俺がホストじゃなかったら
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#296 [ゆう]
「レナがセクキャバで働いてるって知った時に問いつめたら、そうやって言ってましたね。俺の店に行きたいからだって。だから俺、また思ったんです。俺がホストじゃなかったらレナはこんな思いしなくて済んだのにって。それで、店には来るなって言ってレナにはセクキャバ辞めてもらいました」

タツミさんは口を挟まず真剣に俺の話しを聞いてくれていた

⏰:07/08/17 13:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#297 [ゆう]
「そしたら次はレナ、風俗で働いてて。気づかなかった俺も悪いんですけど。レナ、セイヤに金払ってたんです。店にも通ってるみたいで。セクキャバもヘルスも全部、セイヤのスカウトでした。セイヤとはもう切れてると思ってたからめっちゃショックでした」

タツミさんはため息をついて

「なんでそんな女‥」

と言った

⏰:07/08/17 13:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#298 [ゆう]
「俺、レナに依存してたんだと思います。まともな恋愛とかしたことなくて、本気で好きになったのも、レナが初めてでした」

タツミさんは笑って

「お前は相変わらずどうしようもねー男だな」

って言った

⏰:07/08/17 13:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#299 [ゆう]
「まぁさすがの俺もキレて、真剣別れも考えました。だけど、子供ができたんです」

タツミさんは驚いたように顔を上げた

「俺昔から子供大好きで。なんか、怒ってるのも忘れるぐらい嬉しくて。3度目の正直みたいに、許して、結婚するって決めました」

⏰:07/08/17 13:56 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#300 [ゆう]
「それから毎日考えるのは子供のことばっかりでした。俺、嬉しくて、おもちゃとか服とか家具も揃えちゃって。名前の本も買いました」

タツミさんは、俺が小学校を卒業してから両親が家を出てったことも知っていたから、この話しの時の表情は穏やかだった

「俺すげー楽しみで、絶対いい親になるって決めました。だけど、子供、産まれないんです」

⏰:07/08/17 14:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#301 [ゆう]
タツミさんの表情が変わる

「なんで産まれないの?」

タツミさんの問いに俺は静かにこう言った

「堕ろしちゃってたみたいなんです。それ俺知らなくて。バカみたいですよね、産まれるもんだと思って浮かれてて。部屋まで用意して、子供待ってて。早く産まれないかなーとか勝手に思ってて、実際喜んでたのは俺だけ‥‥‥」

そう言った時俺は、自分が泣いてることに気づいた

⏰:07/08/17 14:05 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#302 [ゆう]
「ほんと、俺、バカっすよ。勝手に信じて勝手に傷ついて、それでもまだ好きって。おかしいってわかってるのに‥好きって気持ちが強すぎて、あー、何言いたいかまとまんねー、意味わかんないっすよね」

俺はちょっと笑った

タツミさんはバスタオルを俺の顔に投げて

「いつまでも鼻水垂らしてんなクソボウズ!」

と言って笑ってくれた

⏰:07/08/17 14:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#303 [ゆう]
「もうそんな女別れろ‥って俺が言っても意味ないから、とりあえず気持ちに整理つくまで俺ん所にいろ。お前が帰る頃には元気にさせてやるよ」

タツミさんはそう言ってくれた

「ありがとうございます‥」

俺はタツミさんの優しさを改めて実感した

この日からしばらく俺はタツミさんの家に居座った

⏰:07/08/17 23:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#304 [ゆう]
その夜タツミさんは店が休みだったから俺を焼き肉屋に連れてってくれた

「俺ら、昔よくここ来たよな。お前まだ15歳か16歳のガキんちょだったのに、いつの間にか22歳だろ。すごいよな」

タツミさんは懐かしそうな目で俺を見てビールを飲んだ

⏰:07/08/19 11:48 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#305 [ゆう]
「お前が夜の仕事続くとは思わなかったよ」

「俺も思わなかったっすよ」

俺は笑いながら網の上の肉をひっくり返した

「なのに今なんかもうナンバー入りだろ?お前オーラねぇよ笑」

タツミさんは俺が確保していた肉を3枚まとめて食べた

⏰:07/08/19 11:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


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