俺がホストじゃなかったら
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#71 [ゆう]
この女から金を絞り取ることに罪悪感は感じなかった
ある日俺は女社長に呼ばれマンションへ来ていた
慣れた手つきで908号室のドアをあける
すると別のホストが玄関にいた
「あ、ごめん今帰るから」
そう言うとそのホストは靴をはいてさっさと外へ出た
俺はただそいつを見ていた
どっかで見た顔‥
どっかの店の売れっ子だろうな
としか思わなかった
その日はいつも通り女社長を抱いて、俺の店へ行った
:07/07/05 01:22 :D902iS :☆☆☆
#72 [ゆう]
この日の夜はアフターも女社長だった
もう正直うんざりだった
俺たちはバーにいた
すると向こうの方からレナが歩いて来るのが見えた
俺の気分はなぜか上がった
けどすぐに、話しかけようとした自分にストップをかけた
レナが一緒にいた相手は、今日俺が女社長のマンションの玄関で会ったホストだった
:07/07/05 01:28 :D902iS :☆☆☆
#73 [ゆう]
俺は言い表せない気持ちになった
なんとなく、だけどすごく嫌な気持ちになった
俺と寝た女社長
女社長と寝たあのホスト
レナが貢いでるホスト
そんなことばかりが頭を回った
俺は平然を装っていた
女社長は俺の様子に気づいた
「あの子はいいプレイヤーだわ」
:07/07/05 09:32 :D902iS :☆☆☆
#74 [ゆう]
「売り上げのためならどんな手段だって使う子よ」
女社長は、レナが貢いでるホスト「セイヤ」のことを俺に話した
セイヤは元スカウトマン。
つまり、女の子にキャバや風俗の仕事を紹介して、店から報酬を受ける。今でもその仕事を副職にしているらしい。
「あの子にうまく騙されてキャバクラや風俗に流れる子は沢山いるわ。今一緒にいる子も確かそうね。金のためなら女を利用する‥あたしはあの子のそういう残酷な所が好きよ。」
俺は微笑んで女社長の話しを聞いていた
本心は、今すぐにでもセイヤって奴を殴りたかった
:07/07/05 09:44 :D902iS :☆☆☆
#75 [ゆう]
この時からかな
俺の中でレナは特別な存在だと気付き始めたのは
けど別に何をするわけでもなかった
普通にお互いの店に行ったり普段遊んだりもした
だけど嫌なことは続くものだった
それは系列店に引き抜かれて手伝いに行った時のこと
:07/07/05 12:06 :D902iS :☆☆☆
#76 [ゆう]
「ユウくん助かるよー」
愛想のいい笑顔で俺に喋りかけて来たのはこの店の代表。
「使えないと思った人間はすぐ切っちゃうから、今日のイベントまでに間に合わなくて。でも1週間前から店のHPにユウくん達が来るって告知はしといたから、今日は楽しみにしてるよ」
そういうと代表はまた、他店からヘルプに来た別のホストに喋りかけていた
この店はまだオープンしたばかりの、俺が働いてるクラブの系列店。
この仕事を最低3時までには切り上げて、閉店までには自分のクラブへ戻るつもりだった
:07/07/05 19:59 :D902iS :☆☆☆
#77 [ゆう]
この日は主にフリーや新規のテーブルにつくことになった
何席かまわった所で
「ユウ?ユウって○○のユウ?」
そう言ったのは、27歳くらいのOL風の女
その女は俺のクラブと名前を知っていた
「そうです、ゆうっていいます」
俺はニコッと答えた
「‥あたし、エリコの友達」
さすがの俺もその時の笑顔はきっとひきつっていた
:07/07/05 20:43 :D902iS :☆☆☆
#78 [ゆう]
「そうなんですか、エリコさん、元気ですか?」
俺は冷静に女に尋ねた
「‥はぁ?元気だとでも思う?」
明らかに女は俺を嫌っていた
だって俺は、この女の友達をソープ嬢にまでさせてしまったホスト
いい人、なんて要素ひとつもない
薄れかけていた痛みみたいな感覚が蘇る
:07/07/05 20:49 :D902iS :☆☆☆
#79 [ゆう]
「ふざけないでよ。エリコはあんたのせいで仕事もやめて、風俗で働いたのよ」
「今は‥エリコさん、何のお仕事されてるんですか?」
「あんたに関係あんの?もしエリコがまだ風俗してたら、また金づるにでもする気?」
「そういうつもりじゃなくてただ、最近連絡とれないから気になって」
「はぁ!?マジでふざけんな!あんたがもう店に来るなって言ってエリコを切り捨てたくせに!」
女は大声を上げた
奥にいる代表と目が合う
「店出て。ファミレスかどっかで話そう」
女は静かにそういうと、先に店を出た
:07/07/05 20:56 :D902iS :☆☆☆
#80 [§まいこ§]
:07/07/05 22:59 :P904i :☆☆☆
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