうゆう問題じゃなくて…てゆう気がした。

リビングに母さんと俺と伊月。

少し前までは絶対にありえないシチュエーションだ。

「…ぐすっ。」

伊月はずっと泣いていた。

俺は母さんをチラチラ見ながら黙る。

最初に口を開いたのはもちろん母さん。

「伊月ちゃん、お腹に赤ちゃんがいるとしたら、涙は赤ちゃんが不安になるからね。もう泣かないで。」

俺は母さんのこの言葉が今でも頭に焼き付いている。

⏰:14/03/17 00:12 📱:iPhone 🆔:3uowtQOU


#161 [太郎]
言葉とゆうより、口調だな。

信じられないくらい優しい口調だった。
母さんのあんな優しい喋り方ははじめてきいた。

「…はい。」

涙を拭き、こらえる伊月。

「そんで純!」

さっきの優しい喋り方とはうってかわって、こちらにはいつもより増してキツイ口調の母さん。

⏰:14/03/17 00:14 📱:iPhone 🆔:3uowtQOU


#162 [太郎]
「…はい。」

「こうゆう時に、彼女がここまで涙を流す状況を作ったのはあんただよ!妊婦かもしれないんだろ?!お前が安心させないでどうする!バカタレ!」

超キレるじゃん。
伊月の前でそんな言葉遣いやめてよ、みっともない。と、この時はそんなん考えてる余裕無かったけど、あとあと思った。笑

「いや…違うんです…純くんが悪いわけじゃないんです。」

僕をたてる伊月。
そうすればそうするほど母さんの怒りは俺に爆発。

⏰:14/03/17 00:20 📱:iPhone 🆔:3uowtQOU


#163 [太郎]
その後母さんは、実にくだらない世間話をはじめた。

えっ、妊娠したかもしれない話は?
一切しないのかよ…。

母さんはほんとんど、伊月に話しかけてて、伊月な母さんに話しかけられているうちにだんだん落ちついてきた様子。

俺だけが会話に入れずに黙り込んだままだった。

こんな時に何関係ない話してんだよ、ババア。

イライラもしたけど、母さんと伊月がこんなに普通に笑顔も交えながら会話する光景なんて予想もしてなかったから不思議な感じだった。

⏰:14/03/17 11:10 📱:iPhone 🆔:3uowtQOU


#164 [太郎]
会話が盛り上がらなくなり、話すことがなくなって、少しの時間沈黙した後、母さんが言った。

「私ね、今でゆう出来ちゃった婚だったの。」

「え!?」

驚いたのは伊月じゃなくて俺の方だった。

自分の親がどうやって出会って結婚したとか今まで興味無かったしもともと知らなかったんだけど、そうじゃなくて、毎年結婚記念日を祝ってる母さんたちだったから、母さんが25の歳に結婚したってゆうのは知ってた。現在47。

この時、2個上の兄ちゃんは19。

つまり、出来婚だったら兄の上にもう1人子供がいないとおかしい。

そんな話聞いたことないんですけど。

⏰:14/03/17 11:18 📱:iPhone 🆔:3uowtQOU


#165 [太郎]
「は?どうゆう意味?」

「純にはまだ話したことなかったけど、旬を産む前にお母さん妊娠してたの。女の子だった。お母さんあの時仕事も大変で、お父さんの両親がなかなか結婚を認めてくれなかったこともあって、やっと入籍して、もうお腹の中で大きくなったのに…死産だった。」

「え?マジで言ってんの…。」

確かめなくても母さんの表情を見たら嘘なんかじゃないってわかった。

「お医者さんは、お母さんが悪いわけじゃないって言ってたけど、お母さんはやっぱり自分を責めたよ。ごめんね、ごめんね。っていっぱい思ったし、もう子供を作っちゃいけないんじゃないかって思った。」

隣でまた涙を流す伊月。

⏰:14/03/17 11:24 📱:iPhone 🆔:3uowtQOU


#166 [太郎]
小さい頃から母さんはよく言っていた。

若い頃からお母さんは女の子が欲しかったんだよ、だからあんたたちみたいにヤンチャな男の子たちにはうんざりだよって。
もちろん冗談っぽくね。

そんだけ女の子を望んでいた母が、女の子を妊娠していたなんて…。

「結局その後2人も授かって、まぁ、こんな憎たらしい男2人だけど、妊娠できる、出産出来るってゆうことが、本当に幸せだって心の底から思うの。…だからね、伊月ちゃん、まだわからないけど、もしお腹に赤ちゃんがいるのなら、自分のことも赤ちゃんの事も大事にしてね。母の涙は伝わっちゃうよ。」

⏰:14/03/17 11:28 📱:iPhone 🆔:3uowtQOU


#167 [太郎]
とにかく母さんは、これから先の事より、伊月の事より、俺なんかより、お腹にいる?のかはまだわからないけど、お腹の子の事ばっかり考えてた。

またしばらく3人で話してて、最後に母さんが今日は泊まって行きなさいって言った。

そのセリフにもビックリ。

俺の家は何故か彼女を泊めるの禁止ルールがあって、兄ちゃんが遊びにきた彼女を連れ込んでそのまま寝ちゃってた日なんか、母さんけちょんけちょんに言ってたのに。

まぁ、こうゆう事態だから当然か。

⏰:14/03/19 00:39 📱:iPhone 🆔:iJ04Fd0s


#168 [太郎]
俺の部屋に伊月を連れて、リビングを去ろうとしたら母さん。

「ちょっとあんた何。伊月ちゃんは母さんと一緒に寝るんだよ。」

•••は?

「何言ってんの、冗談きついわ。」

「女同士話したい事がいーっぱいあるの!いいでしょ!伊月ちゃん!」

本当に俺の母さんは彼女泣かせの空気読めないババアだと思った。

兄ちゃんがいつも怒ってる気持ちがすげーわかる。

「ありえないから!ほら!行くぞ伊月。」

⏰:14/03/19 00:42 📱:iPhone 🆔:iJ04Fd0s


#169 [太郎]
「こら!純!」

そんなの伊月が嫌に決まってんだろーが。

「純いいよ。私純のお母さんが良いなら、お母さんの所行かせてもらうよ!」

いや、そんなのは建前だよな?

「いや絶対連れてくから!」

しばらく母さんの俺の言い合い。

困る伊月。

⏰:14/03/19 00:45 📱:iPhone 🆔:iJ04Fd0s


#170 [太郎]
…結局。

「じゃあまた明日ね、おやすみ。」

母さんの部屋に連れて行かれる伊月。

伊月が母さん側につくもんだから、2対1でそりゃ負けるぜ。

俺だって、伊月が不安な分不安だし、こうゆうとき1人でいたくないのに。

と、女々しい事を思っていた。

本当に出来てたらまずどうするのか、そればっかりずっと考えてた。

⏰:14/03/19 00:47 📱:iPhone 🆔:iJ04Fd0s


#171 [太郎]
次の日

寝不足で目覚めは良くないけど、いつもよりだいぶ早く起きてリビングにダッシュ。

「純!おはよう。」

すっかりうちのリビングに馴染む伊月。

母さんが朝支度をバタバタとしてる間にこっそり伊月と会話。

「マジでごめんな。うちの母ちゃん。頭おかしい。大丈夫だった?」

「ううん、本当に安心して眠れる夜だった。お母さんとたくさん話したよ!ずっとこうやって話してみたかったから嬉しい。こんなきっかけで、本当に迷惑かけちゃってるけど…。純もごめんね。私昨日は興奮してた。」

⏰:14/03/19 00:54 📱:iPhone 🆔:iJ04Fd0s


#172 [葵]
続き楽しみにしてます!!

⏰:14/03/19 18:44 📱:SH-09D 🆔:KI2ORapc


#173 [太郎]
ありがとう!嬉しいっす!

⏰:14/03/21 14:41 📱:iPhone 🆔:dkYozRTY


#174 [太郎]
その日は平日だった。

俺たちは学校を休んで、市販の検査薬を母さんに買ってきてもらい、朝からさっそく検査をした。

ドキドキしながら検査結果を待つ俺と伊月。…と、母さん。

結果…。

「これって…。」

何度も説明書を読んだはずなのに、結果をすぐに理解出来ない俺ら。

母さんが覗き込んで言った。

「してないみたいだね…。」

こんな言い方したらいけないのかもしれないけど、ホッとした。

隣の伊月も俺と同じ表情をしてた。

⏰:14/03/21 14:58 📱:iPhone 🆔:dkYozRTY


#175 [太郎]
「市販のやつも間違いないと思うけど、生理不順にしてもちょっと長すぎて心配だから、一応病院行った方がいいわね。伊月ちゃん今から行こうか?」

「え?良いんですか…?」

もしかしたら子宮の病気とかなのかな…。

ホッとしたのもつかの間、またそんな不安になった。

「なるべく早く方が良いし。全然いいのよ!かかりつけの婦人科ある?」

「婦人科はまだかかったことないです。」

「じゃあ私がいつもいってるところで良いかな?じゃ、行ってくるから。じゃあね純。」

「は!?俺も行くよ!」

⏰:14/03/21 15:03 📱:iPhone 🆔:dkYozRTY


#176 [太郎]
そんな感じで、とりあえず母さんが常に俺をハブこうとしていた。笑

強引に車に乗り込み、3人で婦人科に向かう。

車内でも女2人は盛り上がってるし。

なんなのこいつら。

まぁでも、内心すごい安心しているとゆうか、嬉しいとゆうかなんとゆうか。

婦人科に着き、あんたはここで待ってろと母さんにキツく言われ車でさみしく待つ俺。

そこでふと気付く。

⏰:14/03/22 00:24 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#177 [太郎]
昨日の修羅場以降、母さんのせいて全然二人きりになってねぇ!

この件に関してもだけど、とにかく2人で話したい。

俺の母さんは本当にたちの悪い奴だと改めて思った。

母さんの前ではニコニコしてくれてる伊月だけど、本心は嫌に決まってるよな。

後で全力で謝ろう。

⏰:14/03/22 00:27 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#178 [太郎]
「ちょっと!あんた何寝てんのこんなとこで!みっともない!」

夢の終わりに母さんの声…
なんて最悪な夢だ…

「…って、は!!?」

車の中で爆睡をこいていた俺。

はっと伊月を確認して聞いた。

「うわ、ごめん伊月寝てた。どうだった?」

「おはよ。笑うん!多分ただの生理不順だって。薬も出してもらった。赤ちゃんも本当にいなかったし…。純ごめんね。お母さんも、お騒がせして本当にごめんなさい!!」

「伊月が謝ることじゃないから!」

⏰:14/03/22 00:32 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#179 [太郎]
うわぁ、今伊月の事めちゃくちゃぎゅーって抱きしめてやりたい!

