もう二度と・・・
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#651 [キャンディ]
すごくツライですね…
"もぅ二度と"の意味が
理解できてきました。

なんとも言えナィけど
最後マデ読まして
下さい!!
更新待ってます

⏰:07/06/20 02:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#652 [林奈]
キャンディさん、いつもありがとうI
また更新します。

⏰:07/06/20 08:34 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#653 [林奈]
「詳しく話聞かせてくれ」


父が怒り気味で言ってきた。


私はお母さんと名乗る人からのエアーメール、電話の話をした。


「ウソだろ?」


父はそれしか言わない。

⏰:07/06/20 08:39 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#654 [林奈]
「私だってウソだって思うよ。けど、何をどう分かればいいか分からない」


「アメリカ行くか?俺も行く。行って確かめて来るぞ」


父の目も真剣だったんだ。


“ウソに決まってるよ”


そう思うのに、思い出すのはノブヒロが亡くなった日。


あの時と一緒の感覚だった・・・。

⏰:07/06/20 08:42 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#655 [林奈]
私は抜け殻状態だった。
仕事をしてても何をしてても感覚がなくて、ただ時間を過ごしてるだけ・・・。


そして数日後、チケット二枚が送られてきた。


『一人では私も心配なので、お父様といらしてください』


素っ気ない言葉。

⏰:07/06/20 08:54 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#656 [林奈]
“ほんとなの?アキヤが死ぬわけない”

あの時、まだ私は信じることなんて頭になかった・・・。


ねぇアキヤ?聞こえてますか?
あの時ね、あんな紙きれを見ても、何とも思わなかったんだよ?
あなたのお母さんを何度も疑ってしまったんだよ?


聞こえてますか?

⏰:07/06/20 17:24 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#657 [林奈]
私はすぐに準備をした。
職場に事情を話し、渋々許してもらえ、私と父はアメリカへと向かった。


何十時間も飛行機に揺られ、空港で待ってた人。アキヤのお母さん。


「初めまして」

きちんと挨拶ができない。アキヤのお母さんは、とてもキレイな人だった。お母さんの運転で、アキヤが住む州に向かった。
田舎街。
周りは草原で、あまりにもキレイな光景で、残酷だった。

⏰:07/06/20 17:36 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#658 [林奈]
連れられて行ったのはアキヤが住んでた家。


洋風な白い家で、部屋に入り、飾ってあるアキヤの写真。


アキヤのお母さんは事故の全てを話してくれた。
淡々と話す姿はまるで、自分の息子の事ではないような感じだった。

⏰:07/06/20 18:04 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#659 [林奈]
仕事で取引先に向かう途中、バス事故に巻き込まれた。原因は運転手の居眠り。

乗員乗客全員死亡。

悲惨な光景だったと言ってた。


アキヤのお母さんは目にいっぱいの涙で、今にも泣き出しそうな状態だった。

⏰:07/06/21 20:24 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#660 [林奈]
私も父も言葉が出なかった。
そんなリアルな事を聞いても、私は信じることなんてできなかったんだ。


アキヤの遺体は日本に向かい、日本で葬儀を行うと言うお母さん。


倒れたアキヤのお父さんも私がアメリカに着いた、次の日に日本に帰ると言ってた。

⏰:07/06/21 20:28 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#661 [林奈]
何もかもが信じられなくて、全部が意味が分からなかった。


私と父はアメリカに何をしにいったのかも分からないくらい、短い時間で日本に帰った。


父は飛行機の中、つぶやいた。


「ウソだよな?」


自分に言い聞かせているようだった。

⏰:07/06/21 20:34 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#662 [林奈]
涙なんてでない。
だってそうでしょ?アキヤがいないだなんて信じられないんだもん・・・。



日本に帰り、家に着いた時、母が出迎えてくれた。


「どうだったの?」

「バス事故の被害に遭ったって」

⏰:07/06/21 20:39 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#663 [林奈]
言葉を返してこない母。


私達家族は、ただただ祈ったんだ。


“ウソであってほしい”
って・・・。

⏰:07/06/21 20:41 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#664 [林奈]
でも残酷にも、葬儀は行われた。


棺桶の中のアキヤ。

私は初めて涙が溢れ出した・・・。


手を握りしめても冷たくて、左手にある指輪だけが輝いてた・・・。

⏰:07/06/21 20:57 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#665 [林奈]
「なんでこんなに冷たいの?なんで息してないの?」


私はパニックになってた。


こんなにもこんなにも愛してる人が、突然いなくなるなんて・・・。


受け止める事が怖くて怖くて、私は泣き崩れて、最後を見送ってあげられなかった。

⏰:07/06/21 21:01 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#666 [林奈]
私の左手にある指輪だけが、アキヤとの“永遠”を感じさせてくれたのに・・。


なんで?なんでなんだろう?



