俺がホストじゃなかったら
最新 最初 🆕
#61 [ゆう]
俺はエリコさんにお礼のメールをした

「今日は来てくれてありがとうハタチの誕生日、エリコさんに祝ってもらって嬉しかったよでももう、お店には来ないでね。良かったら、店の外で会いたい。連絡してくれればいつでも行くから

俺は普通を装って送った

もうエリコさんにお金を出させたくなかった

エリコさんのお金が、どこから出ているのか知ってしまったから

⏰:07/07/04 09:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#62 [ゆう]
すぅなちゃんありがとうこれからもよろしくね

⏰:07/07/04 09:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#63 [ゆう]
エリコさんとはもう、それっきりだった

俺の知らないうちに、店まで未収を払いに来たと幹部に聞いた


200万


俺はこの仕事が怖くなった

しばらくの間は、太客逃がして残念だなとも言われた

後でレナから聞いた話し、ホスラブには

「ユウのホンカノはソープ嬢」とか「ユウは太客にソープさせてる」とかいう噂が書き込まれていたらしい

俺は知らず知らずエリコさんの心と体を傷つけた

ピルを飲んで客と生でヤって‥

エリコさんはその仕事をどんな気持ちでやったのかな

⏰:07/07/04 09:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#64 [ゆう]
それからまた月日が経った

俺は仕事を続けていた

その頃俺の一番の太客は女社長だった

俺の営業の仕方は少し変わり始めていた

そしてがむしゃらにナンバー入りを目指すようになった

この時の俺に、エリコさんが投資していた価値はなかった

心の冷めた人間になっていた

この時エリコさんと出会っていたら、エリコさんはきっとソープ嬢になってまで俺に貢がなかっただろう

そう考えると、今の俺の方がいいとさえ思った

俺が魅力をなくせば、本当に傷つく人は減る

頭のどこかでそう考えた

⏰:07/07/04 15:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#65 [ゆう]
変わっていく俺をレナは何も言わずに見ていた

ただ、たまに真面目な話しをする時は

「エリコさんのことはもう気にしちゃだめだよ。夜の仕事ではよくあることだしさ」

と言った

俺はレナに

「本命ホストにハマるのはいいけど、頼むからそいつのためだけに風俗に流れるのはやめて」

何度も言った

レナはそのたびに

「わかってる」

と言っていた

⏰:07/07/04 16:29 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#66 [唯]
更新頑張れ〜


まいんち
読んでるぜ

⏰:07/07/04 16:57 📱:P702iD 🆔:☆☆☆


#67 []
読んどるよっ
続き気になリます
頑張って〜

⏰:07/07/04 21:09 📱:SH902i 🆔:☆☆☆


#68 [我輩は匿名である]
感想やめてくれへん?

⏰:07/07/04 21:31 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#69 [ゆう]
唯ちゃんちゃんありがとう

感想スレ立てちゃいましたよかったらそっちもよろしく

⏰:07/07/05 01:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#70 [ゆう]
俺の太客の女社長はホストに狂ってる人間だった

飲み屋街ほとんどのホストクラブにボトルをキープしているような女だった

気に入ったホストには惜しみなく金を使う女だった

特に気に入ったホストは家に連れ込んで寝るような女だった

俺もそんなホストの一人だった

ごくたまに、女社長のマンションで違うクラブのプレイヤーにはち合わせることもあった

⏰:07/07/05 01:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#71 [ゆう]
この女から金を絞り取ることに罪悪感は感じなかった


ある日俺は女社長に呼ばれマンションへ来ていた

慣れた手つきで908号室のドアをあける

すると別のホストが玄関にいた

「あ、ごめん今帰るから」

そう言うとそのホストは靴をはいてさっさと外へ出た

俺はただそいつを見ていた

どっかで見た顔‥

どっかの店の売れっ子だろうな

としか思わなかった

その日はいつも通り女社長を抱いて、俺の店へ行った

⏰:07/07/05 01:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#72 [ゆう]
この日の夜はアフターも女社長だった

もう正直うんざりだった

俺たちはバーにいた

すると向こうの方からレナが歩いて来るのが見えた

俺の気分はなぜか上がった

けどすぐに、話しかけようとした自分にストップをかけた






レナが一緒にいた相手は、今日俺が女社長のマンションの玄関で会ったホストだった

⏰:07/07/05 01:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#73 [ゆう]
俺は言い表せない気持ちになった