もう色々なモヤモヤが、母さんのせいで発生していた。

「また病院来てって言われてたけど次行く時も私乗せてくからいつでも言ってね伊月ちゃん。」

「なんで母さんがしゃしゃりでてんだよ!いいよ俺が連れてくから!」

「あんたが?自転車で?バカだね、伊月ちゃんが迷惑だよ!」

「電車で一緒に行くからいいよ、母さんは首突っ込まなくても。」

「…お母さん…良かったらお願いします!」

って、えぇえーーー!!!
伊月さん…。

⏰:14/03/22 00:37 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#180 [太郎]
こうして結局、今回の妊娠騒動は勘違いとゆう結末だった。

その後ちゃんと通院して生理もきちんとくるようになったみたいだ。

伊月の前ではああ言ってたけど、家でこっそり母さんにも珍しく頭を下げた。

「お騒がせしてごめんなさい。父さんと兄ちゃんには、」

「言わないわよ!ふふふ。」

母さんはなんだかすごく嬉しそうだった。

そういえば本当に思春期を迎えてから母さんとこんなに会話する機会なんてなかったからな。

こんなきっかけでも母さんからしたら嬉しいもんなのかなぁ。なんて、少し親孝行した気になった。

⏰:14/03/22 00:42 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#181 [太郎]
ただ、この日以来毎日伊月の事を聞いてくる。無駄にきやすく話しかけてくるようになった。

まぁ…俺が巻いた種のようなもんだ。
仕方ないか。

「あっ、いらっしゃ〜いなんか久しぶりじゃない?」

「お久しぶりです!そうなんです、バイトが忙しくて!今ね、お金貯めてるんです、友達と今度旅行に行くからっ。」

「え〜いいなぁ、どこ行くの?」

伊月が遊びに来たらこれだ。

すっかり仲良しになってやがる。

とほほ。

きっかけはともあれ、こんなに伊月の事を気に入ってくれて俺も嬉しいかな。

⏰:14/03/22 00:46 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#182 [太郎]
「もう母さんしつこい。伊月!早く俺の部屋行こうよ。」

ブーブー言う女ども。

まぁでも、俺んちの親には公認された付き合いだってことになった。

今までもこそこそしてたわけじゃないけど、やっぱ親と彼女が仲良くなってくれると連れてきやすいな。

ことごとく連れてくる彼女を批判される兄ちゃんには、「伊月ちゃんばっかずりーわー。」って結構マジでチクチク言われてた。

この頃からは兄ちゃんの彼女と伊月を比べて愚痴愚痴言うようになったみたいだから。

この時の俺は兄ちゃんの連れてくる女がみんなろくな奴じゃないんだろうな、くらいにしか考えていなかったけど。

⏰:14/03/22 00:54 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#183 [太郎]
なんやかんやありながらも、伊月とはうまくやっていた。

高3になった時にはもうすでに4年の付き合いになった。

周りにも中学の時からずっと付き合ってきて、一度も別れてないカップルなんていなかったから、俺らの周りの小さな世界では有名な話だった。

俺はそうゆうのも誇らしくて、別れなんて一切想像してなかった。

⏰:14/03/22 17:25 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#184 [太郎]
俺の存在を知った上で伊月に告る奴もいたけど、伊月はきちんとお断りをしてくれていた。…はず!

俺は真剣に伊月との結婚も考えてたし、将来の俺の生活に伊月がいる事が当たり前だと思ってた。

高校を卒業したら、俺は進学はしないで働くつもりだった。

早く金を貯めて、伊月と結婚して、家建てて、そんな風に思い描いた夢があった。

それに、うちには大学に入る金も、合格する頭も持ち合わせていなかったし…。

⏰:14/03/22 17:31 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#185 [太郎]
伊月は短大に行くと決めていた。

美容部員になるってずっと言ってた。
キラキラした目で色々説明してくれた。

でも、伊月の高校は進学校でもないし伊月は部活もしてないし、頭悪いわけじゃないけど、生活態度があんまり良くないとか言われてて(髪の毛染めたり、同じグループの奴らがタバコ吸ったりして謹慎処分を受けたりしていた…。)、行きたい学校に入れるかわからないって高校の教師に言われてたみたいで。

3年になった伊月は、必死で生活態度を改めていた。笑

⏰:14/03/22 17:38 📱:iPhone 🆔:V5upTup.


#186 [葵]
待ってます♪

⏰:14/03/27 01:09 📱:SH-09D 🆔:SrQjlBNs


#187 [太郎]
ありがとう!!!

⏰:14/04/02 02:12 📱:iPhone 🆔:WbPVIftE


#188 [太郎]
ppp…

そんな時期、伊月の携帯がよく鳴っていた。

「おい〜寺田ってやつから電話〜」

ちゃっかり名前を見る僕。

「あっ、先生だ。もしもし?あっ、うん!ありがとー先生!」

どうやら、進路相談担当の先生みたいで、進路の話をよくしていた。

寺田高貴。

着信画面にそう出ているのを、しばらくの間よく見た。

嫉妬深い俺でも、先生相手にはさすがに何も感じていなかった。

⏰:14/04/02 02:16 📱:iPhone 🆔:WbPVIftE


#189 [太郎]
「なんとか行きたい短大いけそうなんだ!寺田ってゆう先生が色々調べてくれてさ、楽しみだな〜メイクの勉強。」

伊月が本当にワクワクしてそう言うから、いつも俺も嬉しくなった。

「伊月が資格とってる間に俺はひーこら働いて将来の為に金貯めるわ!笑」

伊月が短大の話をすると俺はそう言って、お互いに夢みたいなんを語った。

「伊月んちよりもでっかい家建てたいしなあ〜!子供は3人作るし!」

「勝手に言ってるけど産むのは私なんですけど…」

まだまだ先の話をこうやって話しているのが幸せだった。

⏰:14/04/03 01:43 📱:iPhone 🆔:cCDhly86


#190 [太郎]
そんな風に、言葉でもよく将来の事は話してたけど、高校卒業を機に、俺は伊月に、ある思いを伝える事を決めた。

高校卒業ってことで卒業旅行に行かないか?って誘い、はじめて俺が1人で計画をたてて行ったディズニーランド。

ロマンチスト松野の一件以来、サプライズなんて一度もした事がなかったけど、なんかこうゆう時くらいは決めてやりたいと思った、自分でもビックリだ。

しかもディズニーランドなんて、この時まで一回も行った事ないし興味も無かった。

⏰:14/04/26 23:39 📱:iPhone 🆔:2wXtGVzQ


#191 [太郎]
伊月はずっと行きたがってたから大喜びで賛成してくれた。

やると決めたら完璧主義の俺。

とことん下調べして、退屈のないプランを一生懸命調べた。

そのおかげでこの時はじめてプーさんの横にいるのがブタだった事を知った。俺の中ではプチ衝撃だったんだ。あれずっとウサギだと思ってたから。

いや、そんな事はどうでもいい。

⏰:14/04/26 23:42 📱:iPhone 🆔:2wXtGVzQ


#192 [太郎]
旅行当日。

泊まりで出掛けるのは初めてじゃなったけど、今回ばかりは緊張してた。

「おはよ!純荷物そんだけ?忘れ物ない?」

いつも通りの伊月。

「うん。ちゃんとパンツは2枚持った。」

いつも通りに振る舞う、内心緊張の俺。

そんな緊張も、夢の国ディズニーランドに入ればすぐ和らいだ。

なんだかんだ言っといて楽しむ僕。

何より楽しそうな伊月が可愛くて、幸せだった。

⏰:14/04/26 23:47 📱:iPhone 🆔:2wXtGVzQ


#193 [太郎]
まぁ、ことごとく俺の計画通りには進まず、時間の無駄遣いをしてみたりもしたんだけど、それはそれで楽しいってのが、若者のデートなわけで、充実な一日だった。

奮発してとったホテルに入って、こっそり買った酒とつまみを机に並べ、さ!乾杯!の前に、僕が切り出す。

「伊月。俺、話あるんだ。」

笑!これ、言ってみたかったんだ!

⏰:14/04/27 00:36 📱:iPhone 🆔:X47cz3X.


#194 [太郎]
「笑。何言ってんの。」

あまりにもベタな切り出し方に、本気にせずあしらう伊月。

「いやいや。あのね、こっからマジね!」

「ん?」

「伊月。将来俺と、結婚して下さい。」

「…うん!将来ね。笑」

ムードもくそもない雰囲気でプロポーズ!

って言っても、高校を卒業するぐらいのまだまだ子供なわけで、今すぐにって事じゃなかったんだけど、改めて将来への想いを伝えたかったんだ。

本気で結婚する為に、こうやって貯金して、いつ頃ちゃんと籍入れたり、式したり、とか、考えときたかった。

⏰:14/04/27 00:46 📱:iPhone 🆔:X47cz3X.


#195 [太郎]
「ほんでこれ。」

そして、指輪もちゃっかり用意。

ほんとにこうゆうことするタイプの人間じゃないし、自分からこう考えたのも言ったのもはじめてだったからか、伊月は今回は引く事もなく、笑、涙をうかべながら喜んでくれた。

付き合って4年。

俺は一度も別れたいと思ったことがなかったし、本当に本気でこのままずっと伊月といられると思ってた。

お互い社会人になって金も貯めて生活できるようになったら、あらためてちゃんとプロポーズして、次は本当に結婚するんだ。

⏰:14/04/27 00:53 📱:iPhone 🆔:X47cz3X.


#196 [太郎]
その夜、ベットの上で伊月が眠たそうになりながらも言ったんだ。

「ねぇ、私たちってさ、このまま結婚したらお互いにはじめての彼氏彼女での結婚になるんだよね。」

「うん。それは結構すごいよな。」

「一回も別れたことも無いもんね。」

「うん。」

「他の人と付き合ったりもしてないしね。」

「そりゃ当たり前だろ!もう伊月が俺以外の奴と付き合うとか考えれん!想像もしたくない!」

はい、やきもちやきの僕発揮。

⏰:14/04/27 00:58 📱:iPhone 🆔:X47cz3X.


#197 [太郎]
「私だっておんなじ気持ちだよ。」

「いや、伊月は俺の気持ちまではわかってないな。男のがすげー嫌なの!なんてゆーか、俺の事だけしか知らない伊月ってゆうのが、今まで誰のものでもない俺の女なんだぜ!ってゆう男としてのもんがあんの!」

独占欲男に、熱が入る。

「純しか知らないかぁ。ほんとだよね。でもそれでいいもん。他の人知りたいと思わないよ。」

「も〜、可愛いなぁ伊月ちゃんは。いつまでも僕だけの伊月ちゃんでいてね。」

「ふふ。」

「なんだよ、ふふって。返事は?!」

「zzz」

「おい!」

⏰:14/04/27 01:04 📱:iPhone 🆔:X47cz3X.


