僕しか知らない君へ
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#301 [太郎]
もうハッキリ言っておくしか無いと思った。

「安藤くん…。うん!!わかった!なるべく早く連絡するからね!絶対絶対!待っててね!」

なんだか春田さんは嬉しそうにしていた。

だから今度こそ春田さんに期待して待っていよう。

もうすぐ会えるかもしれないと思うだけで、俺は変なテンションになっていた。

⏰:14/05/12 17:42 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#302 [太郎]
そうして、今度は一週間もしない間に連絡が来た。

毎日携帯がなるたびにドキドキしてた俺、待ってました!状態。

『平日の仕事終わってから集合な感じで。場所と時間はメールしま〜す。』

うわ…ついに決まった。

伊月と一度も連絡をとってないのに決まっちゃった。やば。いざ決まると焦るな。

⏰:14/05/12 17:47 📱:SBM302SH 🆔:uX1BWWIg


#303 [葵]
凄く気になります!!

⏰:14/05/12 18:19 📱:SH-09D 🆔:VoQF.3IY


#304 [太郎]
決まったその日まで、もうずっと伊月の事考えては、第一声は何て言おうとか、どんな格好していこうとか、どぎまぎして過ごした。

そして、当日。

指定された時間と場所の、30分近く前に到着する俺。

張り切りすぎた…。

こんな洒落たカフェに、男が一人で過ごすのが恥ずかしくなって、小さくなる俺。

伊月の仕事終わるの遅いって言ってたし、とりあえず春田さん来てくれないかなぁ…。

そして、約束の時間が回る。

もうそろそろだろうか。

⏰:14/05/13 12:19 📱:SBM302SH 🆔:XOZs/iFI


#305 [太郎]
「いらっしゃいませ〜」

店員の言葉にドキっとする。

入口を横目に見る。

うわ。

来た!

この前働いているところを見たばかりだけど、私服の伊月は久しぶりで、全然雰囲気違う。

すげー大人っぽくなってる。

それに比べて俺はなにも変わらず最近まではクズな事ばかり。

やっぱりもう、俺なんかは手が届かない存在なんじゃないか…

キョロキョロとして、俺を見つけると、少し微笑んでこちらに向かってくる。

⏰:14/05/13 12:32 📱:SBM302SH 🆔:XOZs/iFI


#306 [葵]
ついにきたー再会!!

⏰:14/05/13 13:46 📱:SH-09D 🆔:wvHbSxLg


#307 [太郎]
俺の前に座る伊月。

うわ、やばい。俺なんて言うって決めてたんだっけ。

すげー考えてきたはずなのに、いざ伊月を目の前にして頭のなかが真っ白になり、固まってしまう俺。

「久しぶり。すごい久しぶりだよね、純、変わってないね!」

上着を脱ぎながら、笑顔で伊月がそう言った。

久しぶりの伊月の声、笑顔、やばい、ずっとこの伊月に会いたかった、俺は。

⏰:14/05/14 00:50 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#308 [太郎]
「それはいい意味なのか?笑、ほんと久しぶり。ごめんな、無理やり誘って。」

必死で冷静を装う俺。

きっと伊月には緊張してることくらいバレバレなんだろうなぁと思いつつも、一定のテンションを保つのに必死だった。

「いい意味だよ!あ、でも何か服装とかは雰囲気変わったね、やっぱり。え?蘭子が無理に計画したって言ってたよ。そういえば蘭子遅いね、まだかな?」

蘭子とは、春田さんのことね!

あまりにも普通に接する伊月に、安心もしたけど、少し悲しくなる。

もうまるで、元カレとすら思われてないみたいで。

⏰:14/05/14 00:55 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#309 [太郎]
伊月が、携帯を確認するから俺も自分の携帯を手に取る。

あ、メール来てる。
春田さんだ。

『安藤くんごめん!今日行けなくなった。伊月のこと、よろしくお願いします!』

「え!?」

声を出したのは伊月。

多分似たような内容のメールが伊月にも送られていたんだろう。

「蘭子、仕事が遅くなるからやめとくって…。」

「みたいだな…。」

一気に不安そうになる伊月。
そんなに俺と二人きりじゃ嫌か?笑

⏰:14/05/14 01:00 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#310 [太郎]
しまいには仕事中だと言う春田さんに電話をかける始末。

「もしもし?蘭子?もう着いてるのに〜終わってからすぐ向かっても無理なの?」

どうにかしてでも、春田さんにいてもらいたいみたいだ。

「もぉ〜蘭子が計画しといてほんといっつも抜けてるんだから〜うん、わかった。じゃあね、残業頑張ってね。は〜い。…ほんとに来れないみたい…。」

その辺からだいたい春田さんは、俺の気持ちに気付いてわざとやってくれてんだろうなって思ってた。

⏰:14/05/14 01:04 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#311 [太郎]
「そんなに俺と二人きりじゃ嫌?」

