それでも君が
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#250 []
それだけ言うと
一方的に電話を切られた。

『・・・』

しばらくプーップーッていう
音を聞いてた


その音も切れる頃
友梨は立ち上がり
裕クンの言葉を無視して
場所を移動し

近くの工場の駐車場にある
小さな階段にうずくまった

⏰:07/01/20 15:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#251 []
今何時かな・・・

裕クン探してるかな・・・

友梨
生きてていいのかな・・・


そんなことを考えながら
静かに目を閉じた



"このまま死んじゃえばいいのに・・・"

そんなことさえ思った

⏰:07/01/20 15:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#252 []
いつの間にか
こんな寒い中
眠ってしまった・・・

名前を呼ぶ声で目が覚めると
そこには・・・



裕クンがいた。



「友梨!!!!」

『ちょ・・・!!!』

⏰:07/01/20 15:29 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#253 []
友梨を抱く腕が
震えてた。

「動くなっていったにか」

『ごめん・・・』

「探したんやぞ!!」

『ごめん・・・なさい』

震える冷たい体


きっとこの寒い中
走って探してくれてたんだね

⏰:07/01/20 15:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#254 []
「おってよかった・・・」

心配かけてごめんね。

裕クンはそのまま友梨を
抱き上げた

『重いからいいよ〜!!!』

と足をばたばたさせた

「暴れると落とすぞ!!」

『やだ!!!』


その言葉におとなしく
車に乗せられた(笑)

⏰:07/01/20 15:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#255 []
バサッッ!!!

いきなり視界が真っ暗になり
上から何かが落ちてきた

『£%#&☆$!!!!!』

「ははっっ!おもしれ〜!」


『何で笑うの苦しいから!!』

「あいっ!これかぶっとけ」


上からかぶせられたのは
暖かい毛布。

⏰:07/01/20 15:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#256 []
明らかに裕クンの布団。

『わざわざ持ってきてくれたの?』

「おぅ・・///」


照れくさそうに答える裕クンを
可愛いなって思った。


『そっか♪ありがとっ』


そういえば
車の中の温度
すごい高い

⏰:07/01/20 15:58 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#257 []
さっきから
「寒くない?」
って何度も聞いてくる

『大丈夫だよ』

って毛布の中から答えた。


真っ暗な夜の駐車場。


ふと聞こえたのは
お父さんの車のマフラーの音

探してるんだ・・・

⏰:07/01/20 16:02 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#258 []
『探しとる・・・』

「まじで!?まぁそりゃそうやろ・・・大事な娘が家出なんてよ」


見つかるんじゃないかという恐怖が友梨を襲った。


毛布から顔を出すと

「だーめっ。」

ってまた毛布をかけられた。

⏰:07/01/20 16:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#259 []
他の場所に移動するよう頼んだ


連れてこられたのは・・・
見たこと無い場所

暗くてよくわかんないけど
川の音がするから
川の近くなんだってわかった



『初めて来た・・・』


友梨は毛布をよけると
車から降りた

⏰:07/01/20 16:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#260 []
裕クンが友梨の後を
ついてくる。

「なぁ・・・」

『こんな場所あったんやね!』

裕クンの言葉を遮るように
少し大きな声で話した

"なぁ・・・"

その言葉の先はきっと
友梨が聞きたくない言葉だって
何となくだけど
気づいてたから

聞きたくなかった・・・

⏰:07/01/20 16:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#261 []
そんなこと繰り返してたら
急に裕クンが友梨の前に来て
肩を掴んで

「俺の話聞けって!!」

って・・・


真剣な目で・・・
友梨は黙ってうなずいた。

⏰:07/01/20 16:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#262 []
「とりあえず車もどろ。風邪ひくから」

『友梨バカやで風邪やらひかんし!!』

「ん〜でも寒いやろ?」

『もう寒くない』


ぶつぶつと
文句言いながら
手を引かれて
車に戻った。

⏰:07/01/20 16:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#263 []
「家帰ろ?」

まっすぐ友梨を見てくる
裕クンから目をそらして

『いやだ』

って言った。

また沈黙が続く・・・


『絶対やだ。あんな家』

自分自身に言うように
つぶやいた

⏰:07/01/23 10:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#264 []
「友梨・・・だめ!!!」


友梨の肩を掴んで
前後に揺する。


『やだ』


やだしか言わない友梨に
裕クンはため息をつくと

「わかった・・・。友梨の言いたいこと言えよ。聞くし」

その言葉に
友梨は素直になった

⏰:07/01/23 11:03 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#265 []
散々グチった
これでもかってくらい
ぶっさいくな泣き顔で
女なんか捨てて・・・


きっと裕クンだから出来たんだね


『ふぅ〜』

ため息をつくと

『疲れたぁ〜』

と吐いた

⏰:07/01/27 17:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#266 []
「辛かったな・・・」