#198 [太郎]
そんなこんなで、俺たちはそれぞれ無事に高校を卒業して、俺は社会人。

伊月は晴れて短大生になった。

案外俺は働き出しても特にストレスを感じるわけでもなく、はじめての給料の使い道だったり、取り立ての免許で遠出をする事を計画してみたり、平々凡々と時だけが過ぎた。

伊月は、知ってる友達が1人もいない学校で最初は不安と期待で、少し戸惑っている様子だったけど、1ヶ月もたたないくらいで、仲良くなれそうな子が見つかったみたいで、夢に向かって楽しそうにやってた。

⏰:14/04/27 17:48 📱:iPhone 🆔:X47cz3X.


#199 [太郎]
「ごめんごめん、お待たせ〜!」

俺は仕事が終わってから毎日暇だったけど、学生の伊月は大忙しで会う時間も高校生の時より減った。

伊月の大学の帰り道にある居酒屋で、待ち合わせ。

「おつかれ。」

相変わらず伊月大好きの僕は、短大生の伊月も良いなぁと、鼻の下を伸ばしていた。

「この店来たかったんだよね、なんかね、美味しいのがあるんだよ〜」

⏰:14/04/28 01:52 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#200 [太郎]
いつものように食事を済ませて、少しそのまま話していた。

「あれ?…橋本?」

すると伊月の名前を呼ぶ声。

男の声だから敏感に反応する僕。

「え?…あ!先生…。久しぶり〜!」

先生?

「高校の時の先生、あの、進路の事でよく電話してた寺田先生だよ!」

俺の目を気にしてか、そう言葉を足した。

「先生、こんなとこで何してんの?激安居酒屋だよ、ここ(笑)」

⏰:14/04/28 01:57 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#201 [太郎]
「やっぱ橋本だよな。びっくりした。こんなとこで会うなんて。あ?彼氏?ごめんね。呼び止めちゃって。」

「あ、うん!噂の彼氏!へへへ。」

「あぁ、どうも。」

高校教師らしくなく、若くてオシャレでイケメンだった。伊月は違うって言うけど、俺にはV6の岡田くんにしか見えなかった。こんな先生いたら完全に女子高生の注目の的だろ。

いつもならイライラする俺だけど、何故かこの人には好感を持った。

理由はよくわからないけど、すごい良い人だって、一目みて思ったんだ。

⏰:14/04/28 02:02 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#202 [太郎]
「俺の弟の家が、この店のすぐ横なんだよ。子供と寄ろうと思ったんだけど留守でさ、時間潰しに入ったとこ。まさか橋本に会うとはな。」

子供?

「パパ〜はやく〜!」

小さい女の子が手を降ってる。

「お〜もう行くよ〜!じゃ行くわ。ごめんな。彼氏も、邪魔して。」

「あ〜いえいえ!全然!」

「うん、先生またね〜」

なんだ、妻子持ちか。

ホッとする俺。

「純珍しいね、私の男の知り合いにあんなに愛想良くするの。」

伊月はすごく驚いていた。

⏰:14/04/28 02:08 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#203 [太郎]
「そうか?俺だってもう社会人だしな!器がデカくなったんだな〜。」

本当はまだまだ小さい器なのにいきがる僕。

「そっか。…。」

今思えば、最初に伊月と寺田とゆう教師が顔を合わせた時、2人共気まずそうにしていた。

その後の伊月もどこか不自然だったんだ。

何も知らずに、馬鹿な俺はそんな事ちっとも気にせずにこの時は浮かれていた。

⏰:14/04/28 02:12 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#204 [太郎]
俺が働き出してちょうど1年くらいたった頃だ。

伊月は大学にバイトにって本当に忙しかったから、なかなか会えなかった。

俺は仕事終わってからも暇だし、俺がバイトするし、伊月にバイトやめろって言った。

伊月はしぶってたけど、その方が会える時間も増えるし何より俺がそうしたかったから、伊月はバイトをやめた。

⏰:14/04/28 02:28 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#205 [太郎]
いい加減、俺のそうゆう自己中で、独占欲の強さに、嫌気がさしていたと思う。

それでも伊月はいつも俺のいうことを聞いてくれた。

こうすることで結局、会う時間は少し増えた。

俺のバイトは知り合いのとこで、小遣い稼ぎ程度に伊月に予定がある時だけ入った。

⏰:14/04/28 02:31 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#206 [太郎]
それから半年後くらいかな、家に帰ったら、また兄ちゃんと母さんがもめている。

家では基本無口な俺。

そんな事には気にせずに部屋に一直線。

バタン!

すると勢いよく俺の部屋のドアを開ける兄ちゃん。

「うわ!なんだよ、母さんともめてたんじゃねーの?ビックリした。」

すごい剣幕の兄ちゃん。

⏰:14/04/28 02:34 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#207 [太郎]
「なぁ、なんで母ちゃん俺の彼女にだけあんなキツイんだと思う!?マジであのババアの態度腹立つ。今回の彼女は本気なのにさ。しかもすげぇ良い子でさ!母ちゃんの態度に凹んで泣いてたんだよ。」

うわぁ…、かわいそ。
確かに母さん口悪いからな。

「そんなん…俺に言われても…」

「それに比べてお前の伊月ちゃんにはあんなに甘いだろ?ひどくねーか?だから!お前からも母ちゃんに一言言って来い!」

うわ、めんどくさい。巻き込まれたくねーな。こりゃ。

⏰:14/04/28 02:40 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#208 [太郎]
「つか、最近伊月ちゃん来てないよな?ついに振られた!?お前もバイトなんかはじめちゃってさ。」

「振られてないし!別れるわけないだろ、伊月は大学忙しいんだよ。兄ちゃんと違って。」

「うるせー。てかそんな事はどうでも良いから早く母ちゃんのとこ行けって!早く!」

なんて自分勝手なんだ、無理矢理母さんのところへ連れていかれる俺。

最終的にな兄とゆう権限を使って弟をつかうんだよな〜。

⏰:14/04/28 02:44 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#209 [太郎]
「なに、あんたたち2人そろって、珍しいわね。」

「ほら!純はやく!」

小学生の子供みたいにおれの後ろに隠れる兄ちゃん。

「はぁ…。…母さん、なんで兄ちゃんの彼女にだけそんなに厳しいんだよ。兄ちゃんに細かい事言うのは良いけど、彼女に直接あんな態度とったら可哀想だろ。」

結局言わされる俺。

⏰:14/04/28 02:47 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#210 [太郎]
「…。」

ほっぺたを膨らまして黙りこける母さん。

「そーだそーだ!言ってやれ〜」

なんだよ、こいつら二人とも小学生かよ。
勝手にやれよ。

すると母さんが口を開いた。

「私、お父さんの事大好きだろ?」

そう、母さんは父さん大好きなんです。

「それがなんだよ!」

喧嘩腰の兄ちゃん。

⏰:14/04/28 02:50 📱:iPhone 🆔:hEAQXGeQ


#211 [葵]
待ってました♪うん、面白い。

⏰:14/04/29 13:12 📱:SH-09D 🆔:Hagvh/Bs


#212 [太郎]
いつもありがとう!

⏰:14/05/02 00:29 📱:iPhone 🆔:8/1AtyII


#213 [太郎]
「見たらわかるんだよ!本当にあんたの事が好きかどうか!旬が連れてくる女はみんな本気であんたの事想ってる奴、1人もいないね!」

「そんなん母ちゃんの偏見だろ!?決めつけるなよ!」

「…。」

低レベルな会話に、言葉すら出ない俺。

「それに比べて伊月は全然違うよ、純の事、ちゃーんと想ってくれてる。」

伊月の名前が出てきて我に返る。

「確かに兄ちゃん、付き合っても別れるの早いよね。別れる理由なんなの?」

「そ、それは…。」

⏰:14/05/02 00:34 📱:iPhone 🆔:8/1AtyII


#214 [太郎]
「ほーら!どうせ、くだらない理由なんだろ。ちゃんと想いあってなかった証拠だ。」

「うるせーな!関係ないだろ!」

どうやら図星らしい。

まぁ、なんだかんだ言って、本当は母さんは、兄ちゃんの事が可愛過ぎて彼女のことを認めたくないだけなんだろうなって改めて思った。

兄ちゃんは俺と違って母さんや父さんとの会話も大事にしてたし、母さんとは普段から何でも話したり出掛けたりしてたから。

いわゆるマザコンだな。

⏰:14/05/02 00:37 📱:iPhone 🆔:8/1AtyII


#215 [太郎]
兄ちゃん的には全く納得いっていない様子だったけど、なんとかその場から逃げ切って、部屋に戻る俺。

あー変なことに巻き込まれた。

ふと、母さんの言葉を思い返す。

『伊月は純の事を想ってくれてる』

自分の母親が彼女のことをそうゆうふうに見てくれてるのは、幸せな事なんだろうなぁ。

そんな事を考えながら、いつものように伊月に、何気無く電話をかけた。

特に用事はない。ただ毎日電話するのは俺たちの日課だから。

⏰:14/05/02 00:41 📱:iPhone 🆔:8/1AtyII


#216 [太郎]
「もしもし伊月?聞いてくれよ〜また兄ちゃんがさ、母さんとの変な事に巻き込まれてさぁ」

『…。』

いつもと様子が違う伊月。

バカな俺はしばらく気付かずにこんなどーでもいい話を続けてた。

「伊月?どうした?」

『あ、ううん。ごめんね、純。旬くんたち大変だったね…。』

「何?何かあった?」

また妊娠疑惑!?って、呑気に考えてた。

⏰:14/05/05 01:41 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#217 [太郎]
『ううん、違う…。いや、ごめん…純。ごめん…。別れよう。』

すごく苦しそうに、辛そうに伊月は涙を流しながら言った。

俺にとって突然過ぎて、本当に頭の中が真っ白になった。

どうか、冗談であってほしいと心底思うけど、この言葉が冗談じゃないことくらいバカな俺でもわかった。

付き合いはじめて約5年。

俺たちの間で別れとゆう言葉が出たのはこれがはじめてだった。

⏰:14/05/05 01:45 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#218 [太郎]
『…ごめん。じゅん…ごめん…私…。』

伊月がその理由を話そうとするのがわかって俺は慌てて言葉を重ねた。

「今からお前んち行くから。頼むから会って話し聞かせて。」

『…でも。』

「すぐ行くから。…頼むから。」

伊月の様子からすると、本気だったから、このまま電話越しで終わらされるのがすごい怖かった。

会うことで伊月の気持ちが変わるかなんてわからないけど、とにかくすぐに会いたかった。

⏰:14/05/05 01:50 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#219 [太郎]
伊月の家まで車を走らせる途中。

俺はマジでこれまでに感じたことない感情に押しつぶされそうになった。

まず、別れたい理由はなんだ?

俺なんかしたか?

いつから思ってたんだ?

