初めての刑務所
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#58 [まっすー]
朝来た時と同じで、更衣室で工場着を脱いで検身し、居室衣に着替える。


部屋に戻ったらちゃんと先輩方に挨拶しなければ。


第一印象は大事だ。


部屋に帰ると、おハゲさんが他の2人を紹介してくれた。


一人はおハゲさんと同じ40代くらいの少し白髪が生えたおっちゃんで、名前は“シラガさん”としよう。


もう一人は僕と同年代くらいの若い人で、身体中に墨が入っているので名前は“おスミさん”で。


ちなみに部屋は6人だった。

今日僕達と一緒に入ったというもう一人の若い人もいた。

特に特徴はないので、名前は名字に水が入っているので“おミズさん”としておこう。


続いてBさんが自己紹介を始める。

⏰:23/06/24 00:25 📱:Android 🆔:lD9xJXbE


#59 [まっすー]
年齢は僕より少し上だったか。


まあ、年上だろうなとは思っていたけれど。


流れで僕も自己紹介する。


「まっすーです、よろしくお願いします」

とりあえず簡単に。


それからはBさんがやたらペラペラ喋っていたけど「点検用意!」の号令で強制終了。


ちなみに独居の時とは違って、雑居部屋での食事の時は細かなルールがある。


部屋では席順が決まっていて、ここは6人部屋なので1番席から6番席まである。

⏰:23/06/24 00:26 📱:Android 🆔:lD9xJXbE


#60 [まっすー]
僕らの番席は


シラガさん(3週目)→1番席
おハゲさん(3週目)→2番席
おスミさん(2週目)→3番席
おミズさん(1週目)→4番席
僕(1週目)→5番席
Bさん(1週目)→6番席


番席で当番が決まっていて、1番と2番席が食事の用意(食器の受け渡し、お茶ポットの受け渡し、食器の空上げ)


そして3番席がトイレ掃除。


ローテーションとかじゃなくてもう固定なのね、と。

⏰:23/06/25 04:11 📱:A7 🆔:NkMsNnz2


#61 [まっすー]
暴動とか起きないかなと思ったけど、この部屋のメンバーからしてそれはないだろうと安心。


夕食を食べ終わってから17時半を過ぎ、ここで一仕事。


職員からマジックペンを借りて、衣服類全部にこの部屋の番号を書かなくてはならない。


これが結構面倒くさい。


早くのんびりしたいから超高速で書いてさっさと終わらせた。


僕の席は4番席のおミズさんと6番席のBさんに挟まれた状態なので辛い。


この2人、同じ罪状ということで意気投合して僕を挟んでぺらぺらお喋りを始めるからそれがまた少し僕のストレスに。


仕事といえば、もう一つあった。


この考査工場にいる間だけ、毎日日記のようなものを書かなくてはならない。

⏰:23/06/25 04:28 📱:A7 🆔:NkMsNnz2


#62 [まっすー]
元々、物書きが好きな僕はスラスラと書いて行を全部埋めた。


書いてる時にBさんがちらちら覗いてきてイラッとしたのを今でも忘れない。


18時半になり、テレビがついた。


今月は相撲テレビがないから遅い。


しかも独居の時と同じ小さいテレビだから、僕の席からだと遠くて見づらい。


テレビ見てる間も例の2人がぺらぺら喋るから〇意が。


やっぱりこの人大嫌いだ。


気が長い僕でもイラッとくるのだから、短気の人はすでにキレて手を出してると思う。

⏰:23/06/25 04:38 📱:A7 🆔:NkMsNnz2


#63 [まっすー]
考査工場の生活はあっという間に過ぎていった。


2週目になると、パソコンのタイピングに加えて小学5年生〜中学3年生までの国語と算数の勉強をした。


算数は昔から苦手だったから全然できなかったけれど、国語は好きだったからまあまあできた。


3週目は電子辞書を使った漢字の読み書きや、日常生活に関するマナーなどの学習。


この電子辞書、タッチスクリーンの反応がすごく悪くてイライラしっぱなしだったけれど楽しかった。


そしてついに考査工場も最終日となった。

⏰:23/06/28 04:54 📱:Android 🆔:E1VdIAkw


#64 [まっすー]
最終日の今日月曜日は、午後から一大イベントが控えていた。


それは


“処遇審査会”


というものである。


簡単にいうと、どの工場に配属するかを決める面談みたいなもの。


衛生のガタイさんから説明があった。


お偉い職員が何人もいて、罪についてどう思っているか、この先出所してからどうするつもりなのかなど細かい事を色々と聞かれるらしい。


面接とか面談も僕は大の苦手なので、始まる前から緊張しっぱなしで作業にも身が入らなかった。

⏰:23/06/28 05:00 📱:Android 🆔:E1VdIAkw


#65 [まっすー]
午後2時くらいになり、ついにお迎えがきた。


検身をして整列して審査会会場へ向かう。


何寮かの階段を3階まで上がると廊下にパイプイスが用意されていたので、そこに座って順番を待つ。


緊張MAX


ガタイさんから、厳しい事も聞かれるかもしれないと聞いていたので余計にやばい。


そして15分くらい待って、やっと僕の称呼番号が呼ばれる。


中に入ると、コの字形にテーブルが並んでいて、そこにズラリといかにもお偉い方達が。

⏰:23/06/28 05:24 📱:Android 🆔:E1VdIAkw


#66 [まっすー]
その光景だけで、今の僕はまさに“蛇に睨まれた蛙”状態。


称呼番号と名前を言ってからイスに座る。


結論から、この時は緊張がやばすぎて何聞かれたのかも自分がどう答えたのかもよく覚えていない。


でも特に厳しい事言われるとかボロクソ言われるとかはなかったのは覚えてる。


1人だけおばちゃんの職員がいたのだけど、その方が悟るように優しく声をかけてくれたのはよく覚えてる。


なんやかんやで職員方の質問が終わり、最後に1枚の書類が渡された。


そこには、受刑中に達成させるべき矯正目標が3項目書かれていた。

⏰:23/06/28 05:34 📱:Android 🆔:E1VdIAkw


#67 [まっすー]
最後にその3つの項目を声に出して読んでから処遇審査会が終了。


やっと終わった。


人生の中で一番緊張したかもしれない(大袈裟かもしれないけれど、実際あの雰囲気を前にするとわかると思う)


経験はないけれど、大手企業の面接ってあんな感じなのかなと。


工場に戻った途端に肩の力が抜けて脱力モードに。


でもそれを表に出すと注意されそうなので、気をつけて作業。


その後ガタイさんから作業終了後の説明を受け、最後の考査工場を終えた。

⏰:23/06/29 05:00 📱:Android 🆔:XHOKyaes


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