永遠なんて、やっぱりないのかな?
私はずっと思ってたんだ。

⏰:07/06/21 21:07 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#667 [林奈]
仕事にも行けない。

私はどんだけ弱いんだろう?


自分にムチを打つように私は父達の前で笑った。


笑えば笑う程、頭に浮かぶアキヤの笑顔と最後の姿・・。


苦しかった。

⏰:07/06/21 21:13 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#668 [我輩は匿名である]
>>339-500
>>501-660

⏰:07/06/21 23:06 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#669 [林奈]
誰も私に聞こうとはしない。


そして私は長い間有休を使っていた分、仕事に打ち込んだ。


忘れるように忘れるようにと、仕事に打ち込んだ。

⏰:07/06/22 08:31 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#670 [林奈]
佐々木さんもいつもと変わらない。


このままなら、アキヤを忘れられるんだって思ってた。


そしてアキヤのお母さんが、家を訪ねてきたんだ。

⏰:07/06/22 08:38 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#671 [林奈]
「あの子の物を、林奈さんに少しもらってほしいの」


差し出されたのは、写真と婚姻届。


私は絶句した。


「アキヤね、いつか絶対林奈ちゃんと結婚するんだって、日本から持って行った婚姻届を、お守りにしてたんだよ」



胸が締め付けられた。

⏰:07/06/22 08:59 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#672 [林奈]
半分書いてある婚姻届を、直視できず、私は洗面所に逃げてしまった。



“こんなにも愛してくれてたんだね”



泣き崩れる私の背中を、父が抱き締めてきた。



「もういいよ」



父も泣いてた。

⏰:07/06/22 09:05 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#673 [林奈]
「林奈。我慢しなくていい。辛い時は泣いていいんだよ」


父の暖かい言葉。


苦しい。


その優しさが逆に苦しかった。

⏰:07/06/22 09:07 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#674 [林奈]
私はアキヤの残した物を受け取った。


部屋に帰り、写真の中のアキヤをずっと見てた。



すごく優しい顔。
手が届く距離にいるのにいない。


写真を抱きしめたまま寝ていた。

⏰:07/06/22 10:24 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#675 [我輩は匿名である]
つまんねー

⏰:07/06/22 12:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#676 [林奈]
夜中に目が覚めて思った。



“もしも私が死んだら、アキヤに会えるかな?”



天井を眺めて、ただひたすらに思ってた

けど思い出すのは、父や母、タツヒコさん、家族だった。

⏰:07/06/22 16:38 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#677 [キャンディ]
文章だけでこんなに自然に涙がでてくる
私も愛する人と結ばれたくても結ばれなかった…
ダカラ胸が苦しくなり
照らし合わしたりして
毎回読んでます

続き待ってます

⏰:07/06/22 18:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#678 [林奈]
キャンディさんもなんだね
最後まで頑張るから

⏰:07/06/22 23:18 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#679 [林奈]
なんでこんなに苦しいのかな?


愛さなければよかったのかな?


色んなことを考えてしまってた・・・。

夜中の1時。


佐々木さんから珍しく電話がきた。

⏰:07/06/22 23:20 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#680 [林奈]
「夜中にごめんね」

「大丈夫です」


「ねぇ林奈?死にたいとか思ってないよね?」


「なんで?」


「夢見たんだ」

⏰:07/06/22 23:22 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#681 [林奈]
目が覚めた時、佐々木さんは泣いていたと言う。
普段めったに夢を見ないのに、私が、笑顔で去っていく夢を見たと言った。


いてもたってもいられず、私に電話してしまったらしい。

⏰:07/06/22 23:25 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#682 [林奈]
「大丈夫だよね?」

佐々木さんの声が震えてた。


「大丈夫。私は大丈夫だから」



そんな声で聞かれたら、嘘でも“大丈夫”って言わなきゃ。

本当はもうボロボロだった・・

⏰:07/06/23 11:14 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#683 [林奈]
朝になり、休みだった私は久しぶりにトモミに電話した。


アキヤとの事は知らない。


ただくだらない話でもいいから笑いたかったんだ・・・。


「トモミ元気?」


「林奈!超元気だよっ!久しぶり」


いつもと変わらない声・・・。

⏰:07/06/23 11:18 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#684 [林奈]
トモミも休みだからと、私の家に来たいと言った。


