〇ニ番目の四季〇
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#150 [ゆり]
そして専門学校に入り
稲葉隼人という男と知り合った。
見た目、
チャラ男。
女の子を物色する、
あたしが1番嫌いなタイプ。
それでもあたし達は何故かよく話すようになった。
高橋さんの事も話していた。
:06/05/30 20:26 :V703SH :vYkyxf/c
#151 [ゆり]
そして入学して2ヵ月ちょっと、
隼人の友達の岩田くんに告白された。
あたしの頭をよぎったのは高橋さんと…
隼人だった。
「ごめんね…」
「なんで?彼氏いないんじゃないの?」
どっかで聞いた台詞。
彼氏いない=付き合うって方程式なの?
「…いないけど…」
「じゃぁなんで?タイプじゃない?俺まじゆりちゃんタイプなんだけど」
:06/05/30 20:28 :V703SH :vYkyxf/c
#152 [ゆり]
「…好きな人いるから…」
「…そいつと付き合わないの?」
段々めんどくさくなってきた。
今はあんまり思い出したくないのに。
「わかんない!」
ひどい女だけど、それで終わらせた。
帰り道、隼人に引き止められた。
:06/05/30 20:30 :V703SH :vYkyxf/c
#153 [ひLI]
頑張ッてね(p*VωV)q
これからも読むし
:06/05/30 21:11 :N901iC :fPhEhBco
#154 [ゆり]
「ゆりちゃん!」
「わッ…稲葉くんか…なに?」
「この後予定ある?」
「…帰宅ですけど」
「じゃあちょっと散歩しよ!」
「えぇ?」
こうして帰りの駅まで
遠回りしながら二人で歩き出した。
:06/05/30 21:53 :V703SH :vYkyxf/c
#155 [ゆり]
ひいサンありがとォ♪頑張りマスッ(●>∩<●)☆
:06/05/30 21:55 :V703SH :vYkyxf/c
#156 [ゆり]
その間にも、
あたしがヒールだから
「足痛くない?」
だの
「カバン持とうか?」
だの
気を遣ってくれた。
(さすがチャラ男…女慣れしてる。)
あたしは危険人物リストにコイツを入れた。
:06/05/30 21:57 :V703SH :vYkyxf/c
#157 [ゆり]
「ゆりちゃんさ〜アイツふったでしょ」
「アイツ?あぁ…うん」
「やっぱり先輩が好きなんだ…?」
「うん…」
「…じゃあ男避けに指輪すればいーのに」
あたしの指には今まで指輪が光った事なんてない。
:06/05/30 21:59 :V703SH :vYkyxf/c
#158 [ゆり]
「いいよ…別に」
あたしは口を閉じて俯いた。
高橋さんで頭がいっぱいになる。
別れてからも
思い出さない日はなかった。
でももうダメなんだよ。
戻れない。
好い加減大人にならなきゃ。
:06/05/30 22:01 :V703SH :vYkyxf/c
#159 [ゆり]
「ごめん、俺お節介言ったわ、ごめんね?」
隼人が心配そうに顔を覗き込む。
「あっううん!ごめん、大丈夫だよ」
あたしは笑顔で答えた。
その日は駅まで送ってもらい帰宅した。
でも隼人と話してると
少しずつだけど
高橋さんを思い出に出来てる気がした。
:06/05/30 22:03 :V703SH :vYkyxf/c
#160 [ゆり]
それからも隼人はあたしの話しを聞いてくれて、
とにかく優しかった。
(まぁどうせ下心ありだもんな…
ヤレりゃいいんだよ)
裕也との出来事であたしは冷めてた。
でも隼人は違った。
二人きりで居ても手を出してこなかった。
イメージがイメージだっただけに意外で
どんどん隼人が気になる存在になっていった。
:06/05/30 22:07 :V703SH :vYkyxf/c
#161 [ゆり]
だけどやっぱり彼はチャラ男で、
ある日の放課後
金髪ギャルと歩いてるのを目撃した。
あの時の光景はまだ目に焼き付いてる。
(はぁ〜?何やっとんの…ッ)
