〇ニ番目の四季〇
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#1 [ゆり]
2番目でも良かった
幸せだった

あなたと過ごした四季は

まだ忘れてないよ     

⏰:06/05/28 10:13 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#2 [ゆり]
高校2年の夏−

貴方と出会った。


「おはようございまーす!!」

「あ、ゆりちゃんおはよ〜」

あたしは仕事量と給料が釣り合わないファミレスのバイトをやめ、
時給のいい焼肉屋で働く事にした。
   

⏰:06/05/28 10:15 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#3 [ゆり]
そこで出会ったのが高橋さん(22)。

身長が高くて
少しパーマ掛かった長めの茶色の髪

とにかく第一印象は
「かっこいい」
の一言だった。
    

⏰:06/05/28 10:16 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#4 [ゆり]
当時のあたしは
頭が堅いんだろうけど、

「好きじゃないケドまぁとりあえず付き合ってみるか(●-∀-●)」
的な考えが出来ない女だった。

だから恋愛経験は少なかった。
ましてや年上なんてありえなかった。
  

⏰:06/05/28 10:18 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#5 [ゆり]
「ゆりちゃん仕事慣れた?」

(あ〜今日も爽やかな高橋さん♪)

「ん〜まだわかんない事ばっかりです(笑)」

「そかぁ〜困ったらなんでも聞いてな」

「ありがとうございますッ☆」

いつも些細な事しか話せなかったけど、それでも嬉しかった。
  

⏰:06/05/28 10:20 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#6 [ゆり]
でもやっぱりかっこいい人ってのは

彼女がいる。
これが現実。


高橋さんにも2年付き合ってる彼女がいた。   

⏰:06/05/28 10:22 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#7 [ゆり]
一回二人でお店に食べに来た。

高橋さんと同じ22歳らしくて、
背が高くてすごく大人っぽかった。


(お似合いだなァ…)


あたしは
(絶対惚れちゃダメ、ただのファンでいようッ)
と心に決めた。
  

⏰:06/05/28 10:24 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#8 [ゆり]
バイトを始めて約1ヵ月−

急に店を閉める事になった、と店長に聞かされた。

個人店だから経営が苦しくなったんだって。


(もー高橋さんに会えないのかぁ)
って、
寂しくなった。
   

⏰:06/05/28 10:26 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#9 [ゆり]
最後の日−

店を閉めてから残ったお肉やデザートを
店内に並べて皆でお別れ会をする事になった。

店長に花束を渡して、
店長の挨拶。

涙腺が緩いあたしは一人で泣いて皆に笑われた。
    

⏰:06/05/28 10:27 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#10 [ゆり]
「ゆりちゃん1番新人なのになぁ〜(笑)」

と高橋さんが言った。


(この声ももう聞けなくなるんだ…)

しょんぼりしながら席に付いて、
バイトの先輩達と思い出話しで盛り上がっていた。
  

⏰:06/05/28 10:28 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#11 [ゆり]
だんだんイビキかいて寝出しちゃう人や、

外で「焼肉ありがとうー!!」って叫び出す人も出てきて

ごちゃごちゃ。


ふと後ろに気配を感じ
振り返ったら

(高橋さんだッ)
  

⏰:06/05/28 10:30 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#12 [ゆり]
「ゆりちゃんケー番教えて〜」


「…えっ!あっハイ!!」


あたしは焦ってカバンから携帯を取り出した。

「すげーキラキラ(笑)」

ラインストーンを貼りまくった携帯を見て言った。

「可愛いでしょ〜!!キラキラ大好きなんです♪」

精一杯の平常心で携帯を開いて渡した。
  

⏰:06/05/28 10:33 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#13 [ゆり]
「番号これですッ」


「あ、ありがと〜」


笑いながら高橋さんはあたしの携帯を手に取った。



きっとこの時から
あたしの運命は変わったんだ。
  

⏰:06/05/28 10:34 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#14 []
ゆりサンって隼人サンの彼女サンですよネ?
隼人サンの小説よかったですよ
ゆりサン頑張って書き上げてくださいネ

⏰:06/05/28 13:12 📱:P701iD 🆔:3HWqs7hk


#15 [ゆり]
きャーッ知っててくれてるんですか(*≧m≦*) 隼人の小説わ見るなーッて言われてるから見てなぃですが(*´`*)
頑張りますッありがとうデス☆

⏰:06/05/28 13:27 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#16 [ゆり]
それから夜中の1時を回ったのでそろそろ帰る事にした。

店長や先輩達(まぁほとんど酔っ払いだけど)に挨拶をして店を出ようとした。


「一人じゃ危ないよ、送ってこうか?」


車のキーを出してそう言ってくれたのは高橋さん。

⏰:06/05/28 13:28 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#17 [ゆり]
「あたし自転車で来てるんで大丈夫です☆」


優しさに甘えたら
完全に好きになっちゃいそうだった。

叶わない恋はしない主義。


お礼を言って店を出た。

⏰:06/05/28 13:30 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#18 [ゆり]
帰り道、友達のマイに電話をした。


マイは高校は違うけど
小、中一緒で1番仲が良い子。


高橋さんの事も相談していた。
   

⏰:06/05/28 13:33 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#19 [ゆり]
「もしもーし☆」

「あ、マイ?起きてた?」

「起きてるよ〜夏休みだもん☆ゆりゎ飲み会どーだった?」

「んー楽しかったけど…高橋さんにもう会えないよ〜…」

「あ〜…携帯は?」

「教えたよ、でも実際連絡こないっしょ〜 あーあ…」

「大丈夫だって!連絡手段はあるんだからさッ」
  

⏰:06/05/28 13:34 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#20 [ゆり]
励ましてくれるマイに感謝しながら電話を切った。


部屋に入りドアを閉めた瞬間、携帯が鳴った。

ピリリリ〜♪

(マイかな?)


携帯を開くと知らない番号。

知らない番号には出ないのが頭の堅いあたしのルール。
  

⏰:06/05/28 13:36 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#21 [ゆり]
電話が切れるとまたすぐに鳴った。

ピリリ〜♪

今度はメールだ。

怪しくないかは件名で判断するのが頭の堅いあたしのルール。


すると件名には
「高橋です」の文字。

すごい勢いで目が開いた。
  

⏰:06/05/28 13:38 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#22 [ゆり]
ドキドキしながら親指に力を入れる。

ピッ

「高橋です:無事に家ついた〜?」

(心配してくれてたんだぁ…優しぃ。)

感激しながら返信。

「今着きましたァ☆高橋さんも気をつけて帰ってねo(*^∀^*)o」
 

⏰:06/05/28 13:40 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#23 [ゆり]
メールを待つ時間、なんとも言えないドキドキ感。

変な事書いてなかったよね、
と何度も自分が送ったメールを読んでみる。


するとメールが届いた。

⏰:06/05/28 13:41 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#24 [ゆり]
(高橋さんだ!)

ピッ

「もう寝ちゃう?」


この一言で期待した。

(まだメール出来るのかなッ♪)

「まだ寝ないですよ(´∀`*)なんか目が覚めちゃって…」
  

⏰:06/05/28 13:43 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#25 [ゆり]
すぐに返事が来た。

ありえない内容だった。


「じゃあ今から行くね、着いたらワン切るから☆」



(………ん?んんん??)
   

⏰:06/05/28 13:44 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#26 []
ァタシも隼人サンの小説読みました
ゅりサンすごい愛されてて羨ましかったです
ゅりサンも頑張って書いてくださいね
 

⏰:06/05/28 13:44 📱:P901i 🆔:KSlQnq2Y


#27 [ゆり]
ほんとですか!?(*≧□≦*)
読んじゃいたぃけどちょっと怖いんですよね〜×
これわ隼人と出会う前の話ですが読んで頂けたら嬉しいデス☆

⏰:06/05/28 13:46 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#28 [ゆり]
混乱しながらも軽くメイクを直し部屋をウロウロする自分。


ピリリリッ♪

さっきの知らない番号…
高橋さんだったんだ!

あたしは家族が寝静まった廊下を静かに歩き、
家を出た。
  

⏰:06/05/28 13:48 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#29 [ゆり]
マンションの前に車が一台。


(まぢ!!??)


とりあえず近付き
中を覗くと高橋さんが乗ってる。

(なにこれ。現実??)

