初めての刑務所
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#62 [まっすー]
元々、物書きが好きな僕はスラスラと書いて行を全部埋めた。
書いてる時にBさんがちらちら覗いてきてイラッとしたのを今でも忘れない。
18時半になり、テレビがついた。
今月は相撲テレビがないから遅い。
しかも独居の時と同じ小さいテレビだから、僕の席からだと遠くて見づらい。
テレビ見てる間も例の2人がぺらぺら喋るから〇意が。
やっぱりこの人大嫌いだ。
気が長い僕でもイラッとくるのだから、短気の人はすでにキレて手を出してると思う。
:23/06/25 04:38 :A7 :NkMsNnz2
#63 [まっすー]
考査工場の生活はあっという間に過ぎていった。
2週目になると、パソコンのタイピングに加えて小学5年生〜中学3年生までの国語と算数の勉強をした。
算数は昔から苦手だったから全然できなかったけれど、国語は好きだったからまあまあできた。
3週目は電子辞書を使った漢字の読み書きや、日常生活に関するマナーなどの学習。
この電子辞書、タッチスクリーンの反応がすごく悪くてイライラしっぱなしだったけれど楽しかった。
そしてついに考査工場も最終日となった。
:23/06/28 04:54 :Android :E1VdIAkw
#64 [まっすー]
最終日の今日月曜日は、午後から一大イベントが控えていた。
それは
“処遇審査会”
というものである。
簡単にいうと、どの工場に配属するかを決める面談みたいなもの。
衛生のガタイさんから説明があった。
お偉い職員が何人もいて、罪についてどう思っているか、この先出所してからどうするつもりなのかなど細かい事を色々と聞かれるらしい。
面接とか面談も僕は大の苦手なので、始まる前から緊張しっぱなしで作業にも身が入らなかった。
:23/06/28 05:00 :Android :E1VdIAkw
#65 [まっすー]
午後2時くらいになり、ついにお迎えがきた。
検身をして整列して審査会会場へ向かう。
何寮かの階段を3階まで上がると廊下にパイプイスが用意されていたので、そこに座って順番を待つ。
緊張MAX
ガタイさんから、厳しい事も聞かれるかもしれないと聞いていたので余計にやばい。
そして15分くらい待って、やっと僕の称呼番号が呼ばれる。
中に入ると、コの字形にテーブルが並んでいて、そこにズラリといかにもお偉い方達が。
:23/06/28 05:24 :Android :E1VdIAkw
#66 [まっすー]
その光景だけで、今の僕はまさに“蛇に睨まれた蛙”状態。
称呼番号と名前を言ってからイスに座る。
結論から、この時は緊張がやばすぎて何聞かれたのかも自分がどう答えたのかもよく覚えていない。
でも特に厳しい事言われるとかボロクソ言われるとかはなかったのは覚えてる。
1人だけおばちゃんの職員がいたのだけど、その方が悟るように優しく声をかけてくれたのはよく覚えてる。
なんやかんやで職員方の質問が終わり、最後に1枚の書類が渡された。
そこには、受刑中に達成させるべき矯正目標が3項目書かれていた。
:23/06/28 05:34 :Android :E1VdIAkw
#67 [まっすー]
最後にその3つの項目を声に出して読んでから処遇審査会が終了。
やっと終わった。
人生の中で一番緊張したかもしれない(大袈裟かもしれないけれど、実際あの雰囲気を前にするとわかると思う)
経験はないけれど、大手企業の面接ってあんな感じなのかなと。
工場に戻った途端に肩の力が抜けて脱力モードに。
でもそれを表に出すと注意されそうなので、気をつけて作業。
その後ガタイさんから作業終了後の説明を受け、最後の考査工場を終えた。
:23/06/29 05:00 :Android :XHOKyaes
#68 [まっすー]
そうそう、今の部屋のメンバーだけれど、一緒の部屋だったおミズさんはちょっと前に別の部屋に移動になっていた。
できればBさんが移動して欲しかった。
今は5人部屋で、僕とBさんの他にメガネかけたおじさんと、僕と同じ30代の人が2人。
平均年齢が前より大幅に下がった。
今日でやっとBさんともお別れだ!
でもまだわからない。
もしかしたら同じ一般工場に配属される可能性もなくはないのだ。
:23/06/29 05:32 :Android :XHOKyaes
#69 [まっすー]
挨拶などを終え、最終日の余暇時間は五目並べで遊んだりした。
将棋もあったけれど、当時の僕は将棋は全くわからなかった(後に別施設での職業訓練に行った時に覚える事になる)
考査工場は、なんというか厳しかったけど、担当さんがすごい良い人だったから頑張れた。
だからこの考査工場は担当さんに迷惑を一度もかけることなく無事終える事ができた。
衛生のガタイさんとホソミさんもとても良い人で、最後まで本当にお世話になった。
新しい工場に行っても頑張ろうと思えた。
:23/06/29 07:28 :Android :XHOKyaes
#70 [まっすー]
翌日、みんなとお別れの日がやってきた。
五目並べがもうできなくなるのは寂しいけれど、やっとBさんと別れられると思うと笑みがこぼれる。
そのBさん、朝の配食に来た衛生のガタイさんに
「〇番(Bさんの称呼番号)、A食入ります!」
と言われていた。
なに?奴がA作業?
考査の時に落ち着きがなくちょいちょい脇見で注意されていたあのBさんが?
ちょっと納得はいかないけれど、まあこれで奴と別工場になるのは確定!
さようなら〜
:23/06/30 03:00 :Android :D9F31WfU
#71 [まっすー]
朝食が終わり荷物の整理を終えた後は、職員が迎えにくるまで座って待機。
いよいよ一般工場での作業が始まるのか。
どんな作業になるのだろう。
僕は頭が悪く不器用なので、頭を使う作業とか難しいのは嫌だなと色々考えてしまう。
部屋の人が順番に出ていってなぜか僕とBさんが残った。
次はどっちだと思っていると職員がきて
「319番、まっすー!」
と呼ばれて廊下に出ると同時に告知を受けた。
「319番、君は3工場」
ほう、3工場とな。
:23/06/30 03:10 :Android :D9F31WfU
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