・・・・幸せになれよ・・・・
最新 最初 🆕
#1 [柊]
「ごめん」


今はただそれだけ伝えたい

⏰:08/02/13 23:39 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#2 [柊]
俺の名前は
早瀬 柊(はやせ しゅう)


中学時代から多少落ちこぼだった俺は高校入学と同時に落ちこぼれ街道まっしぐら。

学校は毎日言ってたけど、勉強なんかしなかった。

友達と女と会うのが楽しくて毎日騒いでた。

⏰:08/02/13 23:43 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#3 [我輩は匿名である]
…………………………………伝えたい………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

⏰:08/02/13 23:58 📱:W42S 🆔:☆☆☆


#4 [我輩は匿名である]
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

⏰:08/02/13 23:58 📱:W42S 🆔:☆☆☆


#5 [我輩は匿名である]
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

⏰:08/02/13 23:59 📱:W42S 🆔:☆☆☆


#6 [我輩は匿名である]
俺の名前は………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

⏰:08/02/13 23:59 📱:W42S 🆔:☆☆☆


#7 [柊]
高校の入学式で仲良くなった篤(あつし)とは入学して以来毎日つるんでた。

毎日学校が終わると、そのまま篤と街に繰り出して女ナンパしてた。

⏰:08/02/14 08:45 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#8 [柊]
ナンパした女はだいたいお持ち帰り。


そんなこと毎日続けてたら、いつのまにか地元での俺らは有名人になっていた。

「〇〇高校の柊と篤は気を付けろ」

「ヤ リ チ ン」

「遊び人」

そんな風に言われるのはもう慣れていた。

⏰:08/02/14 08:49 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#9 [さやか]
気になります

⏰:08/02/14 10:59 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#10 [柊]
彼女が出来ても長くは続かんかった。

俺は飽きっぽい性格だったし、遊び人だったから浮気もしたし。

⏰:08/02/14 12:59 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#11 [柊]
だけど軽い男にはやっぱり軽い女が寄ってくるって感じで女に困ったこともなかった。

とにかく毎日が楽しかった。

毎日好きなことしてバカやって大騒ぎして笑って、セックスしたくなったら女ナンパして。



だけど…この時はまだ俺は自分の体に起きている異変に気付いていなかった。

⏰:08/02/14 13:03 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#12 [我輩は匿名である]
頭悪そうですね^^

⏰:08/02/14 13:06 📱:W42S 🆔:☆☆☆


#13 [柊]
月日は流れ高3になった。
相変わらず俺と篤は毎日つるんでた。

今日も篤と2人で夜のナンパに出かけた。


「てか3年間で俺ら何人に声かけたよ?」

篤が笑いながら言った。
「確実に3ケタ(笑)」

俺は答えた。

⏰:08/02/14 13:11 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#14 [柊]
「もうこの辺の女全員声掛けちゃったんじゃね?」
そんな話をしながら歩いていると目の前のコンビニから女が2人出てきた。
篤もそれに気付いたらしく

「あの2人よさげ?行く?」

と言った。

⏰:08/02/14 13:15 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#15 [柊]
篤と2人で2人の女の前に先回りした。

「ねぇ〜」

篤が話し掛ける

2人の女は立ち止まった。

「カラオケいこ♪」

俺が言う。

1人は化粧濃いめのギャル系、もう1人はキレイめのお嬢系。

⏰:08/02/14 13:20 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#16 [柊]
「てか〇〇高の篤と柊!?」
ギャル系が篤を見て驚いたように言った。

「俺らの事知ってんの〜?俺ってば有名人じゃん♪」
篤がふざけて笑った。

「カッコイイって有名だよぉ!てか本物初めて見たんだけど!てか篤めちゃタイプ♪」
ギャル系は篤に向かっていろいろ話掛けた。

「…ちょっと加奈っ!」

⏰:08/02/14 13:26 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#17 [柊]
突然のお嬢系の大きい声にその場の空気が一瞬止まった。

「加奈っ!早く行くよ!」

お嬢系はギャル系を引っ張って歩きだそうとした。
「ちょっとぉ〜!美紅(みく)ぅ〜篤達とカラオケ行こうよぉ!」

「何言ってんの!?ナンパされるとか軽い女に見られてるって事だよ!?こんなの無視して行くよ!」

⏰:08/02/14 13:31 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#18 [柊]
どうやらギャル系が加奈、お嬢系は美紅という名前らしい。

「い―じゃん♪みんなでカラオケ行きや♪」

俺がそう言って美紅の肩に手を掛けた。

「ちょっと!触んないでよ!ナンパ男とかウザイから!」

大人しそうな顔に似合わず美紅は俺を振り払った。

⏰:08/02/14 13:36 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#19 [柊]
俺は正直そんな美紅の態度に“なんだコイツ…めんどい女”って思った。

ナンパしてこういう女って今までいなかった。みんな声かければソッコーついてきたから。厄介なのに声掛けちゃったなって思った。

俺がそんな事を考えているうちに篤と加奈は意気投合してめちゃくちゃ盛り上がっていた。

美紅はそんな加奈に諦めたのか、黙っていた。

⏰:08/02/14 13:43 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#20 [柊]
すると篤が俺のトコにやってきて耳打ちした。

「加奈めっちゃタイプなんだけど!」

「は〜?」

まぁ確かに加奈は篤のタイプだ。元気なギャル系。

「あっちのめんどくさいのは柊に任す♪だからこれから4人で遊びや♪」

「はっ!?」

⏰:08/02/14 13:49 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#21 [柊]
篤はそう言ってまた加奈の方を向くと加奈と話し始めた。

なんで俺がこのめんどくさい女を…

俺はとりあえず美紅に話しかけた。

「なんか…篤があの子気に入ったらしいんだよね」

美紅は俺を見るとすぐ目を反らして

「加奈もたぶんあの人相当気に入ってる」

と言った。

⏰:08/02/14 13:54 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#22 [柊]
「あの2人これからカラオケ行く気みたいだけど?お前は?帰んの?」

「加奈置いて帰れないし!ιしかもナンパ男2人となんて絶対置いて帰れない!」

「…じゃカラオケ行く?」

俺は美紅の顔色を伺いながら聞いた。

「…わかったι行く〜…ι」


こうして俺と篤と加奈と美紅の4人でカラオケに行くことになった。

⏰:08/02/14 13:58 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#23 [柊]
カラオケが始まってからは篤と加奈がめちゃくちゃ盛り上がってて、2人で歌いまくり踊りまくり。