あたしは助手席のドアをコンコンッとノックしてドアを開けた。
  

⏰:06/05/28 13:49 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#30 []
ハィ
読みますよ
ゅりサン大好きなんで応援してます
 

⏰:06/05/28 13:52 📱:P901i 🆔:KSlQnq2Y


#31 [ゆり]
「お、来たな☆」

(…笑顔が眩しいっす。)

「お邪魔しまーす…」

遠慮気味に乗り込む。

「ごめんね夜中に〜」

「あ、いえ眠くないし大丈夫ですッ」

高橋さんがにこっと笑ったと思ったら急に出発。

あたしは慌ててシートベルトを締めながら聞いた。

「どこ行くんですか??」

⏰:06/05/28 13:53 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#32 [ゆり]
車内には高橋さんが好きな歌。


今もあの歌を聴くと鮮明に思い出すよ。


この夜からだよね、
何かが壊れて
何かが始まったのは。
  

⏰:06/05/28 13:54 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#33 [ゆり]
車はだんだん山道を登ってゆく。

「うわ〜暗ッ大丈夫なの?」

不安そうなあたしに
「怖い?」
と高橋さんは楽しそうに聞く。


だいたい友達の前では姐御キャラなあたしだけど、
高橋さんの前では子供キャラ。

それがとても新鮮で、
とても嬉しかったんだ。
  

⏰:06/05/28 14:03 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#34 [ゆり]
「楽しんでるでしょ!!」

「あはは怒ってる(笑)
はい、到着〜♪」


ジャリの駐車場に車を停めて
高橋さんはさっさと外に出てしまった。

あたしはここがどこなのか車内でキョロキョロ。
  

⏰:06/05/28 14:05 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#35 [ゆり]
ガチャッ

助手席のドアが開いた。

「ほら、着きましたよお姫様」

笑いながら高橋さんが手を差し出す。

あたしは内心ドキドキだったけど、
悟られるのがなんか悔しくて平然と手を重ねた。
  

⏰:06/05/28 14:12 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#36 [ゆり]
「ありがと、じいや♪」

「えっ王子様じゃないの?笑」


車を降りるとヒールが砂利に埋もれる。

自然に手を繋いでいた。


少し先を歩く高橋さんの
背中と足元だけ見て必死に着いていった。
  

⏰:06/05/28 14:13 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#37 [ゆり]
しばらく歩くと高橋さんの足が止まった。


「ゆりちゃん見てみ」


その声で顔を上げると
めちゃくちゃ綺麗な夜景!

あんなの見たの初めてだった。

「うわーッッッすごいッッ!!!」

あたしは興奮して前に出た。

丘の上から果てしなく続く光りが本当に宝石箱みたいだ。
  

⏰:06/05/28 14:16 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#38 [ゆり]
きゃーきゃー言ってるあたしを見て

「ほんとにキラキラ好きなんだね」
と高橋さんが笑った。

今日携帯を見てキラキラの話しをしたっけ、

覚えててくれたんだ…って妙に恥ずかしくなって
あたしはずっと夜景を見てた。
  

⏰:06/05/28 14:19 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#39 [ゆり]
高橋さんは少し後ろにあるベンチに腰かけて煙草に火を付けた。


煙草の匂いが夏の風に混じって胸が苦しくなった。


(やばいな…本当に好きになっちゃいそう)
   

⏰:06/05/28 14:20 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#40 [ゆり]
まだまだ子供なあたしには、

車を運転する姿も
さりげない気配りも
大きい掌も
煙草の匂いも

全部が大人に感じて
全部に惹かれてしまう。


だけど薬指に光ってる証、
見ないフリは出来ない。

泣きそう。
  

⏰:06/05/28 14:23 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#41 [あやぽん]
あやぽんも隼人サンの【四季】読みましたあー
ゆリサン頑張ってネ
応援してまあーす

⏰:06/05/28 14:53 📱:SH700i 🆔:KS0Rv05U


#42 [ゆり]
あやぽんサンありがとデス(#>∨<#)めちァ嬉しいッ☆頑張ります☆

⏰:06/05/28 15:29 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#43 [ゆり]
「ゆりちゃん?」

ベンチに座ってる高橋さんが声をかける。

笑顔で振り返ったけど
たぶん上手には笑えてなかったと思う。


何となく高橋さんも切ない表情で
「おいで」
と言った。


あたしは大人しく隣に座った。
  

⏰:06/05/28 15:31 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#44 [ゆり]
「寒くない?」

そう言って高橋さんは
あたしの肩に手を回した。

「え?ちょっ…」

いきなりで戸惑った。

いつの間にか煙草も消えていた。
   

⏰:06/05/28 15:32 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#45 [ゆり]
横を向くと指先であごを上げられた。


直感でキスされると思った。

「ちょッとと…ッ」

あたしは両手で拒んで下を向いた。

「彼女さんい」
るのにって言う前に回された手に力が入って
高橋さんに引き寄せられた。
   

⏰:06/05/28 15:34 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#46 [ゆり]
あごを上げられた瞬間唇が触れた。

「ん…ッ」


拒むほど引き寄せる力は強くなる。

舌が入ってきた。

深いキスは慣れてないのに
拒み切れないあたしは
きっともう手遅れで

完全に高橋さんを好きになってたんだ。
  

⏰:06/05/28 15:37 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#47 [ゆり]
唇が離れる。

「激しいね」

軽く笑って高橋さんが言った。


あたしを全部
見透かした様な仕種が
なんか悔しくて
苛立って

今度はあたしからキスをした。

  

⏰:06/05/28 15:39 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#48 [ゆり]
自分が自分じゃないみたい。


だけど指輪が見たくないの。


気持ちは伝えられないから

せめて

今だけ。  
  

⏰:06/05/28 15:40 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#49 [ゆり]
今まで生きてきた中で
1番長いキスをして

どうやって戻ったのかわからないけど、
あたしは助手席に座っていた。


「彼女さんいるのにいけないんだ〜笑」

あたしはわざと茶化す様に言った。


子供だけど本気にしちゃいけない事くらいわかってる
だから大丈夫だよ。
 

⏰:06/05/28 15:43 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#50 [ゆり]
高橋さんはあたしを抱きしめて何も言わなかった。


こんな切なさ

何て言うんだろう。



時計が夜中の3時を回った時、
またいつもみたいに軽く笑って
「そろそろ行こっか」
と高橋さんはあたしを離した。

家の前に着くともう一度キスをしてきた。

「今日はありがとうございました」

笑顔でそう言ってあたしは車を降りた。
  

⏰:06/05/28 15:45 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#51 [ゆり]
車が見えなくなって
溜め息が出た。

「あたし何やってんだ
ろ…」

唇を噛み締めた。


家に帰ってシャワーを浴びた。

高橋さんの香りを
消したくない様な、
早く消したい様な、
複雑な気持ちで。

  

⏰:06/05/28 15:47 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#52 [ゆり]
髪を拭きながら部屋に戻ると
メールが届いていた。

受信:高橋さん
「家着いたよ、また近いうちに会いたいな」


数時間前に家から出た時とは全く違う感情。

あたしは溜め息と一緒に携帯を閉じた。

その日は寝れなかった。
  

⏰:06/05/28 15:49 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#53 [ゆり]
次の日マイとマックで話した。

「どうした?なんかあった?」

席に着くと同時に
マイは心配そうな顔で聞いた。

「うん…」


あたしは昨日の出来事を全部話した。

マイは驚いた後、冷静に言葉をくれた。
  

⏰:06/05/28 15:53 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#54 [ゆり]
「彼女いるのに好きになっちゃったんでしょ?
ゆりは何も悪くないよ」


悪くない訳ない。

彼女がいるってわかってて
夜中に二人で会って、
キスもした。

完全に浮気だ。


「あたし浮気相手かぁ…」

冷たいウーロン茶を喉に通す。
  

⏰:06/05/28 15:55 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#55 [ゆり]
「だからゆりは悪くないって。
好きになった人にたまたま彼女がいただけだし。
うちは好きでいていいと思うよ?」


「…あたし…好きでいていいのかな…」

「うん!!」


マイはあたしが無理矢理否定してた気持ちを
簡単に肯定してくれた。

気持ちが少し軽くなったのを感じた。
  

⏰:06/05/28 15:57 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#56 [ゆり]
「マイ〜ありがと!!」