なんとなく、だけどすごく嫌な気持ちになった


俺と寝た女社長

女社長と寝たあのホスト

レナが貢いでるホスト




そんなことばかりが頭を回った

俺は平然を装っていた
女社長は俺の様子に気づいた

「あの子はいいプレイヤーだわ」

⏰:07/07/05 09:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#74 [ゆう]
「売り上げのためならどんな手段だって使う子よ」

女社長は、レナが貢いでるホスト「セイヤ」のことを俺に話した


セイヤは元スカウトマン。

つまり、女の子にキャバや風俗の仕事を紹介して、店から報酬を受ける。今でもその仕事を副職にしているらしい。

「あの子にうまく騙されてキャバクラや風俗に流れる子は沢山いるわ。今一緒にいる子も確かそうね。金のためなら女を利用する‥あたしはあの子のそういう残酷な所が好きよ。」

俺は微笑んで女社長の話しを聞いていた

本心は、今すぐにでもセイヤって奴を殴りたかった

⏰:07/07/05 09:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#75 [ゆう]
この時からかな

俺の中でレナは特別な存在だと気付き始めたのは

けど別に何をするわけでもなかった

普通にお互いの店に行ったり普段遊んだりもした



だけど嫌なことは続くものだった


それは系列店に引き抜かれて手伝いに行った時のこと

⏰:07/07/05 12:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#76 [ゆう]
「ユウくん助かるよー」

愛想のいい笑顔で俺に喋りかけて来たのはこの店の代表。

「使えないと思った人間はすぐ切っちゃうから、今日のイベントまでに間に合わなくて。でも1週間前から店のHPにユウくん達が来るって告知はしといたから、今日は楽しみにしてるよ」

そういうと代表はまた、他店からヘルプに来た別のホストに喋りかけていた


この店はまだオープンしたばかりの、俺が働いてるクラブの系列店。

この仕事を最低3時までには切り上げて、閉店までには自分のクラブへ戻るつもりだった

⏰:07/07/05 19:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#77 [ゆう]
この日は主にフリーや新規のテーブルにつくことになった

何席かまわった所で


「ユウ?ユウって○○のユウ?」

そう言ったのは、27歳くらいのOL風の女


その女は俺のクラブと名前を知っていた

「そうです、ゆうっていいます」

俺はニコッと答えた


「‥あたし、エリコの友達」



さすがの俺もその時の笑顔はきっとひきつっていた

⏰:07/07/05 20:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#78 [ゆう]
「そうなんですか、エリコさん、元気ですか?」

俺は冷静に女に尋ねた


「‥はぁ?元気だとでも思う?」

明らかに女は俺を嫌っていた

だって俺は、この女の友達をソープ嬢にまでさせてしまったホスト

いい人、なんて要素ひとつもない


薄れかけていた痛みみたいな感覚が蘇る

⏰:07/07/05 20:49 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#79 [ゆう]
「ふざけないでよ。エリコはあんたのせいで仕事もやめて、風俗で働いたのよ」

「今は‥エリコさん、何のお仕事されてるんですか?」

「あんたに関係あんの?もしエリコがまだ風俗してたら、また金づるにでもする気?」

「そういうつもりじゃなくてただ、最近連絡とれないから気になって」

「はぁ!?マジでふざけんな!あんたがもう店に来るなって言ってエリコを切り捨てたくせに!」

女は大声を上げた

奥にいる代表と目が合う


「店出て。ファミレスかどっかで話そう」

女は静かにそういうと、先に店を出た

⏰:07/07/05 20:56 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#80 [§まいこ§]
がんばれぇ

超ぉもろ

⏰:07/07/05 22:59 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#81 [ゆう]
まいこちゃんありがとう

⏰:07/07/06 01:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#82 [ゆう]
俺は近寄ってきた代表に

「アフター行ってきます」

とだけ言って店を出た
代表は了解してくれた


ファミレスに向かうタクシーの中は無言だった

俺は、少しの間逃げていたことに今直面している


窓の外を見ながらそう思った

⏰:07/07/06 01:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#83 [ゆう]
「エリコは今普通に事務で働いてる」