私は少しでも誰かといたくてトモミを家に呼んだ。


会うなりトモミは、「あんた、死神みたいな顔してる」
って・・。


「そう?」


笑って答えた私に、トモミは無表情で聞いてくる。


「何かあったでしょ?」

⏰:07/06/23 11:23 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#685 [キャンディ]
最後マデみさして
もらいます

応援してるんで
ゆっくり更新
してくださぃね

いつも返事ありがとぅ
ございます

⏰:07/06/23 12:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#686 [林奈]
まっすぐなトモミの目・・・。


「何もないよ」

なんて言えない。


「彼氏が死んだ」


驚かなかった。

⏰:07/06/24 02:37 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#687 [林奈]
「実はさ、おじさんから電話あったんだよ」


「なんで?」



「彼氏が事故で亡くなって、林奈が壊れていきそうだって。話を聞いてあげてほしいって」


「何度も電話しようと思った。でも林奈はきっと嫌がるから、林奈からの電話待ってたんだよ?」


知らなかった・・。

⏰:07/06/24 02:40 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#688 [さき]
密かに読んでます。


最後まで頑張ってください。

⏰:07/06/24 02:45 📱:P701iD 🆔:☆☆☆


#689 [林奈]
さきさん、ありがとう!これからも読んで下さい。

⏰:07/06/24 03:31 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#690 [林奈]
「何にも知らなかった」


「当たり前だよ。ねぇ林奈?今どんな気持ち?」



“この人は何を聞いてくるの?”


ふと思った。

⏰:07/06/24 03:32 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#691 [林奈]
「もう辛いとか通り越したよ」



「そうだよね」



「うん」



「今死のうなんて思ってないよね?」



驚いた。
佐々木さんと同じこと聞いてきたから。

⏰:07/06/24 03:37 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#692 [林奈]
「なんでそんなこと聞くの?」


「あんたならそう思うんじゃないかと思って」


「思ってたらいけない?アキヤがいないのに生きてるなんて私にはできない」


「は?あんたバカじゃないの?」


「バカ?トモミには分からないよ」

⏰:07/06/24 16:38 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#693 [林奈]
その瞬間、トモミに頬をたたかれた。


「あんたが死んだら、誰がアキヤくんの話を親にしてあげるの?結婚まで考えたくらい愛し合った人から、自分の息子の知らない部分をいつか聞きたいって思うよ!それにあんた一人のアキヤくんじゃない!あんただけが辛いわけじゃないでしょ」


トモミが泣いてた。

⏰:07/06/24 16:42 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#694 [林奈]
「ノブさんも、あんたが死んだら怒るよ?幸せになってほしいって思ってるよ」


泣きながら抱きしめてくれたトモミの優しさ。


私も涙が止まらなかった・・・。

⏰:07/06/24 17:13 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#695 [林奈]
トモミは夕方帰り、父が帰ってきた。


「お父さん、ありがとう」


「え?」


「トモミから聞いたよ。私のためにトモミに電話してくれたんだね」


「うん」


私は改めて感じた。こんな私でも、真剣に受け止めてくれる人がいる。


私はその分を生きなきゃいけない。

⏰:07/06/24 17:17 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#696 [林奈]
そして父からトモミの事を聞いた。


父が電話して、今の私の事を話すと、ひたすら泣いてたそうだ。


「なぁ林奈、お前にはあんなに泣いてくれる友達がいるんだぞ。大事にしろ」


“ありがとう”


心の中で何度思っただろう・・・。

⏰:07/06/24 17:20 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#697 [林奈]
そして私に新たな出会いがあった。


アキヤの死から1ヶ月過ぎた時、家に電話が鳴った。


アキヤのお母さんからだった。


「ごめんね。あなたに会いたいって言う人がいるの」


「誰ですか?」


「アキヤのいとこ」

⏰:07/06/24 17:23 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#698 [林奈]
「アキヤのいとこがなんで私に?」


「それは本人から聞いて。今日、家に行ってもいい?」


「はい」

⏰:07/06/24 17:24 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#699 [林奈]
二人が来るまで、ソワソワしてた。


“何の用事?”


見当がつかなかったんだ。


玄関のチャイムが鳴り、アキヤのお母さんといとこがいる。家に上がってもらった。

⏰:07/06/24 17:27 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#700 [林奈]
「この子、アキヤのいとこの、“ヨウヘイ”」


「初めまして」


これがヨウヘイとの“出会い”だった。

出会いと言うより、“再会”・・・。


私は何で会いたいのか聞いた。

⏰:07/06/24 18:33 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


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