初めての刑務所
最新 最初 全
#1 [まっすー]
はじめまして。
先日まで関西の某初犯刑務所に服役していました。
現在は仮釈放中の身です。
日記など書いてはいなかったのでうろ覚えの点などはありますが、なるべくしっかり思い出しながら綴っていきたいと思います。
更新は遅いです。
フェイク、脚色は無しで100%ノンフィクションで書いていこうと思います。
興味のある方はぜひ見ていってください。
:23/06/13 16:12 :Android :HGJq.3lo
#2 [まっすー]
忘れもしない、2021年9月16日(木)に僕は初めての刑務所に入所する事になった。
事件を起こしたのは愛知県なのだけど、僕が移送されたのは関西にある、とある民間刑務所。
移送当日の朝に拘置所で移送の手続きなどがあって、お偉い職員の方に行き先の刑務所の告知を受けたのだけど、その名前は「〜刑務所」ではなかった。
告知を受けた後に、僕の他に同じ行き先の受刑者の方が2人いて、その内の1人に
「民間だね」って言われた。
ちなみにこの人は、拘置所内で同じ雑居部屋だった人だった。
だから、少し心強かったのを覚えてる。
この人はMさんという人で、この後もちょいちょい出てきます。
:23/06/13 16:40 :Android :HGJq.3lo
#3 [まっすー]
僕たちの移送手続きが終わって、やっと刑務所に出発
施設を出る前に、僕ら3人はしっかりと手錠と腰縄(3人連結)で繋がれることに
こんなことをされている自分に多少惨めを感じたが、まあそれは置いておいて…
久しぶりに拘置所の外へ出ると覆面ワゴンが停まっていたので乗り込む
車内での交談(他の受刑者との雑談や話す事)は一切禁止と前もって注意をされてから、いよいよ刑務所へと出発
ここからだと約4時間くらいかかると言われて、到着はお昼前くらいとの事
出発現在の時間はわからないけど、おそらく午前8時過ぎくらいかも(前日に、遠いから明日は普段受刑者が起床する30分前くらいに起こしにくると言われてた)
確か平日の一般の受刑者の起床時間が午前7時30分くらいだったと思う
なので、僕たちが起こされたのは午前7時くらいということになるのかな(この辺はうろ覚え)
:23/06/14 10:42 :Android :BB2nad.2
#4 [まっすー]
そして車で約4時間の、無言という苦痛の旅が始まった
護送の職員に
「寝てもいいからね」
って言われたけど、緊張してて眠気など全くなかったので、ずっと窓の外を眺めてた
普通に外を歩いてる人を見て複雑な気持ちになったのを覚えてる
そしてなんやかんやで数時間が過ぎた頃に職員から
「そろそろ着くでな」
との声がかかる
いよいよか…
僕の緊張はMAX
民間の刑務所と聞いたから、もしかしたら刑務官がいないのか、とか
そんなに厳しい所じゃないのか、という期待と不安が入り交じってた
:23/06/14 10:43 :Android :BB2nad.2
#5 [まっすー]
入口の門に入ったところで、車についてる黒いカーテンが閉められた
閉まる前にチラッと外観が見えたけど、本当に刑務所?という感じの綺麗な建物だった
これは本当に拘置所のようなあの青色制服の職員がいないのでは?と期待がますます高まる
その内、シャッターが開く音が聞こえて車は中へ
このあたりは拘置所へ来たときと同じようだ
車が停車してドアが開けられる
「足元に気をつけて」
そう言われてゆっくり降りたとき
期待は絶望に
目に入ったのは、拘置所でも同じみの
肩に”法務省”の文字が入ったあの青色制服の職員達だった
:23/06/14 10:46 :Android :BB2nad.2
#6 [まっすー]
「ですよね〜」
と思わず声が出そうになった
僕たち3人は”新入調室”という所に通された
青色制服がうじゃうじゃいてヘコむ
でもその中に意外な人達もいた
”ALSOK”というロゴが入った制服を着た者が数人
ああ、民間だからかと納得
ちょっと変な感じはするけど、新鮮にも映った
ここから拘置所と同じく”領置調”が始まった
あいにく僕は荷物が少なかったので10分〜15分くらいで終わった
でも他の2人の領置調が終わるまでは待っていなくちゃならない
:23/06/14 10:46 :Android :BB2nad.2
#7 [まっすー]
個室の狭いボックスの中で待っているとドアが開けられて、所内で着るであろう服一式を渡された
「今着てるの脱いでこれに着替えてな」
妙に優しい職員にそう言われて言う通りにする
驚いたのは、所内着は拘置所のような緑のものではなく、薄い黄色に近い色のポロシャツとズボンだった
しかも新品!?
少しテンションが上がる
着てみると、着心地がすごい良いではないか
拘置所の時の緑のやつはゴワゴワしてて嫌だったけど、これは良い!