裕クンは
また友梨を抱き寄せると
ぎゅーってしてくれた。


寂しがりの友梨が
抱きしめられてるとき
一番落ち着くことを
裕クンは知ってる


でもこのぎゅーは
違う意味だった・・・

⏰:07/01/27 17:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#267 [ακ]
続きが気になる

⏰:07/01/29 21:16 📱:D901i 🆔:☆☆☆


#268 []
αк

放置すみません
ちゃんと書き上げるので
見捨てずに読んでいただけたら嬉しいです

⏰:07/01/30 07:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#269 []
友梨から離れると

家に連絡しろ

と言われ
携帯を渡された。



"しばらく帰らないけど心配しないでください。"



そう・・・
ちゃんと話せと
携帯を突きつけられた

⏰:07/01/30 07:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#270 []
友梨は嫌だと言った。


車の中でジタバタして
裕クンを困らせた


「ちゃんと連絡したら友梨の行きたいところまで連れてってやるよ。だから心配すんなって事だけは伝えろ。じゃなきゃ家連れてくぞ」

" 家 "

やだ・・・
それだけは嫌だ・・・

⏰:07/01/30 07:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#271 []
この頃のアタシは

家族とか

絆とか

どうでもいいっていうか

信じてなかった。



帰る場所を無くした友梨は
自分の居場所が
どこにもないって

自分のこと責めた

⏰:07/01/30 08:21 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#272 []
かければ好きな所まで
乗せていってもらえる

かなり迷ったが
裕クンの言うとおり
家に電話をした

裕クンの携帯から
非通知で。


―プルルルッ―


静かな車の中
裕クンに心臓の音が
聞こえるんじゃないかって
思うくらい
鼓動は早かった

⏰:07/01/30 16:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#273 []
3コールで繋がった

「はい、牧野です。」

力ない声で
電話に出たのは
母だった・・・



『友梨やけど・・・』

そう言った瞬間

「あんた今どこにいるの!?探しとるんやよ。帰ってきて・・・お願いだから」

泣き出した母・・・

⏰:07/01/30 16:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#274 []
初めて聞く
母の泣き声に
胸が締め付けられた

"帰らなきゃ"

なんて気さえしてくる



でも友梨は
にじんだ涙をこらえて

『頭冷やしてから帰ります。大丈夫やで探さんといて』

とだけ言って
一方的に電話を切った

⏰:07/01/30 16:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#275 []
母はまだ何か喋っていたけど
無視して切った。


『言ったよっ!!』

と裕クンにピースした
友梨の目には
今にもこぼれそうなくらい
涙が溜まっていた



「頑張ったな」


軽く抱きしめて
頭を二回ポンポンってして
裕クンは笑った

⏰:07/01/30 16:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#276 []
でもこの笑顔に

この優しさに

騙されるなんて
この時のアタシは
考えてなかったんだ・・・

ホントの優しさだったのかもしれないって

今ならわかるよ・・・

⏰:07/01/30 17:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#277 []
しばらくして
裕クンは仕事に戻るため
会社の駐車場に一人
車の中で待つことにした。

「一時に戻ってくるから。どこも行くなよ!!寝とけ!!」

『大丈夫。ここにおるで』

"10時半か・・・"

警察バレたら
補導されるやんか!!

なんて思いながら
毛布にくるまり
うとうとしかけた・・・

⏰:07/01/30 18:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#278 []
バンッッ!!

ドンッッ!!

『・・・・!!?』


ドアを開ける音で
目が覚めた。

もう一時になったのかと思い
眠い目をこすり
なぜか慌てている裕クンに
話しかける


『お疲れさま〜早かったね。もぉちょっとで寝るとこやったわぁ〜笑』

⏰:07/01/30 18:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#279 []
時計を見ると
まだ30分しか経っていない

『あれ?もう仕事終わったの?てかどうしたの?何か変』


「・・・・・」

黙ってエンジンをかける裕クン


なにが起きているのか
さっぱりわからないほど
友梨だってバカじゃない


『やだッッ!!!!!』

⏰:07/01/30 18:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#280 []
『ねぇ?どこ行くつもり?』

「・・・」

『ねぇってば!!!』

「・・・」

『家なら帰らんよ!!』

「・・・」

無言のまま走り出した。


『何とか言えよ!!黙っとったらわからんやら!?』

⏰:07/01/30 18:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#281 []
「会わせたい人がおる」

『会わせたい人?』



誰だろう・・・

すごい焦ってる様に見えるのは気のせい?


博かな?


んなわけないか!!

⏰:07/02/01 16:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#282 []
『誰々〜笑』


「・・・っ」


え・・・・・


耳を疑った。

なんで?
どうして?

信じてたのに・・・

裏切り者。

⏰:07/02/01 16:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#283 []
'



"友梨のお母さんっ"



やだ・・・

友梨あんな家には帰んない!!

