俺がホストじゃなかったら
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#5 [ゆう]
「そこのおねーさん暇?」
寒い真冬の夜、駅前で俺は客引きをしていた
俺はキャッチが嫌いだった
この時だけは、ナンバー入ればこんなことしなくて済むのに、なんて考えた
「暇じゃないし」
俺が声をかけた女は鬱陶しそうに俺を避けて歩いた
:07/07/03 01:53
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:☆☆☆
#6 [ゆう]
俺は気にせず横を歩く
「つめてーなおねーさん。うわっ、手も冷たいよ?」
俺はその女の手を握ってみた
そこで初めて女は歩くのをやめて、俺の顔を見た
「ホストってほんとウザい。特にこの時間こんな所で客引きなんかやらされてるショボいホストが一番ウザい」
女はそう吐き捨てまた歩きだした
:07/07/03 01:57
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:☆☆☆
#7 [ゆう]
正直なんとも思わなかった
確かにこの時間こんな所で客引いてるホストなんて大抵はショボいし、知らないガキに手なんか握られたらウザいだろうし。
「そんなひどいこと言わないでさー意外とショボいホストも楽しいかもよっ」
俺はそう言うと持っていた手袋に自分の名刺を挟んで女に渡した
「女の人って手足冷やすとダメなんでしょ?じゃあ、気をつけてね」
軽く手を振ってすぐその場から離れた
女がこっちを見ているのが分かった
後にこの女が俺の太客になった
:07/07/03 02:04
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:☆☆☆
#8 [ゆう]
この女が近いうちに連絡入れてくるのも、店に来るのも、なんとなく18歳の新米ホストなりに予想はしていた。
それはその真夜中、当然のように俺の携帯が鳴った
ディスプレイには知らない番号
さっきの女以外考えられなかったけど、俺は少し冷たく
「誰?」と言った
「あ、今日駅で会ったんだけどわかるかな」
女は控えめに言った
「ん〜‥‥‥あ!手袋のおねーさんだ!」
俺は少し考えるフリをした後、愛想よく答えた
「手袋ありがとう。あの‥あなたのお店の場所知ってるし、手袋も返したいから‥今週お店行くね」
「あー手袋返さなくていいよ!おねーさんにあげる」
この会話は、俺の予想そのままだった
ただ予想外だったのは、
この女がありえないくらい金持ちだったこと。
:07/07/03 02:15
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:☆☆☆
#9 [ゆう]
「もらっていいの?でもやっぱり、お店には行こうかな‥ゆうくんって言うんだよね?」
「うん、ゆうだよー。いつか来てくれるの待ってるね!じゃあ、仕事中だから、またね。おやすみなさーい」
俺は手短に、でも愛想よく電話を切った
近くにいた先輩に、
「お前が本気出したらすぐ一人前のプレイヤーになれるのに」
って言われた
俺だってそんなこと分かってた
ただ今のこの、期待もされず見捨てられもしないポジションに居心地の良さを感じていた
だけど人は金で変わる
夜の世界で金を見ると、きっと上を目指す意欲が強くなる
その時の俺はまだ、そうなる前だった
:07/07/03 02:25
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:☆☆☆
#10 [ゆう]
その週の金曜日、手袋のおねーさんが店に来た。
そして俺を指名した。
ほどよく暗い店内で真横に座る¨手袋のおねーさん¨は、この前駅で見た時よりずっと綺麗に見えた
「おねーさん久しぶり

今日も手冷たいんだね笑」
俺はまた手を握ってみた
でも今日はウザそうな顔はしなかった。
「久しぶり

さてと、何頼めばいいのかな‥?」
:07/07/03 02:35
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:☆☆☆
#11 [ゆう]
「おねーさん、何も頼まなくていいよ。今日は初回だからね、3500円でハウスボトルとソフトドリンク飲み放題だよ

」
おねーさんは「え?ホストクラブってそんなんなの?気合い入れて来ちゃったじゃん笑」
そう言って初めて笑った
この人なんにも知らないんだなーと思った
お酒はあまり強くないって言ったから、ソフトドリンクを出した
また近いうち来るな、そう思った
:07/07/03 02:39
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:☆☆☆
#12 [ゆう]
その日は普通な会話をした。駅で会った時のこと、手袋のこと、おねーさんの友達がこの近くのホストクラブに通ってること。
おねーさんは「また来るね」と言って、基本料金3500円+TAX25%であろう金額でお会計を済ませ、俺の見送りで店を出た。
この仕事を初めてからこんなに早く固定の客ができると思ってなかったから、その日の接客はいつもより気合いを入れた
この日がある意味本当の初出勤って感じだった
:07/07/03 02:48
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:☆☆☆
#13 [ゆう]
それからおねーさんはよく店に来た。
飛び抜けて高くはないけど、全然安くもないボトルをちょくちょく入れてくれた
でもそれが、俺の価値をボトルに表されてるみたいで悔しくて、営業熱心にもなった
そっから調子が良くなったか運気が味方したか、俺を指名する人も増えて、いつの間にかヘルプは簡単に上がっていて、先輩が言う¨一人前のプレイヤー¨になりつつあった。
:07/07/03 03:22
:D902iS
:☆☆☆
#14 [ゆう]
しばらくして俺は店を変えた
未熟な新米ヘルプだった俺を誰も知らない店で働きたかった
前より店のレベルも少し上げた
もう、ここでもやっていける自信と顧客が俺にはあった
もとから女関係にまじめじゃなかった俺は、イロもマクラも平気で出来た
求めて来る客なら、おばさんとだって平気で寝た
俺は19歳になっていた
:07/07/03 03:51
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:☆☆☆
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