服の他にシャツとかパンツとか、いわゆる”官物”も支給された
それと名札も
僕の名字が入った、白くて丸いデザインのものだった
着替終わって他の2人の領置調も終わってしばらくボックスの中で待っているとまたドアが開けられて
「出てきて」
と言われたので出る
他の2人も一緒に出ると、テーブルの上に食事が3人分並べられていた
:23/06/14 10:48 :Android :BB2nad.2
#8 [まっすー]
そういえばもうそんな時間なのね、と
しかも嬉しい事にその日の昼食は僕の大好物であるラーメンだった(何味だったかは覚えてない)
後にわかる事だけど、毎週木曜日の昼食は麺類らしい
それにラーメンの汁が入ってる汁椀を見て思わず心の中でツッコミを入れてしまった
「(汁椀でかっ!)」
汁椀のサイズが異様にでかいのである
底はそれほど深くはないのだけど横の幅が広いというか、どう表現したらいいのかとにかく大きい
緊張で食欲なかったのだけど大好物のラーメンとあっては食べないわけにはいかない
全部、ペロリと汁まで残さず平らげた
:23/06/14 10:49 :Android :BB2nad.2
#9 [まっすー]
全員食べ終わって少ししてから職員がバカでかい青い箱を抱えてきた
これが部屋で使う”私物ケース”らしい
拘置所では黒いトランクのバッグだったけど、ここのは四角いシンプルな箱
「私物全部ここに入れて」
言われて、支給された官物の日用品やら服やらを詰め込んだ
そしてまたボックスに戻される
初日から大好物のラーメンが食べれて幸せな気持ちで待つ
しばらくして「出てきて」と同じみの台詞
「はい、じゃあ部屋いくからその私物ケース手に持って」
私物ケースの左右には手で持てるように取手がついている
いよいよお世話になる居室に移動か…
ここで緊張が再び
:23/06/14 10:49 :Android :BB2nad.2
#10 [まっすー]
新入調室を出ると、3人縦に並んでゆっくりと歩いていく
途中で外に出たのでチラリと周りを見てみると、花壇があったり、まるで庭園みたいな景色が広がっていた
その光景を見て、刑務所であることを忘れてしまいそうである
少し歩くと”5”という数字が書かれたドアを開けて再度建物の中へ
(この数字の意味は後でわかる)
そこには拘置所と同じ、居室がズラリと並んでいた
かなり奥まである
職員に促されて僕の居室であろう扉が開かれて
「私物ケース部屋に入れたらまた出てこい」
と少し威圧的(僕の勘違いかも)に言われてキョドりながらも言われた通りに
:23/06/14 10:50 :Android :BB2nad.2
#11 [まっすー]
「部屋の入り方教えるから覚えろ」
なんかこの職員嫌だなあと思いつつ「ハイ」と応える
拘置所では「入室」と言われたら部屋の方に背を向けてスリッパを脱いで入るだけというシンプルなものだったけど、ここでは少し面倒くさいやり方だった
やり方としてはこうである
(1)部屋の前に来たら自分の名字が書かれているネームプレートの前に立つ(床に線があってその先に足のつま先を合わせる)
(2)職員が「○室、番号!」と声をかけるので自分に与えられた称呼番号を唱える(書き忘れていたけど僕の称呼番号は”319番”となった)
(3)番号を唱えたら今度は「検身!」と声がかかるので両手を上げて口も開けて前と後ろの服装の検身(マスクをしている場合はヒモを親指にかける)
(4)服装を正したら再びネームプレートの前に立つ
(5)ここでやっと「入室」という声がかかるけれど入り方も少し細かい
部屋の前に左足→右足の順で踏み出す
次に右足を後ろに引いてそのまま回れ右をする(重要なのは”カカト”に重心をのせて回ること)
靴の裏全体で回るのではなくカカトだけで回るという非常に面倒くさいものである
回れ右をしたら左足が一歩前に出ている状態なのでそのまま左足を戻す
あとは靴を揃えながら脱いで入室動作完了
:23/06/14 10:51 :Android :BB2nad.2
#12 [まっすー]
この入室動作を2、3回練習させられてから、やっとこさ自分の居室に入って荷物の整理とかができるようになる
僕の居室は23室だった
ちなみに僕と一緒に来た2人は22室と24室だったので、知人に挟まれて少し心強い
ちなみにここの居室がある棟は「第5寮工場」というらしい
さきほどの”5”と書かれたドアの意味を理解した
荷物整理終わって少ししたらドアが開いて「運動行くか」と声がかかる
入室動作を教えてくれた嫌な職員じゃなくて別の太っちょの職員だった
僕ら3人だけが出されて初めての運動へ
でも運動場へ行く前に廊下で簡単に整列のやり方と行進のやり方の指導が始まった
まずは行進
「足踏みはじめ!」の号令で左足から踏み出してイチで左足、ニで右足が地面につくようにする
「全体とまれ!」の号令で止まった瞬間に一番前の人は左手を腰に当てて後ろを見る
残りの後ろの人はサッと両手を上げて前ならえ
一番前の人は後ろの人の動きが止まったのを確認してから左手を戻すと同時に前に向き直る
これを”自己整頓”という
自己整頓については職員の号令がかからないので、ボケっとしてると注意を受ける
:23/06/14 10:54 :Android :BB2nad.2
#13 [まっすー]
ちなみにこの練習で、一緒に来たMさんじゃない方の人が何度も注意されて連帯責任ということでやり直しもさせられて少しイラっとしたのを覚えてる
その人のことはBさんとしておく
このBさんは、今思っても本当に落ち着きがなくてよく喋るし、友達にはなりたくないタイプだった
同じ工場に配属されたら嫌だなあと思いつつ運動へ
拘置所みたいに皆で集まって運動できるのかと思ったら3人バラバラにされてしまった
しかも家畜小屋みたいな運動場で、しかも狭い
喋る相手もいないし、1人で運動させられるなら運動なんて行きたくなかった
ここで30分なにしろと
運動場では爪も切れるようだけど、あいにく昨日拘置所で切ってきたので無用
適当にスクワットとかしたり狭い場所をグルグル歩き回ってるうちに運動終了
:23/06/14 10:54 :Android :BB2nad.2
#14 [まっすー]
居室に戻る前にまた何回かBさんが自己整頓でミスってやり直しさせられて
「(ほんとコイツは…)」
と少しばかり○意が
運動…ただ、別の意味で疲れにいっただけではないかとテンションが下がる
居室で5寮工場の説明が書かれてる書類を見てたらドアの横の食器口が開いて
「入浴いくから準備だけしといて」
と声がかかる
入浴…どうせ入浴の時も細かなルールがあるんだろうなとさらにテンションが下がる
覚える事がいっぱいで頭がパンクしそうだ
:23/06/14 10:54 :Android :BB2nad.2
#15 [まっすー]
例にならって入浴も僕ら3人だけで行くことになった
タオル、シャンプー、石けんを持って廊下に整列すると太っちょの職員から入浴道具の整頓の仕方の説明がはじまった
ほら言わんこっちゃない
でもこの太っちょの職員、話し方がとても優しい
さっき僕に入室動作の指導をした職員も、この職員を見習ってほしいものだ
さて入浴道具の整頓の仕方だけれども
まず、タオルを伸ばした状態から縦に折る
細長い状態にしたらまず石けん箱を置いて一巻きする
次にシャンプーを重ねるように置いてまた巻いていく
これだけ
ちょっと面倒くさいなと思ったけど、これはすぐに慣れるはず