あたしは苛々してる自分に気付いた。
明らかに嫉妬だ。
だけどあんなチャラ男
好きになる訳ない。
自分に言い聞かせてた。
:06/05/30 22:09 :V703SH :vYkyxf/c
#162 [ゆり]
6月の半ば
雨が降る夜。
あたしは高橋さんを思い出していた。
こんな夜は特に記憶がクリアに蘇る。
まるで昨日の事みたいに。
傘を忘れたあたしは
近くの本屋の前で雨宿りをしていた。
(あーぁ…どうしよ)
迎えに来てくれる人もいないし、
家までは30分かかる。
:06/05/30 22:12 :V703SH :vYkyxf/c
#163 [ゆり]
(濡れるしかないか)
そう思って行こうとすると
見慣れたヘッドライトが見えた。
本屋の前に停まり、
助手席の窓が開いた。
「やっぱりゆりちゃんだ」
中からは懐かしい…
高橋さんの顔と声。
あたしはびっくりして声が出なかった。
:06/05/30 22:15 :V703SH :vYkyxf/c
#164 [ゆり]
「風邪ひくよ?乗って」
その声に誘導される様に
助手席のノックも忘れ
香水も香ったまま
車に乗り込んだ。
「久しぶりだね、学校帰り?」
「…あっハイそうです」
いきなりの事態にあたしは困惑していた。
「髪巻き巻きじゃん〜大人っぽくなったね」
そう言って自然に左手であたしの髪に触れる。
:06/05/30 22:28 :V703SH :vYkyxf/c
#165 [ゆり]
「エクステ付けたから…」
「そーなんだ〜高校の時はギャルって感じだったのにね(笑)」
会ってなかった時間が嘘みたいに
高橋さんとの距離が埋まる。
でも何かが違う。
そう思ったんだ。
:06/05/30 22:32 :V703SH :vYkyxf/c
#166 [ゆり]
やっぱり薬指には証が光っていた。
「高橋さんは変わらずかっこいーですね(笑)」
「まぁね〜」
「否定しないとこも変わってないし!笑
彼女さんとは仲良くやってる?」
「ん〜まぁ…」
彼女さんの話題になると言葉を濁すとこも、変わってないな。
そうやって少しは気遣ってくれてたんだよね。
:06/05/30 22:34 :V703SH :vYkyxf/c
#167 [ゆり]
他愛ない話しをしながら
軽くドライブをして
家の前に着いた。
「ありがとうございました☆」
シートベルトを外すと
同時に高橋さんも外した。
次の瞬間
抱き寄せられて唇が重なった。
:06/05/30 22:36 :V703SH :vYkyxf/c
#168 [ゆり]
本当に不意打ちだった。
あの頃と変わらないキスだった。
唇を離すと
下を向いて呟く様に高橋さんが言った。
「あー…やっぱ好きだわ…」
あたしは聞こえないフリをしてドアを開けて外に出た。
「おやすみなさい♪」
そう言って走ってマンションに入った。
また繰り返してしまいそう。
どこまであたしは馬鹿なんだろう。
:06/05/30 22:39 :V703SH :vYkyxf/c
#169 [ゆり]
次の日−
あたしは昨日の事を考えながら机にひじを付き、ボーッとしていた。
「ゆりちゃん?」
話し掛けてきたのは隼人だった。
「元気ないじゃん、何かあった?」
あたしは金髪ギャルの事がよぎった。
だから挑発する様に言った。
:06/05/30 22:42 :V703SH :vYkyxf/c
#170 [ゆり]
「昨日先輩に会った」
一瞬時間が止まった感じがした。
「え…?」
「偶然会って、傘なかったから送ってもらったの」
明らかに隼人が不機嫌になるのがわかった。
「ふーん、そうやって繰り返してなんか意味あんの?」
そう言って教室を出て行った。
今思えば
お互い想い合ってたから
傷付け合ってたんだ。
あの時は気付けなかった。
:06/05/30 22:45 :V703SH :vYkyxf/c
#171 [ケン]
電車男を読んだ時くらいワクAしてます(・∀・)
:06/05/30 22:45 :N900i :qGJlRvR.
