〇ニ番目の四季〇
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#151 [ゆり]
そして入学して2ヵ月ちょっと、
隼人の友達の岩田くんに告白された。

あたしの頭をよぎったのは高橋さんと…
隼人だった。


「ごめんね…」

「なんで?彼氏いないんじゃないの?」

どっかで聞いた台詞。

彼氏いない=付き合うって方程式なの?

「…いないけど…」

「じゃぁなんで?タイプじゃない?俺まじゆりちゃんタイプなんだけど」

⏰:06/05/30 20:28 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#152 [ゆり]
「…好きな人いるから…」

「…そいつと付き合わないの?」


段々めんどくさくなってきた。

今はあんまり思い出したくないのに。


「わかんない!」

ひどい女だけど、それで終わらせた。

帰り道、隼人に引き止められた。

⏰:06/05/30 20:30 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#153 [ひLI]
頑張ッてね(p*VωV)q
これからも読むし

⏰:06/05/30 21:11 📱:N901iC 🆔:fPhEhBco


#154 [ゆり]
「ゆりちゃん!」

「わッ…稲葉くんか…なに?」

「この後予定ある?」

「…帰宅ですけど」

「じゃあちょっと散歩しよ!」

「えぇ?」


こうして帰りの駅まで
遠回りしながら二人で歩き出した。
 

⏰:06/05/30 21:53 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#155 [ゆり]
ひいサンありがとォ♪頑張りマスッ(●>∩<●)☆

⏰:06/05/30 21:55 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#156 [ゆり]
その間にも、
あたしがヒールだから
「足痛くない?」
だの
「カバン持とうか?」
だの
気を遣ってくれた。


(さすがチャラ男…女慣れしてる。)


あたしは危険人物リストにコイツを入れた。
  

⏰:06/05/30 21:57 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#157 [ゆり]
「ゆりちゃんさ〜アイツふったでしょ」

「アイツ?あぁ…うん」

「やっぱり先輩が好きなんだ…?」


「うん…」


「…じゃあ男避けに指輪すればいーのに」


あたしの指には今まで指輪が光った事なんてない。

 

⏰:06/05/30 21:59 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#158 [ゆり]
「いいよ…別に」

あたしは口を閉じて俯いた。

高橋さんで頭がいっぱいになる。

別れてからも
思い出さない日はなかった。

でももうダメなんだよ。
戻れない。
好い加減大人にならなきゃ。
 

⏰:06/05/30 22:01 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#159 [ゆり]
「ごめん、俺お節介言ったわ、ごめんね?」

隼人が心配そうに顔を覗き込む。

「あっううん!ごめん、大丈夫だよ」

あたしは笑顔で答えた。


その日は駅まで送ってもらい帰宅した。


でも隼人と話してると
少しずつだけど
高橋さんを思い出に出来てる気がした。
 

⏰:06/05/30 22:03 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#160 [ゆり]
それからも隼人はあたしの話しを聞いてくれて、
とにかく優しかった。

(まぁどうせ下心ありだもんな…
ヤレりゃいいんだよ)

裕也との出来事であたしは冷めてた。

でも隼人は違った。

二人きりで居ても手を出してこなかった。

イメージがイメージだっただけに意外で
どんどん隼人が気になる存在になっていった。
 

⏰:06/05/30 22:07 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#161 [ゆり]
だけどやっぱり彼はチャラ男で、
ある日の放課後
金髪ギャルと歩いてるのを目撃した。

あの時の光景はまだ目に焼き付いてる。


(はぁ〜?何やっとんの…ッ)

あたしは苛々してる自分に気付いた。

明らかに嫉妬だ。


だけどあんなチャラ男
好きになる訳ない。

自分に言い聞かせてた。
 

⏰:06/05/30 22:09 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#162 [ゆり]
6月の半ば
雨が降る夜。

あたしは高橋さんを思い出していた。

こんな夜は特に記憶がクリアに蘇る。
まるで昨日の事みたいに。


傘を忘れたあたしは
近くの本屋の前で雨宿りをしていた。

(あーぁ…どうしよ)