:23/06/14 10:55 :Android :BB2nad.2
#16 [まっすー]
簡単に説明が終わっていざ浴場へ
そこは拘置所みたいに雑居風呂ではなくて、一人用の個室タイプの浴場だった
またしても太っちょさんからの説明がはじまる
まずはカミソリの借り方
自分の称呼番号の書かれたカミソリを手にしたら、まずカミソリの刃の部分を職員に見せる
職員によってはここで「ヨシ」と声をかける人もいればかけない人もいるので臨機応変に
刃を見せたら、次は裏返してカミソリの背面の方を職員に向ける
カミソリの背面に称呼番号の書かれたシールが貼ってあるので、その番号を見せるようにする
そして自分の称呼番号を言ってから次に「間違いありません」と、自分のカミソリで間違いないことを職員に伝える
僕の場合は
「319番、間違いありません!」
と、こんな感じに
:23/06/14 10:56 :Android :BB2nad.2
#17 [まっすー]
カミソリを手にしたのはいいけどここでもう一つ注意点が
カミソリの持ち方である
片手でぶらぶら持って歩いてると、隣に人がいた時とかにぶつけてケガとかになりかねないので、カミソリを持つ手を胸元くらいまで持っていって、かつ刃の方を自分の方に向けて落ち着いて移動する
太っちょさんの説明はすごくわかりやすくて良かった
ちなみにカミソリを返す時も、借りる時同様の動作をするけれど、返す際は「間違いありません」の一声は不要
別にあってもいいけど、それは個人の自由
僕は後に電気カミソリを買ったので、官物のカミソリを使ったのは1ヶ月くらいだった
3000円も出して電気カミソリを買ったのも、毎回この動作が面倒くさいと思ったからに他ならない(入浴は15分なので、剃っている時間がもったいないというのもある)
:23/06/14 10:57 :Android :BB2nad.2
#18 [まっすー]
カミソリの説明が終わってやっとお風呂に入れるかと思ったらまたまた説明
居室衣の脱衣は、まずズボンとパンツを同時に脱ぐ(時間短縮のため)
次に上着はズボンの上に、名札が見える状態で畳んで置いておく
脱衣する前に入浴の説明が
中に入ったらカーテンを閉め、入浴道具を左手に持って鏡の前に立ち、職員の「入浴はじめ!」の号令を待つ
号令があってようやく15分間の入浴タイムスタート
一つだけ、不可解かつ最悪なルールが
それは…
”シャワーヘッドを外したらダメ”ということである
:23/06/14 10:58 :Android :BB2nad.2
#19 [まっすー]
聞くと、ヘッドを外すと隣の人にかけてしまったりしてトラブルになるからだとか
にしても、この寮の浴場は個室なのだから、別に外しても良くない?とツッコミたくなるところではある
まあ、どこも公平にって事なのだろうけども…
入浴が終わってスッキリして部屋の前に来たときに太っちょさんから”タオルすすぎ”の説明が入る
居室に入ったら「タオルすすぎ用意!」の号令で洗面器に水を一杯ためる
次の号令があるまではタオルを左手に持って前を向いて立っておく
「タオルすすぎはじめ!」の号令で洗面器にタオルを入れて洗う
ここでの注意点は号令前に動作をしない事と、水の継ぎ足しをしないこと
一杯ためたら必ずその分だけでタオルを洗う(水の不正使用ということで相応の処罰があるとかないとか)
:23/06/14 10:59 :Android :BB2nad.2
#20 [まっすー]
運動と入浴のイベントが終わって
これで一段落かなと思ってたら食器口が開いて、何かが入ってきた
それは何かの箱で、食器口に近づいていったら、その箱の中には大量のミニ折り紙が入ってた
職員が素っ気なく
「今日から作業してもらうから」
まじか、初日から作業かぁ、と。
でもまあ、午後からだから作業時間も残りそうないだろうと
折り紙で何を折るのかと思ってたら、もう一つ何かが入ってきた
それは、折り鶴の折り方が一から載っている見本だった
折り鶴か…
まあ、暇つぶしにはなるかなと
:23/06/14 11:00 :Android :BB2nad.2
#21 [まっすー]
この折り鶴作業、最初は楽しいなって感じでやってたのだけど、1時間くらい経ったらさすがにダルくなってきた
飽き性である上に、熱しやすく冷めやすいところがあるのが僕の欠点だ
5寮工場の説明書きに、この寮には約1週間いて、その後は第1工場(通称:考査工場)と呼ばれる工場に移動になるらしい
考査工場…初めて聞く言葉なので一体どういう工場なのか今から緊張が高まる
とにかく一心不乱に鶴を折ってたら食器口が開いて
「明日健康診断あるから」
と告知が
健康診断か…という事は採血もあるのか
僕は大の注意嫌いなので、憂鬱だ
だからコロナのワクチンも当然打ってなかった
作業いつ終わるんだろうと気だるくなってきていたら、急に食器口が開いてビクッとする僕
食器口が開いたのは僕の居室だけじゃなく、職員が他の居室の食器口も開けて周ってるらしい
:23/06/14 11:00 :Android :BB2nad.2
#22 [まっすー]
もしかしてもう夕食?
でもまだ材料あるし、点検もしてないみたいだし
と怪訝に思ってたら廊下から突然拡声器を使ったバカでかい声が
「今食器口開いた部屋の人だけ聞いてください。今から今日のこの後の動作時限について説明するので食器口の近くに集まってきてください」
なんだ、さすがにまだ夕食ではないかと落胆しつつ食器口の前に正座する
この職員の声からして50歳はいってそう
それにこの人もすごく優しそうな声をしてる
それから20分くらい今後の説明を受けた
:23/06/14 11:01 :Android :BB2nad.2
#23 [まっすー]
この後、作業やめの号令がかかってから点検をして、それから夕食
それと、刑務所でのご飯と並ぶくらいの楽しみであるテレビ視聴の説明も受けた
テレビは、平日は午後6時30分から午後8時55分まで
土日などの免業日は午前9時から午前11時30分までと、午後5時から午後8時55分まで視聴可能との事
ただ、今は9月で相撲をやっている月なので”相撲テレビ”という名目で、特別にその相撲を開催してる期間だけは平日5時からテレビが見れるという
ただし5時から6時までの1時間は相撲チャンネルだけしか見てはいけないらしい
他のチャンネルにすると処罰の対象になると聞いて、末恐ろしくなった
:23/06/14 11:01 :Android :BB2nad.2
#24 [まっすー]
相撲なんて興味ないのだけど、まあ文句はいっていられない(当時はそう思っていたけれど、後々相撲が好きになり、今では若元春と宇良推しだったりする)
あとは、その日だったかは覚えてないけれど”矯正指導日”の説明も入ったと思う
拘置所でも月2回あった、作業に代わる矯正プログラム
驚いたのは、ここの矯正指導日が”毎週”あるという事だ
拘置所は第2木曜日と第4木曜日だったけれど、ここは毎週水曜日にあるらしい
といっても例外があって、水曜日が第5週まである月については、5週目だけの水曜日は通常の作業日となるという
それは別にいいけど、毎週免業日がきて作業が週4日になるなんて最高じゃないかとテンションが上がる(これについても当時はそう思っていたが、今考えれば苦痛だったし作業している方がマシだったと言える)
:23/06/14 11:02 :Android :BB2nad.2