美紅はそんなノリに疲れたのか部屋を出ていった。
俺は篤と加奈のこの盛り上がりの中1人でいるのもいやだったから、美紅の後を追って部屋を出た。

⏰:08/02/14 14:59 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#24 [柊]
部屋を出て廊下を見渡す。

美紅はカラオケ内の廊下に置いてある俺に背を向けてソファーに座っていた。

「あのテンションついていけねぇな」

俺はそう言いながら美紅の座っているソファーに、美紅と少し距離を置いて座った。

美紅はコクンと頷いた。

「…お前さ〜…」

「“お前”じゃない!美紅」

…ι
コイツいちいちうるせぇなι

⏰:08/02/14 15:23 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#25 [柊]
「あ〜…美紅さぁ、いつもあんな感じでナンパ断ってんの?」

「当たり前じゃん!てゆ―か加奈だっていつもはついていかないんだからね!?今日はあの篤って人だったから…加奈前からあの人に会いたがってたし…」

「…ふ―ん」

…こりゃ篤のやつ加奈とうまくいくんじゃね?


「…アンタさぁ」

「アンタじゃねぇし〜“柊”ですがぁ〜」

今度は俺が美紅にさっきのお返しにイヤミたっぷりに言ってやった。

⏰:08/02/14 15:49 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#26 [柊]
「〜〜っ…あんたホントうざいッッ!!」

「ウザイのお前じゃん!お前もさっき同じ事俺に言ったし(笑)」

「だ〜か〜ら〜!!“美紅”!!お前って言うなぁ!」

さっきまでツンツンして生意気だったくせに、俺がこんなくだらない事でからかっただけで本気で怒る美紅が面白くてなんだかかわいく見えた。

⏰:08/02/14 16:24 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#27 [柊]
そんなんのやりとりをしてるうちに美紅も俺に心を開いてくれたらしく、いろいろ話してくれた。

美紅は俺とタメの高3

俺達の高校の近くの女子高に通っていた。

加奈とは同じクラスで中学からの親友らしい。

他にもいろんな話をした。

「柊ってオモシロイね!」

美紅が笑うたびにサラサラのストレートの髪が優しく揺れた。

⏰:08/02/14 17:14 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#28 [柊]
「柊さぁ、いい加減ナンパとかやめなよね?柊と篤君うちの学校でも有名だよ?」

「かっこいいって〜?笑」

俺はふざけて答えた。

「それもあるけど…遊び人て!いっぱいセフレいるとか、ヤリ捨てされるとか!いい噂聞かないし…」

「んなコトいってもねぇ…遊びたい年頃なんだよね〜」

「そんな馬鹿なコト言ってると絶対いつか後悔するからね!」

美紅がそう言う真剣な目は、なんだかすごく俺の胸に刺さった。

⏰:08/02/14 18:38 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#29 [柊]
しばらくして俺と美紅は篤たちがいる元の部屋にもどった。


俺達が部屋を出てから2時間近くたってたのにまだ2人は盛り上がってた。


それから結局朝までカラオケして、加奈と美紅と別れた。




「俺マジで加奈狙うわ!」

篤と2人になった帰り道、突然篤が言った。

⏰:08/02/14 21:18 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#30 [柊]
「あ〜マジで?うまくいきそうだしいいんじゃね?」
俺は答えた。

「メアドとケー番ばっちり聞いたし♪てかお前は?あのめんどくさい女〜」

「あぁ〜…うん、まぁ…」
俺はなんとなく言葉につまった。

⏰:08/02/14 22:27 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#31 [柊]
「おまえ等2人そろって途中で抜けたもんな〜怪しすぎだろ〜」

篤は完璧オモシロがってる。

「なんもねぇし〜アドすら聞いてないし」


「は!?柊がそんなんてめずらしくね!?出会った女の連絡先は必ずいつも聞くじゃん!」


篤の言うとおり。

俺はナンパした女とは必ずアド交換してきた。

だけど美紅とはしなかった。

⏰:08/02/14 23:21 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#32 [柊]
「それともあんなめんどい女の連絡先なんか聞く必要ないってか?笑」


…そうだ。
篤の言う通りだ…



あんなめんどい女もう会いたくもねぇし…



生意気でウゼぇし…







…違う

⏰:08/02/14 23:45 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#33 [愛]
更新楽しみにしてます

⏰:08/02/15 01:36 📱:F703i 🆔:☆☆☆


#34 [柊]
続き書きます。
携帯今日修理出してるので代用携帯で書きます。

⏰:08/02/15 19:35 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#35 [柊]
美紅には誤解されたくなかったんだ。


あの場でアド聞いたら、軽く思われるんじゃないかって…


もうすでに十分軽く見られてるのは分かってるけど、簡単に連絡先聞いて今までナンパしてきた女と同じに見てるって思われるのがなんだか嫌だった。


美紅はなんか…俺の中で、今までの女とは違う存在になっていた。

⏰:08/02/15 23:34 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#36 [柊]
それから一週間が経った。

篤は加奈とメールが続いているようだった。

そのせいもあって2年以上も続けていたナンパにも篤は全く行かなくなった。

篤は加奈に本気みたいだった。


俺もナンパはあの日以来しなくなった。篤がしなくなったからってのもあったけど、なんとなくする気にもならなくて俺の中では美紅の存在がいつまでも忘れられなかった。



しばらくしてまた4人で遊ぶことになった。

⏰:08/02/16 14:51 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#37 [柊]
加奈と篤のリクエストでまたカラオケ。

加奈と美紅は学校帰りに来たらしく制服だった。そのせいかわかんねぇけど前に会った時と美紅がなんかまた違ってかわいく見えた。

「柊、久しぶり」

美紅は俺を見るとニコッと笑った。

⏰:08/02/16 15:16 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#38 [柊]
カラオケの途中タバコがなくなった俺は近くのコンビニにタバコを買いに出掛けた。

「柊!」

コンビニに向かって歩いていると後ろから加奈が走ってきた。


「加奈?どした?」

「あたしも一緒に行くよ!」

「買うもんあるなら買ってきてやるけど」

「いいの〜!外の空気吸いたかったから!あの部屋タバコ臭くて〜」

「タバコ臭くて悪かったな〜笑」

⏰:08/02/16 16:02 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#39 [柊]
加奈と買い物を済ませてコンビニの帰り道、加奈が言った。