「ううん☆てか〜食え食え!」

「あーッポテトほとんどないじゃんッ」

「食べ出したら止まらない…マックのポテトって怖いね」

「あんたが怖い…」


夕方家に帰り
部屋で雑誌を読んでるとメールが届いた。 
  

⏰:06/05/28 16:00 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#57 [ゆり]
受信:高橋さん

「明日空いてる?」


あたしは少し迷った。

でも好きな人
会いたい人からの言葉を断れる程
大人にはなれなかった。

もう止められません。

あたし最低女でいい。
  

⏰:06/05/28 16:01 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#58 [ゆり]
送信

「明日は午前中、学校だからお昼からなら空いてますよ☆」

ピリリッ♪

受信

「そっか〜学校まで迎えに行こーか?」

(友達にバレて彼女さんにバレる可能性…ゼロじゃないよね。危ないかも。)

慎重過ぎる自分。
  

⏰:06/05/28 16:04 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#59 [ゆり]
送信

「本当ですか?でも学校の近くのコンビニでいいです☆学校の前、車停めれないかもだから」

受信

「うんわかった、じゃあ終わるくらいに連絡してね」

送信

「はぁい☆」
  

⏰:06/05/28 16:06 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#60 [ゆり]
−次の日

授業を終えて誰よりも早く教室を出て
コンビニまで走った。

(あった!)

高橋さんの車。

自然に笑顔になってしまう。


彼女さんの存在は気になるし消えない

でも会ってる時間を大事にしたい

素直に楽しもうと思ったんだ。

⏰:06/05/28 16:09 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#61 [ゆり]
コンコンッ

あたしはこの前と同じ様に助手席をノックしてドアを開けた。


「高橋さんだ♪」

「おっ女子高生だ!」

「うわ〜おじさん発言(笑)」

「俺おじさんだもん。あ、やっぱおじさまで。」

「何そのこだわり…笑」

笑いながら車は出発した。
 

⏰:06/05/28 16:11 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#62 [ゆり]
「どこ行くの?」

「俺映画見たいー」

「あ、いいね♪」


こうして映画館に向かった。

車から降りるとどちらからともなく、普通に手を繋いで歩いてた。

身長が20センチ違う高橋さんに手を引かれるあたしは
本当に子供みたいだ。

⏰:06/05/28 16:13 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#63 [ゆり]
映画はあたしの好きな恋愛系…
じゃなくてホラーだった。

怖いというより気持ち悪い。

(全然ロマンチックじゃないし〜ッ)

でもずっと手を握っていた。

映画が終わって外に出たらもう夕方。

「なんか食べる?」
と聞かれたけど
正直ドキドキで食べれそうにない。
 

⏰:06/05/28 16:16 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#64 [ゆり]
「ん〜あんまりお腹すいてなぃ」

「そっかぁ〜じゃあどっか行く?」

(まだ一緒にいれるんだッ)

「うんっドライブしたい♪」


はしゃぐあたしの頭をよしよしして
助手席のドアを開けてくれた。

高橋さんは王子様みたいで、
自分がお姫様みたいな気分になっちゃう。

お姫様は他にいるのにね。
  

⏰:06/05/28 16:17 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#65 [ゆり]
車を走らせて海に来た。

近付く秋を知らせる様に
冷たい風が髪を揺らした。


「あ〜ちょっと寒かったか、ごめんね」

「ううんっ綺麗♪見て見て!夕日がすごいよ!」

広がる地平線に夕日が沈む。

あの日の夕日は本当に鮮やかで
本当に綺麗だった。
  

⏰:06/05/28 16:20 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#66 [ゆり]
他愛ない話しをしながら、あたしは波際に近付いた。

「ゆりちゃん靴汚れるよ(笑)」

「大丈夫大丈夫!」


はしゃいでないと苦しい。

やっぱり手放しには楽しめない。

  

⏰:06/05/28 16:22 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#67 [ゆり]
少しずつ想い出が増えて
どんどん好きになって

高橋さんで頭がいっぱいになる。


同時に彼女の存在がよぎる。

(この場所にも二人で来たのかな…)


気を張ってないと涙が溢れそうだった。 
  

⏰:06/05/28 16:24 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#68 [ゆり]
沈みかけてる夕日の映る水面を眺めていた。

「ゆりちゃん!」

ぐいっと後ろに引っ張られた。

「わッ」

足が縺れて高橋さんの胸によろけてしまった。

「危ないな〜思いっきり波来てたよ?濡れてない?」


「大丈夫…」

胸に顔を埋めた。
高橋さんの匂いがした。
高橋さんは何も言わずに抱きしめてくれた。

⏰:06/05/28 16:27 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#69 [ゆり]
胸が苦しくて苦しくて、
だけど涙だけはこらえた。


ピリリリリッ

びっくりして体を離す。

高橋さんの携帯だ。

「…ちょっとごめんね」

少し離れて高橋さんは電話に出た。

彼女さんだろうな、と思った。

話しを聞かない様にわざと波の音に集中した。

辺りはすっかり暗くなっていた。
  

⏰:06/05/28 16:29 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#70 [ゆり]
高橋さんが戻ってきた

「ごめんね、そろそろ行こうか」

「うん!」

あたしは笑顔で答え
手を繋いで車まで戻った。

帰る間、
ずっと窓の外を見てた。
泣きそうだったから。

車の中でキスをしてバイバイした。
  

⏰:06/05/28 16:31 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#71 [ゆり]
あの後高橋さんは
彼女を職場まで迎えに行ったみたい。


(あーぁ…やっぱキツイな)


それでも傍に居たかった。
本当
バカみたいだけど。

昼間にデートしたのはこれを入れて数回。

あたしはどんどん都合のいい女になった。   

⏰:06/05/28 16:33 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#72 [ゆり]
10月の半ば

「俺んち行こっか〜」

「行こ行こ〜♪」

学校帰り
相変わらず高橋さんの助手席に乗ってあたしははしゃいでいた。


「今日誰もいないから」

ガチャッ

そう言って鍵をあける。

「おじゃましまーす」

あたしはローファーを脱いであがった。
 

⏰:06/05/28 16:35 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#73 [ゆり]
部屋は8畳くらいで
コンピューターとかベースとか置いてあってやっぱりかっこよかった。

「おー!綺麗〜」

「だろ?(笑)ジュース持ってくるから座ってて」

(律義だな(笑))

あたしは床に座ってそわそわしてた。

ガチャッ

「はい、ゆりちゃんはオレンジジュースね」

「わぁーい☆ありがとう」

コップを両手で持って飲んだ。

⏰:06/05/28 16:37 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#74 [ゆり]
「ほんと子供みたいだな(笑)」


あたしは子供らしさを演じてた。

彼女とは全く別のタイプでいたかったから。



それからベタだけどアルバムとか見せてもらった。
写真には彼女さんも映ってた。

⏰:06/05/28 16:39 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#75 [ゆり]
「わ〜彼女さん綺麗だね〜♪」

精一杯の強がりだった。

ベットにもたれて写真をめくる。


あたしの知らない場所
知らない顔
知らない高橋さん。

(あたしって一体なんなんだろ…)

急に虚しくなってきた。
 

⏰:06/05/28 16:40 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#76 [ゆり]
そんなあたしを分かり切った様に
肩を引き寄せてキスをする。

高橋さんお得意の黙らせ方。


「んん…」

口にジュースが入ってきた。

ごくんッごく…

数回に分けられて飲まされたジュース。

「上手に飲むね」

唇を離すと相変わらず軽く笑って
なにかしら言うんだこの人は。
 

⏰:06/05/28 16:45 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#77 [ゆり]
苦しくて息が上がる。

あたしばっかりドキドキして馬鹿みたい。


床には彼女さんとの写真、
指には彼女さんとお揃いの指輪。

…ほんと無神経な男。

あたしは苛々した。
  

⏰:06/05/28 16:47 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#78 [ゆり]
もともとかわいらしい性格なんかじゃない。

浮気する男なんて許せない。

なのに…



あたしはこの日
初めてを高橋さんにあげた。

いつかこうなるとは思ってた。

でもこれで完全に二番目になってしまった。

もうどうしようもない。

先にも進めないし
後にも戻れないんだ。
   

⏰:06/05/28 16:49 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#79 [まにャ]
隼人サンの小説読みま∪た(∩▽∩*)

すッごくよかったあ!隼人サンわゆリサンに出会うことによって、変われたンですね〜
人を愛することッて
難∪いけど…
素晴ら∪いですね!あた∪もい⊃か心から愛する人を見つけその人にいッぱいの愛を注ぎたい…

ゆリサンどうかこれカラも隼人サンとお幸せに応援∪ています!