#25 [まっすー]
なんやかんやで説明が終わって折り鶴作業に戻り、そこから30分くらいで
「作業やめ!材料を回収するので食器口の上に置いておいてください」
との放送が
…やっと終わった
午後から始めたはずなのに、なぜこんなにも長かったのだろう
明日からはおそらく朝から作業をするのだろう
そう思うと憂鬱が襲う
:23/06/14 11:02 :Android :BB2nad.2
#26 [まっすー]
点検の号令がかかるまで少し時間があるようなので”受刑者の心得”という冊子をサラッと見てみた
とりあえずまずは動作時限表を頭に叩き込んでおかないとならない
なるほど、平日の起床時間は午前6時40分
点検、朝食を終えて間もなく工場就業者は出室準備→出室
7時40分には作業開始か…
早い気もするような
どこの刑務所でも同じくらいなのか
昼食は免業日も共通で午後12時、作業終わりは午後4時30分
5〜10分後には居室に戻って4時50分に点検、そして夕食
:23/06/14 11:03 :Android :BB2nad.2
#27 [まっすー]
ちなみに土日や矯正指導日などの免業日は起床が午前7時30分
点検、朝食が終わってテレビとか見たりしてたらあっという間に1日が終わりそう
もう少し冊子を見てたかったけど
職員の「点検用意!」の号令がかかってしまった
点検の仕方は拘置所と一緒で、朝と夕に自分の称呼番号を唱えるだけ
拘置所は雑居部屋だったから朝は「イチ、ニ、サン」の一連番号だったけど、ここは独居だから朝夕共通で「319番!」と唱えればいいのね
:23/06/14 11:03 :Android :BB2nad.2
#28 [まっすー]
「なおれぇ!」
と、点検終了のバカでかい号令が響いたところでやっと長い1日が終わったと肩の力が抜ける
午後5時から夕食を食べながら相撲チャンネルとやらを回す
NHKの1チャンネルでやってたので、興味はなかったけどとりあえず流してた
ゆっくり食事を味わってたら、配食からそれほど時間が経ってないのに
「からあげ(空上げ)よおい!」
と号令が響いた
焦って早食いして、食器を5寮工場の説明書きに書かれていた順に重ねて食器口の上に用意
配食から空上げまでが早くて、全く味わって食べる事ができないではないか
:23/06/14 11:05 :Android :BB2nad.2
#29 [まっすー]
午後6時を回った時に、突然チャイムが鳴って放送が流れた
女の人の声で
「ただいまから就床の時間です」
と3回くらい繰り返しの放送
そうそう”就床”についても説明があったのだった
午後6時を回ったら、就床の時間といって布団を敷いて寝る事ができる
拘置所でもあったけど、拘置所と違うのが一つ
就床の放送がかかったら、たとえ今すぐ寝る予定がなくてもとりあえず布団を敷いておかなければならない
そしてまだ寝ない場合は布団を二つ折りにしておく
布団に寝転んだままで読書はOKだけど、書き物などは禁止
また、居室衣を着たままで布団に寝転がるのもダメ
:23/06/14 11:06 :Android :BB2nad.2
#30 [まっすー]
まあ、この辺は頭の悪い僕でもさすがに理解はできる
とにかく今日は疲れたので布団を敷いてパジャマを着よう…と思ったけど、パジャマは今は着る必要はなし
なぜかというと、今は9月で
”夏季処遇”の実施期間中との事だった
つまり上はシャツ1枚、下はパンツ1枚で寝ることができる
でも面倒くさいのが、着てないパジャマは畳んで定められた位置に整頓しておかなければならない
ちなみに居室衣に関しても、在室中(作業時含む)は上着を脱いでシャツ1枚で過ごす事ができる
今日はあまり暑く感じなかったので僕は脱がなかったけれども
脱いだ上着もパジャマと同じく名札が見えるようにして定められた位置に整頓しておかなければならない
細かいルールが多すぎてすぐ忘れちゃいそうである
:23/06/14 11:06 :Android :BB2nad.2
#31 [まっすー]
そんなこんなで初めての刑務所初日は特に問題なく終了した
それにしても長い1日だった…
身体よりも頭が疲れてしまった
果たして今日はよく眠れるだろうか?
脳が興奮してなかなか寝付けなさそうな気がする…
テレビがあるとやはり時間経つのが早い
あっという間に時刻は午後8時55分前
テレビが自動で消えてからフゥとため息をついて、寝る準備
ここで一つ不満が発生
『枕が柔らかすぎる&低すぎる』
僕は、枕はそれなりに固くて高い方がよく寝れる(娑婆でもそうだった)
ここの枕は、そのどちらも崩壊していた
:23/06/14 11:07 :Android :BB2nad.2
#32 [まっすー]
案の定、その日は全く寝付けなかった
何度も寝返りを打ったり、楽な体勢を考えたりして、変に脳が覚醒してる状態に…
考えてみると留置所でも初日は全く寝れなかったし拘置所でも然りだった
そりゃ今回だって寝れないわけである
娑婆では夜行性だったから、それが慣れちゃってるのもあるのかなと
10分くらい毎に夜勤の職員が巡回にきて、その足音がうるさいのもあるかも
色々考え事をしてる内にいつの間にか眠っちゃってたみたいで、目が覚めたら窓の外が明るくなってた
:23/06/14 11:08 :Android :BB2nad.2
#33 [まっすー]
運命の2日目。
ぼーっとしていたらチャイムが鳴って、クラシックの音楽が流れはじめる。
クラシックは詳しくないので曲名はわからないけど、朝から爆音で聴いたら一気に眠気が目が覚めるような曲。
点検は10分後だ。
急いで居室衣に着替えて布団を畳む。
布団の畳み方は“居室の整頓要領”という冊子に書かれていたので、昨日の時点で頭に叩き込んでおいたからスムーズにできた。
洗顔をサッと済ませて点検位置に座る。
座る場所は、扉の視察口から真っすぐの位置で、安座か正座で待つ。
点検が終わって朝食済ませ、作業待ちへ。
この1週間ひたすら折り鶴を折ると思うと萎えてくる。
1日最高で何羽折れるか試してみようか。
でも昨日職員に
「ゆっくりでいいから、正確に綺麗に折って」
と言われていたので、そう早くもできなさそうだ。
:23/06/15 17:39 :Android :86junhj.
#34 [まっすー]
でも今日は健康診断がある。
運動もあるけど、また一人運動になっちゃうのだろうか。
ちなみにこの寮の入浴は毎週月、木らしい。
でも今は夏季処遇ということで週3回になってる(何曜日かは忘れてしまった)
そうそう、来週月曜日は理髪があると昨日告知があった。
拘置所で移送の何日か前に切ったばかりなので、あまり伸びてはいないけれども。
そんなこんなで始まった朝からの折り鶴作業。
別にノルマとかもなさそうだし、のんびり折ってやろう。
:23/06/15 17:40 :Android :86junhj.
#35 [まっすー]
30分くらいやったところで食器口が開いて
「運動いく?」
と声がかかった。
昨日の優しい太っちょさんだ。
とりあえず、ハイと応える。
他の部屋の鍵も一斉に開けていたので結構な人数と一緒に行くのだろう。
もしかしたらワンチャン一人運動はないかもと期待。
そして廊下に縦に整列。
何人くらいいたか。
10人くらいはいたような気はする。
:23/06/15 17:41 :Android :86junhj.