「実は今日遊ぼうって言い出したの美紅なの。美紅がまた柊に会いたいって言ったんだよね」

正直びっくりした…

美紅は俺になんか興味も持ってないだろうって思ってたから。


「あたしびっくりしたし!美紅ってそういう事今まで言ったことなかったから」





カラオケに戻ってからは加奈にそれを聞いたせいか美紅をすげぇ意識してしまった。

⏰:08/02/16 16:23 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#40 [柊]
そして俺は美紅を好きになって
いる事に気付いた。

カラオケのあとの帰り道、美紅と隣同士になった。

「楽しかったね〜」

美紅が言う。

「篤と加奈のテンション相変わらずついていけないけどな」

「たしかにぃ〜笑」

今日はこれで解散する。
また連絡先が聞けずに別れたくなかった。
今日こそ聞きたかった

⏰:08/02/16 16:36 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#41 [柊]
俺がそんな事を考えていたその時…

「番号聞いてもいい?」

美紅が言った。


そして美紅とアドと番号を交換した。


たぶん俺こん時相当笑顔だったと思う(笑)

⏰:08/02/16 16:40 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#42 [柊]
それから1ヶ月俺は毎日美紅とメールをした。

時々4人で遊んだり、そのうち二人で会うようにもなった。


俺は美紅の事マジで好きになっていった。


そして出会ってから2ヶ月後俺は美紅に告った。

⏰:08/02/16 22:04 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#43 [柊]
「俺と付き合お、美紅」

俺がそう言って抱き締めると美紅は何も言わずにただ優しく笑ってウンと頷いた。





美紅の事心の底から大事にしようと思った。

⏰:08/02/16 22:15 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#44 [柊]
俺は今まで女と抱き合うことで心を満たしていたつもりだった。

だけど


抱き合わなくても


肌と肌が触れ合わなくっても



美紅とは一緒にいるだけで心が満たされた。

⏰:08/02/16 22:17 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#45 [柊]
そして俺達が付き合った一週間後に篤と加奈も付き合うことになった。


学校が終われば毎日篤の家に4人で集まった。


付き合って分かった事は美紅はすっげぇ甘えるって事。二人きりになると「柊〜…」ってくっついてきてめちゃめちゃかわいい。


付き合ってすぐのバレンタインは美紅がクッキーを焼いてくれた。

「変になっちゃったぁ(泣)」

と美紅は言いながら俺に渡した。
クッキーはちょっと硬くて、見た目悪くて、でもそこがかわいかった。

⏰:08/02/16 22:47 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#46 [柊]
素直じゃない俺は「へたくそぉ〜」なんて言ったけどホントはすげぇ旨かったし嬉しかった。

次の日篤に「美紅からクッキーもらった♪」ってノロけたら、篤がそれを加奈に言ったらしく加奈から美紅に「柊が美紅にクッキーもらったってノロけたらしい」って伝わって、恥ずかしかったっけ。


あ、バレンタインの前にクリスマスがあった。

クリスマスは付き合ってすぐだった。


朝から二人で出かけてお揃いのネックレス買った。


美紅はゴールド、俺はシルバー。


美紅の首につけてやった。

美紅の細くて綺麗な白い首にゴールドがよく似合ってた。

⏰:08/02/16 22:55 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#47 [柊]
美紅も俺につけようとしてくれたけど、身長差ありすぎて美紅はなかなかつけられなかったよな(笑)

「柊おっきい〜座れェ〜」


なんて美紅が言ったから、俺は

「ち―び♪」

なんて言って美紅のオデコでこぴんした。



その日の昼は美紅が行きたがってたパスタ屋行った。

デザートに美紅がパフェ頼んだら予想以上にでかくて二人で笑った。

⏰:08/02/16 23:02 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#48 [柊]
それを一生懸命食べる美紅がかわいくて俺はずっと見てた。


「一口ちょ―だい」

って俺が言ったら、

「全部食べたいからだめ〜」

とか言って。

なのに結局全部食べられなくて、
「あげるぅ」

とか言ってパフェ差し出してきてさ(笑)

⏰:08/02/16 23:16 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#49 [柊]
学校が休みの日曜日はだいたい俺んちでのんびりした。

俺がEXILE好きでよく流してて、その影響で美紅もEXILE好きんなったって言ったな。

俺は美紅のサラサラの長い髪をいじるのが好きだった。

鏡の前に美紅を座らせて、いろんな髪型にして二人でよく遊んだ。
変なのにして俺が大爆笑すると

「もぉ―」

って美紅が怒ったっけ。

⏰:08/02/16 23:30 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#50 [柊]
俺んちの帰りはいつも駅まで美紅をチャリで送った。

駅までの長い下り坂、美紅はいつも怖がって「ゆっくりこいで〜!」って言うんだ。

でも俺はわざとスピード出して美紅を怖がらせた(笑)

そうすると美紅が俺にギュッてしがみつくんだ。


美紅が電車に乗って、電車が見えなくなるまで見送った。

⏰:08/02/16 23:35 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#51 [柊]
美紅と二人で篤の家にいた時はイチャイチャくっついてたら、篤に「帰れ〜」って追い出された(笑)
でもなんか篤の家は居心地よくて、美紅と二人でよく遊びにいったな。









なぁ美紅


俺はホントに美紅が大好きだったんだ

⏰:08/02/17 01:51 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#52 [柊]
美紅とずっと一緒にいたかった



美紅と結婚して


美紅に似たかわいい赤ちゃんを抱きたかった。



じいちゃんばあちゃんになったら手繋いでのんびり散歩して



死ぬまで一緒にいたかった。

⏰:08/02/17 01:55 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#53 [柊]




高3の2月

美紅と付き合って3ヶ月が経った。


俺はある日放課後担任からの呼び出しをくらった。


「お前何したの(笑)」

篤が面白がって近付いてきた。

⏰:08/02/17 02:03 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#54 [柊]
「心当たりありすぎでわかんね(笑)」


「俺今日加奈んち行くから先帰るな〜」


「あいよ、加奈によろしく」


篤は俺にヒラヒラと手を振って帰っていった。


そして俺は職員室に向かった。

⏰:08/02/17 09:08 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#55 [柊]
「早瀬〜」

