俺がホストじゃなかったら
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#111 [ゆう]
俺はびっくりした
自分の客の中にこんな子がいるんだ‥
その驚きの反面、レナを悪く言われて無性に腹が立った
やっぱ俺と関わる奴みんな不幸になっちゃうな
そうも思った
:07/07/07 11:30 :D902iS :☆☆☆
#112 [ゆう]
「付き合ってないよ」
それだけ言うと俺はトウヤに携帯を返した
トウヤは
「ふーん、寝床にされてるだけか。ま、レナちゃんには気をつけな」
と言いスタッフルームに入っていった
レナの良さなんて、客やトウヤには分からない
俺だけが知ってる
そう思ったんだ
:07/07/09 15:24 :D902iS :☆☆☆
#113 [ゆう]
「寝床にしてるだけだよ」
それは真夜中だった
この日は店が休みの日だったから俺は家で寝てた
レナも出勤の日じゃなかった
俺はトウヤに言われた言葉がまた聞こえた気がして目を覚ました
声の主はレナだった
:07/07/09 15:34 :D902iS :☆☆☆
#114 [ゆう]
「あはは、うっそマジでー。ホスラブでもあたしボロカスだもんねー。ユウの家転がり込んでからまた一段と。こんな人気あったんだ、ユウって」
レナは少し声のトーンを抑えて誰かと電話していた
「まぁねー。男前だし結構優しいよー。でもやっぱいい人止まりなホストって感じー?あたしさ、足と飯はいたんだけど、家がなかったからさー。実家は嫌だったしマジ丁度良かったー」
俺は寝たふりをしていた
「あたしはセイヤ一筋なの!ユウみたいなさ、客がソープ嬢になって罪悪感感じてるようなお人好しに魅力は感じないかなーって。しかもキャラ作ってるしさー。人によって可愛い系で売ったりするけど、実際は超冷めてるよー。そういう所は腹黒くてあたし好みなのにねー。残念だよねー」
次の日俺はレナに
「寮にレナ住まわしてるのが店にバレたし俺も客を部屋に呼べないから、悪いけど実家帰って」
と言って合い鍵を返してもらった
俺の恋はここで終わった
:07/07/09 15:50 :D902iS :☆☆☆
#115 [ゆう]
俺はしばらくの間落ち込んだままだった
初めての失恋だった
ってか、物心ついた頃から今まで、誰かを好きになったことってなかった
付き合った人数は結構いたけど、ただそれだけだった
20歳にしてやっと、初恋と初失恋を経験した
今まで女を傷つけて来たそのツケがまわってきたのか?
そう思うくらい、俺のショックは大きかった
:07/07/09 16:01 :D902iS :☆☆☆
#116 [ゆう]
「ユウもレナに利用された男のひとり」
これで話しは片付いた
それからもちろん、レナと会うことはなかった
トウヤは俺を元気づけるために、俺をキャバクラに連れ回した
俺の傷は癒えぬまま、女癖がまた悪くなっていくだけだった
そんな時期にハルカに出会う
ハルカは最近よく店に来る、俺の客だった
:07/07/10 16:06 :D902iS :☆☆☆
#117 [ゆう]
ハルカは細客だったけど、無茶に飲ますようなこともしないし、ちょっとの間席を離れてヘルプに任せていても怒らない、いわゆる「休憩場所」だった
「お前の席が一番落ち着く」
そう言う度にハルカはニコニコ笑っていた
そんなに積極的じゃない、ホストと現実を割り切ってる子だと思ってた
だけどそれは突然だった
:07/07/10 16:13 :D902iS :☆☆☆
#118 [ゆう]
「付き合って?」
俺は耳を疑った
こんなことはよくあること
だけどそれを言ったのはハルカだった
「ごめんもう付き合ってると思ってた笑」
内心びっくりしながら俺はふざけて返した
ハルカからこんなこと言われるなんて思ってもみなかったから
:07/07/10 16:23 :D902iS :☆☆☆
#119 [ゆう]
本当か嘘か、色カノか本カノかも分からない所から俺たちの付き合いは始まった
だけどそれはすぐ分かることだった
付き合うことになった日のハルカの来店から一週間が経った
いつもなら2日に一回のペースで店に来ていたから、おかしいと思ってハルカに電話をかけた
:07/07/10 16:28 :D902iS :☆☆☆
#120 [ゆう]
「はい。ユウくん?」
ハルカは3コール目で出た
「ハルカ?最近会いに来てくれないじゃん。なんかあった?」
「‥だって彼女だから店に行くのはおかしいでしょ」
そう言われて俺はやっと気づいた
ハルカは本気だったんだ
俺は、軽はずみにOKしたことを後悔した
:07/07/10 16:35 :D902iS :☆☆☆
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