すこし人が少ないこの時間のファミレス、俺たちは奥の喫煙席に座った

先に口を開いたのは女だった

落ち着いた様子だった


「あたしも結構、ホストクラブには行くの。サイトの掲示板も見てる。あんたのことは知ってたし、エリコからも話しは聞いてた」

⏰:07/07/06 01:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#84 [ゆう]
「エリコ、ずっと前はホストなんか大嫌いだった。あたしが行ってても、やめときなよって言う子だった。でもあんたに出会って変わった」

俺は黙って話しを聞いていた

「キャッチされたホストに手袋もらっちゃったって嬉しそうに言ってた。今でも持ってるよ」

うつむいてた視線を少し上げてみた
女は喋り続けた

「ホスラブとかで見てみたらさ、エリコが言ってるホストまだ18歳って言うじゃん。店にも行きだして。ほんと、止めれば良かった」

⏰:07/07/06 01:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#85 [ゆう]
「それからだいぶ経って、ユウってホストを好きになったって報告された。あんたに高いボトル入れだした頃からヘルスで働きだしてた。あたしも最初は知らなかったんだけど‥掲示板見ててもさ、あんたはイロマクホストとかみんな言ってたしいいイメージなんてなかった」

俺は迷っていた

「それが俺の仕事だから関係ない」って最低な人間として終わらすか

「俺も後悔してる、直接謝りたい」と弁解するか

⏰:07/07/06 02:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#86 [ゆう]
「とにかくあたしが許せないのは、エリコをソープで働かせたことと、そういう仕事してるからって汚く思ったのか知らないけど、知った途端もう店に来るななんてひどくない?エリコ傷ついたよ。今も」


「違う」

俺はおもわずハッキリとそう言ってしまった

「俺は確かにエリコさんをソープで働かせてしまいました。でもエリコさんがソープで働いてるって聞いた時も、汚いだなんて思わなかった」

「じゃあなんなの?」

「ただ‥俺のせいでソープで働いてるって知った以上、もう金は出させたくなかった。だから、店の外で会おうって。店には来ないでって」

「そう言ったの?」

「言ったけど‥どうとらえたかは分からない。ただ、軽蔑したからとかそんな理由じゃない」

「でもエリコさんには言わないでください」

俺はそう続けた


「なんで?」

女は顔をしかめた

⏰:07/07/06 02:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#87 [ゆう]
「生半可に謝ったり優しくしたりしてまた店に来たら嫌なんで」

俺が、迷って出した答えはこれだった

本当は会って謝りたい

けどまた店に来るようになったらどうする?

俺のこと最低なホストだと思って、嫌いになって店に来なくなったんなら、それでいい

今のままがいい

そう思った

女も納得した

⏰:07/07/06 08:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#88 [ゆう]
「あんたのこと最低でカスなホストだと思ってたけど‥そこまで最低ってわけじゃないみたいね」

別れ際女はそう言って、タクシーに乗り込んだ

もう夜は明けようとしていた

俺は店まで歩くことにした

⏰:07/07/06 09:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#89 [ゆう]
「何しょんぼりしてんの、色恋枕営業ホストくん」

振り返ると、仕事帰りのレナが立っていた

「俺はそんな営業しませーん」

「よく言うわ笑」

「レナこんなとこで何してんの」

「歩きたい気分だったから送りパスしちゃったー」

レナは明るく笑った

「レナの家ここから歩きなんかめっちゃ遠いじゃん!笑」

やっぱバカな女だな
何かあったんだろうな、と俺は思った

「俺の部屋帰っとけば?」

俺はそれだけ言うとキーケースごとレナに手渡して店に戻った

レナも、俺の住む寮に向かって歩きだしていた

⏰:07/07/06 11:42 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#90 [ゆう]
その日俺が部屋に戻ったのは朝9時だった

レナは俺のベッドで眠っていた

「うわぁ‥寝床とられた」

俺は仕方なく床で寝ることにした

それにさえ少し幸せを感じた

人を好きになるのは、ものすごく久しぶりのことだった


俺もいつの間にか眠った

⏰:07/07/06 11:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194