職員室に行くと担任が俺を呼んだ。


担任に渡されたのは先月にやった血液検査の結果用紙だった。


俺の結果に異常があったらしく再度病院で検査してこいとの事だった。






この時俺は「めんどくせぇ」ぐらいにしか思っていなかった。

自分の身体に何が起きているのかも知らないまま…

⏰:08/02/17 22:44 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#56 [柊]
日曜日、俺は母さんと一緒に病院に行った。


今日病院が終わったら美紅と会う。

もう2月、来週から学校もほとんど休みになる。だから美紅と一緒に自動車学校に通う事にした。今日そのための書類を車学にもらいに行く。

俺は、免許とったら美紅とどこに行こうかなんて考えながら、診察の順番を待った。

⏰:08/02/18 00:07 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#57 [柊]
「早瀬さん、お入り下さい」




看護婦が俺の名前を呼ぶ。
俺は母さんと二人で医者の前に座った。


「…早瀬柊さんですね?落ち着いて聞いてください…」





…?





…なんだ?

⏰:08/02/18 00:11 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#58 []
続き気になります
更新頑張って下さい!!

⏰:08/02/18 00:13 📱:F902iS 🆔:☆☆☆


#59 [ノ]
頑張って★

⏰:08/02/18 21:03 📱:W42K 🆔:☆☆☆


#60 [柊]
「…柊さんはHIVに感染しています…」




…HI…V?










…エ…イズ…?

⏰:08/02/18 22:10 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#61 [柊]
エイズ(AIDS)…HIVが血液や精液を介して感染して引き起こされる。性行為または血液製剤による感染者が多い。極めて死亡率が高く現在根本的な治療がない。








俺はエイズに感染していた…

⏰:08/02/18 22:14 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#62 [柊]
俺はナンパでいろんな女とセックスした…


不特定多数との性行為によって、俺はいつのまにかエイズに感染していた…




「…エ…イズ…?」


俺はそれ以上頭が回らなくなりただただ呆然とした。

⏰:08/02/18 22:18 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#63 [柊]
「しかし…柊さんはウイルスに感染してはいますが、発症はしていない状態にあります」



それから医者の長い説明が始まった。



母さんは泣いていた。

⏰:08/02/18 22:44 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#64 [柊]
俺はもう死ぬんだ…



そう思った。



だけど…医者の説明を聞いているうちに、すこしの望みが見えてきた。

⏰:08/02/18 22:49 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#65 [柊]
俺は確かにHIVに感染していた。



でもまだ発症はしていなかった。


いつ発症するかは分からない。



でももしかしたらこのまま死ぬまで発症しないかもしれない。

⏰:08/02/18 22:52 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#66 [柊]
もし発症しなければ、今までと変わらない生活がこれからも続けられる…







そして医者から、これからの生活上の注意点を聞いた。

性行為は行わないこと。
自分の血の後始末の仕方。
そのほか細かい注意点をいくつも聞いた。

⏰:08/02/18 23:00 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#67 [柊]
病院のあと家に帰った。




自分の部屋に行きベッドに倒れこんだ。





何も考えられなかった。




考えたくなかった。

⏰:08/02/18 23:13 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#68 [柊]
〜〜♪


その時、携帯が鳴った。


携帯を見ると美紅から電話だった。


そういえば…美紅とでかける約束してたんだっけ…


俺は携帯に表示された名前をぼ―っと見つめた。

⏰:08/02/18 23:20 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#69 [柊]
…美紅には



もう…



会えない…




俺は美紅の傍にいちゃだめなんだ…

⏰:08/02/18 23:23 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#70 [柊]
俺は美紅を幸せにしてやれない…


これから自分の事で精一杯になる俺が、美紅を守ってやることなんてもう出来ない…



結婚をしたとしたって、子どもなんて望めない…

子どもが大好きな美紅を母親にしてやることもできない…


それに…俺はいつ死ぬかだって分からない…


俺には明日がくる保証はないんだから…

⏰:08/02/18 23:39 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#71 [柊]
美紅の無邪気な笑顔が浮かんだ…


美紅に会いたい…



美紅とずっと一緒にいたい…


今のこの現実は今まで俺がしてきた事に対する罰なのか…

やっと人を好きになれたのに

大事にしたい女を見つけたのに…

“いつか絶対後悔するよ”

初めて美紅と会った日美紅に言われた言葉が頭をよぎった…

⏰:08/02/19 00:07 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#72 [柊]
お前の言う通りだな…


俺馬鹿みたいだ…




携帯を開いて“美紅”の名前を表示する。



震える指で通話ボタンを押した。



「もしもし?柊?」


数回の呼び出しのあと美紅が出た。

⏰:08/02/19 00:15 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#73 [柊]
美紅の声…
なんだかいつも以上に愛しく感じる。

「柊〜!用事終わった?あたし車学行く準備バッチリだよ♪」


「…美紅…」


「なぁに!?」



美紅を失いたくない…



美紅と離れたくない…



ホントはこんな事言いたくないんだ…


「…俺ら別れよ」

⏰:08/02/19 19:58 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#74 [柊]
「…ぇ…」


一瞬美紅が止まったのが分かる。そしてしばらくして美紅がポツリと言った。


「…なんで…そんな事言うの…?」


美紅…きっとすげぇ辛そうな顔してる…


「…もうお前の事好きじゃないから」


俺の精一杯のウソ…

⏰:08/02/19 20:04 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#75 [柊]
「…やだ…やだぁ…!」



声で美紅が泣いたのが分かった。


それから美紅は泣きながらずっと「別れたくない」って言い続けた。



俺は

「もう好きじゃない」


「別れたい」


「きらい」


なんて嘘の言葉を並べた。

⏰:08/02/19 20:10 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#76 [柊]
胸が苦しかった。


美紅を泣かせてるのは自分なんだと思ったら、俺まで涙が出てきた。


電話して2時間が経った。



美紅はもう俺に何を言ってもダメだと諦めたのか、静かにこう言った。

「…わかった…もう柊の気持ちが変わらないならいい…」

⏰:08/02/19 20:13 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#77 [柊]
静かに美紅から電話が切られた。