迎えに来てくれる人もいないし、
家までは30分かかる。
 

⏰:06/05/30 22:12 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#163 [ゆり]
(濡れるしかないか)

そう思って行こうとすると
見慣れたヘッドライトが見えた。

本屋の前に停まり、
助手席の窓が開いた。


「やっぱりゆりちゃんだ」

中からは懐かしい…
高橋さんの顔と声。


あたしはびっくりして声が出なかった。
 

⏰:06/05/30 22:15 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#164 [ゆり]
「風邪ひくよ?乗って」

その声に誘導される様に
助手席のノックも忘れ
香水も香ったまま
車に乗り込んだ。


「久しぶりだね、学校帰り?」

「…あっハイそうです」


いきなりの事態にあたしは困惑していた。

「髪巻き巻きじゃん〜大人っぽくなったね」

そう言って自然に左手であたしの髪に触れる。
 

⏰:06/05/30 22:28 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#165 [ゆり]
「エクステ付けたから…」

「そーなんだ〜高校の時はギャルって感じだったのにね(笑)」


会ってなかった時間が嘘みたいに
高橋さんとの距離が埋まる。

でも何かが違う。
そう思ったんだ。
 

⏰:06/05/30 22:32 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#166 [ゆり]
やっぱり薬指には証が光っていた。

「高橋さんは変わらずかっこいーですね(笑)」

「まぁね〜」

「否定しないとこも変わってないし!笑
彼女さんとは仲良くやってる?」

「ん〜まぁ…」


彼女さんの話題になると言葉を濁すとこも、変わってないな。

そうやって少しは気遣ってくれてたんだよね。
 

⏰:06/05/30 22:34 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#167 [ゆり]
他愛ない話しをしながら
軽くドライブをして
家の前に着いた。


「ありがとうございました☆」

シートベルトを外すと
同時に高橋さんも外した。

次の瞬間
抱き寄せられて唇が重なった。
 

⏰:06/05/30 22:36 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#168 [ゆり]
本当に不意打ちだった。
あの頃と変わらないキスだった。


唇を離すと
下を向いて呟く様に高橋さんが言った。

「あー…やっぱ好きだわ…」


あたしは聞こえないフリをしてドアを開けて外に出た。

「おやすみなさい♪」

そう言って走ってマンションに入った。

また繰り返してしまいそう。

どこまであたしは馬鹿なんだろう。
 

⏰:06/05/30 22:39 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#169 [ゆり]
次の日−

あたしは昨日の事を考えながら机にひじを付き、ボーッとしていた。

「ゆりちゃん?」

話し掛けてきたのは隼人だった。

「元気ないじゃん、何かあった?」


あたしは金髪ギャルの事がよぎった。

だから挑発する様に言った。
 

⏰:06/05/30 22:42 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#170 [ゆり]
「昨日先輩に会った」

一瞬時間が止まった感じがした。

「え…?」

「偶然会って、傘なかったから送ってもらったの」

明らかに隼人が不機嫌になるのがわかった。

「ふーん、そうやって繰り返してなんか意味あんの?」

そう言って教室を出て行った。

今思えば
お互い想い合ってたから
傷付け合ってたんだ。
あの時は気付けなかった。

⏰:06/05/30 22:45 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#171 [ケン]
電車男を読んだ時くらいワクAしてます(・∀・)

⏰:06/05/30 22:45 📱:N900i 🆔:qGJlRvR.


#172 [ゆり]
ケンさん☆読んで貰えて嬉しいです(*´∪`*)本当にありがとデス☆★

⏰:06/05/30 22:48 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#173 [ゆり]
だからあたしは
その夜かかってきた高橋さんからの電話に出てしまった。


「もしもし」

「あ、ゆりちゃん?今仕事終わったんだけど少し会えない?」


隼人の言葉が頭を回った。

繰り返す?
意味があるか?

でも、
だって、

あんただって女の子と遊んでるじゃん。
 

⏰:06/05/30 22:51 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#174 [ケン]
マジハマったし(☆。☆)更新楽しみに待ってます♪♪

⏰:06/05/30 22:52 📱:N900i 🆔:qGJlRvR.