小説も読んでいます頑張って下さい★

⏰:06/05/28 18:33 📱:W32H 🆔:C3rmoVpg


#80 [ゆり]
まにャさん☆
ありがとォです!!嬉しい(;ω;)
愛する事わ難しいケド愛せる人に出会えた事に意味があるから。 大切にしていきたいです☆思い出も、これからもo(^-^)o

⏰:06/05/28 19:19 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#81 [ゆり]
それからはいつも高橋さんのペース。

夜に彼女を職場まで迎えに行き、
家まで送っていった後に
あたしに会いに来る。

こっちからは連絡しないようにしてたから、
来るか来ないかはその時までわからない。

⏰:06/05/28 19:21 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#82 [ゆり]
でもあたしは毎晩携帯を気にして
夜中まで連絡を待った。


連絡がない日は諦めて
シャワーを浴びて寝た。

連絡がきた日は走って車まで行き、
ドライブをして車でえっちしてっていうコースだった。

⏰:06/05/28 19:23 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#83 [ゆり]
毎晩飽きずに続けた。

明け方に帰って
寝ないまま学校なんて日もよくあった。


それが苦じゃないくらい、

あたしは高橋さんが好きだったんだ。   

⏰:06/05/28 19:24 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#84 [ゆり]
12月25日
クリスマス


街はあたしの大好きなキラキラで、
でも大好きな人は隣にいない。


「あーあ!!」

「ゆり〜そんな叫ぶみたいに溜め息つくなよ(笑)」


只今マイの家でまったり中。

⏰:06/05/28 19:30 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#85 [ゆり]
「だって〜!高橋さんは昨日から彼女さんとお泊りだよ?
付き合ってんだから当たり前だけどさぁ〜」

クッションに顔を押し付けてうなだれる。

「よしよし!うちだって一人もんじゃんか!一緒に慰め合お!」


「ぅがー!!虚し過ぎるー!!笑」

「うっせーよ笑」


マイがいてくれてよかった。
一人だったら絶対泣いてたもん。

⏰:06/05/28 19:33 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#86 [ゆり]
ご飯をご馳走になって、
いつの間にか夜の10時を回っていた。


だいたいいつもこれくらいに高橋さんから連絡がくる。


「…あたしそろそろ帰るわ〜」

「え、泊まってかないの?」

マイが心配そうな顔で聞く。

「…」

こんな時にまであたしは
まだどっかで高橋さんが来てくれる事を期待してる。

馬鹿だな。

⏰:06/05/28 19:36 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#87 [ゆり]
「ん〜今日はいっぱい愚痴ってすっきりしたし大丈夫♪ありがとね!」

「そっか〜気をつけて帰りなよ〜!」

「近いし大丈夫だよ♪じゃあね☆」


こうしてあたしは家に帰った。

時計の針は10時半を指していた。

  

⏰:06/05/28 19:38 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#88 [ゆり]
(あと1時間半か…)

クリスマスに会いたい。

声だけでも聞きたい。

祈る様に
鳴るはずのない携帯をにぎりしめていた。

無常に時間は過ぎていく。

 

⏰:06/05/28 19:40 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#89 [ゆり]
11時半

ピリリリリ〜

「!!」

携帯を開くと
着信:
高橋さん。

涙が溢れた。

ピッ

「…もしもし…」

「あ、ゆりちゃん?あと15分くらいで着くから!」

(…ほんと自分勝手。
でも好き。
会いたい。)

⏰:06/05/28 19:42 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#90 [ゆり]
電話を切ったあたしは
待ち切れずマンションの前で高橋さんを待った。

冷たい風と白い息が鼓動を早くした。


見慣れたヘッドライト。

あたしは車まで走った。

ドアをノックして
乗り込んだ瞬間おもいっきり抱きしめられた。

「…!?」

「ゆりちゃーん」

⏰:06/05/28 19:45 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#91 [ゆり]
「…?苦し…どうしたの?」

「会いたかった」


…言葉が出なかった。

高橋さんがこんな風に言ってくれたのは初めてだった。

しばらく抱き締められた後、体を離した。


「イヴとクリスマス楽しかったですかぁ?」

二日分の辛さのお返しに、いじわるく聞いてやった。
あたし可愛いげないから。 

⏰:06/05/28 19:47 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#92 [ゆり]
「あんまり…ゆりちゃんの事ばっか考えてたから、
や、まじで。」

少し恥ずかしそうに高橋さんは言った。


高橋さんはクールでかっこよくて
大人だと思ってたけど、
実際めちゃくちゃ自己チューでわがままで
照れ屋な人だった。

だからこそ気持ちを言葉にしてくれたのが
胸に響いた。

⏰:06/05/28 19:49 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#93 [ゆり]
「そっかーあたしに夢中だね♪笑」

照れ屋な高橋さんの為に茶化して返す。

「ほんとだよ〜やばいなぁ…笑」


そう言ってエンジンをかけた。


車でイルミネーションのトンネルを潜って

ツリーを見て

26日にかかったあたし達のクリスマスは終わった。

⏰:06/05/28 19:50 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#94 [ゆり]
疲れてたはずなのに
会いに来てくれた。

恥ずかしそうに伝えてくれた。

抱きしめてキスしてくれた。

とてもとても幸せだった。


冬が過ぎて
春がきて、
あたしは高校3年になった。
 

⏰:06/05/28 19:53 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#95 [まにャ]
ゆリさ〜ン!
そうですよね〜
愛せる人に出会えたコトが素晴ら∪いですよね(*∩∀∩)

あた∪、ゆリサン・隼人サンを見たこともないけど、2人が好きです(*≧∪≦)
応援∪たくなる!

ゆリサンも隼人サンもツライ思いいっぱい∪てきたと思うけど…これカラも2人で支えあって頑張って下さいね!
これカラも陰ながらであリますが、応援∪てますね!
そンぢゃあ…この話∪が完結∪たときまた感想させてもらいます!ファイト〜

⏰:06/05/28 19:55 📱:W32H 🆔:C3rmoVpg


#96 [ゆり]
高橋さんとの関係は続いていた。

何度もこのままじゃダメだと思いながら、
結局離れられずにきた。


身体を重ねて、
都合の良い愛を貰って、
だけど指輪は輝いたままで、

あたしに腕枕をしながら彼女と電話する事もあった。

⏰:06/05/28 19:55 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#97 [ゆり]
来るか来ないかわからない連絡を
夜中まで待つのも

平気な顔も
強がりも

もう精神的に限界だった。


そんな時同じクラスの裕也に告白された。

バスケ部のキャプテンで人気のある奴。

1年の時にも告白されて断っていた。

今回も…
やっぱり無理だ。
  

⏰:06/05/28 19:58 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#98 [ゆり]
「ごめん…」

「なんで?彼氏いるん?」

「…彼氏…はいないけど」


あたしは泣いていた。
誰の前でも泣かなかったのに。


「どーした?!大丈夫!?」


…何度大丈夫って言ってきただろう。

本当は大丈夫なんかじゃないよ。

本当は2番なんか嫌だよ。
 

⏰:06/05/28 20:00 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#99 [ゆり]
涙が止まらないあたしに
裕也はユニフォームを押し付けた。


「これで拭け!」

「ぅん………うわ!くっさ!!!」

「あ?!なに?(笑)」

「汗臭いわっ!!」

「仕方ねーだろハンカチなんて持ってねーんだから!」


裕也は恥ずかしそうにユニフォームを奪った。

その姿に一瞬惹かれた自分がいた。

⏰:06/05/28 20:03 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#100 [ゆり]
「ありがと…涙止まりました(笑)」

「そりゃよかった!」


帰りながら高橋さんの話しをした。

裕也は自転車を引きながら聞いていた。

「そっか…じゃあゆりはそいつが好きなんだ。」

「…うん」

「…でも俺待つから。話しくらいならいつでも聞けるし!あんま一人で抱えんなよ!」

「…ありがと」

⏰:06/05/28 20:05 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#101 [ゆり]
それから数日
無神経にもあたしは
裕也に高橋さんの相談をした。
愚痴ったり。