#36 [まっすー]
縦隊で行進して運動場へ。
番号が次々と呼ばれていく。
「319番と〇〇〇番、〇番の運動場に入って」
と僕の番号と、拘置所から一緒に来たMさんの番号が呼ばれた。
お、Mさんと一緒の運動場か。
よかった、ついにこの刑務所に来て初の運動交談。
Bさんじゃなくてよかったと安堵。
:23/06/15 17:43 :Android :86junhj.
#37 [まっすー]
Mさんと一緒の運動場に入ったら、Mさんが開口一番
「作業、やばない?」
と苦笑いしながら言ってきた。
最初の方にも書いたけれど、Mさんとは拘置所で一緒の雑居だった。
見た目というか、目つきが少し鋭いけど、全然気さくで優しいお人である。
「やばいっす」と僕。
それからは、ここの話や職員の話で盛り上がった。
「運動終了!」
と職員の号令と共に扉が開く。
あっという間の30分だった。
でも良い気分転換ができて良かった。
:23/06/15 17:44 :Android :86junhj.
#38 [まっすー]
作業に戻って30分〜1時間経った頃に放送が入った。
「作業やめ。用便とお茶を済ませた者から作業に戻るように。なお、スポーツドリンクを配るので、コップを食器口の上に置いておくように」
お、スポーツドリンク?
そんなサービスがあるのね。
さすが夏季処遇である。
黄色いコップにスポーツドリンクが1杯注がれる。
うまい!
久しぶりにお茶以外のものを飲んだ。
喉が潤ったところでまた作業に戻る。
少なからずやる気が出てきた。
:23/06/15 17:45 :Android :86junhj.
#39 [まっすー]
昼食を食べた後、昨日も告知があったように健康診断に向かった。
まずは身長体重測定してから尿検査、視力検査、レントゲン、血液検査などなど。
注射はやっぱり嫌だった。
チクッとするのは一瞬なんだけど、それからの血を容器に吸収していく間が異様に長く感じた。
なにはともあれ、無事に健康診断終了。
居室に戻って、ひたすら折り鶴。
:23/06/15 17:46 :Android :86junhj.
#40 [まっすー]
それからは、初めての土日を迎えたりして、翌週水曜日の矯正指導日の日がやってきた。
矯正指導日は、午前中はDVD視聴→読書・自主学習→DVD視聴。
午後も同じだった。
そのDVDの内容というのは、全てNHKの番組で、プロフェッショナルだったり、72時間ドキュメントだったり、スポーツドキュメントだったり、とにかくNHK縛りがひどかった。
内容によっては全く興味ないものもあって苦痛だった。
これなら折り鶴してる方がいいという人もいるかもしれない(僕もその1人になりつつある)
もっと苦痛だったのが、読書と自主学習時間。
私本の小説が見れればまだいいのだが、見れるのは官本(ここで借りれる本)や、私本でも資格の教科書とかのみ。
:23/06/15 17:47 :Android :86junhj.
#41 [まっすー]
これが毎週あるのか…
拘置所はナンプレとかクロスワードとかやってても大丈夫だったけど、ここはそれもダメとなると相当萎える。
でも嬉しいこともあった。
それは“昼食”である。
水曜日のお昼はパンとぜんざいだったのである。
あのでかい汁椀に大量のぜんざいが入っている!
でもぜんざいといっても、モチなどは入っていない。
ただ小豆が入ってるだけだけど、甘くてすごい美味しい!
これなら矯正指導日も悪くないなと少しばかり思う。
:23/06/15 17:48 :Android :86junhj.
#42 [まっすー]
と言いたいところだったけど、あとから聞いた話、ぜんざいが出るのは1週間おきだという。
ぜんざいじゃない日はクリームシチューとのこと。
毎週ぜんざいだったらどれだけ幸せだったか。
初めての矯正指導日がなんとか終わって、明日で刑務所にきて1週間。
まだ1週間か…。
あれ、そういえばこの寮にいるのは1週間だったよな、と思い出す。
明日で1週間だけど、考査工場移動の話とか何もきていないのだけど…。
結論からいうと、僕はこの第5寮に約3週間もいた。
理由はわからないけれど、とにかく折り鶴と矯正指導日が苦痛であった。
そして約3週間後の10月5日の火曜日、僕達は第1工場=考査工場への配属となった。
:23/06/15 17:49 :Android :86junhj.
#43 [まっすー]
その日は朝食を食べてから、移動の準備を始める。
工場に持っていかなければならない物品があるので、それらを分けていく。
時間がきて居室の扉が開き、職員が用意してくれた台車に布団や私物ケースなどの荷物を積む。
そして職員から考査工場に関する簡単な説明を受けてから、やっとの移動。
何人くらいいたか…
10人はいたように思う。
縦に並んで移動が始まる。
緊張で、口から心臓が出てきそうな勢いだった。
:23/06/15 17:51 :Android :86junhj.
#44 [まっすー]
ちょいちょいある段差に気をつけながら進んでいくと、“3”の数字が書かれた扉が見えてきた。
5寮の次は3寮ですか。
お世話になります。
中に入ると、5寮と違うところが。
独居ではなく、全部雑居部屋だったのである。
考査工場は雑居部屋なのか!
これが吉と出るか凶とでるか…
できたらMさんと同じ部屋にしてください。
僕は大の人見知りなので、いきなり知らない人達と一緒に入れられたらやばいです。
:23/06/17 14:44 :Android :iJElcZTM
#45 [まっすー]
廊下の真ん中で止められて、職員が紙を見ながら名前と部屋番号を読み上げていく。
誰が何室だったのかは覚えていない。
でも一つだけわかったのは、Mさんとは別の部屋になってしまった事だ。
それどころか、残酷な事実が告げられる。
「B!〇〇室!」
うわあああ!
Bさんと同じ部屋になってしまったああ。
そりゃないよ…
いや、確かに拘置所から一緒に来たし、5寮の運動でも何回か一緒になって話したりしたけどさ
前に書いた通り、この人はよくべらべら喋るし、クセが強いのである。
:23/06/17 14:44 :Android :iJElcZTM
#46 [まっすー]
幸先が悪すぎる。
でも「Mさんと交換してくれ」なんて当然言えない。
まあ、一般工場に配属されるまでの付き合いだ、我慢するしかない。
荷物を部屋に置いて、工場に持っていく物品だけ持って3寮を後にする。
それらの物品を一旦工場前で回収し、検身場に入る。
検身のやり方は、まず手の平と甲をそれぞれ職員に見せてから自分の称呼番号を唱え、口を開ける。
「ヨシ!」と言われたら一歩前に出て、パンツの縁に手をかけて前から後ろになぞって中を見せてから、左→右の順で足の裏を見せて終わり。
:23/06/17 14:45 :Android :iJElcZTM
#47 [まっすー]
そして工場着に着替えて、ついに考査工場の中へ。
中ではすでに何十人かの人達が作業をしていた。
…ん?