その瞬間一気に涙が溢れてきた。


俺はこんなに美紅が好きだったんだ。



美紅を失ったという現実が俺を追い詰めていく。




なんで俺なんだ。



なんで俺が感染してしまったんだ。

⏰:08/02/20 21:46 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#78 [柊]
美紅を失った虚しさが、よりいっそう自分を責めた。


美紅というたった一人の人間を失っただけなのに、俺は生きていく力を全て失ったような気がした。

病気になったことよりも


美紅を失った事がただただショックだった…

⏰:08/02/20 21:55 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#79 [柊]
次の日、俺は一人で車学へ書類を出しに行った。



「あれ?柊!」


名前を呼ばれて振り向くと篤がいた。

「…篤」


「お前も今日書類出しに来たんか?」

「…おぅ」

「てか…加奈から聞いたけど…美紅の事振ったんだって?どうしたんだよ。ケンカでもした?」

⏰:08/02/20 22:21 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#80 [柊]
きっと昨日美紅が加奈に電話でもしたんだろうな…


「ケンカとかじゃねぇよ。美紅の事もう冷めたから」

俺はまた嘘をつく。


「冷めたぁ!?あんな仲良かったじゃん」



…やべぇ…泣きそ…



「まぁ美紅の話はもういいじゃん!終わった事だし!てか俺書類出してくるわ!じゃな!」


俺は精一杯の笑顔を作ってその場を後にした。

⏰:08/02/20 22:40 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#81 []
続き気になる
頑張って書いて〜

⏰:08/02/20 22:56 📱:SO903iTV 🆔:☆☆☆


#82 [柊]
書類を出して帰ろうとすると、出入口の方から見覚えのある声が聞こえた。



加奈と…美紅…

きっと二人も書類を出しに来たんだろう…

篤もいて三人で話している。



俺はどうしたらいいんだ…


今まで通り話せばいいのか…

もう知らない人のように避ければいいんだろうか…

⏰:08/02/20 23:23 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#83 [柊]
そんな事を考えていたら加奈に見つかった。

「柊!」

加奈に呼ばれた。


美紅も俺を見る。

思わず美紅から目を反らしてしまった。

加奈も俺に言いたいことがいろいろあっただろうけど、気を使ってくれたのか俺と美紅の事には触れなかった。

⏰:08/02/20 23:26 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#84 [柊]
「柊も書類?」
加奈が話しかけてきた。
「おぅ。お前らも?」

「うん!」




ふと美紅と目が合った。

「…おはよ」

美紅はニコッと笑うと俺に向かって言った。

いつもの美紅だ。

…でもどことなく暗い気もした。

「…おはよ」

俺も挨拶を返す。

⏰:08/02/20 23:29 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#85 [柊]
「…加奈、書類出しに行こ?」

そして美紅は俺を避けるように行ってしまった。


そんな美紅の後ろ姿を見つめながら、“もう俺達は元には戻れないんだ”そんな風に思い知らされたような気がした。










そして1ヶ月後…

⏰:08/02/21 00:16 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#86 [柊]
俺は無事高校を卒業した。


4月からは美容の専門学校へ通う。


篤は地元の工場に就職、加奈は居酒屋でバイト、


そして美紅は、保育の短大に行くというのを加奈づたいに聞いた。美紅は子どもが好きだから、幼稚園の先生になりたいって付き合ってた頃よく言っていた。


4月になりそれぞれ新しい生活も始まれば、俺も少しずつ美紅を忘れられると思った。

⏰:08/02/21 01:52 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#87 [柊]
高校卒業してからも篤とはずっとつるんでた。


篤と加奈は相変わらず付き合ってたから加奈にもたまに会ったりしてた。


でも美紅とは会わなかった。




専門学校は楽しかった。自分がやりたい興味ある事だったから勉強も楽しかった。友達も出来たし、毎日充実してた。

だけどなんか足りなかった。

ふとした時に美紅を思い出した。
学校や街でロングヘアの女を見ると、違うって分かってるのに目で追ってしまう。

⏰:08/02/21 11:44 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#88 [柊]
そんな日々が続き、5月のGWがやってきた。


GW一日目、俺は朝から病院へ定期検査へ行った。

2月に感染が分かってから俺は毎月一回検査をするように医者から言われている。

今のところ発症はせずに落ち着いている。でも風邪を引いて抵抗力が落ちると発症する可能性もあるらしく、体調管理には気を付けていた。

一日朝晩の体温測定で平熱より一度でも高いとすぐに病院に行って検査をしたりの毎日だった。

⏰:08/02/21 16:43 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#89 [柊]
そんなこともあり毎日ストレスの溜まる生活が続いた。

病院での検査が終わると、丁度篤から電話がかかってきた。

「もしもし柊クン〜?今日の夜ヒマ〜?♪」

コイツは常にテンションが高い…(笑)

「夜?ヒマだけど」

「じゃあ和也んちで飲も―ぜ♪」
和也は高校の時俺や篤と同じクラスだった奴で、よくつるんでた仲間の一人。

⏰:08/02/21 16:52 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#90 [柊]
「和也?久々じゃん!東京から帰ってきてんの?」

和也は東京の専門学校へ行っている。

「昨日帰ってきたっぽい!」

「まじかぁ〜じゃあ久しぶりに騒ごうぜ〜篤今日仕事?」

「そだよん♪今昼休み♪今日仕事6時までだから終わったら迎え行くわ!」

「はいよ〜」

和也に会うのは卒業式ぶりだ。久々に会えんのが嬉しかったし俺は飲みをおっけーした。

⏰:08/02/21 17:11 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#91 [柊]
夕方、篤からの連絡を待ちながら出かける準備をした。


あ、やべ…コレ忘れるとこだった。

俺は美紅とお揃いのあのネックレスをつけた。


美紅と別れても俺は毎日それを身につけていた。

女みたいで女々しいかもしれんけど、コレをつけてるとなんだか別れても美紅と繋がっていられるような気がして嬉しかった。

美紅はきっと付けてないだろうけど…もう捨てられたかもしんねぇな…

⏰:08/02/21 18:03 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#92 [柊]
篤の迎えが来て、二人で和也んちに向かった。