なんで俺は気付かなかったんだ。

どんな理由でも、原因は俺のそうゆう無神経なところだ。

そう思うと悔しくて、はじめて伊月とのことで泣いた。

⏰:14/05/05 01:55 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#220 [太郎]
中学の時、告白した日に通った帰り道。

告白した公園。

心の中でガッツポーズを決めた、あの日。

自転車で通っていたこの道のりが原付きになり、今は車になった。

伊月のいる当たり前の日常が、本当に俺のすべてだったこと。

伊月んちに着くまでに涙が止まらなかった。

こんなに泣いたのは愛犬のジョニーが死んだ時以来かもしれない。

⏰:14/05/05 01:57 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#221 [太郎]
「着いた。」

たった三文字のメールを送信。

玄関の灯りがついて、俺の心臓はもう爆発しそうだった。

足音が近付く。

運転席を覗く伊月。

馬鹿野郎。なんでお前がそんなに泣いてんだよ。

「乗って。」

今にも泣き崩れていきそうな伊月を車に乗せた。

⏰:14/05/05 02:00 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#222 [太郎]
しばらく泣き続ける伊月。…と、僕。笑

本当はちゃんと聞かないといけない。

でも聞くのが怖かった。

伊月は本気で思ってなかったらそんな事を言う奴じゃないから。

俺は助手席の伊月を力一杯抱きしめた。

「じゅん…待って、話すから、ちゃんと…」

いつも包み込んでくれる伊月はもういない。

それでも俺は強く抱きしめた。

「伊月…。好きだよ、俺はお前じゃなきゃ無理だから。頼むから別れるとか言わないで。」

⏰:14/05/05 02:05 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#223 [太郎]
なんて、女々しいセリフだ。

伊月の前でこんなに泣き崩れる俺。
今までの俺じゃ考えられない。

「じゅん…ごめんね。ごめんね、全部私が悪いんだよ…ごめんね。」

伊月は何度も謝った。

その度に、俺は自分が責められてる気がして苦しくなった。

⏰:14/05/05 02:08 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#224 [太郎]
落ち着いた後に伊月は語った。

興奮してちゃんと会話になってなかったから、まとめて書くけど…。

最初の言葉はこうだった。

「好きな人が出来た。」

相手はそう、あの寺田とゆう教師だった。

俺のことは大事で、大切だとは思うけど、好きかどうかわからなくなっていたらしい。

伊月は一度高校生の時に寺田に告白されていたらしくて、その時は冗談っぽく言われたし、伊月も俺の存在を伝えて、一度その話は終わった。

⏰:14/05/05 03:55 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#225 [太郎]
寺田には、娘が1人いる。

俺は勝手にもちろん嫁もいるんだと思ってたけど、すでに離婚していた。

元嫁には今新しい旦那がいて、今はその相手との子供を妊娠しているらしい。

この話を聞いて俺は、嫌な予感がした。

今まで伊月からも一度しか聞いた事がない話だったけど、伊月の家にも母親がいない。

死別したわけでもなく、伊月は父親と兄、妹と母親がいない家庭で育った。

⏰:14/05/05 03:59 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#226 [太郎]
伊月の兄は、伊月の父親の子供ではない。

つまり、伊月の家で兄さんだけが、血が繋がっていない。

母親はみんな同じだけど、兄は伊月の父親と結婚する前に未婚で産んだ長男。

伊月と妹は父親との長女と次女。

それでも伊月の父親は、自分とは血の繋がらない長男を、1番可愛がって育てたらしい。

長男も、そんな父親を本当のお父さんとだと全てを受け止めた後も思ってると言ってた。

⏰:14/05/05 04:03 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#227 [太郎]
そのまま、5人でうまくやっていけたはずなのに、伊月の母親は違う男に走り、なんと妊娠が発覚。

その時の男には連れ子が3人もいて、結局は伊月の父親と離婚し、その相手と結婚して、長男、伊月、次女は父親が引き取る形になった。

こんなこと俺の立場でいうのはあれだけど、とんでもない母親だと思う。

伊月はこの話を中学の時に一度だけ俺に話して、それ以降は家族の話を詳しく話さない。

⏰:14/05/05 04:07 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#228 [太郎]
でもその時に言った。

「私はあんな風になりたくない。あんな最低な母親。あの人の血が自分にも繋がってると思うと恐ろしいくらい。」

伊月がそこまで誰かに対して憎んでる姿はあの時が最初で最後だった。

伊月は昔から成績も運動神経も良く、付き合う連中も、今でゆうリア充の奴らばかりで充実した学校生活をおくってるように見えた。

ただ、こうゆう事情からか、家庭に対するコンプレックスは強かったと思う。

平々凡々とぬくぬく育ってきた俺には、伊月の深刻な思いは、わかりきってやれない部分があったと思う。

⏰:14/05/05 07:26 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#229 [太郎]
寺田とゆう教師の娘を、自分と重ねていたんじゃないかと思う。

今まで気付かなかった俺もバカだけど、俺にとってはあまりにも突然過ぎて、すぐにわかった。なんて、言えるはずがなかった。

「伊月の気持ちはわかったけど、俺はこのまま離れるのはどうしても無理だ。」

だってさ、別れたくねーよ。

こっちは付き合ったあの日からずっと、伊月の事が、お前のことだけが大好きなんだ。

⏰:14/05/05 07:31 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#230 [太郎]
「じゅん…でも…。」

どうしても別れたそうな伊月。

こんな時にまで俺の束縛鬼が発揮する。

「その人…寺田ってゆう奴には、別れてくるって言ってきたの?俺と別れて、そいつのとこ行くの?」

「そうゆうことじゃないよ。私の気持ちの問題だから。」

「あいつとはもう、やったの?隠れて会ったりしてたんだろ?」

そんな事言ったって立場が悪くなるだけなのに、なんかもう興奮してた。

「何もないよ!確かに、会ったりしてた。それは本当にごめんなさい。でもほんとに何もないよ。」

「そんなの信じれるかよ!」

⏰:14/05/05 07:37 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#231 [太郎]
「信じてもらえないのはわかってる。でも、ここまで純を傷つけて、これ以上嘘つくわけないよ…。確かに先生と、何回か会ってる。その中で、先生は私にずっと待ってるからって言ったの。私はやっぱり、彼氏がいるから無理だからって言ってたし、本当にそう思ってた。でもね…。でも…。」

「…。もういい。」

「気になっちゃったの。先生の事…。先生の子供の事。」

「もう言うなって!」

「頭の中が、それでいっぱいになってる時があって、自分でもどうしたらいいのかわかんなくて…」

もう、辛過ぎて、苦しくて、悔しくて、情けなくて、どんな顔して聞いてりゃいいんだって思った。

⏰:14/05/05 21:07 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#232 [太郎]
でもここで引き下がったら、一生後悔することわかってたから、これでも粘ったんだよ。

別れるなんて言うなって何回言ったことか。

それでももうダメだった。伊月がこうと決めたら絶対そうする頑固なとこがあることくらい、こんだけ一緒にいたらわかってた。

もう、完敗だ。

これ以上、俺の気持ちを押し付けても、伊月が幸せになれないなら、意味がないと思った。

⏰:14/05/05 21:49 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#233 [太郎]
幸せになれよ。

とか、言ってやるのが良い男だったのかな?

そんな言葉、俺には言えなかった。

伊月は最後に今までありがとうって言った。

おれはたぶん、何も答えなかった。

何も答えられなかった。

車から降りて行く伊月の姿を見ても、本当に終わったんだと実感するのに、どれだけ時間がかかったんだろう。

⏰:14/05/05 21:53 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#234 [太郎]
これまで、何をするにも俺の隣には伊月がいた。

小さい買い物からでかい買い物まで、おれの物でもいつも伊月が最終的には決めてたんだ、俺決断力無いし、流行りとかにはうといし、部屋に戻っても、そこらじゅうに伊月との思い出のもんやら、着てる服だって、車だって、全部に伊月との思い出がつまってる。

こんなにしんどいことはない。

ついさっき、母さんが言ったあのセリフも、今じゃこれひとつ当たっちゃいないんだ。

荷物やら、なんやかんや、最初の方はちょいちょい会ってたけど、用事がすんだらパッタリ連絡も無くなった。

⏰:14/05/05 21:59 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#235 [太郎]
もう、寺田とかゆう奴と付き合ってんのかな?そうゆう事も本当は知りたかったけど、直接聞いたら立ち直れる気がしなくて聞けなかった。

会う度に、戻ってきてくれないかなって思ったけど、伊月からはそんな様子はちっとも伺えなかった。

やばい…今思い出すだけで心の中がザワザワする。笑
そんくらい俺の中ではトラウマになるくらいの、辛い時期だった。

それからの俺は、もう誰が見ても、目に見えて荒れくれた。笑

仕事はちゃんと行ったし、流れでバイトも続けてたけど、プライベートは廃人と化してた。

⏰:14/05/05 22:02 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#236 [太郎]
まず、伊月と別れてすぐに実家を出た。

職場の近くのアパートで一人暮らしをはじめた。

母さんや兄ちゃんには、伊月と別れたことを直接言えなかった。

凹んでる姿を見せたくなかった。

明らか伊月が遊びに来なくなったし、俺の態度や行動で気付いてたと思うけど、2人とも何も聞いて来なかったし、一人暮らしをはじめたから、ほとんど会わなくなった。

⏰:14/05/05 22:08 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#237 [太郎]
自由なのを良いことに、センスもないのにギャンブルにお金を費やし、キャバクラの閉店まで居座ってみたり、完全に自分らしくない事をして、嫌なことを忘れたかったんだと思う。

伊月と結婚するために貯めてきた金も、くだらないもんに使い切ってやろうって思ってた。

案外、別れてから半年くらいで人生で2人目の彼女が出来たりしたけど、全く気持ちが盛り上がらなかった。

なんとなく付き合った。そんな感じ。

⏰:14/05/05 22:11 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#238 [太郎]
まぁ相手も軽いかんじで、お互いに深入りせずに傷付かずに、すぐに終わった。

それからは、いい歳こいて、女癖の悪い俺が誕生する。

やれそうだったらてきとーにやって、もうそれでサヨナラ。

本気っぽい奴には手出さないようにしたけど、最低だ!ってキレられた事もあった。

自分でも思うよ。俺ってこんなクズな人間だっけ?って我に帰ってアホらしくなってた。

でももうやめられなかった。

⏰:14/05/05 22:14 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#239 [太郎]
多分、この先本当に好きなる相手なんていない。

この時は、伊月に対しての未練があるのか自分でもわからなかった。

伊月の事を忘れようと必死すぎてほとんど伊月の事は思い出さなかった。

でもふとした瞬間に、蘇る伊月との記憶が、クズな俺をすごく苦しめてた。

なんてつまらない、退屈な人生なんだ。

そう思いながらも、淋しさにかまけて、簡単にやれそうな女を探す。

やったってひとつも気持ち良くもない。
なんだろうな、ただ性欲を処理したいだけって感じ。

⏰:14/05/05 22:18 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#240 [太郎]
伊月と別れてから3年がたった頃だった。