季節は秋になった。

高橋さんに初めて抱かれた日からもう1年だ。

欲求だけでも満たせるなら
あたしが傍にいる意味はあるのかな。
   

⏰:06/05/28 20:07 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#102 [ゆり]
マイは塾が忙しくなり、
あたしは裕也しか相談出来る人がいなくなっていた。

一人でいるといろんな想像が頭を回る。


慣れたハズなのに
痛みは消えない。


高橋さんは今頃彼女さんと何してるんだろう。

⏰:06/05/28 20:10 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#103 [ゆり]
「裕也、今日ちょっと話し聞いてくれない?」

「うんいいよ!ちょっと部活顔出すから体育館で待っててくれる?」

「わかった〜ありがと」

放課後あたしは
体育館の前に座って裕也を待った。

⏰:06/05/28 20:12 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#104 [ゆり]
高台にあるこの学校からは
町並みがよく見える。

あの日高橋さんと海で見た様な夕日が
赤く揺れていた。


あの時、まだ帰りたくないって言ったら
あたしの傍に居てくれたかな…

やっぱり彼女さんのところに行っちゃうよね。

小さな約束、
小さくても本気の愛。

全部あの夕日の様に鮮やかに蘇る。


裕也を待ちながら高橋さんの事ばかり考えていた。 

⏰:06/05/28 20:14 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#105 [ゆり]
「ゆり!おまたせ!」

「あっ…お疲れ様!」

「うん、行こっか」

近くの公園に向かった。
もう秋だからか
日が沈むのが早い。

木のベンチに腰を下ろした。

⏰:06/05/28 20:16 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#106 [ゆり]
「誰もいないね〜」

両手に息を吐きながら言うと
裕也があたしの手を握った。

「寒い?大丈夫か?」

「えっ全然大丈夫だよ!笑」

あたしは笑って答えた。
裕也の顔付きが変わった。

「…また…」

「ぇ?」

「なんで大丈夫じゃないくせに強がんの?」
  

⏰:06/05/28 20:19 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#107 [ゆり]
次の瞬間
ベンチに押し倒されていた。

何が起こってるかよくわからないまま
足を持ち上げられて
パンツをズラされて入れられた。


「いっ…」

痛くて、
それからはあんまり覚えてないけど
すぐにお腹にかけられたのは覚えてる。

⏰:06/05/28 20:22 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#108 [ゆり]
あたしは何故かとても冷静で、
カバンからティッシュを出して拭いた。

スカートにもかかっていたので
水道で濡らして拭いた。

裕也は焦った様な顔で謝っていたけど、
どうでもよかった。
  

⏰:06/05/28 20:24 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#109 [ゆり]
親切そうな顔をして
優しい言葉を吐いて
結局はこれだ。


高橋さんもそうなんだ。

そこに愛があるって信じるなんて、

あたしって本当どうしようもない馬鹿だ。
  

⏰:06/05/28 20:25 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#110 [ゆり]
「お前いつも強がって…見てて辛いよ!俺だったらこんな…」
「もういいよ」

裕也の言葉を遮ってあたしは言った。

多分笑顔で。

小さい希望が崩れた、

何かに諦めたんだ。

それからあたしはどこか変わった。

簡単に言えば瞳に色を失った感じだった。

⏰:06/05/28 20:27 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#111 [ゆり]
裕也に抱かれて
高橋さんに抱かれる日々を繰り返した。

何回も。

自分は終わってる、
だから満たされる事なんてもう二度とない。

クリスマスの日みたいな
綺麗で
鮮やかで
優しい輝きは
もう絶対に見れない。
     

⏰:06/05/28 20:30 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#112 [ゆり]
裕也はあたしとやった事を友達に言い触らしていた。

これだからガキは…
卒業と同時にあたしは裕也との関係を切った。

別れ際
「セフレになってよ」
って冗談っぽく言われた。


男自体に失望したけど、
所詮あたしがその程度の女だったって事だ。
  

⏰:06/05/28 20:32 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#113 [ゆり]
それでも高橋さんの事はまだ好きだった。

どんなに勝手でも、
辛くても、
身体だけでも、
彼女がいても、

高橋さんには何も求めず
ただ好きでいられた。
  

⏰:06/05/28 20:34 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#114 [ゆり]
形は間違っていたかもしれないけど、

今思えばあの頃の自分が
1番強くて
1番かっこよかったと思える。


見返りを求めずに

人を愛せたんだから。
    寒い冬の日、あたしは本気で高橋さんと別れる事を決めた。  送信:「話があるから今夜会えないかな?」 初めて自分からメールをした。いつも(彼女といたらどうしよう)と思ってしなかったから。 ピリリッ 受信:高橋さん「もう少し遅くていいなら大丈夫だよ」  あたし
は携帯を閉じるのと同時に今までを振り返っていた。 たぶん出会った時から好きだった。だってめちゃく

⏰:06/05/28 20:35 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#115 [ゆり]
形は間違っていたかもしれないけど、

今思えばあの頃の自分が
1番強くて
1番かっこよかったと思える。


見返りを求めずに

人を愛せたんだから。
    

⏰:06/05/28 20:36 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#116 [ゆり]
連続書きしちゃいました(*´ω`*)
ごめんなさい。
2コ上のわなかった事にして読んで下さい☆

もうちょっと書きマス☆

⏰:06/05/28 20:38 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#117 [ゆり]
寒い冬の日

あたしは本気で高橋さんと別れる事を決めた。

送信:「話があるから今夜会えませんか?」

初めて自分からメールをした。

いつも
(彼女といたらどうしよう)
とか思ってしなかったから。

⏰:06/05/28 20:40 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#118 [ゆり]
ピリリッ

受信:高橋さん
「もう少し遅くていいなら大丈夫だよ」


あたしは携帯を閉じるのと同時に
今までを振り返っていた。


たぶん出会った時から好きだった。
だってめちゃくちゃときめいたもん。

二人で見た景色は全部が輝いて見えた。
   

⏰:06/05/28 20:42 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#119 [ゆり]
何気ない一言が
眠れないくらい嬉しかったり、

些細な出来事に
眠れないくらい悩んだり。


夢中で前だけを見てた。
5歳年上の背中を追い掛けて、
頑張って背伸びしたりして。


あたしなりの2年間、

毎日が真剣だったんだ。

⏰:06/05/28 20:44 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#120 [なみ☆]
隼人サンの小説が大好きでユリさんのも楽しみにしてました(>_<)失礼かもしれなぃけど、隼人サンとユリさんの恋は私と彼の恋に本当によく似ていてすごく共感しちゃいます(>_<)最後まで読むので頑張ってくださいね☆

⏰:06/05/28 23:37 📱:N900iS 🆔:dybPR8Wo


#121 [ゆり]
なみ☆さん
ありがとォ嬉しいデス(ё^▽^ё) 隼人の小説とかぶったらごめんなさいだけど、隼人との話も少し書くつもりなんでまた見て下さい☆

⏰:06/05/29 07:47 📱:V703SH 🆔:M24sDOFU


#122 [我輩は匿名である]
頑張ってください

⏰:06/05/30 01:08 📱:N900iS 🆔:Kj6408mU


#123 [ゆり]
ピリリリ〜♪


いつもは嬉しいワン切りが

今日は別れの音。


「これで最後だ…」

あたしは呟く様に口にしてブーツを履いて家を出た。

ヘッドライトが光る。

やっぱり走って車まで行く。

もう癖になってる。
  

⏰:06/05/30 05:58 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#124 [ゆり]
コンコンッ

初めて車に乗った日から
ずっと変わらずやってきた助手席のノック。

あたしなりの彼女さんへのざんげだった。

貴女の場所に座ってごめんなさいって。


ガチャッ

「おじゃましまーす!」

「どーぞ♪」

何の変わりもない
いつも通りの会話がやけに愛しい。

今日で最後なのに。
  

⏰:06/05/30 06:01 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#125 [ゆり]
「高橋さ…
「さて!行くか」