#172 [ゆり]
ケンさん☆読んで貰えて嬉しいです(*´∪`*)本当にありがとデス☆★
:06/05/30 22:48 :V703SH :vYkyxf/c
#173 [ゆり]
だからあたしは
その夜かかってきた高橋さんからの電話に出てしまった。
「もしもし」
「あ、ゆりちゃん?今仕事終わったんだけど少し会えない?」
隼人の言葉が頭を回った。
繰り返す?
意味があるか?
でも、
だって、
あんただって女の子と遊んでるじゃん。
:06/05/30 22:51 :V703SH :vYkyxf/c
#174 [ケン]
マジハマったし(☆。☆)更新楽しみに待ってます♪♪
:06/05/30 22:52 :N900i :qGJlRvR.
#175 [ゆり]
「…うん、いいよ」
こうしてその夜、
高橋さんに会った。
後部座席でキスをして、
シートを倒した。
首筋を舌でなぞられた瞬間
高橋さんの伸びたえりあしが
隼人に見えた。
気付いたら高橋さんを拒んでた。
:06/05/30 22:53 :V703SH :vYkyxf/c
#176 [ゆり]
「ごめんなさい…」
あたしはそれ以上出来なかった。
「あたし…好きな人がいる…」
言葉にしたら
涙が溢れてきた。
高橋さんは頭を撫でて、
寂しそうに、
だけど優しく笑ってくれた。
「本当にもう会わない…ごめんなさい」
:06/05/30 22:56 :V703SH :vYkyxf/c
#177 [ゆり]
帰り
初めてキスをせずに車を下りた。
「さよなら」
今度は笑顔で言えた。
こうして本当の意味で愛を教えてくれた人と、
永遠に別れた。
:06/05/30 22:58 :V703SH :vYkyxf/c
#178 [ゆり]
あたしは昔から
無い物ねだりはしないタイプで
多くは求めず生きてきた。
だから高橋さんにも
「彼女と別れて」
とは言わなかった。
言ったら今は変わっていたのかな。
自分が傷付くのが恐くて、
代わりに誰かを傷付けてきた。
それは今も変わらない、
あたしの悪い癖だね。
:06/05/30 23:00 :V703SH :vYkyxf/c
#179 [ゆり]
部屋に入ると携帯が鳴った。
ピリリリリッピリリリリッ
着信:稲葉隼人
ピッ
「…はい」
「あ、ゆりちゃん?」
「…うん、どうしたの?」
「会いたいんだけど…」
なんか様子がおかしいのは分かった。
声が細く震えてたから。
:06/05/30 23:04 :V703SH :vYkyxf/c
#180 [なみ☆]
気になる(*人´∀`)☆+゜*:。
:06/05/30 23:45 :N900iS :Kj6408mU
#181 [ゆり]
なみチャンありがとォ〜★少し書きます☆
:06/05/31 07:39 :V703SH :SVEbQfnA
#182 [ゆり]
あたしは彼に今居る場所を聞いて、
終電ギリギリに滑り込み急いだ。
心配で胸が痛かった。
改札を抜けると
切符売り場の所に
見慣れたメッシュ頭が見えた。
:06/05/31 07:40 :V703SH :SVEbQfnA
#183 [ゆり]
「稲葉くん!」
走って行き顔を覗き込むと
なんとも言えない、
傷付いたような顔をしてた。
「大丈夫?」
瞬間、腕を掴まれて抱きしめられた。
意味がわかんなかった。
:06/05/31 07:42 :V703SH :SVEbQfnA
#184 [ゆり]
「ちょッ…どーした…」
次の瞬間にはキスされてた。
なんで男ってこういきなりするんだろう。
深くて
長くて
切なくて
あたしは唇を離した。
「苦し…」
静かな改札で
上がった息だけ響いてた。
:06/05/31 07:45 :V703SH :SVEbQfnA
#185 [ゆり]
隼人は黙ったまま
俯いていた。
息が整ったと同時に
「寒くない?」
とあたしは聞いた。
大丈夫と言ったけど
風邪引きそうで心配で…
でも終電はもうなかった。
:06/05/31 07:49 :V703SH :SVEbQfnA
