2006,夏恋
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#1 [主]
この話は、実際にあった話です。野球に恋をしたあなたに恋をした小さな私。

目に見えないモノ、かたちにできないモノをたくさんくれたあなたは‥大切な人であり、かけがえのない人。

※魔法の図書館というサイトにもあるので、よかったらそっちの方もよろしくお願いします。

2007.1月://HARU+゚

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⏰:07/01/06 04:56 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#2 [主]
ラジカセから聴く
真夏の高校野球

むぎわら帽子で
仰ぎながら
空を見上げた夏。

制服のスカートに
溶けたアイスが一滴

ポタポタと
汗と一緒に流れる
あたしの涙。

⏰:07/01/06 05:05 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#3 [主]
ジジジジジ‥

蝉の声と同化する
担任のうるさい声。

窓からカーテン越しに
たまに入ってくる風をうけ、だるそうに授業を聞く。
そんな今日は
6月の梅雨明け

あたしの嫌いな
数学の授業。

⏰:07/01/06 05:09 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#4 [主]
「ナミっ‥、ミナミっ聞いてる?」

「‥‥‥えっ?」

はっとして、あたしは自分の名前を呼ぶ方見る。

あたしの名前を呼んでいたのは隣りの席の"中島加奈"

「やっと気付いた。お昼休みさー売店つきあってよ」

なにをいうのかと思えば、これかい。今言わなくてもいいのにと思いながらも、あたしは「わかった」と返事をした。

⏰:07/01/06 05:15 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#5 [主]
加奈は高校になって、初めてのトモダチ。あたしの性格を唯一わかってくれる子。


キーンコーン‥

授業終了のチャイムが鳴った瞬間、生徒は廊下に飛び出す。
担任の岡本は生徒を注意するが、蝉みたいな岡本のことは誰も相手にしていない。

あたしと加奈もそのうちの一人だった。

⏰:07/01/06 05:20 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#6 [主]
みんなが売店に走ってまで向かうのは、30個限定のやきそばパンを買うため。

あたしも入学当初は、たかがやきそばパンでしょ?って思っていたけど今になっては走るうちの一人。

おばちゃんの作るやきそばパンは世界一と言っていいほどだ

加奈はまだそのおいしさに目覚めてないけどね。

加奈はお弁当があるのに、たまにあたしに売店につきあえという。
その理由は売店に行かないとわからないことだった

⏰:07/01/06 05:25 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#7 [主]
「ハァ、ハァ‥」

あんなに走って階段を掛けおりたのに、もう売店には長い列ができていた。

食堂の中にあるからとにかく暑く、顔から出る汗がブラウスをぬらす。

「もうこんな後ろか‥」

「南、今日は諦める?」


「…じゃあコロッケパンにするよ。」

⏰:07/01/06 05:32 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#8 [主]
あたしは、やきそばパンを断念した。やきそばパンを食べれる確立は3日に1回くらいだが、あたしはもう5日も食べてない。

やっと売店のおばちゃんが見えてきたとき、加奈があたしの肩を叩いた。

「ミナミっ‥」

あたしは止まらない汗と、ジリジリと照らす窓越しの太陽に少しイラツいていた。

⏰:07/01/06 05:36 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#9 [主]
あたしが返事をする前に、加奈はいなくなっていた。

「か、加奈っ?」

辺りを見回すと加奈は1人の男の子と何か話している。
坊主だから多分野球部だろう‥

でも、加奈に野球部の知り合いなんていたっけ…?

⏰:07/01/06 05:42 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#10 [主]
そんなことを考えてるうちに、あたしはコロッケパンを買っていた。

コロッケパンを片手に持ち、階段をのぼる。
そんなあたしを見て加奈が慌てて戻ってきた。

「ちょっと、待ってよー」 

おっとりしている加奈は足も遅い。あたしは立ち止まっている暑さにたえきれず階段を登りはじめる。

6月とはいえない暑さだ。

⏰:07/01/06 05:46 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


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