もう二度と・・・
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#169 [林奈]
“きっとお父さんも起きてるわけない”
そう思いながら玄関に入り電気を付ける。すると玄関にうずくまりながらウトウトしている父がいたんだ。
“なんで?”
嬉しいのに素直になれずに父の横を通り過ぎた。
:07/04/29 10:13 :W43CA :☆☆☆
#170 [林奈]
気配に気付いた父が起きた。
「こんな時間まで何してたんだ。でも帰ってきてよかった」
小さく言った、“よかった”の言葉。
ちゃんと聞こえた。
今までどれだけ夜中になっても言われなかった一言。
:07/04/29 17:16 :W43CA :☆☆☆
#171 [林奈]
“この言葉が欲しかった”
心の中でとっさにつぶやいてたのを今もはっきり覚えてる。
でもだからと言って恨みが消えたわけでもなく、嬉しさと憎しみが半々の中でうちはまた、父にはむかった。
:07/04/29 17:18 :W43CA :☆☆☆
#172 [我輩は匿名である]
:07/04/29 18:44 :SH903iTV :☆☆☆
#173 [我輩は匿名である]
:07/04/30 00:12 :D902iS :☆☆☆
#174 [林奈]
「どこに行こうが関係ないやん。ほんとはどうでもいいくせに」
父は少し寂しい顔して寝室に帰ってた。あの顔は“本当の父の顔”だった。
うちは父の顔を思い出すだけで今も切なくなる・・。
:07/04/30 09:32 :W43CA :☆☆☆
#175 [林奈]
次の日、うちは何食わぬ顔でサオリとマサに会った。
いつもの自分。
うちは昨日の事は考えないようにしてたのに、うちの変化をマサは気づいてた。
「なんかあった?」
「何もないよ」
マサは不思議な顔をした。
:07/04/30 12:12 :W43CA :☆☆☆
#176 [林奈]
けどその場のノリで作り笑い。
精一杯の作り方で、あの時マサは何を思ったんだろう。
悲惨な“運命”を聞いてからうちは親から縛られる事をあきらめた。何を言われたっていい。むしろこんな娘なんて追い出してくれ。
そんな気持ちを抱えて生きてくと決めた15歳の春だった。
:07/04/30 12:47 :W43CA :☆☆☆
#177 [林奈]
うちは学校終わりにバイトをしようと思った。
情報誌で見つけたバイトは、オシャレなカフェ。
うちとかけ離れたようなオシャレさだけど、時給高いしまぁいいやと思った。
:07/04/30 13:08 :W43CA :☆☆☆
#178 [林奈]
面接に行ったら即採用。
次の日からもうバイトを始めた。
うちに指導してくれると言う怖そうなお姉さんの、“ノリコ”さん。そしてもう一人バイトをしてた“トモミ”。ノリコさんはうちより4つ上の大学生。トモミは2つ上の高3。
接客業なのに最初、二人は無愛想で怖がった。
:07/04/30 13:15 :W43CA :☆☆☆
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