俺がホストじゃなかったら
最新 最初 🆕
#176 [ゆう]
「なんでお店知ってたの?」

深夜のファミレス、席につくとレナはボソッと俺に聞いた

「なんで?じゃねーよ」

俺は完全にキレてた

それを押さえるのに必死だった

別に体を売る仕事に偏見はない

仕事だから

俺の客や友達にもヘルスの子は沢山いる

だけど俺と出会ってから体を売るようになるのはすごく悲しい

それがましてやレナだから‥

すごく悲しかった

⏰:07/07/29 09:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#177 [ゆう]
「いつから?」

俺は灰皿に煙草を押しつけながら聞いた

「夜に戻った時から‥」

あぁ、最近始めたんじゃないんだ‥

「なんで嘘ついたの?なんでセクキャバなん?」

「ごめん‥ナオキの店行きたかったし‥お金ほしかったから」

⏰:07/07/29 09:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#178 [ゆう]
俺のせい?

また俺は誰かを傷つけたの?

もう夜の仕事は嫌だ‥

そう思った

「もう店来ないでいいから‥店辞めて。普通のキャバにして」

それが俺に言える精一杯だった

それからレナは店を辞めた

ちょっとの間いい店を探して、クラブに入店した

⏰:07/07/29 09:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#179 [ゆう]
「辞めたいんですけど」
俺は閉店後、たまたま顔を出しに来たオーナーにそう言った

「なんで?ユウくん先月も先々月も売り上げと客動員数トップなのに」

「でも辞めたいですね」

「ユウくんに辞められたら困るよ。今さ、もう一つ系列店を出店する話しがあってさ、その店長をユウくんにやってもらいたいんだけど」

⏰:07/07/29 14:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#180 [ゆう]
正直嬉しい話しだった

だけど今は

「考えさせてください」

としか言えなかった


レナに体を売らせた俺

俺がホストじゃなかったら良かったのに

何度もそう思った

⏰:07/07/29 14:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#181 [ゆう]
だけどこの時の俺はまだ幸せだった

レナはどう思ってた?

これからあることなんか全く知らずに、俺はレナを愛してたよ

レナは、どう思ってた?

⏰:07/07/29 20:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#182 [ゆう]
それからレナとは普通に今まで通り過ごした

新しく出す系列店の店長を任されることを話すと自分のことのように喜んでくれた

レナも、今働いてるクラブは働きやすくていいと話してくれた

後輩を連れて2、3回飲みにも行った

全てが上手く行ってた

⏰:07/07/29 20:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#183 [ゆう]
それからレナは店には来なくなった

だけどイベントには必ず来て、シャンパンタワーをやりたがった

俺が「金は使うな」

と言うとレナは決まって

「ユウっていうナンバー1ホストの彼女がボトル一本とかだけなんて、あたしのプライドが許さない」

とか何とか言って聞かなかった

⏰:07/07/29 20:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#184 [ゆう]
それから月日が経った

相変わらず俺とレナの関係は順調だった

俺は真剣にレナとの結婚を考えていた

ホストを辞めても困らないように勉強もし始め、取れる資格は片っ端から取れるだけ取った

レナも料理を覚えだした

毎晩、ふたりの将来や結婚生活、子供は男がいいか女がいいか、なんて話しをするのが楽しかった

⏰:07/07/29 20:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#185 [ゆう]
毎日ゆっくりと時間が流れている気がした

だけどそんな幸せは長くは続かなかった


それは俺の22歳のバースデーイベントの日

たくさんの人が来てくれた

ひとつのテーブルに5分いれたらいい方だった

同業周りで他店からもナンバー入りのホストや知り合いのホストが顔を出してくれた

⏰:07/07/29 21:05 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194