もう二度と・・・
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#286 [林奈]
何とかその夜は過ぎ、朝になってた。
ヒロコは親戚の人に電話をしていた。
未成年の私らがアパートを借りるには、保証人が必要だからだ。
ヒロコを可愛がっている親戚のおばさんが来てくれた。
:07/05/06 17:44 :W43CA :☆☆☆
#287 [林奈]
全ての事情を話し、おばさんは怒った。
「保証人になるのは構わないよ。けどね、本当は親元にちゃんと帰った方がいいんだよ。そんな男はあんたらだけじゃどうにもならないと思うよ」
「わかってます。けど、実家には絶対戻りたくないんです」
必死に訴える私に、おばさんはやっと承諾してくれたんだ。
:07/05/06 17:48 :W43CA :☆☆☆
#288 [林奈]
今までいたアパートの保証人もおばさん。ヒロコは一度も滞納した事はない。だからおばさんは、ヒロコを信用していたから、新しいアパートを探してくれた。
私は怖くて外にも出れない。
いくらジュンが仕事中だとしても、休んでまでどっかで待ち伏せしていたらとか考えたら、怖くて仕方なかったんだ。
:07/05/06 17:51 :W43CA :☆☆☆
#289 [林奈]
私の不安を取り除こうと、トモミとヒロコは一緒にいてくれてた。
それが嬉しい反面、申し訳なかった。
けど、心底思ったことがある。
“血の繋がった親よりも、二人の方が何十倍も信じられる”ってこと・・・。
:07/05/06 17:54 :W43CA :☆☆☆
#290 [林奈]
おばさんは、その日のうちにアパートを探してくれた。
そしてまた日が暮れて、夜になった。
急にまた恐怖心から体が震え始めた。
“ジュンが来る”
私はそればかり考えてたんだ。
:07/05/06 17:57 :W43CA :☆☆☆
#291 [林奈]
予感が的中・・・。
ドンドンと玄関のドアを叩く音。
何も言わず、音だけが鳴り響いてた。
ヒロコが小さい穴からそっと覗く。
血相を変えて戻ってきた。
:07/05/06 18:00 :W43CA :☆☆☆
#292 [林奈]
「ジュンが包丁持って突っ立ってる。警察呼ぶか?」
「警察はダメ!そうなったら私ら間違いなく家に戻される」
私は警察じゃなく、自分で何とかしなければならない。
勝手な思い込みをしていた。
あの時、警察に早く電話していればよかった・・・。
:07/05/06 18:02 :W43CA :☆☆☆
#293 [林奈]
トモミ、ヒロコ、私のせいであんな辛くて苦しい思いさせて、本当にごめんね。
今でもあの時の事は心に引っかかったままで・・・。
二人が今幸せだとしても、私を憎んでなくても、本当に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなんだ。
ごめんね・・・。
:07/05/06 18:15 :W43CA :☆☆☆
#294 [林奈]
ジュンの行き過ぎた行動が、恐怖心より先に怒りを覚えさせた。
私は玄関のドアを開けてしまった。
「ジュン、あんた何してんの?いい加減やめてよ」
「何言ってるんだよ!お前が全部悪いんだよ!お前ら三人、外出てこい」
「二人には関係ないでしょ!刺すなら私だけを刺せばいいでしょ」
:07/05/06 18:19 :W43CA :☆☆☆
#295 [林奈]
「こうなったのも連帯責任だ!出てこなければ俺が行く」
意味の分からない言葉を並べるジュン。
本当に頭がおかしいと思った。
:07/05/06 18:21 :W43CA :☆☆☆
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