「え…?」

「俺は伊月に会えたら何でも良いんだけどな。」

「…。」

複雑そうな表情の意味がわからず、ますます自信がなくなっていく。

それでもお開きになるのだけは勘弁だと思い、話題を変えて色々話した。

会わなかった間の話をたくさんした。

⏰:14/05/14 01:07 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#312 [太郎]
伊月は短大を卒業して、すぐに就職。

ずっと入りたかった所には入れなかったみたいだけど、昔から伊月の好きな化粧品会社に入れたみたいで、毎日楽しくやってるみたいだ。

仕事の話を楽しそうに話してくれた。

職場が、実家からは結構遠いから一人暮らしとかしてんのかと思ってたけどまだ実家住まいで毎日通っているらしい。

すごい毎日忙しそうだけど、前からやりたかったらしいベリーダンスのレッスンも最近始めたみたいで、伊月らしいなぁって感心した。

⏰:14/05/14 01:12 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#313 [太郎]
俺のことも聞かれたから、ろくな生活してないしどうしようかと思ったけど、あれからすぐ一人暮らしを始めたことや、いまだにバイトも少し入っていて、バイト先に伊月と仲良かった奴がいたから、そいつの話で盛り上がったりした。

最初に比べたらだいぶ緊張もほぐれて、普通に会話出来てるし、楽しめてる。

でもお互いに、今までの恋愛関係の話は出来なかった。

本当はすごい聞きたかったけど、なかなか切り出せない。

小さなカフェで、コーヒー一杯でそうとうねばる俺ら。

⏰:14/05/14 01:15 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#314 [太郎]
店員の目もあるしな…。

「そろそろここ出るか。」

「うん、そうだね。どうする?もう帰った方が良いよね?」

いやいや!そんなつもりで言ってないです!僕は!

「伊月明日休みなんだよね?俺車だし、ドライブでもしようよ!」

「…でも…。」

「どっちにしろ伊月電車で帰るくらいだったら家まで送ってくし、乗ってよ。」

頼む、もう少し話させてくれ!

⏰:14/05/14 01:20 📱:SBM302SH 🆔:3FFnI6i6


#315 [太郎]
いわば強引に車に連れ込む俺。

元カレとはいえ、ちょっとずうずうしかったかな…

なんか伊月急に俯いて大人しくなってるし…

「どっか行きたいとこある?」

それでも帰そうとはしない俺。

「…。」

やっぱ強引すぎたか。

⏰:14/05/15 11:29 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#316 [太郎]
「…。大丈夫なの?純、こうやって二人で車乗ってても。」

口を開いたかと思ったらすごく言いにくそうにそう言った伊月。

「え?どうゆう意味?」

「純ごめん。久しぶりって言ったけど、私見ちゃったんだよね、純が彼女と一緒にいるところ。」

「彼女?彼女なんていないよ、俺。」

「来てたでしょ、私の職場の隣の店に。」

⏰:14/05/15 11:32 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#317 [太郎]
はっ。

あの、舞と一緒に行った日、伊月気付いてたのか…

気付いてないと思ってたのに。

「いやいや、彼女じゃないよ。もう、会うこともないんだ。」

「え?そうなの?手繋いでたからてっきり。」

うわーばっちり見られちゃってますね。

「あぁ、なんか話すと長くなるけど、ほんとにあの子とは何も無いよ。ほんとに彼女もいないし。」

⏰:14/05/15 11:36 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#318 [太郎]
「そっか。じゃあ余計な気を使っちゃったね。ごめん。…うん!ドライブしよっか、どこでもいいよ、場所。」

深くは聞いてこようとしないのは、俺に興味なんて無いって事?

それでも俺はやっと笑顔を取り戻してくれたのが嬉しくて車を走らせた。

とりあえず…こうゆう時はなんとなく海だな!笑

海へと車を走らせる車内。

他愛もない話をして盛り上がった。

すごい久しぶりだとは思えないくらいお互いに気を許して話せてたと思う。

まるで、あの中学の時に隣の席になった時のようだった。

⏰:14/05/15 11:40 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#319 [太郎]
海について、堤防のコンクリートのとこに腰を掛けて、風をあびる。

少しトーンは落ち着いたけど、やっぱり恋愛関係の話はお互いにしない。

時間だけが過ぎて、もうそろそろお開きの雰囲気。

俺は伊月をもう一度手にいれたかったし、もう一度はじめたいと思っていたけど、久しぶりに会って、少なからずお互いに変わっている。

今日たくさん話したけど、会わなかった時間を埋める為に、時間をかけないといけないと思った。

⏰:14/05/15 11:45 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#320 [太郎]
伊月を再び車にのせて、伊月の家までおくっていった。

その帰り道は今までとうって代わり、二人とも無言だった。

伊月は今何考えてるんだろう、俺は、久しぶりに通る伊月の家への道のりをいろいろな想いをのせ懐かしく走っていた。

無言のまま、伊月の家についた。

「今日はありがとう。久しぶりに会えて良かった。純も仕事無理せず頑張ってね。…じゃあ。」

伊月がドアに手をかける。

⏰:14/05/15 11:49 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#321 [太郎]
「伊月!」

