俺がホストじゃなかったら
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#136 [ゆう]
「‥誰?」
俺を『ナオキ』と呼んだのは、どっかのクラブのママみたいなオバサンだった
けどやっぱりすぐ分かってしまう
俺の母親だった
:07/07/14 13:22 :D902iS :☆☆☆
#137 [ゆう]
この女は、俺が中学生になると同時に家を出た
その前からあまり家にはいなかった
小学生だった俺には分からなかったけど、今なら分かる
この女はホストに狂っていた
息子と旦那を置いて、ホストを選んだ人だった
:07/07/14 13:30 :D902iS :☆☆☆
#138 [ゆう]
俺は煙草を買ってコンビニを出た
俺を『ナオキ』と呼んだオバサンもついてきた
「どう?息子がホストになって」
俺はオバサンに聞いた
「‥少し前から知ってたわ‥会いたいと思ってたの」
「ふーん。こんな所にいるってことは、まだホストクラブとか通っちゃってんだ」
「‥お母さんね、悪いことしたと思ってる。ごめんね」
俺はイライラした
なんか、生理的に無理だった
:07/07/14 13:37 :D902iS :☆☆☆
#139 [ゆう]
話すことなんかないと思った俺はオバサンを無視して歩きだした
オバサンは追いかけてくることはなかった
ただ後ろの方で
「お母さん今お金に困ってるの‥!」
そう言っていた
今更俺なんかには、こんな用事しかないらしい
少し悲しくなったけど振り向くこともせず、それからどこかで会うこともなかった
:07/07/14 13:40 :D902iS :☆☆☆
#140 [ゆう]
会いたくない人に会ってしまった俺は少し機嫌が悪かった
そんな夜、最も会いたくない女が店に来た
その女は俺を指名した
その女は一番奥のテーブルに座っていた
レナだった
:07/07/14 18:37 :D902iS :☆☆☆
#141 [ゆう]
「‥ひさしぶり」
レナは気まずそうに、ちょこんと座っていた
あぁ、やっぱり俺、この女好きだなぁ‥
そう思った
「すげー久しぶりじゃん!元気だった?」
俺は普通に接した
このテーブルにつく前にトウヤに
「レナちゃんはユウを裏切ったんだから‥もうあんま深入りすんなよ」
と釘を差してきた
それは俺も分かってた
でも、レナに会ってしまうとそんなことどうでもよくなってしまう
:07/07/14 20:21 :D902iS :☆☆☆
#142 [ゆう]
久しぶりに会うレナは少し変わっていた
雰囲気が柔らかくなって、落ち着いてた
「あたしね、キャバ辞めたの」
レナが突然切り出した
「そうなんだ‥何で?」
「貢がなきゃいけない相手もいなくなったし、やっぱshop店員好きだからさ」
「セイヤさんは?」
「あの人はもういいや」
俺は素直にうれしかった
:07/07/15 01:38 :D902iS :☆☆☆
#143 [ゆう]
「あの夜の電話、聞いてたんだよね?」
レナが気まずそうに切り出した
俺は、うん。とだけ言った
「あの電話の相手ね、ユウのお客さんだったの」
「え?」
「あたしと本気で付き合ってるって噂が流れててさ‥ユウのお客さんが、レナがいるならもう指名するの辞めようかな〜って言ってたから、気がないフリしたの」
:07/07/15 02:52 :D902iS :☆☆☆
#144 [ゆう]
俺はなにも言わなかった
レナは話しを続けた
「ほんとはあんなこと思ってなかったよ。ただ、ユウのお客さんをあたしのせいで減らすのが嫌だったから‥あたしがああやって、ユウに気がないようなこと言えば大丈夫かなって思ったの」
信じていいのか?
そんな疑問はすぐ消えた
好きな女を信じないで誰を信じる?もうレナの悪い噂とかもどうでもよかった。俺はレナを信じる
きっと女に騙される奴はみんなこう思うんだろうなと思った
:07/07/15 02:56 :D902iS :☆☆☆
#145 [ゆう]
「帰って来る?」
俺はレナに聞いた
レナは驚いた顔で
「いいの?」
って言った
「嫌ならいわねーよ笑」
俺はレナが大好きだった
何故かは分かんないけど、本当に大好きだった
:07/07/15 03:09 :D902iS :☆☆☆
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