〇ニ番目の四季〇
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#376 [ゆり]
席に着くとギャル子ちゃんグループが集まってくる。
「先輩、昨日はすいませんでした」
「あ〜いいよ〜
どーせ湿気で髪ペタんこだったし(笑」
今日は晴れてるから気分がいい。
自然にニコニコしてる自分。
「先輩って髪どーやってるんですかぁ?
まゆもそんな風にしたいです〜」
:06/06/04 21:53 :V703SH :Ecxpdyi.
#377 [ゆり]
「あーあたしはコテとカーラーを…」
いつの間にか巻き髪レッスンが開かれてた。
みんなとも仲良くなれて
満足にこのクラスでの授業を終わろうとしてた。
でも
帰りに教室を出ようとすると
呼び止められた。
:06/06/04 21:59 :V703SH :Ecxpdyi.
#378 [ゆり]
「淳ちゃん…どーしたの?」
「あの…ちょっと時間ありますか?」
「んん〜…」
隼人と帰る約束をしてる。
「今日はちょっと…」
断ろうとした瞬間、一気に罪悪感に襲われた。
「あッやっぱ大丈夫!ちょっと待ってね」
ピリリリッ
「はーい」
「あ、隼人?ごめんけど今日友達と用あるで
先帰ってて〜」
:06/06/04 22:06 :V703SH :Ecxpdyi.
#379 [我輩は匿名である]
:06/06/04 23:58 :N900iS :jupj/QHQ
#380 [ゆり]
「え〜!!…分かったよ〜」
「まじごめんね」
「帰ったらちゃんと連絡しろよ!」
「分かったぁ〜隼人も気をつけて帰ってね☆」
ピッ
携帯を閉じる。
「すいません…約束あったのに…」
淳ちゃんが俯く。
「全然大丈夫だよ☆
どこで話す?」
校舎を出るのも暑いので空いてる教室に入った。
:06/06/05 22:56 :V703SH :tPdHa1I.
#381 [ゆり]
いきなり二人きりで話すなんて
数日前から想像出来ない。
本当
些細なことで
人との繋がりって出来るものだ。
淳ちゃんは窓際の席に座った。
あたしはその隣の椅子に横向きに座った。
「先輩って…人生嫌になる事ってないですか?」
いきなりの質問に驚いた。
でも真剣な横顔だったから
真剣な質問なんだ
と思った。
:06/06/05 23:01 :V703SH :tPdHa1I.
#382 [ゆり]
「嫌になる事かぁ…
そりゃあるよ」
あたしはかなりの幸せ者だけど
全て嫌になる事もある。
家事も
恋愛も
学校も
将来も
全部捨ててしまいたくなる事もある。
でも全て捨てて自由になっても
あたしはきっとまた
その捨てたものを探し始めるんだろうって
思う。
:06/06/05 23:07 :V703SH :tPdHa1I.
#383 [ゆり]
淳ちゃんは下を向いたまま何も言わない。
あたしは聞いた。
「淳ちゃんは…人生が嫌になったの?」
「はい…」
右手で長袖の上から
左手首を強く握った。
瞬間になんとなく分かった。
この子リストカットをしてるんだ
って。
:06/06/05 23:11 :V703SH :tPdHa1I.
#384 [ゆり]
あたしにも経験がある。
お母さんが家を出てく前に
激しい夫婦喧嘩が
毎日毎日毎日繰り返されてた。
お皿は何枚も割れて
叫び声が響き渡ってた。
あたしは誰も憎めない
やり場のない気持ちを傷として残した。
死にたかった訳じゃないから
肩の辺りを切って
血を見て
落ち着いたりしてたんだ。
この事は誰も知らない。
:06/06/05 23:16 :V703SH :tPdHa1I.
#385 [ゆり]
どう聞いたらいいのか分からなかった。
でも何か訴えてるのは感じた。
「…痛い?」
普通に聞いてしまった。
淳ちゃんの横顔を見てたら
気付いてあげなきゃいけないって
気持ちになったから。
「…」
黙ったまま
小さく首を横に振った。
:06/06/05 23:20 :V703SH :tPdHa1I.
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