俺は今だに、クズなまま。

ギャンブルはやっぱり向いてないって思ってすぐやめたけど、誰ともちゃんと付き合えずにフラフラしてた。

もちろん、伊月とはずっと連絡とってない。

ようやく、俺の中からも過去の記憶として切り替えれそうな時だった。

俺はこの時の職場の1番近い先輩と、あるキャバクラにハマってた。

リーズナブルなのに、なかなかいい女が揃ってた。

⏰:14/05/05 22:22 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#241 [太郎]
もともと女の子って苦手だし、しゃべりも下手くそなくせに完全にこの時の俺は調子に乗っていた。

この先輩がまた、遊び上手で変な事をたくさん覚えさしてくるんだよ。

悪い人じゃないけどこの人に悪影響を受けたのは間違いない。笑

ある時期毎週のようによく通っていて、常連っぽくなって店の女の子の事も詳しくなっていた。

⏰:14/05/05 22:25 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#242 [太郎]
でも、指名とかは一切したことなくて、フリーで回ってくる子達としゃべったり、たまに軽い子とはプライベートで遊べたりして、そんな感じでやり過ごしてた。

ある日、たまたま俺についた女、源氏名は、舞。

「はじめまして、舞です。よろしく。」

第一印象も、その後の話してるかんじも、別に普通。

良くも悪くもない本当に普通の子だった。

「はじめてる見る顔だ。最近入ったの?」

常連のオヤジみたいなセリフをキメる僕。笑

⏰:14/05/05 22:28 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#243 [太郎]
「もともとはね、ずっとここで働いてたんだけど、出戻りな感じ!なになに?お兄さんは結構来てるかんじ?」

細くて、髪の毛はキャバ嬢らしくないショートカットで、綺麗な顔立ちだった。

でも俺のタイプはロングヘアーで、グラマラスで、可愛い系なんだけど…伊月みたいに…。笑

でもこの女の子、舞とはなんかすごい話しやすくて、落ち着いた。

タイプじゃないってのが、逆に良かったのかもだけど。

⏰:14/05/05 22:32 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#244 [太郎]
ふと、高校の時の同級生、里花を思い出す。

キャラクター的には里花みたいな感じ。

舞のが美人だけど…。

舞とはじめて会ってから1ヶ月もしないうちに、俺は舞を指名するようになった。

指名なんてする事ないと思ってたから自分でも驚いたけど、ほんとに下心なく一緒に酒飲んでるだけで楽しかった。

⏰:14/05/05 22:35 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#245 [太郎]
まぁ、それでもたかがキャバクラでの出来事なわけで、俺もガチでハマってたわけじゃないから当然パッタリ行かなくなったり、たまに行っても舞が休みだったり、気まぐれに通ってた。

だいぶ行かなくなって、久しぶりにまた先輩と行った時に、舞に会った。

俺の席に着くなり、すごい勢いで番号を聞かれて、もう来ないと思ったってしょんぼりしてみせる。

さすがキャバ嬢長いことやってるだけあんな。

それでもいい。俺は連絡先を交換して、その日は終わった。

⏰:14/05/06 05:50 📱:iPhone 🆔:5Ggx4fpk


#246 [太郎]
交換してからは、もう頻繁に会うようになった。

同伴とかはガッツリかもられてる感じがするから同伴はしねーよ!ってケチな事を言っても、舞はそんなのはどうでもいいと笑ってた。

他の女と会うこともなく、この時はほとんど舞と遊んでた。

一緒にいて楽だったし、心の何処かではどうせキャバやってる女だし、軽い気持ちでどうにかなっても色々めんどくさくなさそうだしって思ってた。

⏰:14/05/06 05:54 📱:iPhone 🆔:5Ggx4fpk


#247 [太郎]
舞と会うようになって、ますますキャバクラには通わなくなったのに、それでも毎日のように連絡をしてくる舞の気持ちは、いったいどうゆうつもりなんだろうと思いつつも、暇な俺は舞の誘いに乗っかる。

さっさとやるだけやって、深入りする前に離れたいって思ってたのに、舞にはなかなか手が出せなかった。

まぁ、手を繋いだりキスしたりはあったけど、俺たちどうゆう関係なんだ?って考えると不思議な関係だった。

でもちゃんと告白して付き合うつもりもなかったから、このままでいいと思ってた。

⏰:14/05/06 05:59 📱:iPhone 🆔:5Ggx4fpk


#248 [太郎]
そんな関係が続いていたある日。

舞が突然言った。

「あっ、私今日誕生日だった。」

「え?そうなの?おめでとー。おばちゃん。」

あ、舞は俺の1個上です。

「嬉しくないなぁこの歳になると。」

「いやまだ全然っしょ。なに?なんか欲しいもん買いに行く?お前みたいに稼いでないから対したもんは買えないけど。」

「私そんな稼いでないから!うーん、特に欲しいの無いけど…あ!そうだ!化粧品買ってよ、ちょうど何個か切れてんだよね。デパート連れてって!デパート!」

「化粧品?そんなんでいいの?デパートってなに、百貨店的な?」

⏰:14/05/06 06:03 📱:iPhone 🆔:5Ggx4fpk


#249 [太郎]
「何言ってんの、ちゃんとしたやつは結構高いんだから!ごっそり買ってもらうよ!そうそう、百貨店、私がいつも行くとこが良い〜。」

「え!それなら一個にして。笑。よし、行くか!」

何気なく、そう言って向かったデパート。

俺も何度か行ったことはあった場所。

舞に言われるがまま、デパートの中を歩いていた。

「あそこあそこ〜。」

普段こんなとこ来ないからキョロキョロする俺。

舞は目を光らせて真剣。

⏰:14/05/06 06:07 📱:iPhone 🆔:5Ggx4fpk


#250 [葵]
えー別れたんですかーしょーっく!!

⏰:14/05/06 21:20 📱:SH-09D 🆔:QrzE1EF2


#251 [太郎]
唯一の大事な読者にショックを与えてしまったか。笑
見捨てず最後までお付き合い下さい!

⏰:14/05/07 08:57 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#252 [太郎]
退屈で、ふと、まわりの店を見渡す俺。

「ねーねー純ちゃん、これとこれ、どっちの色が好き?」

「…。」

「ねぇ!純ちゃーん!」

舞の声は聞こえていないわけじゃない。

「…」

「純ちゃん聞いてんの??」

その場で俺だけが時を止めていた。

何故なら、視線の先に伊月を見つけてしまった。

夢だと言ってた美容部員として働く伊月を。

⏰:14/05/07 09:02 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#253 [太郎]
「伊月…。」

「ん?伊月…?」

俺の視線の先を見つめる舞。

伊月は接客中で、俺には気付いていない様子だった。

3年ぶりに見る伊月の姿。

今までずっと、忘れようと必死だった。その伊月が目の前にいる。

今まで無理矢理考えないようにしていた過去の事や自分の想いが一気に脳を駆け巡り、ショート寸前の俺。

⏰:14/05/07 09:06 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#254 [太郎]
嘘だろ。

自分で自分に幻滅する。

いい男が、こっぴどく振られた女に未練たらたらなんだ。

もう、いい加減気持ちに整理つけれたと思ってたのに、伊月を一目みた瞬間、今まで無理していた自分が崩れた。

いまだに俺は伊月の事を忘れられないんだ。

⏰:14/05/07 09:21 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#255 [太郎]
「舞、ごめん、ここ出よ!」

「え?!純ちゃん!?」

舞の手を引いて、俺は伊月に見つかる前に店を出た。

その瞬間一瞬だけ伊月と目があった気がしたけどすぐに違う方を見ていたから気のせいだと思う。

久しぶりの再会が女連れなんて気まずすぎる。

すぐさま立ち去る俺たち。

⏰:14/05/07 09:47 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#256 [太郎]
「はぁ…マジ焦った。ごめん!舞!この店はやめよ!違うとこにもないの?お前の欲しいのあるとこ。」

「…。」

ふくれっ面の舞。
そりゃそうか。ちゃんと説明しないとな。

「あの子が長年付き合った元カノの伊月ちゃんなんだ?」

意外にも舞は冷静に言った。

「え!舞に伊月の話なんてしたことあったけ?」

「純ちゃん、酔っ払ったらいつもしてんの!名前は知らなかったけど、いっつも泥酔すると、元カノの話ばっかり。」

「マジか…。痛いね、俺。笑」

「まだ好きなんだね。」

「いや、好きってゆうか、もう3年以上前に振られてるし…自分でもよくわかんないんだけど、久しぶりすぎて動揺してしまった。…なんかすまん。せっかく来たのに。」

⏰:14/05/07 09:53 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#257 [太郎]
「もういい。今日は帰ろ。」

「ちょ、怒ってんの?悪かったって。じゃ飯行くか!好きなもん奢るって!」

こんなことで、怒ったりする奴じゃないのに、何ムキになってんだよ。

実際、舞と遊び出してからも違う女とやったりして、その事が舞にバレたこともあった。

それでも舞は笑いながら、チャラいな〜って言って怒ったりしなかったから。

俺たちはそうゆうドライな関係なんだと思ってた。

「帰るっつってんの!早く家まで送って!」

⏰:14/05/07 09:58 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#258 [太郎]
なんかすげーキレてる。

さっきまで伊月の事で動揺してたけど、今度は舞のご機嫌取りに必死になる。

でも、車に乗ってからもずっとプリプリしてる舞にだんだんイライラしてしまう俺。

「悪かったって言ってんだろ!なにお前今日どうしたの?そんな事でそんなにキレるか?」

「は!?マジうざい。逆ギレかよ!」

この言葉にカチンと来て俺は言ってはいけないセリフを言ってしまう。

「なんだよそれ。彼女でもないくせに。」

「っ。…。」

⏰:14/05/07 10:02 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#259 [太郎]
うわ。

言った瞬間にやべーって思った。

舞の表情がだんだん怒りから悲しみに変わっていく。

しばらく沈黙。

「いや…俺が全部悪いな。ごめん。…マジでごめん。」

そういうと、今まで堪えていたのか、一気に涙を流す舞。

自分のしてきた事に改めて情けなさを感じる。

⏰:14/05/07 10:08 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#260 [太郎]
結局舞の家に着くまでずっと無言の俺たち。

舞はずっと泣いていた。

俺も気の利く言葉をかけてやれなかった。

家の前に車を止めて、舞が降りる瞬間に言った。

「なんかごめん。キャバ嬢のくせに本気で純ちゃんに恋してた。純ちゃんが私に興味ない事くらいわかってたのに、バカだよね。…今まで付きまとってごめん。もう会うのやめよ。」