帰ったらなにされるか・・・

⏰:07/02/01 16:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#284 [我輩は匿名である]
>>01-200
>>200-300

⏰:07/02/01 17:20 📱:N701i 🆔:☆☆☆


#285 []
アザが出来るくらいじゃ
済まないだろう

円形脱毛なんかじゃ
収まらないだろう

きっとまた
殺されそうになるんだ・・・



そんな恐怖が友梨を襲い
体が震えだした


他人にはわかんない。
実の親に
怯えるなんて・・・
わかるはずない

⏰:07/02/01 20:04 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#286 []
『やめ・・・て』

お願いだから・・・

助けてくれるんじゃなかったの?

家に電話したら
行きたいところまで
連れていってくれるって・・・

そう・・・
いったじゃんか・・・



嘘つき。
裕クンの嘘つき!!!

⏰:07/02/01 20:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#287 []
「バレたんや・・・ごめん」


え?

待って。
どういう意味?

『なんで?』


「非通知設定できてなくて・・・お前んちから電話かかってきて友梨返せって・・・・・」


そんな・・・

⏰:07/02/01 20:09 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#288 []
「だから・・・ごめん。」


そう言って車を止めたのは
少し離れた場所にある
道の駅。

『裕クンのばか!!裏切り者!!友梨が家帰ったらどうなるか分からんでこんな事できるんやさ!!』


信じてた裕クンの
まさかの裏切りと

帰宅後の恐怖で

頭がパンクしそうだった

⏰:07/02/01 20:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#289 []
「もうすぐお母さん来るで待っとけよ。ちゃんと話し合えよ」


話し合う?

今更話す事なんてない
てか
話したくもない


『あんたに頼った友梨がバカやった。最低!!もう連絡せんといて』

⏰:07/02/01 20:18 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#290 []
パニクってる友梨は
自分のことで精一杯で

裕クンが友梨に
してくれた優しさなんか
忘れてた・・・



この日の事実を知るのに
時間はかからなかった

友梨は
最低なことをしました

裕クンが大人なんだって
実感し涙することになる

⏰:07/02/01 20:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#291 []
『じゃあね!!』

嫌みったらしく
一言投げるようにはくと
荷物を持って車から降りた



「おいっ!!ゆり!!!!!」



夜の静かな住宅街に
二人の声がこだまする


今考えると恥ずかしい///

⏰:07/02/01 20:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#292 []
追いかけてくる足音が
突然消えた


チャンスと思い
走って逃げた


「友梨!!!待って・・・友梨お願い話を聞いて・・・」



その声に
背筋が凍るような感覚を覚えたのを今でも忘れられない・・・

⏰:07/02/01 20:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#293 []
『・・・・・!!』

腕を捕まれた。

その力は肉離れしたかと思うくらい強い力で
友梨は振り払えなかった

『痛いなっ!!触んなよ!!放せって!!!!!』

「友梨・・・どうして・・・??」


そう。
しっかりと腕を掴んだのは
母だった・・・

⏰:07/02/01 20:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#294 []
『あんたの顔なんか見たくない!!!放してよ!!!!!』


「放さんよ。絶対に放さん」



震える手で
友梨の肩を掴んだ
母の顔は
涙でグチャグチャだった・・・



「帰ろう・・・??」

⏰:07/02/01 20:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#295 []
「探したんよ・・・無事でよかった・・・」

そう言って嫌がる友梨を
無理矢理抱きしめた



大嫌いなはずの母

憎いはずの母

なのに・・・

なのに涙が止まらなかったのは

かけがえのない
たった一人の母親だから。

⏰:07/02/01 20:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#296 []
母に手を引かれて
しぶしぶ車へと向かった

「ご迷惑おかけしました。仕事中なのに・・・」

ペコペコと頭を下げる母に


「いえいえ。ちゃんと話し合ってください。それから・・・友梨ちゃんの話聞いてあげてください」

と返す裕クン。

二人のやりとりを
聞き流しながら車に乗った

⏰:07/02/01 20:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#297 []
家に向かう車の中
母は一言も話さなかった

もちろん友梨も。




殴られる覚悟を決め
唇を噛みしめて
見上げた空には

星なんか見えなくて
月だけが浮かんでた

⏰:07/02/01 20:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#298 []
家に着くと父が玄関の外を
落ち着かない様子で
うろうろとしていた。

車を見るなり
友梨の乗っているドアを開け

「おかえり」

と優しい口調で言った。

それを無視して
友梨はさっさと家に入った。

後ろで二人がボソボソと話してたけど
聞こえない振りをした

⏰:07/02/01 20:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#299 []
部屋に行き
床に鞄を投げつけた。


父が部屋の外から
優しい口調で

「下に来なさい」

と言い離れていった・・・


しばらく動かなかったけど
仕方なく下へ降り
居間の戸を開けた

⏰:07/02/03 20:09 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#300 []
そこには泣き崩れる母の肩を
抱き寄せる父の姿


『なに?』

母は顔を上げると
「座って」と弱々しく言った



自分がしてきたことを
やっと反省したと思った

⏰:07/02/03 20:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


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