#186 [我輩は匿名である]
:06/05/31 10:36 :D902i :3Mn76otg
#187 [ゆり]
「どうしよう…」
呟く様に隼人が言った。
帰れない。
「シャワー浴びなきゃ風邪引くよ?」
この時二人に[タクシーで帰る]って答えはきっとなかった。
隼人が迷ってるのは分かった。
ホテルに連れ込む訳にもいかないって
思ってくれたんだろうな。
:06/05/31 13:24 :V703SH :SVEbQfnA
#188 [ゆり]
だけどあたしはもう隼人の事が好きだって認めていたし
躊躇はなかったんだ。
だから隼人の言葉より早く
「いいよ」
と少し笑って言った。
隼人は少し混乱した顔をしながら
冷えた掌であたしの手を握った。
:06/05/31 13:25 :V703SH :SVEbQfnA
#189 [ゆり]
「ゆりちゃんワックスもってる?」
「ケープしか持ってないよ」
「まじ?じゃあ俺サラサラヘアになっちゃうじゃん」
「見物だね(笑」
そんな会話をしながら
ホテルに入った。
さっきまで高橋さんに会ってたはずなのに
もう隼人だけでいっぱいだった。
誰も乗り越えさせてくれなかった
壁を
隼人は簡単に越えさせてくれたんだ。
:06/05/31 13:26 :V703SH :SVEbQfnA
#190 [ゆり]
当時のあたしは
ラブホなんて数回しか行った事なかったから
なんか慣れた手つきで部屋選んで
エレベータ-に乗る隼人を見て
本気で妬いたの覚えてる。
あたしって自分から元カノの話聞いといて
本気でキレるタイプだから。笑
:06/05/31 13:29 :V703SH :SVEbQfnA
#191 [ゆり]
部屋に入った。
それなりに気まずかったりする。
「早くシャワー浴びなよ」
あたしの言葉で
混乱した顔のまま
隼人はお風呂に入って行った。
あたしはソファーに座ってテレビのチャンネルを持った。
夜に慣れたあたしでも
やっぱり緊張していた。
:06/05/31 13:32 :V703SH :SVEbQfnA
#192 [ゆり]
タイミング良くエロ番組(あれはPLAYBOYだった)が映る。
「うわッ外人すごッ」
あたしは苦笑いで見ていた。
外人って本当に「イエス!」とか「カモン!」って言うんだって
初めて知った。笑
飽きたあたしはまたチャンネルを変えて
普通の番組を見てた。
するとバスローブ着た隼人登場。
「バスローブだ!」
叫ぶあたし。
だって憧れだったんだもん。
お風呂上がりにバスローブ☆
:06/05/31 13:33 :V703SH :SVEbQfnA
#193 [ゆり]
「えっあ、うん」
戸惑った隼人がなんか可愛かった。
焦った様に
「ゆりちゃんはシャワー浴びる?!」
って聞いてきた。
一瞬ドキッ。
だけどすぐに興味はバスローブへ…
:06/05/31 13:37 :V703SH :SVEbQfnA
#194 [ゆり]
「女の子用のバスローブかな?!」だの
「似合うかな!?」だの
ぎゃーぎゃー言いながらあたしは洗面所の方へ行った。
シャワー室に入り
溜め息。
「はぁ〜〜…」
(なんか…展開早くないかな?…あたし軽く見られるかな?)
そんな事考えてた。
:06/05/31 13:40 :V703SH :SVEbQfnA
#195 [しず☆]
文章つくるの上手ですね
:06/05/31 15:58 :N900iS :9.uaI6gA
#196 [ひLI]
うンX02…
(pq・ω・o)゙ドキX02
:06/05/31 18:38 :N901iC :epfGqGAg
#197 [ゆり]
しずサン☆ひいサン☆ありがとォ♪(;ω;)
今から書くので、良かったらまた読んで下さいネ☆
:06/05/31 19:09 :V703SH :SVEbQfnA
#198 [ゆり]
「まァ〜いっか」
悩む事じゃない。
好きなんだから。
いいんだ。
ガチャッ
あたしは棚からバスローブを取った。
(うわッ意外に可愛い系じゃないッ?)
