キャバ嬢、のちヘル嬢。
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#51 [よしか]
「そんな話知らん!!
女の飲み物もタダだと思ってたから呑ませたんだ!!
ぼったくりじゃねーか!!」
男の大声にザワザワとしだす店内。
黙って下を向いてままでいた別の男は
自分が呑んでいた
ビールグラスを
手に持ち、おもいきり
床に叩き付けた。
‐ガシャーンッッ!!!!‐
:07/12/10 23:06
:W47T
:TrCln/Mc
#52 [よしか]
フロントでボーイが、
あたふたし始めるが
ママはそんなのお構いなし状態。
そして
上半分がなくなり
トゲの様に先がとがった
グラスを手に
男は
自分の隣りにいた女の子の首に向けて
突き付けた。
「おい!オカマ!
女どもが呑んだ分を引け!
ぼったくり!
この女刺すぞ」
:07/12/10 23:07
:W47T
:TrCln/Mc
#53 [よしか]
その中にいたあたしは
"早く終わって!
ママもここまでされてるんだし
折れてよ…
てかボーイ!
店長呼べよ!"
と、男と目が合わない様に
ママをじっと見ていた。
とがったグラスを
突き付けられている
女の子は
目をつむり震えている。
当然だ…
小心者のあたしなら
鼻水を垂らしながら
泣いているだろう…
:07/12/10 23:07
:W47T
:TrCln/Mc
#54 [よしか]
誰もが
時が止まったかの様に
動きも喋りもせず
数分がたった時‐
店長がやっと来た。
「お客様、申し訳ありません。
今日のお会計は
もうよろしいので
お店の外で
数分お話よろしいでしょうか?」
何故かわからないが
7人全員が
そそくさと帰って行った…
きっと
こわもての店長と
あのオーラを
感じたのか。
:07/12/10 23:07
:W47T
:TrCln/Mc
#55 [よしか]
男達が帰った後、
緊張の糸がほどけ
席についていた女の子は
泣いていた。
その中で
一応先輩にあたるあたしは
「もう大丈夫だよ」
なんて平然を装い
頭を撫でた。
一段落つき
あたしは、ビルの階段に座り込み
電話をかけた。
そう。龍二に。
:07/12/10 23:17
:W47T
:TrCln/Mc
#56 [よしか]
『さっきこんな事があってね』
って愚痴りたい。
最初はそんな軽い気持ちで電話したのに…
「はい、もしもし」
久しぶりに聞く
龍二の声。
「もしもし?今大丈夫?」
「どないしたん?
今店が暇になったでええよ〜」
なんて喋りながら、
一通り話した。
龍二から
思わぬ言葉が‐
:07/12/10 23:17
:W47T
:TrCln/Mc
#57 [よしか]
「お前何ですぐ俺に電話せんのや!!
お前ケガないんか?!本当にないんか?!
俺が探し出して
そいつら刺したるわ!!!」
お店で初めて会った時の
笑顔や話し方、声までもが
別人みたいだ。
「でも、もう店長が来て話片付いたし、
みんなケガないから
大丈夫だよ〜」
と言いながらも…
あたしは泣いていた。
:07/12/10 23:17
:W47T
:TrCln/Mc
#58 [よしか]
さっきの出来事が
フラッシュバックされて怖かった気持ちと
龍二の男らしさに
涙が出ていた。
泣いていると、
余計に龍二を
心配させてしまった。
「お前もう仕事あがれ!
俺も仕事切り上げるから、
お前の店の近くのファミマにいろ!
今から行くからな!」
そう言われて電話を切った。
この時すでに
あたしの気持ちは
『ただのお客』
から
『特別な人』
になっていたのかもしれない。
:07/12/10 23:17
:W47T
:TrCln/Mc
#59 [よしか]
適当な理由をつけて
仕事をあがらせてもらい、
ファミマに向かって走った。
龍二はまだ来ておらず、
端っこにしゃがみ込んだ。
"早く会いたい…
早く来て…"
一人で龍二の言葉を
思い出していると、
「よしか?」
声の方に顔を向ける。
「大丈夫か?」
といって強く抱き締められた。
:07/12/10 23:18
:W47T
:TrCln/Mc
#60 [よしか]
「さっきは刺すだとか
余計お前を怖がらせる事言ってごめんな。
俺ホンマ心配やねん。
お前に何かあったら…
って考えたらな…
今日みたいな事があったら、
すぐ俺に電話しろよ?
いつでもかけて来いよ。
絶対お前を守ったるで…」
そんな言葉生まれて初めて言われたよ…
「うん…わかった…
ありがとう…」
何でこの人は
こんなあたしに
そんな言葉を言ってくれるの?
人目も気にせず
あたしが泣きやむまで
ずっと抱き締めてくれた。
:07/12/11 00:00
:W47T
:IHSh5.Z6
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