高橋さんはあたしの言葉を遮ってアクセルを踏んだ。

「え?どこに?」

「内緒♪」


それから高橋さんは息つくヒマもないくらい
ずっとしゃべり続けていた。


着いたのは最初、二人で行った場所。

丘の上の宝石箱。

⏰:06/05/30 06:02 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#126 [ゆり]
バタンッ

高橋さんは降りて、
助手席のドアを開けた。

そしてあの日と同じ笑顔で言った。

「着きましたよお姫様♪」


…離れられなかったのはこれかもしれない

⏰:06/05/30 06:04 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#127 [ゆり]
毎日が目まぐるしく変わっていく中で

高橋さんと会う夜だけは
時間が止まっているみたいだった。

変わらない時間が心地良かった。

そんな日々がずっと
変わらない様に願っていたのに

変わらないんじゃなくて
変えられないんだと気付いてしまった。

もう時間は動き出してるんだ。
 

⏰:06/05/30 06:06 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#128 [ゆり]
「…ありがとう…王子様♪」

あたしは手を重ねて下りた。

最後くらいお姫様と王子様の夢が見たい。

丘の上に着くと
ポツポツと雨が降ってきた。

「あー雨だ…」

あたしは空を見上げて言った。
  

⏰:06/05/30 06:10 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#129 [ゆり]
高橋さんは何も言わなかった。

いつもそうだったよね

何も言わないで抱きしめてくれる。

どんな言葉を言われるより安心できた。

こんな偽りだらけの二人でも
鼓動だけは本物だから。

苦しいくらい高橋さんの抱きしめる腕に力が入る。
 

⏰:06/05/30 06:12 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#130 [ゆり]
「高橋さん…あたし…」


「…うん…」


今日は唇塞がないの?

自分に都合悪くなると
すぐにキスして黙らせるくせに。

「…塞がないと言っちゃうよ…?」

あたしはこの日初めて高橋さんの前で泣いた。
  

⏰:06/05/30 06:14 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#131 [ゆり]
高橋さんの肩が震えてるのがわかった。


完璧な高橋さんが
初めて見せた弱さだった。


あたしが言おうとしてる事気付いてるんだ…

あたしが最後を口にするのが恐くて、
あたしの言葉を遮ったの?

あたしが話すヒマないくらい
ずっとしゃべり続けていたの?

初めて来た場所に、
連れてきてくれたの?
 

⏰:06/05/30 06:16 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#132 [ゆり]
「高橋さん…今日は天気悪いから…キラキラ見えないじゃん…」

胸に顔を押し付けて
声にならないような声で言った。

切なくてたまんなかった。

「うん…」
また強く抱きしめられる。

高橋さんだけ雨に濡れていて、
あたしは守られてるみたいだった。
 

⏰:06/05/30 06:18 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#133 [ゆり]
だんだん雨脚が強くなる。


「車…戻ろ?」


あたしの声で高橋さんは身体を離して
コートを脱いであたしの頭にかぶせた。

「え?」
「いいから」

足早に車まで行き、
後部座席に乗り込んだ。
  

⏰:06/05/30 06:19 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#134 [ゆり]
高橋さんは後部座席から体を乗り出し
エンジンをかけて暖房を入れた。

雨は本降りだ。

ザァーザァー

窓ガラスに雨が当たる。

「高橋さん…大丈夫?」

「うん…てか、俺いつもゆりちゃんにそーやって聞いてきたよね、
大丈夫な訳なかったよな」

雨なのか涙なのかわからない雫が落ちる。
 

⏰:06/05/30 07:19 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#135 [ゆり]
「…大丈夫だったよ、
…あたし幸せだったから」


ただの強がりじゃなかった

幸せを守る為に強がってたんだよ。


「おいで」

あの日と同じ
優しい声と切ない表情。

あたしは素直に首に腕を回して抱き着いた。


二人共最後だってわかってた。
 

⏰:06/05/30 07:21 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#136 [ゆり]
「あー…ゆりちゃんだ」

そう言って軽く笑った。

「なにそれ?笑」

「香水の香り、
抱きしめると微かにするんだよね」


普段は普通に香水をつけてるけど、
高橋さんに会う事になったら付けた場所洗ったりした。

助手席に香りが残るといけないと思ったから。 
 

⏰:06/05/30 07:22 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#137 [ゆり]
「いっぱい気遣わせたね、ごめんね」


気付いてくれてると思わなかった。

涙が溢れた。

今日はもう堪えずに泣いた。


高橋さんはただあたしを強く抱きしめて、

それ以上は何もしなかった。
  

⏰:06/05/30 07:24 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#138 [ゆり]
正直、
別れを告げたら無理矢理抱かれると思ってた。
好き勝手に…
それで嫌いになれたらいいって思ってたの。

でもあたしは高橋さんを何も分かってなかったね。

辛いのはきっと
あたしだけじゃなかった。

高橋さんがくれた愛は本物だった。

あたしは一瞬でも、
確かに満たされたんだから。
 

⏰:06/05/30 07:31 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#139 [ゆり]
何分くらい経っただろう、
二人黙ったままずっと抱きしめ合ってて、
雨音だけを聞いてた。

高橋さんの濡れた髪が
愛しくてたまらなかった。


バッテリーが上がる前に
車のエンジンを切った。

いつもエンジンが切られると
まだ一緒にいられるんだって
嬉しくなったっけ。


でも今日は苦しいよ。
 

⏰:06/05/30 07:34 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#140 [ゆり]
あたし達は後部座席に手を繋いで座った。

さっきよりよく聞こえる雨音に合わせて、

あたしは口を開いた。


「もう…今日で最後にするね」


しばらく沈黙が続いた。

あたしは言葉を続けた。
  

⏰:06/05/30 07:35 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#141 [ゆり]
「てか高橋さんさ、ひどいよね!笑
いっつも待たせてさ〜自分は女二人もいるなんて!
ひど過ぎるッ笑」


傷付けて遠ざけようと思ったんだ。

不器用だから、

上手にさよならが言えない。


「彼女さん大事にしなきゃ〜いつか痛い目みるよ!
あたしも都合良い女疲れちゃったし!もう高橋さんなんて懲り懲りッ笑」

⏰:06/05/30 07:39 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#142 [ゆり]
繋いだ手に力が入る。

高橋さんからの力だ。


「…ほんと、ゆりちゃんは優しいな」

軽く笑った。

頭をよしよしされた。

この大きな掌も、
出会った時から大好きだった。


あたしは今日で消えるから

もうそんな悲しそうに笑わないで。
  

⏰:06/05/30 07:43 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#143 [ゆり]
「高橋さんの事
本当に本当に大好きでした。
…いっぱい、ありがとう」

笑いたいのに笑えなかった。

涙声で精一杯伝えた。

「うん…」

頭に置かれた掌が
髪をなぞって顔に触れる。
  

⏰:06/05/30 07:44 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#144 [ゆり]
「ほんと小っちゃい顔だな(笑)」

「それ褒めてる?」

「褒めてるよ」

そう言って唇が触れた。

息が苦しいくらい。

想いをぶつけ合う様に重ねた。

 

⏰:06/05/30 07:46 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#145 [ゆり]
今まで高橋さんのあたしへの気持ちを疑わなかったのは、

キスに愛があったからだ。


好きだって言葉より信じられる、
不思議な力があったんだ。
 

⏰:06/05/30 08:17 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#146 [ゆり]
こうして最後のキスをした。


そしてあたし達は別れた。


寒い2月の終わりだった。
  

⏰:06/05/30 08:18 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#147 [ひLI]
今日初めて読みました
マヂ切なすぎッッ
でも、ゆりサンの気持ちが
痛LIぐらLI伝わッてきて…高橋サンの気持ちも
すごLI切なLI
高橋サンもゆりサンの事
大切にしてくれてたンですよね(pc_q`。)
なンか数年前の自分と
かぶッて思わず
読み耽ッてしまLIましたあと、文章作るのうますぎッ(゚Д゚;)

⏰:06/05/30 16:27 📱:N901iC 🆔:fPhEhBco


#148 [ゆり]
ひいサン感想ありがとデス(;ω;)
こういう恋愛って周りに反対されたり、イイ思い出にならなぃ事が多いケド
あたしの中でわ本当に大切な思い出になってるので書いてみました☆

⏰:06/05/30 20:10 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#149 [ゆり]
それから何度も高橋さんから電話があったけど
あたしは一度も出なかった。

もう繰り返す訳にはいかない。

だけどやっぱり
好きな気持ちは消えなかった。

⏰:06/05/30 20:14 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#150 [ゆり]
そして専門学校に入り
稲葉隼人という男と知り合った。

見た目、
チャラ男。

女の子を物色する、
あたしが1番嫌いなタイプ。


それでもあたし達は何故かよく話すようになった。

高橋さんの事も話していた。

⏰:06/05/30 20:26 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#151 [ゆり]
そして入学して2ヵ月ちょっと、
隼人の友達の岩田くんに告白された。

あたしの頭をよぎったのは高橋さんと…
隼人だった。


「ごめんね…」

「なんで?彼氏いないんじゃないの?」

どっかで聞いた台詞。

彼氏いない=付き合うって方程式なの?