洗面所のやたらでかい鏡の前でくるくる回ってみるアホな自分。
:06/05/31 19:13 :V703SH :SVEbQfnA
#199 [ゆり]
「あーッあたしスッピンじゃん!」
隼人に化粧ポーチを取って〜と頼むと
「スッピンでいーよ!笑」
と言われたので
まぁいっか〜と思い洗面所を出た。
隼人はなんかきょどってる。
お陰であたしの緊張は消えた。
:06/05/31 19:17 :V703SH :SVEbQfnA
#200 [ゆり]
ソファに座る隼人の隣に少し距離を空けて座る。
「暑いなぁ〜」
あたしは女らしさも忘れ
頭にタオルを乗せたままチャンネルをいじる。
隼人は落ち着かない感じで
「何か飲む?」って
冷蔵庫の方へ行った。
これは彼なりのじらしなんだろうか…
あたしはまじでそんな事を思っていた。
:06/05/31 19:26 :V703SH :SVEbQfnA
#201 [ゆり]
ウーロンを取ってもらい
隼人はコーラを飲みながらまた隣に座った。
それと同時に
あたしはずっと気になってた事を聞いた。
「今日どうしたの?」
「え…あぁ…別に」
視線を落として気まずそうな横顔を見て
女関係だな、と思った。
「そっか…」
それ以上聞くのはやめた。
あたしも辛いから。
:06/05/31 19:32 :V703SH :SVEbQfnA
#202 [ゆり]
すると話題を変えるように隼人が口を開いた。
「ゆりちゃんは?先輩とどうなの?」
高橋さんの話になっても
動揺しなかった。
自分で思ってるよりずっと
ケジメは付いてたみたいだ。
「今日、もう会わないって言ったよ」
:06/05/31 19:39 :V703SH :SVEbQfnA
#203 [ひLI]
なンかねえ-
ゆりチャンの文章読ンでるとその絡みとかが
頭のでポワー…ンて
自然と思LI浮かぶと
すごLIねえ-ッて思うよ
最初から最後まで
一気に読ンぢやLIたLI
:06/05/31 19:41 :N901iC :epfGqGAg
#204 [ゆり]
ひいサン☆ほんとにィー!?(*≧□≦*)
なんか説明不足のとこが多いで分かりにくぃかな…って思ってたァ。いつも読んでくれてほんとありがとォッ♪
:06/05/31 20:50 :V703SH :SVEbQfnA
#205 [ゆり]
「えッ?」
隼人は驚いて少しコーラを拭いた。
あたしは笑った。
「いや笑い事じゃないから…で、どうなったの?」
「ん〜押し倒されたりしたけど、最後までは出来なかったの。」
あたしは言わなくてイイ様な事まで話していた。
隠したりしたくなかったから、
あえて言葉は選ばなかったんだ。
:06/05/31 20:55 :V703SH :SVEbQfnA
#206 [ゆり]
隼人は戸惑った様に聞いた。
「…なんで出来なかったの?」
あたしは即答した。
「先輩のえりあしが稲葉くんに見えたから」
ほんと、えりあしが全て気付かせてくれたんだもん。
先輩に被る程、隼人の存在はあたしの中で大きくなってたんだよ。
:06/05/31 21:15 :V703SH :SVEbQfnA
#207 [ゆり]
意味がわからん、みたいな顔をするから
とりあえず説明した。
だけど
隼人が好きとは言えなくて
「あたしもよくわかんない」って言葉で
気持ちを濁した。
けど隼人にだけは軽く見られたくなかった。
「でも…なんとも思ってない人とホテルなんて入らないよ」
あたしは少し笑って言った。
:06/05/31 21:22 :V703SH :SVEbQfnA
#208 [ゆり]
目が合った。
隼人は持っていたコーラを机に置いた。
あたしはその手を目で追った。
缶を置いた手はあたしの肩に回って、抱き寄せられた。
身体が触れる。
あたしは内心ドキドキで、
だけど唇が触れた瞬間
スイッチが入った。
:06/05/31 21:49 :V703SH :SVEbQfnA
#209 [ゆり]
キスをして
唇を離す。
隼人の手が少し震えてるのが分かった。
緊張した息遣いがめちゃくちゃ意外だった。
「ドキドキしてるね(笑」
隼人の胸に右手を当てて言うと
「ゆりちゃんってSなの?笑」