思わず目を疑った。
みんな、なぜかパソコンの前に座って黙々とキーボードを叩いている。
パソコンが作業?
何がなんだかわからずにチラチラ見ていると、黄色い帽子を被ったやけにガタイが良い人から声がかかった。
いわゆる衛生係というやつか。
「今からやってもらう事の説明をするのでちょっと集まってください」
やけにハキハキとした声だ、聞いていて気持ちが良い。
ぞろぞろと衛生さんの周りにみんな集まる。
:23/06/17 14:46 :Android :iJElcZTM
#48 [まっすー]
衛生さんはガタイが良い人と、細身で背の高い人がいて、名前をそれぞれ“ガタイさん”と“ホソミさん”と呼ぶことにしよう。
「まず、持ってきた物品全てに称呼番号と名前などを書いてもらいます」
とガタイさん。
言われた通り、ロッカーの上に用意されていた服やタオルや靴などに称呼番号などをひたすら書いていく。
全員が終わった頃合いを見計らって、ガタイさんが声をかける。
「みなさん、ここに2列で並んでください」
ぞろぞろと、言われた通りの場所に整列する。
:23/06/17 14:52 :Android :iJElcZTM
#49 [まっすー]
全員が揃うと、担当であろう職員が登場。
色黒で熱血そうな見た目。
マスクしてるからよくわからないけど、結構な色男なのではないだろうか。
ガタイはそれほどだけど、体育会系の匂いがプンプン。
果たしてどういうお方なのか…。
そして担当さんからの訓示が始まる。
「お前らは罪を犯してここにきているんや。何をしにここにきたのか、忘れんように」
みたいな事をひたすら言われたような気がする。
でもなんかこの担当さん、とても感じが良くて好感が持てる。
この担当さんとは後々に出所目前にまた再会する事になる(まだまだ先の話)
:23/06/17 14:53 :Android :iJElcZTM
#50 [まっすー]
訓示が終わり、衛生さん2人から細々とした説明を受けてから作業場所へ。
まさか刑務所でパソコン作業をするなんて思わなかった。
でもここは民間刑務所だし、それを思うと納得できるのかなと。
ちなみにこの考査工場にいる期間は3週間。
今日入った僕達は1週目で、すでに作業していた人達は2週目、3週目の人達らしい。
基本は火曜日に3週目の人達が出ていって、新しい1週目がやってくる、というシステムだ。
3週間って結構長くないか?と思ったけれど、今思えばほんと一瞬だった。
その時は僕の中では、Bさんと3週間も一緒の部屋で過ごすのかという事がネックだった。
:23/06/17 14:54 :Android :iJElcZTM
#51 [まっすー]
パソコンの作業の前に、ガタイさんや民間の講師さんから軽く説明があった。
作業は1週目、2週目、3週目で変わるらしい。
1週目はパソコンの基礎などのDVD視聴したり、タイピング練習との事。
パソコンのキーボード叩いてても作業金が貰えるなんて、なんて幸せなのだろう。
いっそ出所までずっとここでいいと、その時強く思ったのを覚えてる。
でも以前書いた通り、僕は飽き性なので、それはそれで不満だったかも。
:23/06/17 14:54 :Android :iJElcZTM
#52 [まっすー]
それからはDVDを見たり、食堂で民間の講師の講義を聞いてワークブックの記入をしたりと、とにかく説明ばかりだった。
5寮にいた時よりも覚える事がいっぱいで、頭がエンスト状態になっていた。
ちなみに考査工場の運動は、基本は朝作業始まってからすぐ(午前8時〜8時30分)らしいのだけど、毎週火曜日は僕達のような新入が入ってくる日なので、運動は午後一番になるらしい。
なので火曜日だけは、昼食をとる際に作業帽をズボンのポケットに入れたまま食堂に向かう。
:23/06/17 14:55 :Android :iJElcZTM
#53 [まっすー]
食堂での昼食が終わると、そのまま運動場へ向かうので1列で行進しながら連行職員に付いていけとの事。
考査工場ではどんな所で運動をしにいくのだろうと思いつつも向かったのは、そこそこは広いけれど、四方を柵でしっかりと覆われた運動場だった。
5寮の時の運動場をただ広くしただけのような場所だった。
それでも家畜小屋には変わりはない気はする。
運動が始まってすぐMさんの所へ向かった。
「同じ部屋が良かったですね」などと話していると、ヤツ(Bさん)が、知らない人を連れて近づいてきた。
聞くと、彼は僕らと同じ部屋の人探してたらしく、見つかったので僕に紹介しようと思って来たらしい。
:23/06/17 14:56 :Android :iJElcZTM
#54 [まっすー]
彼の行動に「余計なお世話だよ」と思うけども、とりあえずその一緒の部屋だという人に挨拶をする。
その人は、髪が少し寂しい40代くらいのおじさんだった。
名前は、おハゲさんと呼ばせてもらおう。
でも変な人じゃなさそうでよかった。
おハゲさんは、今週から考査工場の3週目。
つまり、来週の火曜日で考査工場を卒業するお方。
おハゲさんは、今は電子辞書を使った作業をしているらしい。
漢字の読み書きとか、言葉遣いのマナーとかをひたすら勉強しているとの事。
それを聞いて、僕は国語が好きなので今から楽しみになった。
:23/06/17 14:57 :Android :iJElcZTM
#55 [妻子を失った僕]
時間があればあとで最初から読みます
:23/06/20 20:57 :MO-01J :27H28C3Y
#56 [まっすー]
55さん
ありがとうございますm(_ _)m
仕事が始まって、更新遅くなりますがよろしくお願いします。
:23/06/21 20:46 :Android :3H2KS1bo
#57 [まっすー]
おハゲさんによると、僕達の入る部屋には現在おハゲさんを入れて3人いるとの事で、みんな全然良い人だと聞いて安心した。
5人部屋か…
拘置所は6人部屋だったから暑苦しかったけど、まだ5人ならいいか(Bさんがいなかったら尚良かったけども)
運動が終わり、再びパソコン作業へ。
折り鶴してる時よりも時間経つのがすごい早かった。
作業やめの号令がかかったのは16時15分くらいだった。
いつの間にそんな時間になっていたのか。
パソコンに夢中で全然時間なんて気にしていなかった。
:23/06/24 00:23 :Android :lD9xJXbE
#58 [まっすー]
朝来た時と同じで、更衣室で工場着を脱いで検身し、居室衣に着替える。
部屋に戻ったらちゃんと先輩方に挨拶しなければ。
第一印象は大事だ。