「…いないけど…」

「じゃぁなんで?タイプじゃない?俺まじゆりちゃんタイプなんだけど」

⏰:06/05/30 20:28 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#152 [ゆり]
「…好きな人いるから…」

「…そいつと付き合わないの?」


段々めんどくさくなってきた。

今はあんまり思い出したくないのに。


「わかんない!」

ひどい女だけど、それで終わらせた。

帰り道、隼人に引き止められた。

⏰:06/05/30 20:30 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#153 [ひLI]
頑張ッてね(p*VωV)q
これからも読むし

⏰:06/05/30 21:11 📱:N901iC 🆔:fPhEhBco


#154 [ゆり]
「ゆりちゃん!」

「わッ…稲葉くんか…なに?」

「この後予定ある?」

「…帰宅ですけど」

「じゃあちょっと散歩しよ!」

「えぇ?」


こうして帰りの駅まで
遠回りしながら二人で歩き出した。
 

⏰:06/05/30 21:53 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#155 [ゆり]
ひいサンありがとォ♪頑張りマスッ(●>∩<●)☆

⏰:06/05/30 21:55 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#156 [ゆり]
その間にも、
あたしがヒールだから
「足痛くない?」
だの
「カバン持とうか?」
だの
気を遣ってくれた。


(さすがチャラ男…女慣れしてる。)


あたしは危険人物リストにコイツを入れた。
  

⏰:06/05/30 21:57 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#157 [ゆり]
「ゆりちゃんさ〜アイツふったでしょ」

「アイツ?あぁ…うん」

「やっぱり先輩が好きなんだ…?」


「うん…」


「…じゃあ男避けに指輪すればいーのに」


あたしの指には今まで指輪が光った事なんてない。

 

⏰:06/05/30 21:59 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#158 [ゆり]
「いいよ…別に」

あたしは口を閉じて俯いた。

高橋さんで頭がいっぱいになる。

別れてからも
思い出さない日はなかった。

でももうダメなんだよ。
戻れない。
好い加減大人にならなきゃ。
 

⏰:06/05/30 22:01 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#159 [ゆり]
「ごめん、俺お節介言ったわ、ごめんね?」

隼人が心配そうに顔を覗き込む。

「あっううん!ごめん、大丈夫だよ」

あたしは笑顔で答えた。


その日は駅まで送ってもらい帰宅した。


でも隼人と話してると
少しずつだけど
高橋さんを思い出に出来てる気がした。
 

⏰:06/05/30 22:03 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#160 [ゆり]
それからも隼人はあたしの話しを聞いてくれて、
とにかく優しかった。

(まぁどうせ下心ありだもんな…
ヤレりゃいいんだよ)

裕也との出来事であたしは冷めてた。

でも隼人は違った。

二人きりで居ても手を出してこなかった。

イメージがイメージだっただけに意外で
どんどん隼人が気になる存在になっていった。
 

⏰:06/05/30 22:07 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#161 [ゆり]
だけどやっぱり彼はチャラ男で、
ある日の放課後
金髪ギャルと歩いてるのを目撃した。

あの時の光景はまだ目に焼き付いてる。


(はぁ〜?何やっとんの…ッ)

あたしは苛々してる自分に気付いた。

明らかに嫉妬だ。


だけどあんなチャラ男
好きになる訳ない。

自分に言い聞かせてた。
 

⏰:06/05/30 22:09 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#162 [ゆり]
6月の半ば
雨が降る夜。

あたしは高橋さんを思い出していた。

こんな夜は特に記憶がクリアに蘇る。
まるで昨日の事みたいに。


傘を忘れたあたしは
近くの本屋の前で雨宿りをしていた。

(あーぁ…どうしよ)

迎えに来てくれる人もいないし、
家までは30分かかる。
 

⏰:06/05/30 22:12 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#163 [ゆり]
(濡れるしかないか)

そう思って行こうとすると
見慣れたヘッドライトが見えた。

本屋の前に停まり、
助手席の窓が開いた。


「やっぱりゆりちゃんだ」

中からは懐かしい…
高橋さんの顔と声。


あたしはびっくりして声が出なかった。
 

⏰:06/05/30 22:15 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#164 [ゆり]
「風邪ひくよ?乗って」

その声に誘導される様に
助手席のノックも忘れ
香水も香ったまま
車に乗り込んだ。


「久しぶりだね、学校帰り?」

「…あっハイそうです」


いきなりの事態にあたしは困惑していた。

「髪巻き巻きじゃん〜大人っぽくなったね」

そう言って自然に左手であたしの髪に触れる。
 

⏰:06/05/30 22:28 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#165 [ゆり]
「エクステ付けたから…」

「そーなんだ〜高校の時はギャルって感じだったのにね(笑)」


会ってなかった時間が嘘みたいに
高橋さんとの距離が埋まる。

でも何かが違う。
そう思ったんだ。
 

⏰:06/05/30 22:32 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#166 [ゆり]
やっぱり薬指には証が光っていた。

「高橋さんは変わらずかっこいーですね(笑)」

「まぁね〜」

「否定しないとこも変わってないし!笑
彼女さんとは仲良くやってる?」

「ん〜まぁ…」


彼女さんの話題になると言葉を濁すとこも、変わってないな。

そうやって少しは気遣ってくれてたんだよね。
 

⏰:06/05/30 22:34 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#167 [ゆり]
他愛ない話しをしながら
軽くドライブをして
家の前に着いた。


「ありがとうございました☆」

シートベルトを外すと
同時に高橋さんも外した。

次の瞬間
抱き寄せられて唇が重なった。
 

⏰:06/05/30 22:36 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#168 [ゆり]
本当に不意打ちだった。
あの頃と変わらないキスだった。


唇を離すと
下を向いて呟く様に高橋さんが言った。

「あー…やっぱ好きだわ…」


あたしは聞こえないフリをしてドアを開けて外に出た。

「おやすみなさい♪」

そう言って走ってマンションに入った。

また繰り返してしまいそう。

どこまであたしは馬鹿なんだろう。
 

⏰:06/05/30 22:39 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#169 [ゆり]
次の日−

あたしは昨日の事を考えながら机にひじを付き、ボーッとしていた。

「ゆりちゃん?」

話し掛けてきたのは隼人だった。

「元気ないじゃん、何かあった?」


あたしは金髪ギャルの事がよぎった。

だから挑発する様に言った。
 

⏰:06/05/30 22:42 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#170 [ゆり]
「昨日先輩に会った」

一瞬時間が止まった感じがした。

「え…?」

「偶然会って、傘なかったから送ってもらったの」

明らかに隼人が不機嫌になるのがわかった。

「ふーん、そうやって繰り返してなんか意味あんの?」

そう言って教室を出て行った。

今思えば
お互い想い合ってたから
傷付け合ってたんだ。
あの時は気付けなかった。

⏰:06/05/30 22:45 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#171 [ケン]
電車男を読んだ時くらいワクAしてます(・∀・)

⏰:06/05/30 22:45 📱:N900i 🆔:qGJlRvR.


#172 [ゆり]
ケンさん☆読んで貰えて嬉しいです(*´∪`*)本当にありがとデス☆★

⏰:06/05/30 22:48 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#173 [ゆり]
だからあたしは
その夜かかってきた高橋さんからの電話に出てしまった。


「もしもし」

「あ、ゆりちゃん?今仕事終わったんだけど少し会えない?」


隼人の言葉が頭を回った。

繰り返す?
意味があるか?