伊月の手が止まる。

伊月はもう、俺とよりを戻すなんて考えていないことはわかってた。

「ん?」

「これからさ、伊月が暇な日あったら、会おうよ。俺はいっつも暇だから。だめかな?」

「…いいよ。また連絡するね!」

少し驚きながらokをくれた。

俺の気持ちを伝えることは出来なかったけど、とりあえず心のなかで小さなガッツポーズを決めた。

⏰:14/05/15 11:52 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#322 [太郎]
それから3カ月後くらい。

「ごめんごめん!お待たせ〜。」

「いーよ。おつかれさん。」

今日伊月と映画を観に行く。

久しぶりの再会のあの日から、俺はほとんど毎日のように伊月に連絡をして、暇な日は伊月と会った。

伊月も嫌がらずに暇な日は俺にかまってくれた。

今の俺たちは、昔付き合ってた時の俺たちとは何かが違う。

もちろん付き合ってないってゆうのもあるけど、あの頃はまたちがう、大人の俺たち。

⏰:14/05/15 11:56 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#323 [太郎]
別れてからずっと、伊月を忘れられずに引きずっていた今までは、昔の伊月をずっと想っていた。

でも今は、あらためて、今現在の伊月を本気で想っている。

どこがどう変わったって、うまく説明できないけど、昔よりは純粋さも無くなり、ブランド品で身を固めちゃったりして、価値観に追い付けない部分もあったんだけど、そうゆうのもひっくるめて、今の伊月にどんどん惚れてた。

⏰:14/05/15 12:00 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#324 [太郎]
「純寝癖?髪の毛くちゃってなってる〜あはは!」

伊月も、昔みたいに俺にたいして気を使わずに接してくれるようになった。

それでも、手を繋いだりキスしたり、そんなんは一度もなかった。

それどころかいまだに恋愛系の話はしてないまま。

このままでも幸せで、楽しかったけど、もう俺のなかで今の伊月が好きだってハッキリわかってたから、そろそろ伊月に真剣に伝えたかった。

⏰:14/05/15 12:05 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#325 [太郎]
映画を見終わって、また、ドライブすることになった。

「ねぇあのさ、途中で出てきたおじいさんはなんで死んじゃったの?」

「マジで言ってんの?ちゃんと見てた?」

また、いつものくだらない車内。

こうゆう、くだらない会話が楽しい。

もし俺が思いを伝えたらこうゆう風に話したり会えなくなるかもしれない。

でも、やっぱり俺はこのまま友達ごっこみたいに続けてくのは嫌だ。

⏰:14/05/15 12:08 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#326 [太郎]
「なぁ、あの海行ってもいい?」

「あの海?」

「久しぶりに会ったときにいったとこ。」

「うん!いいよ!」

この前とは違い会話をしながら向かった。

海について、階段のとこに座る俺たち。

やっぱり海につくと、少しトーンは落ち着いて静かになる。

⏰:14/05/15 12:13 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#327 [太郎]
「なぁ、伊月。ちょっと、俺の話してもいい?」

あらたまって言う俺に伊月は不思議そうに頷いた。

「…あのさ、俺、伊月と別れてからすげーグズで、最低な生活送ってた。」

伊月との別れの話も、もちろん、この時はじめて恋愛関係の話をした。

伊月と別れてからの、俺の全てを話した。

話す必要ないかもだし、ドン引きするかもしれないけど、これが不器用な俺のやり方。

伊月は複雑な表情をしていた。

⏰:14/05/15 12:20 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#328 [太郎]
「最悪だよな…。自分でも自分のしてきたことにゾッとする。」

「…ううん。そんなことないよ。だって、きっかけは私なんだもん…」

「でも本当に、もうあんな生活に戻りたくないんだ。伊月、俺さもう一生伊月には会えないと思ってた。…大袈裟かな。」

「私もだよ。てゆうか…会わす顔ないって思ってたよ。」

「こうやってまた会えて、一緒に過ごせて、俺信じられないくらい幸せ。俺も伊月も変わったところもあると思う。それでも俺は昔も今もずっとすごい好きなんだ。伊月。」

⏰:14/05/15 12:55 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#329 [太郎]
気が付いたら俺、涙流してた。

わわわ、カッコ悪。

「純…。」

「ごめんな、突然。だめかな…俺たちもう一回。」

「…。だめだよ…。だめだよ、純…。」

伊月も、

俺以上に泣いてた。

⏰:14/05/15 13:00 📱:SBM302SH 🆔:zuSuHBjI


#330 [葵]
((T_T))

⏰:14/05/15 13:35 📱:SH-09D 🆔:LT1l6u3I


#331 [葵]
待ってまーす( ・∇・)

⏰:14/07/04 20:27 📱:SH-09D 🆔:.8.8Ij7c


#332 [我輩は匿名である]
黙れブス

⏰:14/07/08 11:44 📱:AFFARE 🆔:6AZGXaSY


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