そう言って車を降りようとする舞を止める。

「ちょっと待てって、勝手に決めるなよ。」

「だってこれ以上一緒にいると、私どんどんめんどくさい女になるだけだもん!」

⏰:14/05/07 10:15 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#261 [太郎]
チャラついてた時の俺は今まで散々、舞にめんどくさい女とは一緒にいたくないって言いまくってたから。

舞にそんな事を言わせてんのは俺だ。

「舞…。」

「とりあえず、ほんとに今日は帰らせて。お願いだから今は1人にさせて。じゃあね。」

そう言って車を降りる舞。

俺も素直にその日は帰ることにした。

⏰:14/05/07 10:19 📱:iPhone 🆔:snUPAuxU


#262 [葵]
動揺わかります…(。´Д⊂)つらすぎ〜。読んでる私もドキッと動揺してしまった(笑)
最後まで読みたいので頑張ってください。

⏰:14/05/07 14:55 📱:SH-09D 🆔:./xsOBuA


#263 [太郎]
ありがとうね!頑張ります!
携帯変わったけど僕です。笑

⏰:14/05/10 01:10 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#264 [太郎]
家に帰って、色々なことを考える。

伊月の事。

舞のこと、舞の言葉…。

突然の再会で気が付いた、自分の思い。

今までないがしろにしてきた、舞の存在。

舞の言葉が頭を駆け巡り、自己嫌悪に陥る。

⏰:14/05/10 01:14 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#265 [太郎]
本当は舞の気持ちには気付いていたのかもしれない。

心のどっかで。

でも確信はなかったし、キャバ嬢とこんなに近付いた事もなかったから、こうゆうふわふわした関係で良いんだって思ってた。

でもそんなわけない。

現にこう、中途半端なことして傷付けてるんだ。

やっぱ俺は根っからの遊び人にはなりきれねーや。だって、すごく後悔してる。

⏰:14/05/10 01:18 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#266 [太郎]
てかあいつ、今日誕生日じゃん。

はぁ、俺ってマジで最悪だ。

ここ最近は舞とずっと一緒にいた。

もう彼女同然の存在だった。

今回の事で俺は、舞を失ったらどうなるんだろう。

俺は一体、舞に対してどうゆう感情があるんだろう。

⏰:14/05/10 01:22 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#267 [太郎]
伊月を見た瞬間、俺が無理矢理止めた伊月への思いが、また動き始めたのは確かなことだった。

だけど、ここで舞との関係を終わらせたところでまた伊月とどうにかなれる保証なんてこれっぽちもない。

伊月はまだ、あいつと付き合ってるかもだし、もしかしたら全然違うやつと結婚とかもありえる。

これをきっかけに、舞と改めてちゃんと付き合った方が自然な流れなのかもしれない。

⏰:14/05/10 01:30 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#268 [太郎]
自分の思いが揺らぎ、どうすればいいかわからなかった。

ただ、目を閉じると久しぶりに見た伊月の姿が思い浮かんで離れなかった。

多分制服なんだろうけど、スーツっぽい姿で大人っぽくなってた。

でも変わらないあの雰囲気。

俺が大好きだった、あの伊月だ。

⏰:14/05/10 01:33 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#269 [太郎]
一晩中悩んで、俺は答えを見つけた。

深夜に舞に電話してみる。
だけど出ない。

結構夜遅かったし、そりゃそうだよなって思った。

すると、舞からの着信。

会いたいって言ったら来ても良いって言ったから、俺はすぐに向かった。

⏰:14/05/10 01:38 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#270 [太郎]
「明日仕事でしょ?いいの?こんな遅くに〜。いっつも仕事前は全然付き合ってくれないくせに〜。」

舞の部屋に入ると、何事もなかったかのように振る舞う舞がいた。

「舞。ごめん。」

「またその続き?もー良いんだって!私もなんであんなにイライラしちゃったんだろうって感じ!生理前かな?はは、らしくないってこうゆう辛気臭いの。そんな顔しないでよ、ウケるから!」

「そうじゃなくて。今までの事。ごめん。俺お前に中途半端なことしてきた。」

⏰:14/05/10 01:46 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#271 [太郎]
「…。」

黙りこむ舞。

舞に伝えたいことがある。
俺は続けた。

「今日は、俺の話聞いてほしいんだけど。こうやってちゃんと話すことなかったからウザいと思うけど聞いて。ごめん。」

「…。…うん。聞くよ。」

恐る恐る俺の顔を見る舞。

「酔っ払った時に俺なんて言ってたのか全然覚えてないけど、舞が言った通り、俺にはずっと好きだった彼女がいてさ。まぁ、その元カノが今日のあの子だったんだけど。」

⏰:14/05/10 01:51 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#272 [太郎]
「中学から働き出すまでずっと付き合ってたし、本気でずっと好きだった。今の俺は必死でチャラチャラしようとしてるけど、それまでの俺はこんなこと全然出来るやつじゃなかった。よく言えば一途とゆうか真面目とゆうか。それがこっぴどく振られてから、俺の中でなんか狂い始めたんだ。もうなにもかも、全てがどうでも良くなった。もうあの頃には戻れないと思うと、それ以上の幸せなんて無いって思ったんだろうな。」

舞は俺の話を聞きながら何故か涙を流していた。

⏰:14/05/10 01:57 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#273 [太郎]
「浮気ひとつしてこなかった俺が、誰とも付き合わずにやるだけやってみたり。まぁ、クズな事ばっかりしてきた。お前も知ってると思うけど…。」

「…。そんなとき、私と出会ったわけだ。」

「まぁ、そうだな。でも、舞は特別だった。舞には簡単に手も出せなかったし。大事だったよ、お前との時間が。」

「…もう、何が言いたいかわかっちゃったよ。私。もぉ、涙止まらない。」

⏰:14/05/10 02:04 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#274 [太郎]
「舞にはいつもお見通しだな。今日めちゃくちゃ考えたんだ。ほんとにずっと考えた。」

「うん。わかるよ。」

「俺、やっぱり元カノの事が忘れられない。もう、過去を引きずって今の自分を嫌いになりたくないんだ。」

「うん。うん。」

泣いてるくせに微笑みながら頷く舞を、本当に良いやつだって改めて思った。

⏰:14/05/10 02:09 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#275 [太郎]
「もう一度、当たって砕けてみようと思う。元カノに、もう一度ちゃんと会って話がしたい。もう無理かもしれない…ってゆうか…多分戻れるとかは無いと思うけど、そうしないと、俺一生クズなままだと思う。元カノとこのまま話すことなく、舞の所へ行っても、俺はきっと元カノを忘れられずにいつまでも舞を傷付ける。」

「うん…。」

「次またこっぴどく振られても、次はもう、潔く諦めて、もうこんなクズな事はしない。昔の俺に戻りたいんだろうな、俺は。」

⏰:14/05/10 02:17 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#276 [太郎]
「私…待ってちゃダメなの?…だめだったら、私のとこ来てよ…」

涙を浮かべ本当に小さな、小さい声で言った。

「そんな都合良いことしたら俺、男としてマジで終わる気がする。舞を失う覚悟で、こう決意出来たんだ。そんな事出来ないよ。」

「はは…そうだよね。冗談。…冗談とは違うか。でも、純ちゃんらしい答えだね。ほんとに、真面目そのもの。」

⏰:14/05/10 02:22 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#277 [太郎]
「ほんとにごめん。」

「謝らないでよ、私キャバ嬢だよ?もう何人も本物のチャラい男経験してきてるし、それに比べて純ちゃんが本当は真面目で、すごく真っ直ぐってことくらい、わかってた。その上で、軽いノリで近付いた。ソバにいるために。純ちゃんがたまに罪悪感を感じてる事や、私の事なかなか本気で好きになってくれないとこも、ほんとは気付いてたよ。」

⏰:14/05/10 02:27 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#278 [太郎]
「やめてよ、なんかダサいじゃん、俺。笑」

「そんな真っ直ぐで真面目な純ちゃんを、こんな育ちの悪い、汚れた私なんかが好きになったらいけないって思ってた。」

「舞…。」

「それでも…本当に、大好きだった。一緒にいる時間幸せだった。大事にしてくれてるのもわかったから。もう、それだけで十分。本当に純ちゃんが、大好きだと思うその子と、結ばれてほしいって心から思ってる。」

⏰:14/05/10 02:31 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#279 [太郎]
やばい。

涙が出そうだった。
必死でこらえる僕。

「職業とか、育ちとか、自分の事汚いとか、そんな事言うなよ、俺は舞の過去や仕事関係なく、良いと思ったから一緒にいたし、ほんとに楽しかった。」

「もう…こんなに誉め合うのも気持ち悪いね、はは、これ以上純ちゃんがうちにいると、私もっとワガママになって、ぎゅってしてとか、ちゅーしてって言っちゃいそうだから、もう、帰って。…最後のバイバイしよ。」

⏰:14/05/10 02:40 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#280 [太郎]
涙をこらえているのがバレないように必死で、俺は最後に舞を抱き締めた。

「バイバイ、純ちゃん…。」

「舞…。」

「純ちゃんのばか。」

「なんだよ、最後なのに。」

抱き締めあいながらまた、いつもの俺たちの会話。

「だって私今日誕生日なのに。」

「うわ、ホントだ。」

⏰:14/05/10 02:46 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#281 [太郎]
「誕生日おめでと。」

「ばーか。キャバ嬢には誕生日何個もあるんだよ。」

「は!?嘘?」

「ふふふ。」

「いや。嘘じゃないだろ。」

「秘密。」

「キャバ嬢こえ〜な。」

「でたでた、そのセリフ。」

「女はこえ〜よ。」

⏰:14/05/10 02:50 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#282 [太郎]
最後の最後に、こうやってまたふざけあえる。

舞には本当に感謝してる。

よく考えて見たら俺は舞の事を何も知らない。

過去や、なんで夜やってるのかや、本名も。

でも、本当に良いやつだってことは、間違いない。

出会いも別れも、不純だった俺たち。

それでも出会えてよかった。
心からそう思うよ。

⏰:14/05/10 02:54 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#283 [太郎]
「純ちゃん。バイバイ。」

「ありがとね、舞。」

舞の部屋を後にし、俺たちの関係はこれで終わった。

俺の思いの全てを包み込んでくれた舞の為にも、俺は前に進むしかない。

そう、もう一度伊月に会いに行く。

手段や方法はこれから考えるとして…。
舞のおかげで、決心がついた。

自分の気持ちに正直になるんだ。

⏰:14/05/10 03:00 📱:SBM302SH 🆔:EpZqM0TA


#284 [葵]
ちょー続き楽しみです(^∇^)

⏰:14/05/10 16:36 📱:SH-09D 🆔:eVjGcHG.