#175 [ゆり]
「…うん、いいよ」


こうしてその夜、
高橋さんに会った。


後部座席でキスをして、
シートを倒した。


首筋を舌でなぞられた瞬間
高橋さんの伸びたえりあしが
隼人に見えた。


気付いたら高橋さんを拒んでた。
 

⏰:06/05/30 22:53 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#176 [ゆり]
「ごめんなさい…」

あたしはそれ以上出来なかった。

「あたし…好きな人がいる…」

言葉にしたら
涙が溢れてきた。


高橋さんは頭を撫でて、
寂しそうに、
だけど優しく笑ってくれた。

「本当にもう会わない…ごめんなさい」
 

⏰:06/05/30 22:56 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#177 [ゆり]
帰り
初めてキスをせずに車を下りた。

「さよなら」

今度は笑顔で言えた。


こうして本当の意味で愛を教えてくれた人と、
永遠に別れた。
  

⏰:06/05/30 22:58 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#178 [ゆり]
あたしは昔から
無い物ねだりはしないタイプで

多くは求めず生きてきた。

だから高橋さんにも
「彼女と別れて」
とは言わなかった。

言ったら今は変わっていたのかな。

自分が傷付くのが恐くて、
代わりに誰かを傷付けてきた。

それは今も変わらない、
あたしの悪い癖だね。
 

⏰:06/05/30 23:00 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#179 [ゆり]
部屋に入ると携帯が鳴った。

ピリリリリッピリリリリッ

着信:稲葉隼人

ピッ

「…はい」

「あ、ゆりちゃん?」

「…うん、どうしたの?」

「会いたいんだけど…」

なんか様子がおかしいのは分かった。

声が細く震えてたから。
 

⏰:06/05/30 23:04 📱:V703SH 🆔:vYkyxf/c


#180 [なみ☆]
気になる(*人´∀`)☆+゜*:。

⏰:06/05/30 23:45 📱:N900iS 🆔:Kj6408mU


#181 [ゆり]
なみチャンありがとォ〜★少し書きます☆

⏰:06/05/31 07:39 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#182 [ゆり]
あたしは彼に今居る場所を聞いて、

終電ギリギリに滑り込み急いだ。


心配で胸が痛かった。


改札を抜けると
切符売り場の所に
見慣れたメッシュ頭が見えた。

 

⏰:06/05/31 07:40 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#183 [ゆり]
「稲葉くん!」


走って行き顔を覗き込むと
なんとも言えない、

傷付いたような顔をしてた。


「大丈夫?」


瞬間、腕を掴まれて抱きしめられた。


意味がわかんなかった。
 

⏰:06/05/31 07:42 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#184 [ゆり]
「ちょッ…どーした…」

次の瞬間にはキスされてた。

なんで男ってこういきなりするんだろう。

深くて
長くて
切なくて

あたしは唇を離した。

「苦し…」

静かな改札で
上がった息だけ響いてた。
 

⏰:06/05/31 07:45 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#185 [ゆり]
隼人は黙ったまま
俯いていた。


息が整ったと同時に
「寒くない?」
とあたしは聞いた。


大丈夫と言ったけど
風邪引きそうで心配で…

でも終電はもうなかった。
 

⏰:06/05/31 07:49 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#186 [我輩は匿名である]
>>140-185

⏰:06/05/31 10:36 📱:D902i 🆔:3Mn76otg


#187 [ゆり]
「どうしよう…」

呟く様に隼人が言った。

帰れない。

「シャワー浴びなきゃ風邪引くよ?」

この時二人に[タクシーで帰る]って答えはきっとなかった。

隼人が迷ってるのは分かった。

ホテルに連れ込む訳にもいかないって
思ってくれたんだろうな。
 

⏰:06/05/31 13:24 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#188 [ゆり]
だけどあたしはもう隼人の事が好きだって認めていたし

躊躇はなかったんだ。

だから隼人の言葉より早く
「いいよ」
と少し笑って言った。


隼人は少し混乱した顔をしながら
冷えた掌であたしの手を握った。
 

⏰:06/05/31 13:25 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#189 [ゆり]
「ゆりちゃんワックスもってる?」