「あ、コンビニ寄ってい?タバコ切れたわ」

途中篤はそう言ってコンビニに寄った。

俺は車の中で篤を待った。

すると隣に車が一台止まった。

「え、柊じゃん!」

突然名前を呼ばれて隣を見ると、加奈がたっていた。隣に止まったのは加奈の車だった。
俺が窓を開けると、加奈が近づいてきた。

⏰:08/02/21 18:27 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#93 [柊]
「なんか篤の車に似てるなぁって思ったんだよね!超偶然!柊何気に久々じゃない?てか何してんの?篤はぁ?」

あいかわらず篤と同じでテンションが高い加奈が一気に話しかけてきた(笑)

「おぅ!加奈!」

その時丁度タバコを買った篤がコンビニから出てきた。

「篤〜!何してんの?今日飲みとか言ってなかった?」

「柊と今から行くとこ♪」

俺は二人の会話を聞きながら、ふと加奈の車を見た。

⏰:08/02/21 18:32 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#94 [柊]
…美紅がいた。


助手席に美紅が座ってた。




…会ったのは久しぶりだ…3ヶ月近く会ってなかった。美紅と話したい…声が聞きたかった…



俺は車を降りて美紅の座っている助手席の窓をコンコンと軽く叩いた。

⏰:08/02/21 18:36 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#95 [柊]
美紅は俺に気付くと窓を開けてくれた。俺はその瞬間ハッとしてネックレスを服の中に隠した。美紅に見られたらどう思われるか分かんねぇから…

俺は自分で行ったくせに、なんか気まずくなった。

でも美紅は俺の予想とは反対に明るかった。

「柊〜!久々だね!こんなとこで会うなんてびっくり!」

昔の明るい美紅のままでなんだか懐かしく感じた。

「久しぶり。元気してた?」

前よりまた少し明るなった髪が白いワンピによく似合っていた。たった数ヵ月会わなかっただけなのに美紅は一気に大人っぽくなったような気がした。

⏰:08/02/21 19:12 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#96 [柊]
「加奈とどっか行くのか?」

「うん、これからゴハン食べに!柊は?」

「友達んちで飲む」

「そうなんだぁ」


そしてしばらくの沈黙…


「柊…美容の学校行ってるんでしょ?髪の毛いじるの好きだったもんね。なんか柊が美容師とか似合ってる」

美紅はそう言って俺の好きなあの優しい笑顔で笑った。

⏰:08/02/21 20:19 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#97 [柊]
「お前は〇〇短大だろ?前から行きたいって言ってたよな」

「うん。でも結構勉強タイヘン〜」

そんな風に美紅と話していると、篤と加奈が来た。

「柊そろそろ行こ〜」
「美紅〜うちらも行こ〜」

ホントは美紅とまだずっと話していたかった。

だけどそういうわけにはいかない…

「…じゃあな」

「あ…柊…っ」

その場を離れようとすると美紅に呼び止められた。

⏰:08/02/21 21:55 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#98 [柊]
「なに?」

「あ…あのねっ」

真っ直ぐ見つめられて美紅から目がそらせなかった。

「…なんだよ」

「…柊…っ…あたし…」

美紅が俺の袖をきつく握り締めた。


とその時…

「美紅早く〜行こぉ〜」

加奈の声で俺も美紅もハッとした。

⏰:08/02/21 22:35 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#99 [柊]
「ゴメン…なんでもない。じゃあね、バイバイ」

そう言うと美紅は窓を閉めてしまった。


加奈の車が出発するのを見送って俺も篤の車に乗った。

「美紅と何話してたん?」
篤が聞いてきた。
「別に…久しぶりだなって」

「ふ〜ん。てかお前まだ美紅の事好きだろ」

「は?別に好きじゃねぇよ」

「俺ナメんなよ?3年以上もお前の友達やってんだぞ。見てれば分かるし」

⏰:08/02/21 23:11 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#100 [柊]
「何言ってんだよ。もう好きじゃねぇって」

「…まぁお前がいいならいいけど。何があったか知らねぇけど、ホントに好きなら好きって言わなきゃ後悔するぞ。お前も美紅も俺にとっては大事な友達だからさ…二人が辛いのとかイヤなんだよ。俺に出来ることあったら言えよ」


…篤はやっぱ親友だと思った。
いつもバカやってフザケてる奴だけど、誰よりも友達思い。


篤には病気の事言ってもいいんじゃないかって思った。でもやっぱ怖かった。病気の事知ったら離れてくんじゃないかって。

⏰:08/02/21 23:20 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#101 [柊]
読んでくれている方いますか?思い出すのが辛くて続きを書くのが怖くなりました…
でも一人でも読んでくれている方が、続きをしりたいって方がいたら最後まで書こうと思います。

⏰:08/02/21 23:23 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#102 []
私読んでます!
毎日楽しみにチェックしてます。
最後まで書いてほしいです(>_<。)

⏰:08/02/21 23:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#103 [柊]
ありがとうございます。

⏰:08/02/21 23:47 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#104 [美ィィ]
毎日読んでます 最後まで頑張ッて下さぃ

⏰:08/02/21 23:49 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#105 [柊]
それから篤の運転で和也んちに着いた。

飲みが始まった。

俺は日頃の病気のストレスがあったせいか、どんどん酒が進んでヤケ酒状態になっていった。

「柊今日ペース早くね!?」

なんて和也につっこまれながらも三人でどんどん飲んで俺達は一気に酒が回ってテンションが上がっていった。


飲んでると何もかも忘れられた。
病気の事も美紅の事も。

そんなんで気付いたら深夜0時を回っていた。

⏰:08/02/21 23:58 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#106 []
つらいかもしれないけど頑張ってください

⏰:08/02/21 23:59 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#107 [柊]
みなさんありがとうございます。書きます。

⏰:08/02/22 00:05 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#108 [柊]
〜♪


その時突然篤のケータイがなった。

「もっしも―し!おぅ加奈♪」

電話の相手は加奈だったらしい。
篤はしばらく加奈と話をして電話をきった。

「加奈なんの用〜?」

篤に聞いてみる。

「あ―…なんか今から加奈来るっぽい」

「加奈が?なんで?」

「いや、正確には加奈と美紅が来る」

⏰:08/02/22 00:23 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#109 [柊]
「加奈って篤の彼女だよな?で美紅って柊の元カノの?」