#285 [太郎]
ありがとう(^^)/

⏰:14/05/11 01:58 📱:SBM302SH 🆔:vhZjKZtQ


#286 [太郎]
困った…。

舞ときっぱり縁が切れて、堂々と宣言してから1カ月ほど立とうとしているのに、俺は何も出来ずにいた。

舞と会わないおかげで、仕事が終われば暇で考える時間は十分にあったけど、まずどうすればいいか悩みまくった。

だって、別れたのは3年前だぞ。

今更何て言ったら良いんだ。

⏰:14/05/12 16:38 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#287 [太郎]
何度も伊月の電話番号を眺め、発信のボタンを押そうとするけど、なかなか勇気がでない。

悩めば悩むほど、自信がなくなってい。
く。


男らしくねぇな。と思いつつ、未練たらたらで今更追いかけようとする時点でそもそも、女々しいんだよな、俺は。

携帯を眺めていて、ふと目に止まった名前。堀口。

⏰:14/05/12 16:44 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#288 [太郎]
堀口は地元の俺の親友。

定期的にちょいちょい会ってはいたけどこの時は久しぶりだった。

何の気なしに着信してみる。

相変わらずの堀口。
さっそく週末に呑みに行く約束をした。

酒でも飲みながら伊月の事でも相談してみようかな、なんて、軽い気持ちで考えていた。

⏰:14/05/12 16:47 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#289 [太郎]
週末。

予定通りに地元にある居酒屋に到着。

遅れて行った俺は聞かされた席に着くなり、驚いてしまう。、

「堀口すまん〜遅れた…って、え!?春田さん!?」

てっきり堀口と二人だと思い込んでいたら、席には堀口と同じく中学の時の同級生、春田さんが座っている。

⏰:14/05/12 16:50 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#290 [葵]
それでそれで(^ω^)

⏰:14/05/12 16:51 📱:SH-09D 🆔:VoQF.3IY


#291 [太郎]
「え!?安藤くん!?」

同じく驚く春田さん。

二人して、堀口を見つめると、ニヤニヤしながら言った。

「久しぶりに安藤が地元帰ってくるって言うからさぁ、プチ同窓会してやろうと思っていろんなやつ呼んどいた!」

「それならそれで先に言っとけよ、ビビったわ。」

「私もさっき突然堀口くんから連絡来て、安藤くんが来るとは思ってなかったからビックリ〜。久しぶりだね!元気?」

しかもこの春田さんとは、伊月の親友だ。
昔は色々お世話になったけど…別れてからははじめて絡むな…。

「お〜。元気元気。春田さんと飲むとか変な感じだわー。笑」

⏰:14/05/12 16:58 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#292 [太郎]
ちょっと待てよ…色々呼んどいたって、まさか伊月も!?

「他には誰が来るの??」

春田さん!ナイス質問!

「あとは野郎ばっかり!女の子春田さんしかつかまらなかったわ〜。」

ほっ…。
だいぶ安心…。

まだまだ心の準備が…。

「なんか私暇人みたいじゃん〜やだぁ〜」

「良いじゃん!紅一点で楽しくやってよ!」

⏰:14/05/12 17:01 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#293 [太郎]
春田さんは嫌がっていたけど、春田さんが参加してくれて、のちのち俺はすごい助かるとになる。

その後は、男がぞろぞろやってきて、ある程度はしゃぎ、飲みはじめて一通りして、少し疲れた俺は外に出て煙草を吸っていた。

やっぱり地元って良いなぁ。
今日はたまには実家に寄ってこうかな。

なんて、しんみりしながら吸い終わってぼーっとしてたら、俺を追いかけるように春田さんが外に出てきた。

「春田さんも煙草?笑」

⏰:14/05/12 17:07 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#294 [太郎]
「どうみても吸わないでしょ!私は。笑」

そう、春田さんは昔から優等生の良いとこのお嬢様って感じなんだ。

「だよな。笑」

「ちょっといい?」

俺のとなりにちょこんと座る春田さん。

「ん?どうした?」

少しためらいながらも、春田さんは思いもよらない事を聞いてきた。

⏰:14/05/12 17:09 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#295 [太郎]
「安藤くん、今彼女いるの?」

「彼女?」

まさか、僕に興味が!?
って、そんな訳はない。

春田さんには、同棲中の婚約者がいる。

「いや、いないよ。なんで?」

「そっか。ううん!気になっただけ。昔はさ、伊月と3人で色々出掛けたりしたよね。懐かしいなぁ。」

伊月の名前が出てドキッとする。

いまだに僕は、その伊月ちゃんが忘れられません。笑

⏰:14/05/12 17:14 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#296 [太郎]
「行ったよね、懐かしいわほんと。そういや、伊月は元気してる?会ったりするの?」

よし、いいぞ俺!
自然に聞き出せたはずだ!笑

「うん。伊月の職場が私のマンションからちかくてさ、最近良く会うよ。元気だよ〜。仕事も楽しいみたいで頑張ってる。」

「そっか。そりゃなによりだ。」

「うん…。」

少し春田さんの表情が曇ったのを俺は気まずいなぁと思いながら見ないようにした。

きっと、春田さんも俺たちが円満に別れていないこと、知ってるはずだから。

「…伊月もさ、もうずーっと彼氏いないし、出会いもないみたいで、プライベート暇そうなんだよね〜、そうだ!また今度、久しぶりに3人で会わない!?…なんて…急だよね。」

⏰:14/05/12 17:23 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#297 [太郎]
え!?

伊月…彼氏いないのか…。

あの教師とはどうなったんだろう、とか、すげー気になったけど聞けない。

てか!

春田さんがそんな場を主催してくれるなんて、俺めっちゃラッキーなんじゃ…。

これは逃しちゃいけないだろ!

「おっ、いいね〜。集まりたいよ久しぶりに。でも伊月が嫌がるんじゃない?俺に会うのは。」

⏰:14/05/12 17:27 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#298 [太郎]
「そんな事ないよ!多分…。じゃあさ、また連絡してもいい?安藤くんの番号確認しといてもいい〜?」

なんてラッキーなんだ。

でもこれ…本当に実現するのかな。

でも頼む!春田さんにかけるしかない!

「うん。俺ずっと変わってないから。楽しみにしてるわ!」

こうして、この日の飲み会は終わった。

ちなみにこの後二件目三件目でベロベロに酔っぱらい、結局実家には寄っていません。笑

⏰:14/05/12 17:31 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#299 [太郎]
それからまた約1カ月くらいがたったけど、春田さんから連絡は一向に来ない。

やっぱり伊月嫌がってんじゃねぇの。

はぁ。絶対そうだ。

ずーっとずっと、連絡を待つ。

待つ。

待つ。

待つ。

いや、もう待てねぇ!

春田さんの誘いの言葉で、よりいっそう早く伊月に会いたくなっている俺は、待ちきれなくなりついに春田さんに自分から連絡した。

⏰:14/05/12 17:34 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#300 [太郎]
『ごめんね、なかなか日にちが合わなくてさぁ、安藤くんは土日しか無理だよね〜?また連絡するね〜。』

催促する俺に、またハッキリしない返事をする春田さん。

ここで電話を切ったら多分もうこの話無くなるぞ。

そう思って、思いきる僕。

「あのさ、俺、むっちゃ会いたいんだよね。伊月が嫌でも俺は会いたいからさ、春田さん!頼みます!」

⏰:14/05/12 17:39 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#301 [太郎]
もうハッキリ言っておくしか無いと思った。

「安藤くん…。うん!!わかった!なるべく早く連絡するからね!絶対絶対!待っててね!」

なんだか春田さんは嬉しそうにしていた。

だから今度こそ春田さんに期待して待っていよう。

もうすぐ会えるかもしれないと思うだけで、俺は変なテンションになっていた。

⏰:14/05/12 17:42 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#302 [太郎]
そうして、今度は一週間もしない間に連絡が来た。

毎日携帯がなるたびにドキドキしてた俺、待ってました!状態。

『平日の仕事終わってから集合な感じで。場所と時間はメールしま〜す。』

うわ…ついに決まった。

伊月と一度も連絡をとってないのに決まっちゃった。やば。いざ決まると焦るな。

⏰:14/05/12 17:47 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#303 [葵]
凄く気になります!!

⏰:14/05/12 18:19 📱:SH-09D 🆔:VoQF.3IY


#304 [太郎]
決まったその日まで、もうずっと伊月の事考えては、第一声は何て言おうとか、どんな格好していこうとか、どぎまぎして過ごした。

そして、当日。

指定された時間と場所の、30分近く前に到着する俺。

張り切りすぎた…。

こんな洒落たカフェに、男が一人で過ごすのが恥ずかしくなって、小さくなる俺。

伊月の仕事終わるの遅いって言ってたし、とりあえず春田さん来てくれないかなぁ…。

そして、約束の時間が回る。

もうそろそろだろうか。

⏰:14/05/13 12:19 📱:SBM302SH 🆔:XOZs/iFI


#305 [太郎]
「いらっしゃいませ〜」

店員の言葉にドキっとする。

入口を横目に見る。

うわ。

来た!

この前働いているところを見たばかりだけど、私服の伊月は久しぶりで、全然雰囲気違う。

すげー大人っぽくなってる。

それに比べて俺はなにも変わらず最近まではクズな事ばかり。

やっぱりもう、俺なんかは手が届かない存在なんじゃないか…

キョロキョロとして、俺を見つけると、少し微笑んでこちらに向かってくる。

⏰:14/05/13 12:32 📱:SBM302SH 🆔:XOZs/iFI


#306 [葵]
ついにきたー再会!!

⏰:14/05/13 13:46 📱:SH-09D 🆔:wvHbSxLg


#307 [太郎]
俺の前に座る伊月。

うわ、やばい。俺なんて言うって決めてたんだっけ。

すげー考えてきたはずなのに、いざ伊月を目の前にして頭のなかが真っ白になり、固まってしまう俺。

「久しぶり。すごい久しぶりだよね、純、変わってないね!」

上着を脱ぎながら、笑顔で伊月がそう言った。

久しぶりの伊月の声、笑顔、やばい、ずっとこの伊月に会いたかった、俺は。

⏰:14/05/14 00:50 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#308 [太郎]
「それはいい意味なのか?笑、ほんと久しぶり。ごめんな、無理やり誘って。」

必死で冷静を装う俺。

きっと伊月には緊張してることくらいバレバレなんだろうなぁと思いつつも、一定のテンションを保つのに必死だった。

「いい意味だよ!あ、でも何か服装とかは雰囲気変わったね、やっぱり。え?蘭子が無理に計画したって言ってたよ。そういえば蘭子遅いね、まだかな?」

蘭子とは、春田さんのことね!