「ケープしか持ってないよ」

「まじ?じゃあ俺サラサラヘアになっちゃうじゃん」

「見物だね(笑」

そんな会話をしながら
ホテルに入った。


さっきまで高橋さんに会ってたはずなのに

もう隼人だけでいっぱいだった。

誰も乗り越えさせてくれなかった
壁を

隼人は簡単に越えさせてくれたんだ。
 

⏰:06/05/31 13:26 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#190 [ゆり]
当時のあたしは
ラブホなんて数回しか行った事なかったから

なんか慣れた手つきで部屋選んで
エレベータ-に乗る隼人を見て

本気で妬いたの覚えてる。


あたしって自分から元カノの話聞いといて
本気でキレるタイプだから。笑

⏰:06/05/31 13:29 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#191 [ゆり]
部屋に入った。

それなりに気まずかったりする。

「早くシャワー浴びなよ」

あたしの言葉で
混乱した顔のまま
隼人はお風呂に入って行った。

あたしはソファーに座ってテレビのチャンネルを持った。

夜に慣れたあたしでも
やっぱり緊張していた。

⏰:06/05/31 13:32 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#192 [ゆり]
タイミング良くエロ番組(あれはPLAYBOYだった)が映る。

「うわッ外人すごッ」

あたしは苦笑いで見ていた。

外人って本当に「イエス!」とか「カモン!」って言うんだって
初めて知った。笑


飽きたあたしはまたチャンネルを変えて
普通の番組を見てた。

するとバスローブ着た隼人登場。

「バスローブだ!」

叫ぶあたし。

だって憧れだったんだもん。
お風呂上がりにバスローブ☆

⏰:06/05/31 13:33 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#193 [ゆり]
「えっあ、うん」

戸惑った隼人がなんか可愛かった。

焦った様に
「ゆりちゃんはシャワー浴びる?!」
って聞いてきた。

一瞬ドキッ。

だけどすぐに興味はバスローブへ…

⏰:06/05/31 13:37 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#194 [ゆり]
「女の子用のバスローブかな?!」だの
「似合うかな!?」だの
ぎゃーぎゃー言いながらあたしは洗面所の方へ行った。


シャワー室に入り
溜め息。

「はぁ〜〜…」

(なんか…展開早くないかな?…あたし軽く見られるかな?)

そんな事考えてた。
 

⏰:06/05/31 13:40 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#195 [しず☆]
文章つくるの上手ですね

⏰:06/05/31 15:58 📱:N900iS 🆔:9.uaI6gA


#196 [ひLI]
うンX02…
(pq・ω・o)゙ドキX02

⏰:06/05/31 18:38 📱:N901iC 🆔:epfGqGAg


#197 [ゆり]
しずサン☆ひいサン☆ありがとォ♪(;ω;)
今から書くので、良かったらまた読んで下さいネ☆

⏰:06/05/31 19:09 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#198 [ゆり]
「まァ〜いっか」

悩む事じゃない。

好きなんだから。
いいんだ。

ガチャッ

あたしは棚からバスローブを取った。

(うわッ意外に可愛い系じゃないッ?)

洗面所のやたらでかい鏡の前でくるくる回ってみるアホな自分。
 

⏰:06/05/31 19:13 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#199 [ゆり]
「あーッあたしスッピンじゃん!」

隼人に化粧ポーチを取って〜と頼むと

「スッピンでいーよ!笑」

と言われたので
まぁいっか〜と思い洗面所を出た。

隼人はなんかきょどってる。
お陰であたしの緊張は消えた。
 

⏰:06/05/31 19:17 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#200 [ゆり]
ソファに座る隼人の隣に少し距離を空けて座る。

「暑いなぁ〜」
あたしは女らしさも忘れ
頭にタオルを乗せたままチャンネルをいじる。

隼人は落ち着かない感じで
「何か飲む?」って
冷蔵庫の方へ行った。

これは彼なりのじらしなんだろうか…

あたしはまじでそんな事を思っていた。
 

⏰:06/05/31 19:26 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


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