部屋に帰ると、おハゲさんが他の2人を紹介してくれた。
一人はおハゲさんと同じ40代くらいの少し白髪が生えたおっちゃんで、名前は“シラガさん”としよう。
もう一人は僕と同年代くらいの若い人で、身体中に墨が入っているので名前は“おスミさん”で。
ちなみに部屋は6人だった。
今日僕達と一緒に入ったというもう一人の若い人もいた。
特に特徴はないので、名前は名字に水が入っているので“おミズさん”としておこう。
続いてBさんが自己紹介を始める。
:23/06/24 00:25 :Android :lD9xJXbE
#59 [まっすー]
年齢は僕より少し上だったか。
まあ、年上だろうなとは思っていたけれど。
流れで僕も自己紹介する。
「まっすーです、よろしくお願いします」
とりあえず簡単に。
それからはBさんがやたらペラペラ喋っていたけど「点検用意!」の号令で強制終了。
ちなみに独居の時とは違って、雑居部屋での食事の時は細かなルールがある。
部屋では席順が決まっていて、ここは6人部屋なので1番席から6番席まである。
:23/06/24 00:26 :Android :lD9xJXbE
#60 [まっすー]
僕らの番席は
シラガさん(3週目)→1番席
おハゲさん(3週目)→2番席
おスミさん(2週目)→3番席
おミズさん(1週目)→4番席
僕(1週目)→5番席
Bさん(1週目)→6番席
番席で当番が決まっていて、1番と2番席が食事の用意(食器の受け渡し、お茶ポットの受け渡し、食器の空上げ)
そして3番席がトイレ掃除。
ローテーションとかじゃなくてもう固定なのね、と。
:23/06/25 04:11 :A7 :NkMsNnz2
#61 [まっすー]
暴動とか起きないかなと思ったけど、この部屋のメンバーからしてそれはないだろうと安心。
夕食を食べ終わってから17時半を過ぎ、ここで一仕事。
職員からマジックペンを借りて、衣服類全部にこの部屋の番号を書かなくてはならない。
これが結構面倒くさい。
早くのんびりしたいから超高速で書いてさっさと終わらせた。
僕の席は4番席のおミズさんと6番席のBさんに挟まれた状態なので辛い。
この2人、同じ罪状ということで意気投合して僕を挟んでぺらぺらお喋りを始めるからそれがまた少し僕のストレスに。
仕事といえば、もう一つあった。
この考査工場にいる間だけ、毎日日記のようなものを書かなくてはならない。
:23/06/25 04:28 :A7 :NkMsNnz2
#62 [まっすー]
元々、物書きが好きな僕はスラスラと書いて行を全部埋めた。
書いてる時にBさんがちらちら覗いてきてイラッとしたのを今でも忘れない。
18時半になり、テレビがついた。
今月は相撲テレビがないから遅い。
しかも独居の時と同じ小さいテレビだから、僕の席からだと遠くて見づらい。
テレビ見てる間も例の2人がぺらぺら喋るから〇意が。
やっぱりこの人大嫌いだ。
気が長い僕でもイラッとくるのだから、短気の人はすでにキレて手を出してると思う。
:23/06/25 04:38 :A7 :NkMsNnz2
#63 [まっすー]
考査工場の生活はあっという間に過ぎていった。
2週目になると、パソコンのタイピングに加えて小学5年生〜中学3年生までの国語と算数の勉強をした。
算数は昔から苦手だったから全然できなかったけれど、国語は好きだったからまあまあできた。
3週目は電子辞書を使った漢字の読み書きや、日常生活に関するマナーなどの学習。
この電子辞書、タッチスクリーンの反応がすごく悪くてイライラしっぱなしだったけれど楽しかった。
そしてついに考査工場も最終日となった。
:23/06/28 04:54 :Android :E1VdIAkw
#64 [まっすー]
最終日の今日月曜日は、午後から一大イベントが控えていた。
それは
“処遇審査会”
というものである。
簡単にいうと、どの工場に配属するかを決める面談みたいなもの。
衛生のガタイさんから説明があった。
お偉い職員が何人もいて、罪についてどう思っているか、この先出所してからどうするつもりなのかなど細かい事を色々と聞かれるらしい。
面接とか面談も僕は大の苦手なので、始まる前から緊張しっぱなしで作業にも身が入らなかった。
:23/06/28 05:00 :Android :E1VdIAkw
#65 [まっすー]
午後2時くらいになり、ついにお迎えがきた。
検身をして整列して審査会会場へ向かう。
何寮かの階段を3階まで上がると廊下にパイプイスが用意されていたので、そこに座って順番を待つ。
緊張MAX
ガタイさんから、厳しい事も聞かれるかもしれないと聞いていたので余計にやばい。
そして15分くらい待って、やっと僕の称呼番号が呼ばれる。
中に入ると、コの字形にテーブルが並んでいて、そこにズラリといかにもお偉い方達が。
:23/06/28 05:24 :Android :E1VdIAkw
#66 [まっすー]
その光景だけで、今の僕はまさに“蛇に睨まれた蛙”状態。
称呼番号と名前を言ってからイスに座る。
結論から、この時は緊張がやばすぎて何聞かれたのかも自分がどう答えたのかもよく覚えていない。
でも特に厳しい事言われるとかボロクソ言われるとかはなかったのは覚えてる。
1人だけおばちゃんの職員がいたのだけど、その方が悟るように優しく声をかけてくれたのはよく覚えてる。
なんやかんやで職員方の質問が終わり、最後に1枚の書類が渡された。
そこには、受刑中に達成させるべき矯正目標が3項目書かれていた。
:23/06/28 05:34 :Android :E1VdIAkw
#67 [まっすー]
最後にその3つの項目を声に出して読んでから処遇審査会が終了。
やっと終わった。
人生の中で一番緊張したかもしれない(大袈裟かもしれないけれど、実際あの雰囲気を前にするとわかると思う)
経験はないけれど、大手企業の面接ってあんな感じなのかなと。
工場に戻った途端に肩の力が抜けて脱力モードに。
でもそれを表に出すと注意されそうなので、気をつけて作業。
その後ガタイさんから作業終了後の説明を受け、最後の考査工場を終えた。
:23/06/29 05:00 :Android :XHOKyaes
#68 [まっすー]
そうそう、今の部屋のメンバーだけれど、一緒の部屋だったおミズさんはちょっと前に別の部屋に移動になっていた。
できればBさんが移動して欲しかった。
今は5人部屋で、僕とBさんの他にメガネかけたおじさんと、僕と同じ30代の人が2人。
平均年齢が前より大幅に下がった。
今日でやっとBさんともお別れだ!
