2006,夏恋
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#44 [主]
「な、なんでっ!?」

あたしは動揺した。本当に中村くんが目の前にいるのだ。

しかも、ユニホーム姿で。

「白石さん…?」

「な、なにっ?」


あたしはどもったのと、緊張のせいで顔から出る汗が恥ずかしく、下をむいた。

きっとあたしの顔はりんごのように赤くほてっているだろう。

その顔を冷ますわけでもなく、逆にもっと熱くさせるように
真夏の太陽は熱気を増す。

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⏰:07/01/07 07:09 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#45 [主]
「中村くん、南のアドレス知りたいんだって♪」

加奈がにやにやしてあたしの顔を覗き込む。


「冗談やめてよ」

あたしは恥ずかしさのあまりにいつもの強がりがでてしまった。

こうゆうとき、素直な子にすごく憧れる。
加奈みたいな子だったら「ありがとう、うれしい」の一言くらい言えたかな‥?

あたしの言ったことを聞いてなかったかのように、加奈は

「教えていいよね?」
と念を押し、あたしのアドを紙に書いて中村くんに渡してしまった。

⏰:07/01/07 07:15 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#46 [主]
「ちょっ…」

あたしが言いおわる前に中村くんは
「サンキュ。」といい笑顔でグランドへ走っていった。

「かな〜。なんでかってに教えるのっ」

あたしはグランドへ消えていく中村くんを見届けぬまま、加奈に言った。

⏰:07/01/07 07:18 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#47 [主]
「でたっ、南の強がり癖。本当はうれしいくせに♪」

加奈はそういって、あたしの鼻をピンッと叩いた。


「もう〜。」

あたしは怒ってるんだか、嬉しいんだかわからず加奈と笑い合って

最後に「ありがとう」と付け加えた。

⏰:07/01/07 07:24 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#48 [主]
家に着き、携帯を見ると受信1件となっていた。


誰だろう…?

部屋に入りベットに倒れこむあたし。
そしてメールを見てみると知らない人からだった   

件名:こんばんは。

本文:中村です。今日いきなりアドレスなんか聞いてごめん。

⏰:07/01/07 07:31 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#49 [主]
「な、なかむらくん!?」


あたしはビックリして声に出してしまった。

家に帰る途中に中学のトモダチと話こんでしまったため、すっかり中村くんのことを忘れていた。

そして、中村くんからのメールで今日のことを思い出したのだ。

メールとしばらく睨めっこして10分ほどたつ。

あたしは返事をどうしようか悩み、答えを出した結果加奈に電話することに決めた。

⏰:07/01/07 07:37 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#50 [主]
プルルルル…。

「はーい。加奈です」

「もしもし、あたし。」


あたしは携帯を片手に窓を開けてベランダに出た。

昼間と違い、夜は蝉の声もうるさくはなく
風も少しだけひんやりと頬をなでる。

「おおー。どうした?」

「うん、あのさ…」

あたしは中村くんからメールがきて、どう返事しようか悩んでいることを
1時間くらいかけ、加奈に話した。

⏰:07/01/07 07:42 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#51 [主]
加奈からかえってきた答えはただ一つ。

「はやくさー返事しなよー」
たったのこれだけ。

ちゃんと聞いてるのか?
って思ったけど、あえて口に出さずあたしは電話を切る。

そして、電話を切ってから2つの疑問があたしの頭の中を飛びかった。

なんで加奈は中村くんを知っていたんだろう

なんで中村くんはあたしにアドレスを聞いたのだろう

それは後にわかることだった。

⏰:07/01/07 07:47 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#52 [主]
その日は中村くんに短めの返事をして、あたしは眠りにつく。

ジジジジジ…

「ん…うるさいなぁ」

あたしはうるさい蝉の声で目を覚ました。

なんでこんなにうるさいのかと、思いながら起きると部屋の柱に1匹蝉がとまっている。

昨日ベランダの窓を開けっ放しにして寝たためか
と、あたしはため息をついた。

今日も暑くなりそうだ。

⏰:07/01/07 07:54 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#53 [りな]
『いつか、きっと…』
のトピ主のものです
主サンの表現力
見習いたいです

続きが気になります
頑張ってください

⏰:07/01/07 12:21 📱:P903i 🆔:jkvZbwKY


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