和也が言った。

「なんか美紅が柊に会いたいって言ってるらしくて〜、だからこれから加奈とここに来るって。俺やめとけっつったんだけどさ、来るって聞かなくて」

俺は酒でテンションが高かったせいもあって

「まぁいいんじゃね?人数多い方が盛り上がるし〜」

なんて軽く答えた。

和也は「篤の今カノと柊の元カノ初対面〜♪」なんて言って喜んでた。

⏰:08/02/22 00:33 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#110 [みか]
ずっと読んでます
頑張って

⏰:08/02/22 18:29 📱:F904i 🆔:☆☆☆


#111 [愛]
更新楽しみにしてます
辛いかもしれないけど
頑張って下さい

⏰:08/02/22 21:45 📱:F703i 🆔:☆☆☆


#112 [柊]
しばらくするとまた篤の携帯がなった。

「あ、加奈だ」

そう言って篤は電話に出て少し話すとまた切った。

「加奈達着いたって?」

俺が篤に聞いた。

「いや、迷ってるらしいわ。さっきここまでの道教えたんだけどさ、ホラこの辺道複雑じゃん?方向音痴の女二人じゃこれないみたい(笑)」

篤が面白がって言う。

⏰:08/02/22 22:11 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#113 [柊]
そして、丁度酒も切れてたし、買い出しついでに加奈達を迎えに行くことにした。

加奈と美紅が今いるらしい公園で待ち合わせになった。

俺達三人は酔ってたし捕まるのもいやだったから、ブラブラ歩きながら公園へ向かった。

真夜中に大きい声出しながら歩いてかなり近所迷惑だったと思う(笑)

5月の夜はまだ少し肌寒かった。だけど酒で身体が暖まってたから風が涼しくて気持ちよかった。そのせいか酔いも冷めた。

⏰:08/02/22 22:24 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#114 [柊]
“美紅が柊に会いたがってるらしい”


酔いが覚めてくると頭も少しずつ動き出した。


そういや美紅…さっきなんか言いたそうだったな…


そんな風にいろいろ考えていたけど、とりあえずはまた美紅に会えるのがめちゃめちゃ嬉しかった。

⏰:08/02/22 22:40 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#115 [柊]
待ち合わせの公園にはもう加奈と美紅が待ちくたびれたような顔をして待っていた。

「篤〜っ!マジで迷ったしぃ!何回もこの辺グルグルしたしぃ〜」

加奈は篤に駆け寄った。

「…方向オンチ女(笑)」

「は!?柊なんか言ったぁ〜!?」

俺がボソッと言ったのが加奈に聞こえたらしく加奈に睨まれた(笑)。

⏰:08/02/22 23:23 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#116 [柊]
「とりあえず〜!和也んち行こ〜ぜ!」

篤の一言でみんな加奈の車に乗った。
運転は篤、助手席は加奈、後ろに和也、美紅、俺と並んで座った。
車に乗ると俺は酒に酔っているふりをして、隣の美紅に持たれかかった。

俺は最悪だ…自分から美紅を捨てたくせに、こうやって美紅に会ったら自分の気持ちが押さえられなくなる。

「柊〜…?酔ってる?」

美紅が俺の顔を覗き込みながら聞いてきた。

⏰:08/02/22 23:39 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#117 [柊]
俺は何も言わずに美紅の肩にもたれかかって寝たふりをしていた。

付き合ってた頃から美紅がつけていた甘い香水の香りがほのかにして懐かしくなった。

ずっとこのままでいたかった。

和也んちがすげぇ遠かったらいいのになんてバカみたいな事考えてた。

肩から伝わってくる美紅の温もりに涙が出そうになった。

⏰:08/02/23 00:12 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#118 [柊]
俺の願いとは反対に和也んちにはすぐついた。

「柊、着いたよ」

美紅に言われて俺は「ん…」と言って車を降りた。

みんな部屋に入り、篤はまた飲み出した。

「人数多い方がいいな♪てか女の子いるってだけでテンションあがるし〜」

和也はそう言って持ち前の明るさで盛り上げてくれた。

「…あたしも飲も」

俺の隣に座っていた美紅はそう言うと缶ビールを一気に飲み出した。

⏰:08/02/23 00:18 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#119 [柊]
「お前そんな強くないんだからあんまり飲むなよ」

俺は美紅に言った。


まだ付き合ってた頃篤と加奈と美紅と俺の四人で飲んだことがあった。そん時美紅は缶チューハイ半分くらいで真っ赤になって吐いて大変だった。

「美紅〜、飲みすぎんなよぉ〜もぉ俺は世話しねぇぞ(笑)」

篤もその時の事を思い出したのか美紅に言った。

加奈も美紅を少し心配そうに見ている。

でもみんなの心配をよそに美紅は缶ビールを一本飲み干した。

⏰:08/02/23 00:55 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#120 [柊]
案の定美紅は酔っていた。

「なんか超フワフワするぅ〜きもちぃ〜」

とか言い出して、一気に耳まで赤くなってテンションが上がっていた。





…が次の瞬間、





「…気持ち悪い…ッ」

⏰:08/02/23 01:16 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#121 [柊]
美紅は具合悪そうに口を押さえた。


「きゃあ〜ッ美紅大丈夫!?吐いちゃいそう!?やばい!?」

加奈がパニくって慌て出した。


「袋〜!洗面器〜ッ!(汗)」

篤と和也もパニくってた。

⏰:08/02/23 01:24 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#122 [柊]
「…ったく、美紅立てるか?」

俺は前に美紅が吐いたとき面倒見たせいもあって冷静だった。

美紅は口を押さえたまま小さく頷いた。

「和也、トイレで吐かせていい?」

「いいよ!階段下りてすぐ右!」

「さんきゅ」

美紅の肩を抱き抱えて立たせるとトイレに向かった。

⏰:08/02/23 01:29 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#123 [柊]
トイレに着くと美紅は苦しそうに吐いた。

俺は背中をさすってやった。








「…ゴメンね…もう大丈夫…」

しばらくすると美紅は顔色もよくなってきた。
洗面所でうがいさせたらだいぶ落ち着いたみたいだった。

⏰:08/02/23 18:52 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#124 [柊]
「柊…あたししばらく外の風当たってくるね。先戻ってていいよ?」

そう言って美紅は外へ出た。


「…俺も付き合う」

俺も美紅の後を追って外に出た。


和也んちのすぐ裏は土手になっていて俺達はそこに座った。

⏰:08/02/23 18:56 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#125 [柊]
沈黙…