と言われたのを覚えてる。
「ん〜どーだろ笑」
そう言って今度はあたしからキスをした。
:06/05/31 21:53 :V703SH :SVEbQfnA
#210 [ゆり]
首に手を回して、
さっきまでの距離感を埋めるみたいに
唇を重ねた。
いつの間にか見てた番組も終わってた。
隼人はあたしの腰に回した手を延ばして
テレビを消した。
無音の部屋に
荒い息がやけに響いて聞こえた。
:06/05/31 21:58 :V703SH :SVEbQfnA
#211 [ゆり]
「こっち…」
隼人は呟く様にそう言って
あたしの手を優しく引いてベッドに連れて行った。
キスをしながら
髪や身体に触れる指先にいちいち反応する。
まだ少し濡れてる髪から
シャンプーの香りがする。
急に隼人の手が止まった。
:06/05/31 22:06 :V703SH :SVEbQfnA
#212 [ゆり]
「やべー…めっちゃ緊張する…」
隼人は手で顔を隠して言った。
その姿でやられた。
あんた可愛過ぎだよ。
「アハハ大丈夫?」
あたしはバスローブの襟元を掴み
上半身を起こして聞いた。
:06/05/31 22:10 :V703SH :SVEbQfnA
#213 [ゆり]
「だってゆりちゃんだよ?…どうしよう」
ブツブツ言い続ける隼人。
「じゃあ電気消そ!あたしも恥ずかしいし」
まるで初体験の二人
みたいな会話をしてた。
「ごめん…俺まじ情けねーじゃん」
「アハハ!大丈夫ッそんな反応あたしは嬉しい!」
:06/05/31 22:15 :V703SH :SVEbQfnA
#214 [ゆり]
電気を消して
枕元の薄暗い電気だけを付けた。
あたしはベッドの上で正座をしてる隼人にキスをした。
攻めない優しいキス。
「お前キス上手いな…」
隼人はしみじみと呟いて
押し倒しながらあたしのバスローブを脱がせた。
:06/05/31 22:22 :V703SH :SVEbQfnA
#215 [ゆり]
あたしは出会った時から隼人の手が大好きだった。
黒くて指が長くて血管が程よく浮いてて
手フェチのあたしのストライクの手。笑
その手に触られてるって思うだけで
かなりやばかった。
でも入れる直前
極度の緊張で隼人が萎えた。笑
:06/05/31 22:26 :V703SH :SVEbQfnA
#216 [ゆり]
「やべ!ちょっと待ってッ笑」
「あはは!!まじウケるし!さっきまでの元気はどこへ?」
「頑張れ俺!!」
めちゃくちゃ面白かった。
ムードはゼロだけど、なんか愛が溢れてる感じがしたんだ。
まぁそれから無事にひとつになれて
二人の初えっちは成功。笑
:06/05/31 22:31 :V703SH :SVEbQfnA
#217 [ゆり]
隼人の腕枕で横になる。
なんかこんな穏やかな気分は初めて。
いつも心は満たされなかったのに。
愛して愛される幸せって
こんな気持ちを言うのかな。
:06/05/31 22:35 :V703SH :SVEbQfnA
#218 [ゆり]
あの時
あんたがいきなり真顔で言った言葉、
今も忘れてないよ。
「生まれ変わってもまた
お前の事、好きになると思う。」
恥ずかしくて
茶化してごまかしちゃったけど
本当はとても嬉しかった。
:06/05/31 22:38 :V703SH :SVEbQfnA
#219 [ゆり]
付き合い始めた6月から
あたし達は学校でも放課後でも
毎日ずっと一緒にいた。
世間で言うラブラブってやつ。
乙女チックな響きに寒気するけど
ラブラブだった。
でも喧嘩もかなり多かった。
:06/05/31 22:43 :V703SH :SVEbQfnA
#220 [ゆり]
やっぱり遊び人だった男だから
女の子を目で追う。
ミニスカとか
綺麗なお姉さんとか
大好物。
「あんた…また見てたでしょ?」
「見てねーって!!」
こんなくだらない内容でしょっちゅう喧嘩。
まぁあたしが一方的に不機嫌になってるだけだけど…
:06/05/31 22:47 :V703SH :SVEbQfnA
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