でも、
だって、

あんただって女の子と遊んでるじゃん。
 

⏰:06/05/30 22:51 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#174 [ケン]
マジハマったし(☆。☆)更新楽しみに待ってます♪♪

⏰:06/05/30 22:52 📱:N900i 🆔:qGJlRvR.


#175 [ゆり]
「…うん、いいよ」


こうしてその夜、
高橋さんに会った。


後部座席でキスをして、
シートを倒した。


首筋を舌でなぞられた瞬間
高橋さんの伸びたえりあしが
隼人に見えた。


気付いたら高橋さんを拒んでた。
 

⏰:06/05/30 22:53 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#176 [ゆり]
「ごめんなさい…」

あたしはそれ以上出来なかった。

「あたし…好きな人がいる…」

言葉にしたら
涙が溢れてきた。


高橋さんは頭を撫でて、
寂しそうに、
だけど優しく笑ってくれた。

「本当にもう会わない…ごめんなさい」
 

⏰:06/05/30 22:56 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#177 [ゆり]
帰り
初めてキスをせずに車を下りた。

「さよなら」

今度は笑顔で言えた。


こうして本当の意味で愛を教えてくれた人と、
永遠に別れた。
  

⏰:06/05/30 22:58 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#178 [ゆり]
あたしは昔から
無い物ねだりはしないタイプで

多くは求めず生きてきた。

だから高橋さんにも
「彼女と別れて」
とは言わなかった。

言ったら今は変わっていたのかな。

自分が傷付くのが恐くて、
代わりに誰かを傷付けてきた。

それは今も変わらない、
あたしの悪い癖だね。
 

⏰:06/05/30 23:00 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#179 [ゆり]
部屋に入ると携帯が鳴った。

ピリリリリッピリリリリッ

着信:稲葉隼人

ピッ

「…はい」

「あ、ゆりちゃん?」

「…うん、どうしたの?」

「会いたいんだけど…」

なんか様子がおかしいのは分かった。

声が細く震えてたから。
 

⏰:06/05/30 23:04 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#180 [なみ☆]
気になる(*人´∀`)☆+゜*:。

⏰:06/05/30 23:45 📱:N900iS 🆔:Kj6408mU


#181 [ゆり]
なみチャンありがとォ〜★少し書きます☆

⏰:06/05/31 07:39 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#182 [ゆり]
あたしは彼に今居る場所を聞いて、

終電ギリギリに滑り込み急いだ。


心配で胸が痛かった。


改札を抜けると
切符売り場の所に
見慣れたメッシュ頭が見えた。

 

⏰:06/05/31 07:40 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#183 [ゆり]
「稲葉くん!」


走って行き顔を覗き込むと
なんとも言えない、

傷付いたような顔をしてた。


「大丈夫?」


瞬間、腕を掴まれて抱きしめられた。


意味がわかんなかった。
 

⏰:06/05/31 07:42 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#184 [ゆり]
「ちょッ…どーした…」

次の瞬間にはキスされてた。

なんで男ってこういきなりするんだろう。

深くて
長くて
切なくて

あたしは唇を離した。

「苦し…」

静かな改札で
上がった息だけ響いてた。
 

⏰:06/05/31 07:45 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#185 [ゆり]
隼人は黙ったまま
俯いていた。


息が整ったと同時に
「寒くない?」
とあたしは聞いた。


大丈夫と言ったけど
風邪引きそうで心配で…

でも終電はもうなかった。
 

⏰:06/05/31 07:49 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#186 [我輩は匿名である]
>>140-185

⏰:06/05/31 10:36 📱:D902i 🆔:3Mn76otg


#187 [ゆり]
「どうしよう…」

呟く様に隼人が言った。

帰れない。

「シャワー浴びなきゃ風邪引くよ?」

この時二人に[タクシーで帰る]って答えはきっとなかった。

隼人が迷ってるのは分かった。

ホテルに連れ込む訳にもいかないって
思ってくれたんだろうな。
 

⏰:06/05/31 13:24 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#188 [ゆり]
だけどあたしはもう隼人の事が好きだって認めていたし

躊躇はなかったんだ。

だから隼人の言葉より早く
「いいよ」
と少し笑って言った。


隼人は少し混乱した顔をしながら
冷えた掌であたしの手を握った。
 

⏰:06/05/31 13:25 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#189 [ゆり]
「ゆりちゃんワックスもってる?」

「ケープしか持ってないよ」

「まじ?じゃあ俺サラサラヘアになっちゃうじゃん」

「見物だね(笑」

そんな会話をしながら
ホテルに入った。


さっきまで高橋さんに会ってたはずなのに

もう隼人だけでいっぱいだった。

誰も乗り越えさせてくれなかった
壁を

隼人は簡単に越えさせてくれたんだ。
 

⏰:06/05/31 13:26 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#190 [ゆり]
当時のあたしは
ラブホなんて数回しか行った事なかったから

なんか慣れた手つきで部屋選んで
エレベータ-に乗る隼人を見て

本気で妬いたの覚えてる。


あたしって自分から元カノの話聞いといて
本気でキレるタイプだから。笑

⏰:06/05/31 13:29 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#191 [ゆり]
部屋に入った。

それなりに気まずかったりする。

「早くシャワー浴びなよ」

あたしの言葉で
混乱した顔のまま
隼人はお風呂に入って行った。

あたしはソファーに座ってテレビのチャンネルを持った。

夜に慣れたあたしでも
やっぱり緊張していた。

⏰:06/05/31 13:32 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#192 [ゆり]
タイミング良くエロ番組(あれはPLAYBOYだった)が映る。

「うわッ外人すごッ」

あたしは苦笑いで見ていた。

外人って本当に「イエス!」とか「カモン!」って言うんだって
初めて知った。笑


飽きたあたしはまたチャンネルを変えて
普通の番組を見てた。

するとバスローブ着た隼人登場。

「バスローブだ!」

叫ぶあたし。

だって憧れだったんだもん。
お風呂上がりにバスローブ☆

⏰:06/05/31 13:33 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#193 [ゆり]
「えっあ、うん」

戸惑った隼人がなんか可愛かった。

焦った様に
「ゆりちゃんはシャワー浴びる?!」
って聞いてきた。

一瞬ドキッ。

だけどすぐに興味はバスローブへ…

⏰:06/05/31 13:37 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#194 [ゆり]
「女の子用のバスローブかな?!」だの
「似合うかな!?」だの
ぎゃーぎゃー言いながらあたしは洗面所の方へ行った。


シャワー室に入り
溜め息。

「はぁ〜〜…」

(なんか…展開早くないかな?…あたし軽く見られるかな?)

そんな事考えてた。
 

⏰:06/05/31 13:40 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#195 [しず☆]
文章つくるの上手ですね

⏰:06/05/31 15:58 📱:N900iS 🆔:9.uaI6gA


#196 [ひLI]
うンX02…
(pq・ω・o)゙ドキX02

⏰:06/05/31 18:38 📱:N901iC 🆔:epfGqGAg


#197 [ゆり]
しずサン☆ひいサン☆ありがとォ♪(;ω;)
今から書くので、良かったらまた読んで下さいネ☆

⏰:06/05/31 19:09 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#198 [ゆり]
「まァ〜いっか」

悩む事じゃない。

好きなんだから。
いいんだ。

ガチャッ

あたしは棚からバスローブを取った。

(うわッ意外に可愛い系じゃないッ?)

洗面所のやたらでかい鏡の前でくるくる回ってみるアホな自分。
 

⏰:06/05/31 19:13 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#199 [ゆり]
「あーッあたしスッピンじゃん!」

隼人に化粧ポーチを取って〜と頼むと

「スッピンでいーよ!笑」

と言われたので
まぁいっか〜と思い洗面所を出た。

隼人はなんかきょどってる。
お陰であたしの緊張は消えた。
 

⏰:06/05/31 19:17 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#200 [ゆり]
ソファに座る隼人の隣に少し距離を空けて座る。

「暑いなぁ〜」
あたしは女らしさも忘れ
頭にタオルを乗せたままチャンネルをいじる。

隼人は落ち着かない感じで
「何か飲む?」って
冷蔵庫の方へ行った。

これは彼なりのじらしなんだろうか…

あたしはまじでそんな事を思っていた。
 

⏰:06/05/31 19:26 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


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