もう二度と・・・
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#41 [林奈]
亜由美は諦めた。帰り、亜由美はこんな事を言ってきた。


「うちらだけは涼子の味方でいてあげようね」


「・・・うん」


ハッキリうんって言えなかった。自分の中にモヤモヤだけが駆け巡る。

⏰:07/04/05 19:58 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#42 [林奈]
うちはその日から涼子と亜由美と距離を置くようになった。バレるのが怖くて。けど、二人とも気付かない。それでいいんだと思ってた。前田くんとの恋を、友情よりも大事にしたかった。


うちは最低だね。。

⏰:07/04/05 21:52 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#43 [林奈]
前田くんとキスをして、体を触れ合って、それだけで家族の事が忘れられてた。涼子から前田くんを奪ってまで、家族との事を忘れたかったんだ。


“最低で弱い”


頭の中では分かってるのにね・・。
心がついてけなかった・・・。

⏰:07/04/05 22:06 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#44 [林奈]
モヤモヤの気持ちの中、毎日が過ぎ、そして冬になり、クリスマス。うちと前田くんは夕方、地元から少し離れた駅で待ち合わせた。
行き先・・・。



“東京”



うちと前田くんは真剣に家出をしようと思ってた。

⏰:07/04/07 00:00 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#45 [林奈]
ほんとに幼いうちらは後先考えなくて東京へ向かった。東京はすごい街で、想像してたよりも賑やかだった。たくさんの人に、うちも前田くんもあ然とした。
渋谷をふらついて、夜になり、周りは若い人ばっか。クリスマスだからカップルだらけ。うちらは田舎くささ丸出しなのがほんとに恥ずかしくなった。

⏰:07/04/08 00:57 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#46 [林奈]
泊まる場所を探して歩くうちに、前田くんからどんどん離れてしまう。そんな時に声かけてきたのは、ホストや変なスカウトマン。それに気付いて手を引っ張りながら歩いてくれる前田くんの背中が、どこか昔の父を思い出させてたんだ。

⏰:07/04/09 22:06 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#47 [林奈]
小さい頃、デパートではぐれないようにと、手をつないでくれてた父の背中。前田くんの背中と重なった。
ホテル街に入り、安いラブホを探した。夜遅い時間に田舎くささ丸出しの幼い二人。警官に声かけられた。

⏰:07/04/09 22:12 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#48 [林奈]
「君達、未成年だよね?」


「いえ。ハタチですけど」


前田くんの返しに、まじまじと見てくる警官。


「ちょっと来てくれるかな?」


“ヤバい”


前田くんも瞬間的に思ったんだろう。
うちらは逃げた。

⏰:07/04/09 22:16 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#49 [林奈]
全力疾走。久々に走った。けど警官の足はさすがに速い。すぐ捕まった。


「来なさい」


そう言われて連れていかれた派出所。
心臓バクバクだった。

⏰:07/04/09 22:19 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#50 [林奈]
「ほんとはいくつなの?」


「14です」


「東京の子じゃないよね?」


カンずかれてた。警官はうちらに出した紙。
家の電話番号を書きなさいと言われて、うちらは拒否した。

⏰:07/04/11 21:01 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


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