〇ニ番目の四季〇
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#46 [ゆり]
あごを上げられた瞬間唇が触れた。
「ん…ッ」
拒むほど引き寄せる力は強くなる。
舌が入ってきた。
深いキスは慣れてないのに
拒み切れないあたしは
きっともう手遅れで
完全に高橋さんを好きになってたんだ。
:06/05/28 15:37 :V703SH :a4CPZqco
#47 [ゆり]
唇が離れる。
「激しいね」
軽く笑って高橋さんが言った。
あたしを全部
見透かした様な仕種が
なんか悔しくて
苛立って
今度はあたしからキスをした。
:06/05/28 15:39 :V703SH :a4CPZqco
#48 [ゆり]
自分が自分じゃないみたい。
だけど指輪が見たくないの。
気持ちは伝えられないから
せめて
今だけ。
:06/05/28 15:40 :V703SH :a4CPZqco
#49 [ゆり]
今まで生きてきた中で
1番長いキスをして
どうやって戻ったのかわからないけど、
あたしは助手席に座っていた。
「彼女さんいるのにいけないんだ〜笑」
あたしはわざと茶化す様に言った。
子供だけど本気にしちゃいけない事くらいわかってる
だから大丈夫だよ。
:06/05/28 15:43 :V703SH :a4CPZqco
#50 [ゆり]
高橋さんはあたしを抱きしめて何も言わなかった。
こんな切なさ
何て言うんだろう。
時計が夜中の3時を回った時、
またいつもみたいに軽く笑って
「そろそろ行こっか」
と高橋さんはあたしを離した。
家の前に着くともう一度キスをしてきた。
「今日はありがとうございました」
笑顔でそう言ってあたしは車を降りた。
:06/05/28 15:45 :V703SH :a4CPZqco
#51 [ゆり]
車が見えなくなって
溜め息が出た。
「あたし何やってんだ
ろ…」
唇を噛み締めた。
家に帰ってシャワーを浴びた。
高橋さんの香りを
消したくない様な、
早く消したい様な、
複雑な気持ちで。
:06/05/28 15:47 :V703SH :a4CPZqco
#52 [ゆり]
髪を拭きながら部屋に戻ると
メールが届いていた。
受信:高橋さん
「家着いたよ、また近いうちに会いたいな」
数時間前に家から出た時とは全く違う感情。
あたしは溜め息と一緒に携帯を閉じた。
その日は寝れなかった。
:06/05/28 15:49 :V703SH :a4CPZqco
#53 [ゆり]
次の日マイとマックで話した。
「どうした?なんかあった?」
席に着くと同時に
マイは心配そうな顔で聞いた。
「うん…」
あたしは昨日の出来事を全部話した。
マイは驚いた後、冷静に言葉をくれた。
:06/05/28 15:53 :V703SH :a4CPZqco
#54 [ゆり]
「彼女いるのに好きになっちゃったんでしょ?
ゆりは何も悪くないよ」
悪くない訳ない。
彼女がいるってわかってて
夜中に二人で会って、
キスもした。
完全に浮気だ。
「あたし浮気相手かぁ…」
冷たいウーロン茶を喉に通す。
:06/05/28 15:55 :V703SH :a4CPZqco
#55 [ゆり]
「だからゆりは悪くないって。
好きになった人にたまたま彼女がいただけだし。
うちは好きでいていいと思うよ?」
「…あたし…好きでいていいのかな…」
「うん!!」
マイはあたしが無理矢理否定してた気持ちを
簡単に肯定してくれた。
気持ちが少し軽くなったのを感じた。
:06/05/28 15:57 :V703SH :a4CPZqco
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