でもまだわからない。
もしかしたら同じ一般工場に配属される可能性もなくはないのだ。
:23/06/29 05:32 :Android :XHOKyaes
#69 [まっすー]
挨拶などを終え、最終日の余暇時間は五目並べで遊んだりした。
将棋もあったけれど、当時の僕は将棋は全くわからなかった(後に別施設での職業訓練に行った時に覚える事になる)
考査工場は、なんというか厳しかったけど、担当さんがすごい良い人だったから頑張れた。
だからこの考査工場は担当さんに迷惑を一度もかけることなく無事終える事ができた。
衛生のガタイさんとホソミさんもとても良い人で、最後まで本当にお世話になった。
新しい工場に行っても頑張ろうと思えた。
:23/06/29 07:28 :Android :XHOKyaes
#70 [まっすー]
翌日、みんなとお別れの日がやってきた。
五目並べがもうできなくなるのは寂しいけれど、やっとBさんと別れられると思うと笑みがこぼれる。
そのBさん、朝の配食に来た衛生のガタイさんに
「〇番(Bさんの称呼番号)、A食入ります!」
と言われていた。
なに?奴がA作業?
考査の時に落ち着きがなくちょいちょい脇見で注意されていたあのBさんが?
ちょっと納得はいかないけれど、まあこれで奴と別工場になるのは確定!
さようなら〜
:23/06/30 03:00 :Android :D9F31WfU
#71 [まっすー]
朝食が終わり荷物の整理を終えた後は、職員が迎えにくるまで座って待機。
いよいよ一般工場での作業が始まるのか。
どんな作業になるのだろう。
僕は頭が悪く不器用なので、頭を使う作業とか難しいのは嫌だなと色々考えてしまう。
部屋の人が順番に出ていってなぜか僕とBさんが残った。
次はどっちだと思っていると職員がきて
「319番、まっすー!」
と呼ばれて廊下に出ると同時に告知を受けた。
「319番、君は3工場」
ほう、3工場とな。
:23/06/30 03:10 :Android :D9F31WfU
#72 [まっすー]
僕だけなのかなと思って辺りを見てみると、向こうにもう一人いた。
それはなんと先日まで一緒の部屋だったおミズさんだった。
もしやおミズさんと一緒の工場か?
一人だけじゃ心細いと思っていたので、これは心強い。
「じゃあ行こうか」と言われて荷物を乗っけた台車を引く。
おミズさんも動き出したのでやっぱり一緒の工場だ、と少し安心する。
:23/06/30 03:16 :Android :D9F31WfU
#73 [まっすー]
向かったのは“2”と書かれた扉の寮。
5寮→3寮ときて最後は2寮か、お世話になります。
部屋は1階の47室だった。
荷物を置いて、工場で使う衣類が入った衣装ケースだけを持ってついに工場へと移動。
3工場とやらの前にやってくるとロッカーの番号を教えてもらい、そこに履いてきたスリッパを閉まって更衣室の中へ。
検身を終えて、初めての工場着に着替える。
着替えている時に工場の中からガチャガチャ音が聞こえていた。
どんな作業をしているのだろう。
:23/06/30 03:28 :Android :D9F31WfU
#74 [まっすー]
※↑で“初めての工場着”と書いたけれど間違い。考査で着ているではないか。
工場の中へ足を踏み入れると、40人〜50人くらいの人達が椅子に座って黙々と作業をしていた。
なにやら金属類をいじいじしている様子。
さっきの音は金属だったのか。
そして工場の担当さんと思われる方の前におミズさんと立ち、称呼番号と名前を言ってから挨拶をした。
担当さんは30代後半〜40代くらいの細身で、考査の時の担当さんと同じく色黒だった。
なに、工場の担当さんはみんな色黒なのか?と。
:23/06/30 03:39 :Android :D9F31WfU
#75 [まっすー]
そしてこの担当さん、とにかく眼力がすごい。
至近距離で見て思わず後ずさりしそうになった。
挨拶もそこそこに、衣装ケースを持ってロッカーの前へ。
ロッカーの前に椅子が用意してあって、そこに座るように促される。
やがて黄色い帽子の衛生係がやってきた。
多分僕より全然若い、20代くらいの子だった。
持ってきた衣類にマジックで工場名を書くように言われる。
そういえばロッカーの所に移動している時にチラリと見えたのだけど、知っている顔があった。
それは考査で1週間だけ一緒の部屋だったあの“おハゲさん”だった。
:23/06/30 03:50 :Android :D9F31WfU
#76 [まっすー]
お別れの前の日に「お元気で」などと名残惜しく挨拶を交わしたのに、こんなすぐに再会することになるとは。
マジックで名前を書いたあとは工場の説明を受けた。
またしても覚えることがいっぱいありそうだ。
でも先輩のおハゲさんがいるし、わからない事は彼に聞けばいい。
説明が終わってついに作業席に案内される。
席は前列から1班、2班、3班、4班、5班となっていて、僕らは一番後ろの席(5班)に座った。
「作業指導あるから待っといて」と担当さんに言われ、緊張気味で待つ。
しばらくすると灰色の帽子を被った指導役(立ち役というらしい)のおじさんから作業の説明を受ける。
:23/06/30 05:46 :Android :D9F31WfU
#77 [まっすー]
作業はシンプルで、非鉄金属類の分別ということだった。
アルミやらステンレスやらをひたすら分けるという、バカな僕でも出来る単純作業。
これは一人で黙々とする感じだから安心した。
チームワークでの流れ作業とかだったらどうしようと不安だったから余計に。
とりあえずまずはテストという事で簡単なアルミ類を分けて、ある程度集めたらまた呼んでと言われ作業開始。
隣の席がおミズさんだから心強い。
他にどんな人がいるんだろうと気になったけど、衛生くんに「脇見だけは気をつけてください」と注意されていたので、ずっと下を向いてひたすらアルミを分ける。
:23/07/01 05:20 :Android :uz54yTYM
#78 [我輩は匿名である]
去年の11月に出所しました!
同じく3工場だったので被ってたかもしれないですね!
:23/10/30 00:59 :iPhone :ckT49d5I
#79 [まっすー]
>>78さん
お返事遅れました。
同じ工場だったのですね!
よければメールなどでやりとりしませんか?
:23/11/21 17:04 :Android :6aKckRj.
#80 [我輩は匿名である]
>>79久しぶりに見たらコメントきててびっくりです
ぜひメールしてみたいですね笑
:24/03/23 15:00 :iPhone :j0p4sCJI
#81 [我輩は匿名である]
>>80よければお願いしますm(_ _)m
3工場にいた増〇といいます。
:24/04/26 06:34 :Android :iTXQi1rg
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194