僕しか知らない君へ
最新 最初 全
#11 [太郎]
「わ、また教科書忘れた!」
「何回目だよ…。」
「ねぇねぇ、この落書きなに〜?」
「おにぎり。腹減ってた時書いたんだった。笑」
「なにそれ!笑えるっ。」
こんなくだらない会話でも相手が橋本だからすごく特別だった。
まさか橋本とこんなに話せるようになるなんて。
:14/03/10 14:33 :iPhone :5JVSyGwU
#12 [太郎]
「おはよ!」
朝廊下で俺を見つけると挨拶する橋本。
「お、おーす。」
カッコつけ継続中の俺。
本当はおはよう!橋本!今日も可愛いな!…ぐらいのテンションだ。笑
「なぁ!最近お前伊月ちゃんと仲良しじゃん!ヒューヒューだなおい、安藤くんよ!」
堀口にからかわれる事すらもう幸せだ。
:14/03/10 14:36 :iPhone :5JVSyGwU
#13 [太郎]
「そんなんじゃないわ別に。」
照れる僕。笑
「伊月ちゃんってあんまり男子と仲良くするイメージないのに、安藤にはよく話しかけてる気がするんだけど!マジで、お前のこと好きなんじゃねえの?俺の彼女に聞いてみたろっか?」
「そんなんじゃないって、余計な事しなくていいわ。」
このままで満足なんだから。
せっかくしゃべれるようになったのに。
:14/03/10 14:45 :iPhone :5JVSyGwU
#14 [太郎]
なんだかんだ言いながらも、自分でも優越感にひたっていた。
他の男子からも橋本との仲を羨ましがられ、からかわれ、授業中に盛り上がった時なんかは先生にも「安藤!橋本!お前らはいつまでもぺちゃくちゃ喋るな!」なんて言われたり。
これが俺の幸せだった。
そんな幸せ絶頂な俺を地獄に突きおとす一日があった。
:14/03/10 15:00 :iPhone :5JVSyGwU
#15 [太郎]
部活中、堀口に耳打ちされる。
「おい!あれ伊月ちゃんじゃね?体育館の前!男といるじゃん!楽しそうに!」
パッとグランドから体育館の方に目をやると橋本が、部活の先輩らしき男と親しげに話している。
胸のモヤモヤとゆうか、なんとゆうか、見たくない光景だった。
ドーン!
俺はぼーっとしすぎて頭にサッカーボールが当たって先輩に怒鳴られる始末。
堀口がそんな俺を見て隠れて笑ってやがる。
:14/03/10 15:04 :iPhone :5JVSyGwU
#16 [太郎]
今までずっとカッコつけていた俺だったけど、その日の帰りに堀口にはじめて吐いた。
「橋本のこと…好き…かもしんない…。」
気持ち悪。笑
「ばかやろ〜そんなんすぐわかってたわ!お前も素直じゃないね〜、頑張れよ!安藤マジでいけそうじゃん!さっきの男はどうゆう関係なのか俺の彼女にこっそり聞いといてやるからさ!」
堀口の彼女と橋本は、仲良しだった。
「うん。」
落ち込んでいる僕は素直だった。
:14/03/10 15:07 :iPhone :5JVSyGwU
#17 [太郎]
次の日。
「それでさ〜、その後にドラえもんがさ〜」
今日も仲良くおしゃべりする俺と橋本。
「…」
ただ、俺は昨日の事が気になって仕方なかった。
「ねぇ聞いてる?」
心配そうに俺を見つめる橋本。
そんな顔されたらますます他の奴に取られたく無くなる。
やばい、完全に独占欲が生まれてる。
「なあ、昨日さ…」
:14/03/10 15:14 :iPhone :5JVSyGwU
#18 [太郎]
ハッ!
なに聞こうとしてんだ、俺。
「昨日?」
「いや、何もない。ドラえもんがなんだっけ?」
くだらないいつもの会話に戻そうとする…
「昨日が何??」
が、そんな簡単に行くわけないか。
「昨日部活中、告白みたいなんされてなかった?」
聞いちゃったーーーー!
:14/03/10 15:17 :iPhone :5JVSyGwU
#19 [太郎]
「え?」
やば…。
なに聞いてんの、俺。
こうゆうの聞くキャラじゃねぇし、てか、まじ気持ち悪いじゃん。
橋本完全に引いてる。
やばいやばい。
自分でも顔が真っ赤になっていくのがわかった。
「見てたの?」
:14/03/10 15:19 :iPhone :5JVSyGwU
#20 [太郎]
それに比べて冷静な橋本。
もう、マジで後悔。
「うん、なんか目についた、なに?彼氏出来た?やったじゃん。」
何言ってんの、俺。
負け惜しみだ。かっこ悪い…。
「何それ!告白なんてされてないよ。」
何だよ、照れてやんの、あ〜、やっぱり、昨日の奴のこと好きなんだろうな。
痛いわ、俺、いろんな意味で。
:14/03/10 15:22 :iPhone :5JVSyGwU
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194