僕しか知らない君へ
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#222 [太郎]
しばらく泣き続ける伊月。…と、僕。笑

本当はちゃんと聞かないといけない。

でも聞くのが怖かった。

伊月は本気で思ってなかったらそんな事を言う奴じゃないから。

俺は助手席の伊月を力一杯抱きしめた。

「じゅん…待って、話すから、ちゃんと…」

いつも包み込んでくれる伊月はもういない。

それでも俺は強く抱きしめた。

「伊月…。好きだよ、俺はお前じゃなきゃ無理だから。頼むから別れるとか言わないで。」

⏰:14/05/05 02:05 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#223 [太郎]
なんて、女々しいセリフだ。

伊月の前でこんなに泣き崩れる俺。
今までの俺じゃ考えられない。

「じゅん…ごめんね。ごめんね、全部私が悪いんだよ…ごめんね。」

伊月は何度も謝った。

その度に、俺は自分が責められてる気がして苦しくなった。

⏰:14/05/05 02:08 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#224 [太郎]
落ち着いた後に伊月は語った。

興奮してちゃんと会話になってなかったから、まとめて書くけど…。

最初の言葉はこうだった。

「好きな人が出来た。」

相手はそう、あの寺田とゆう教師だった。

俺のことは大事で、大切だとは思うけど、好きかどうかわからなくなっていたらしい。

伊月は一度高校生の時に寺田に告白されていたらしくて、その時は冗談っぽく言われたし、伊月も俺の存在を伝えて、一度その話は終わった。

⏰:14/05/05 03:55 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#225 [太郎]
寺田には、娘が1人いる。

俺は勝手にもちろん嫁もいるんだと思ってたけど、すでに離婚していた。

元嫁には今新しい旦那がいて、今はその相手との子供を妊娠しているらしい。

この話を聞いて俺は、嫌な予感がした。

今まで伊月からも一度しか聞いた事がない話だったけど、伊月の家にも母親がいない。

死別したわけでもなく、伊月は父親と兄、妹と母親がいない家庭で育った。

⏰:14/05/05 03:59 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#226 [太郎]
伊月の兄は、伊月の父親の子供ではない。

つまり、伊月の家で兄さんだけが、血が繋がっていない。

母親はみんな同じだけど、兄は伊月の父親と結婚する前に未婚で産んだ長男。

伊月と妹は父親との長女と次女。

それでも伊月の父親は、自分とは血の繋がらない長男を、1番可愛がって育てたらしい。

長男も、そんな父親を本当のお父さんとだと全てを受け止めた後も思ってると言ってた。

⏰:14/05/05 04:03 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#227 [太郎]
そのまま、5人でうまくやっていけたはずなのに、伊月の母親は違う男に走り、なんと妊娠が発覚。

その時の男には連れ子が3人もいて、結局は伊月の父親と離婚し、その相手と結婚して、長男、伊月、次女は父親が引き取る形になった。

こんなこと俺の立場でいうのはあれだけど、とんでもない母親だと思う。

伊月はこの話を中学の時に一度だけ俺に話して、それ以降は家族の話を詳しく話さない。

⏰:14/05/05 04:07 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#228 [太郎]
でもその時に言った。

「私はあんな風になりたくない。あんな最低な母親。あの人の血が自分にも繋がってると思うと恐ろしいくらい。」

伊月がそこまで誰かに対して憎んでる姿はあの時が最初で最後だった。

伊月は昔から成績も運動神経も良く、付き合う連中も、今でゆうリア充の奴らばかりで充実した学校生活をおくってるように見えた。

ただ、こうゆう事情からか、家庭に対するコンプレックスは強かったと思う。

平々凡々とぬくぬく育ってきた俺には、伊月の深刻な思いは、わかりきってやれない部分があったと思う。

⏰:14/05/05 07:26 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#229 [太郎]
寺田とゆう教師の娘を、自分と重ねていたんじゃないかと思う。

今まで気付かなかった俺もバカだけど、俺にとってはあまりにも突然過ぎて、すぐにわかった。なんて、言えるはずがなかった。

「伊月の気持ちはわかったけど、俺はこのまま離れるのはどうしても無理だ。」

だってさ、別れたくねーよ。

こっちは付き合ったあの日からずっと、伊月の事が、お前のことだけが大好きなんだ。

⏰:14/05/05 07:31 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#230 [太郎]
「じゅん…でも…。」

どうしても別れたそうな伊月。

こんな時にまで俺の束縛鬼が発揮する。

「その人…寺田ってゆう奴には、別れてくるって言ってきたの?俺と別れて、そいつのとこ行くの?」

「そうゆうことじゃないよ。私の気持ちの問題だから。」

「あいつとはもう、やったの?隠れて会ったりしてたんだろ?」

そんな事言ったって立場が悪くなるだけなのに、なんかもう興奮してた。

「何もないよ!確かに、会ったりしてた。それは本当にごめんなさい。でもほんとに何もないよ。」

「そんなの信じれるかよ!」

⏰:14/05/05 07:37 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


#231 [太郎]
「信じてもらえないのはわかってる。でも、ここまで純を傷つけて、これ以上嘘つくわけないよ…。確かに先生と、何回か会ってる。その中で、先生は私にずっと待ってるからって言ったの。私はやっぱり、彼氏がいるから無理だからって言ってたし、本当にそう思ってた。でもね…。でも…。」

「…。もういい。」

「気になっちゃったの。先生の事…。先生の子供の事。」

「もう言うなって!」

「頭の中が、それでいっぱいになってる時があって、自分でもどうしたらいいのかわかんなくて…」

もう、辛過ぎて、苦しくて、悔しくて、情けなくて、どんな顔して聞いてりゃいいんだって思った。

⏰:14/05/05 21:07 📱:iPhone 🆔:pjnVuCsk


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