あまりにも普通に接する伊月に、安心もしたけど、少し悲しくなる。

もうまるで、元カレとすら思われてないみたいで。

⏰:14/05/14 00:55 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#309 [太郎]
伊月が、携帯を確認するから俺も自分の携帯を手に取る。

あ、メール来てる。
春田さんだ。

『安藤くんごめん!今日行けなくなった。伊月のこと、よろしくお願いします!』

「え!?」

声を出したのは伊月。

多分似たような内容のメールが伊月にも送られていたんだろう。

「蘭子、仕事が遅くなるからやめとくって…。」

「みたいだな…。」

一気に不安そうになる伊月。
そんなに俺と二人きりじゃ嫌か?笑

⏰:14/05/14 01:00 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#310 [太郎]
しまいには仕事中だと言う春田さんに電話をかける始末。

「もしもし?蘭子?もう着いてるのに〜終わってからすぐ向かっても無理なの?」

どうにかしてでも、春田さんにいてもらいたいみたいだ。

「もぉ〜蘭子が計画しといてほんといっつも抜けてるんだから〜うん、わかった。じゃあね、残業頑張ってね。は〜い。…ほんとに来れないみたい…。」

その辺からだいたい春田さんは、俺の気持ちに気付いてわざとやってくれてんだろうなって思ってた。

⏰:14/05/14 01:04 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#311 [太郎]
「そんなに俺と二人きりじゃ嫌?」

「え…?」

「俺は伊月に会えたら何でも良いんだけどな。」

「…。」

複雑そうな表情の意味がわからず、ますます自信がなくなっていく。

それでもお開きになるのだけは勘弁だと思い、話題を変えて色々話した。

会わなかった間の話をたくさんした。

⏰:14/05/14 01:07 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#312 [太郎]
伊月は短大を卒業して、すぐに就職。

ずっと入りたかった所には入れなかったみたいだけど、昔から伊月の好きな化粧品会社に入れたみたいで、毎日楽しくやってるみたいだ。

仕事の話を楽しそうに話してくれた。

職場が、実家からは結構遠いから一人暮らしとかしてんのかと思ってたけどまだ実家住まいで毎日通っているらしい。

すごい毎日忙しそうだけど、前からやりたかったらしいベリーダンスのレッスンも最近始めたみたいで、伊月らしいなぁって感心した。

⏰:14/05/14 01:12 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#313 [太郎]
俺のことも聞かれたから、ろくな生活してないしどうしようかと思ったけど、あれからすぐ一人暮らしを始めたことや、いまだにバイトも少し入っていて、バイト先に伊月と仲良かった奴がいたから、そいつの話で盛り上がったりした。

最初に比べたらだいぶ緊張もほぐれて、普通に会話出来てるし、楽しめてる。

でもお互いに、今までの恋愛関係の話は出来なかった。

本当はすごい聞きたかったけど、なかなか切り出せない。

小さなカフェで、コーヒー一杯でそうとうねばる俺ら。

⏰:14/05/14 01:15 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#314 [太郎]
店員の目もあるしな…。

「そろそろここ出るか。」

「うん、そうだね。どうする?もう帰った方が良いよね?」

いやいや!そんなつもりで言ってないです!僕は!

「伊月明日休みなんだよね?俺車だし、ドライブでもしようよ!」

「…でも…。」

「どっちにしろ伊月電車で帰るくらいだったら家まで送ってくし、乗ってよ。」

頼む、もう少し話させてくれ!

⏰:14/05/14 01:20 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#315 [太郎]
いわば強引に車に連れ込む俺。

元カレとはいえ、ちょっとずうずうしかったかな…

なんか伊月急に俯いて大人しくなってるし…

「どっか行きたいとこある?」

それでも帰そうとはしない俺。

「…。」

やっぱ強引すぎたか。

⏰:14/05/15 11:29 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#316 [太郎]
「…。大丈夫なの?純、こうやって二人で車乗ってても。」

口を開いたかと思ったらすごく言いにくそうにそう言った伊月。

「え?どうゆう意味?」

「純ごめん。久しぶりって言ったけど、私見ちゃったんだよね、純が彼女と一緒にいるところ。」

「彼女?彼女なんていないよ、俺。」

「来てたでしょ、私の職場の隣の店に。」

⏰:14/05/15 11:32 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#317 [太郎]
はっ。

あの、舞と一緒に行った日、伊月気付いてたのか…

気付いてないと思ってたのに。

「いやいや、彼女じゃないよ。もう、会うこともないんだ。」

「え?そうなの?手繋いでたからてっきり。」

うわーばっちり見られちゃってますね。

「あぁ、なんか話すと長くなるけど、ほんとにあの子とは何も無いよ。ほんとに彼女もいないし。」

⏰:14/05/15 11:36 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#318 [太郎]
「そっか。じゃあ余計な気を使っちゃったね。ごめん。…うん!ドライブしよっか、どこでもいいよ、場所。」

深くは聞いてこようとしないのは、俺に興味なんて無いって事?

それでも俺はやっと笑顔を取り戻してくれたのが嬉しくて車を走らせた。

とりあえず…こうゆう時はなんとなく海だな!笑

海へと車を走らせる車内。

他愛もない話をして盛り上がった。

すごい久しぶりだとは思えないくらいお互いに気を許して話せてたと思う。

まるで、あの中学の時に隣の席になった時のようだった。

⏰:14/05/15 11:40 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#319 [太郎]
海について、堤防のコンクリートのとこに腰を掛けて、風をあびる。

少しトーンは落ち着いたけど、やっぱり恋愛関係の話はお互いにしない。

時間だけが過ぎて、もうそろそろお開きの雰囲気。

俺は伊月をもう一度手にいれたかったし、もう一度はじめたいと思っていたけど、久しぶりに会って、少なからずお互いに変わっている。

今日たくさん話したけど、会わなかった時間を埋める為に、時間をかけないといけないと思った。

⏰:14/05/15 11:45 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#320 [太郎]
伊月を再び車にのせて、伊月の家までおくっていった。

その帰り道は今までとうって代わり、二人とも無言だった。

伊月は今何考えてるんだろう、俺は、久しぶりに通る伊月の家への道のりをいろいろな想いをのせ懐かしく走っていた。

無言のまま、伊月の家についた。

「今日はありがとう。久しぶりに会えて良かった。純も仕事無理せず頑張ってね。…じゃあ。」

伊月がドアに手をかける。

⏰:14/05/15 11:49 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#321 [太郎]
「伊月!」

伊月の手が止まる。

伊月はもう、俺とよりを戻すなんて考えていないことはわかってた。

「ん?」

「これからさ、伊月が暇な日あったら、会おうよ。俺はいっつも暇だから。だめかな?」

「…いいよ。また連絡するね!」

少し驚きながらokをくれた。

俺の気持ちを伝えることは出来なかったけど、とりあえず心のなかで小さなガッツポーズを決めた。

⏰:14/05/15 11:52 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#322 [太郎]
それから3カ月後くらい。

「ごめんごめん!お待たせ〜。」

「いーよ。おつかれさん。」

今日伊月と映画を観に行く。

久しぶりの再会のあの日から、俺はほとんど毎日のように伊月に連絡をして、暇な日は伊月と会った。

伊月も嫌がらずに暇な日は俺にかまってくれた。

今の俺たちは、昔付き合ってた時の俺たちとは何かが違う。

もちろん付き合ってないってゆうのもあるけど、あの頃はまたちがう、大人の俺たち。

⏰:14/05/15 11:56 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#323 [太郎]
別れてからずっと、伊月を忘れられずに引きずっていた今までは、昔の伊月をずっと想っていた。

でも今は、あらためて、今現在の伊月を本気で想っている。

どこがどう変わったって、うまく説明できないけど、昔よりは純粋さも無くなり、ブランド品で身を固めちゃったりして、価値観に追い付けない部分もあったんだけど、そうゆうのもひっくるめて、今の伊月にどんどん惚れてた。

⏰:14/05/15 12:00 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#324 [太郎]
「純寝癖?髪の毛くちゃってなってる〜あはは!」

伊月も、昔みたいに俺にたいして気を使わずに接してくれるようになった。

それでも、手を繋いだりキスしたり、そんなんは一度もなかった。

それどころかいまだに恋愛系の話はしてないまま。

このままでも幸せで、楽しかったけど、もう俺のなかで今の伊月が好きだってハッキリわかってたから、そろそろ伊月に真剣に伝えたかった。

⏰:14/05/15 12:05 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#325 [太郎]
映画を見終わって、また、ドライブすることになった。

「ねぇあのさ、途中で出てきたおじいさんはなんで死んじゃったの?」

「マジで言ってんの?ちゃんと見てた?」

また、いつものくだらない車内。

こうゆう、くだらない会話が楽しい。

もし俺が思いを伝えたらこうゆう風に話したり会えなくなるかもしれない。

でも、やっぱり俺はこのまま友達ごっこみたいに続けてくのは嫌だ。

⏰:14/05/15 12:08 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#326 [太郎]
「なぁ、あの海行ってもいい?」

「あの海?」

「久しぶりに会ったときにいったとこ。」

「うん!いいよ!」

この前とは違い会話をしながら向かった。

海について、階段のとこに座る俺たち。

やっぱり海につくと、少しトーンは落ち着いて静かになる。

⏰:14/05/15 12:13 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#327 [太郎]
「なぁ、伊月。ちょっと、俺の話してもいい?」

あらたまって言う俺に伊月は不思議そうに頷いた。

「…あのさ、俺、伊月と別れてからすげーグズで、最低な生活送ってた。」

伊月との別れの話も、もちろん、この時はじめて恋愛関係の話をした。

伊月と別れてからの、俺の全てを話した。

話す必要ないかもだし、ドン引きするかもしれないけど、これが不器用な俺のやり方。

伊月は複雑な表情をしていた。

⏰:14/05/15 12:20 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#328 [太郎]
「最悪だよな…。自分でも自分のしてきたことにゾッとする。」

「…ううん。そんなことないよ。だって、きっかけは私なんだもん…」

「でも本当に、もうあんな生活に戻りたくないんだ。伊月、俺さもう一生伊月には会えないと思ってた。…大袈裟かな。」

「私もだよ。てゆうか…会わす顔ないって思ってたよ。」

「こうやってまた会えて、一緒に過ごせて、俺信じられないくらい幸せ。俺も伊月も変わったところもあると思う。それでも俺は昔も今もずっとすごい好きなんだ。伊月。」

⏰:14/05/15 12:55 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#329 [太郎]
気が付いたら俺、涙流してた。

わわわ、カッコ悪。

「純…。」

「ごめんな、突然。だめかな…俺たちもう一回。」

「…。だめだよ…。だめだよ、純…。」

伊月も、

俺以上に泣いてた。

⏰:14/05/15 13:00 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#330 [葵]
((T_T))

⏰:14/05/15 13:35 📱:SH-09D 🆔:LT1l6u3I


#331 [葵]
待ってまーす( ・∇・)

⏰:14/07/04 20:27 📱:SH-09D 🆔:.8.8Ij7c


#332 [我輩は匿名である]
黙れブス

⏰:14/07/08 11:44 📱:AFFARE 🆔:6AZGXaSY


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