俺がホストじゃなかったら
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#31 [ゆう]
それでも俺はやっぱりエリコさんは抱かなかった
エリコさんは一度だけ「何であたしとはやらないの?」って聞いてきたことがあった
俺は「エリコさんは特別ってか大切だから」
そう言っておいた
エリコさんは、俺がマクラホストだってことに多分気づいてたから、この言葉の力は大きかった
俺はさりげなくエリコさんにイロをかけてた
エリコさんはそれ以来もっと店に来るようになった
悲しいけど、これが俺の仕事だった
:07/07/04 01:14 :D902iS :☆☆☆
#32 [ゆう]
「ごめん今日は行けない
仕事抜けれないんだ
」
今日月末の締め日だった
けどエリコさんは店には来れなかった
まぁいっか。
今月けっこー来てくれてたし
そういえばエリコさんの仕事って知らないや
そんなことを思いながら
「了解しました
お仕事がんばって
」
と適当にメールを返した
締め日に俺だけ暇なのはなんとなく嫌だから何人かに連絡を入れて店に呼んだ
だけど別にボトルを入れさせたりはせず、普通の客には最低チェックの
1万5000円で帰したりもした
俺のこういう、たまに仕事や売り上げに欲がない所も顧客には好かれていた
:07/07/04 01:37 :D902iS :☆☆☆
#33 [ゆう]
「来てあげたよーマクラホストゆうくん
」
声の主はレナだった
俺は、もう二度と会わない相手だと思ってたから驚いた
けど驚きや感動を隠すのも俺の癖だった
「なによーもっと嬉しそうな顔してよね」
レナは俺に構わず喋り続けた
「急に暇になっちゃったから来ちゃった。今日締め日でしょ?ちょっと貢献してあげる」
俺は「本命ホストん所行かなくて平気なの?」っていう言葉を飲み込んで「ありがとう、じゃあ奥の席座ろっか」
と言った
:07/07/04 01:44 :D902iS :☆☆☆
#34 [ゆい]
:07/07/04 01:50 :P702iD :☆☆☆
#35 [ゆう]
ゆいちゃんありがとう
めっちゃ嬉しい
:07/07/04 02:15 :D902iS :☆☆☆
#36 [ゆう]
「今日はね、お話聞いてほしくて来たの」
席につくなりレナが言った
「へー。なに?」
「ユウくん‥超興味なさそうじゃん笑」
「興味なくても話しぐらい聞けるよ笑」
興味ないフリの俺に、レナは話し出した
「あたしさー、ちょっと前まで駅ビルのブティックのshop店員だったの」
「うん」
「ずっと憧れてたんだー。服屋の店員さん。高校出て、やっとなれたの」
俺は適当に相槌を打つだけだった
:07/07/04 02:16 :D902iS :☆☆☆
#37 [ゆう]
「でもね、たまたま行ったホストにハマっちゃってさ。shopのお給料だけじゃ足らなくなっちゃった」
レナは笑い話みたいに話した
俺は笑わなかった
「それでね、そのホストくんに系列店のキャバ紹介されて働くことになっちゃってさー。今に至るわけ。バカみたいでしょ?」
本当にバカだと思った
:07/07/04 02:19 :D902iS :☆☆☆
#38 [ゆう]
「あたし実家住みでさーホスト通ってるせいで未だにスネかじってるよ笑」
俺は
「そのホストのこと好きなの?」
と聞いた
「んーわかんない。あたし別に太客じゃないしね。なんかもっとすごい人いっぱいいるし。ただ、あの人に投資するのが快感になってる」
俺は呆れた
でもそれ以上に心配になった
ホストに貢ぐ子の大抵は、キャバの収入だけじゃ足りなくてヘルスやソープに流れる子が多かった
少なくとも俺が知ってる奴らはそうだった
他の子なら関係ないけど、なぜかレナがそうなるのは嫌だった
:07/07/04 02:25 :D902iS :☆☆☆
#39 [ゆう]
「服屋、好きなんでしょ?まだ割り切れるなら、辞めて服屋戻った方がいいよ」
俺は真剣に意見していた
レナは少しびっくりしたような、嬉しそうな顔で
「ありがとう」
とだけ言った
ホスト通いを辞めるとは思えなかったし、第一俺が言える立場じゃなかった
:07/07/04 02:29 :D902iS :☆☆☆
#40 [ゆう]
それから季節は冬になった
俺もホストになって1年が経とうとしていた
エリコさんに出会った季節でもあった
相変わらずエリコさんは俺の太客だった
レナとも頻繁に連絡を取り合ったり、普段遊んだりもした
もとから女タラシだからか、知らない間にイロカノも増えた
マクラはあまりしなくなった
売り上げもまぁまぁ好調で店では結構いい位置にいた
エリコさんは去年の手袋をまだ大切そうに持っていた
:07/07/04 02:48 :D902iS :☆☆☆
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