俺がホストじゃなかったら
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#81 [ゆう]
まいこちゃんありがとう
:07/07/06 01:35 :D902iS :☆☆☆
#82 [ゆう]
俺は近寄ってきた代表に
「アフター行ってきます」
とだけ言って店を出た
代表は了解してくれた
ファミレスに向かうタクシーの中は無言だった
俺は、少しの間逃げていたことに今直面している
窓の外を見ながらそう思った
:07/07/06 01:36 :D902iS :☆☆☆
#83 [ゆう]
「エリコは今普通に事務で働いてる」
すこし人が少ないこの時間のファミレス、俺たちは奥の喫煙席に座った
先に口を開いたのは女だった
落ち着いた様子だった
「あたしも結構、ホストクラブには行くの。サイトの掲示板も見てる。あんたのことは知ってたし、エリコからも話しは聞いてた」
:07/07/06 01:43 :D902iS :☆☆☆
#84 [ゆう]
「エリコ、ずっと前はホストなんか大嫌いだった。あたしが行ってても、やめときなよって言う子だった。でもあんたに出会って変わった」
俺は黙って話しを聞いていた
「キャッチされたホストに手袋もらっちゃったって嬉しそうに言ってた。今でも持ってるよ」
うつむいてた視線を少し上げてみた
女は喋り続けた
「ホスラブとかで見てみたらさ、エリコが言ってるホストまだ18歳って言うじゃん。店にも行きだして。ほんと、止めれば良かった」
:07/07/06 01:52 :D902iS :☆☆☆
#85 [ゆう]
「それからだいぶ経って、ユウってホストを好きになったって報告された。あんたに高いボトル入れだした頃からヘルスで働きだしてた。あたしも最初は知らなかったんだけど‥掲示板見ててもさ、あんたはイロマクホストとかみんな言ってたしいいイメージなんてなかった」
俺は迷っていた
「それが俺の仕事だから関係ない」って最低な人間として終わらすか
「俺も後悔してる、直接謝りたい」と弁解するか
:07/07/06 02:01 :D902iS :☆☆☆
#86 [ゆう]
「とにかくあたしが許せないのは、エリコをソープで働かせたことと、そういう仕事してるからって汚く思ったのか知らないけど、知った途端もう店に来るななんてひどくない?エリコ傷ついたよ。今も」
「違う」
俺はおもわずハッキリとそう言ってしまった
「俺は確かにエリコさんをソープで働かせてしまいました。でもエリコさんがソープで働いてるって聞いた時も、汚いだなんて思わなかった」
「じゃあなんなの?」
「ただ‥俺のせいでソープで働いてるって知った以上、もう金は出させたくなかった。だから、店の外で会おうって。店には来ないでって」
「そう言ったの?」
「言ったけど‥どうとらえたかは分からない。ただ、軽蔑したからとかそんな理由じゃない」
「でもエリコさんには言わないでください」
俺はそう続けた
「なんで?」
女は顔をしかめた
:07/07/06 02:15 :D902iS :☆☆☆
#87 [ゆう]
「生半可に謝ったり優しくしたりしてまた店に来たら嫌なんで」
俺が、迷って出した答えはこれだった
本当は会って謝りたい
けどまた店に来るようになったらどうする?
俺のこと最低なホストだと思って、嫌いになって店に来なくなったんなら、それでいい
今のままがいい
そう思った
女も納得した
:07/07/06 08:14 :D902iS :☆☆☆
#88 [ゆう]
「あんたのこと最低でカスなホストだと思ってたけど‥そこまで最低ってわけじゃないみたいね」
別れ際女はそう言って、タクシーに乗り込んだ
もう夜は明けようとしていた
俺は店まで歩くことにした
:07/07/06 09:15 :D902iS :☆☆☆
#89 [ゆう]
「何しょんぼりしてんの、色恋枕営業ホストくん」
振り返ると、仕事帰りのレナが立っていた
「俺はそんな営業しませーん」
「よく言うわ笑」
「レナこんなとこで何してんの」
「歩きたい気分だったから送りパスしちゃったー」
レナは明るく笑った
「レナの家ここから歩きなんかめっちゃ遠いじゃん!笑」
やっぱバカな女だな
何かあったんだろうな、と俺は思った
「俺の部屋帰っとけば?」
俺はそれだけ言うとキーケースごとレナに手渡して店に戻った
レナも、俺の住む寮に向かって歩きだしていた
:07/07/06 11:42 :D902iS :☆☆☆
#90 [ゆう]
その日俺が部屋に戻ったのは朝9時だった
レナは俺のベッドで眠っていた
「うわぁ‥寝床とられた」
俺は仕方なく床で寝ることにした
それにさえ少し幸せを感じた
人を好きになるのは、ものすごく久しぶりのことだった
俺もいつの間にか眠った
:07/07/06 11:50 :D902iS :☆☆☆
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