「…こういう川にさ、柊落ちたことあったよね」

先に口を開いたのは美紅だった。
「あ〜…あった(笑)学校帰りにお前と2ケツしててフザケてチャリ乗ってて落ちたな」

そんな事あったなぁなんて懐かしく思った。たった3ヶ月くらい前の出来事なのにすげぇ昔に感じた。

「あたしは川落ちる直前に降りてさ、柊だけ落ちたんだよね〜しかも意外と川深くて柊超焦ってさ(笑)」

「そうそう!俺死ぬかと思ったし(笑)」

⏰:08/02/23 19:07 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#126 [ェサェァェソェ「ス]
応オェキェニェ゙ェケ+.(b゚ェ゚*)゚+



鞅蟐テェニフレ肆ェキェニェッェタェオェ、」。!!!。゚(゚ノ「」」゚)゚。

⏰:08/02/23 19:36 📱:PC 🆔:☆☆☆


#127 [せぇたん]
あ;;↑意味わかんないでスね(*´;ェ;`*)


応援してます!ってかいたのにぃー;w;

⏰:08/02/23 19:36 📱:PC 🆔:☆☆☆


#128 [柊]
ありがとうございます!

⏰:08/02/23 20:16 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#129 [柊]
「あん時めちゃくちゃ笑ったなぁ〜」

美紅が思いだし笑いをした。



…あの頃はまだ俺の隣にはいつも美紅がいて


今隣にいる美紅は、もう俺のものじゃなくて…


そんな事を考えながら美紅の横顔を見つめた。

満月に照らされた美紅の顔がとてもキレイだった。


笑顔だった美紅が急にうつ向いて黙りこんだ。

⏰:08/02/23 20:21 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#130 [柊]
「…美紅?また気持ち悪い?」

俺は美紅の肩に手をかけようとした。


「…柊…ッ…あたしやっぱ柊の事まだ大好きだよ…っ」


美紅の言葉に、伸ばされた俺の手が止まった。

⏰:08/02/23 22:14 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#131 [柊]
「あたし…柊と別れてから、誰も好きになれないんだよ…?忘れなきゃって思っても忘れられなくて…今日コンビニで久しぶりに柊に会ったら…一気に気持ちが溢れてきて…どうしてもまた会いたくて…」

美紅は膝に顔を埋めたまま途切れ途切れに話す。

「あたしにダメなとこがあるなら直すから…ッ柊がまた好きになってくれるならなんでもするから…ッ…あたしと一緒にいてよぉ…柊…ッ」

俺はどうしたらいいかわからなかった…

…ダメなとこなんか一つもない

ホントはずっと一緒にいたい…

⏰:08/02/23 23:05 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#132 [柊]
気付いたら俺は美紅を思いっきり抱き締めていた。


美紅が泣いている。


俺も泣いた。



こんな美紅を前にして自分の気持ちを誤魔化すなんてできなかった。

でも「俺も好き」とは言えなかった。

言えない気持ちの変わりに

涙が次から次へと溢れてきた。

⏰:08/02/23 23:19 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#133 [aaa]

読んでます
頑張って下さい

⏰:08/02/24 09:17 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#134 [柊]
そのまま何分経ったんだろう。




〜♪

突然俺のケータイが鳴って我に返った。

俺は美紅から離れて電話に出た。電話は篤からだった。

「…もしもし」

「柊?お前らどこにいんの!?」

「あ…美紅が気分悪いっつったからしばらく外の空気吸ってた」

「そか!美紅大丈夫か?」

「おぅ…これから戻るわ…」

俺はそう言って電話を切った。

⏰:08/02/24 14:04 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#135 [柊]
「…篤?」

美紅が泣き腫らした目で俺を見た。

「みんな心配してる…行こ」

「うん…」

俺が立ち上がって歩き出そうとすると美紅が俺の腕をつかんだ。

「手…繋ぎたい…今日だけでいいから…」

そう小さな声で言う美紅を前にして、

「うん…」

俺も小さく頷いて美紅の手をとった。

⏰:08/02/24 15:46 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#136 [柊]
風は冷たくても

繋いだ美紅の手は暖かくて

付き合っていた頃と変わらずに美紅のぬくもりが感じられた。

俺がギュッと強く握ると

美紅もギュッて握り返してくれて

それがまた切なかった。

俺は握った手から、精一杯の気持ちが美紅に伝わるように祈った。

美紅を愛してるって

誰よりも愛してるって…

⏰:08/02/24 16:00 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#137 [柊]
和也んちに着いて俺は美紅の手を離そうとした。

でも美紅は首をフルフルと横にふって手を離そうとしない。

俺は手を繋いだまま篤達がいる部屋へ入った。

三人の視線が、俺達の繋いだ手に集中したのが分かった。

でも三人とも何も言わなかった。
たぶんつっこんじゃいけないって俺達の様子から察してくれたんだと思う。

「二人ともどこ行ったかと思ったじゃん!」
「美紅ぅ〜もう大丈夫〜?」

⏰:08/02/24 23:03 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#138 [柊]
篤と加奈が心配そうに言ってきた。

美紅は「ご迷惑おかけしました」と頭を下げた。





それから朝4時くらいまで皆で話してから寝た。

和也と篤はベッドで爆睡。

俺と加奈と美紅は床で。

美紅は寝ている間も俺の手を離そうとはしなかった。

⏰:08/02/24 23:08 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#139 [柊]
皆が寝てからも俺はずっと一人で起きていた。

毛布をかぶって横になっていても眠れなかった。

隣で静かに寝息をたてて寝ている美紅をずっと見ていた。

美紅の寝顔って始めてみた。

付き合ってた時は見たことなかったから。

繋いでいる手から美紅の体温が伝わってくる。

⏰:08/02/24 23:12 📱:W43S 🆔:☆☆☆


#140 [我輩は匿名である]
我輩わ幸せになりますwww

⏰:08/02/25 00:26 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#141 [我輩は匿名である]
続きお願いします!

⏰:08/02/25 07:30 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#142 [オ]
更新頑張ってくださいI

⏰:08/02/25 19:08 📱:W42K 🆔:☆☆☆


#143 [愛李]
初めましてュ
最初から読ましてもらいました~
これからも、頑張って下さいュ

⏰:08/02/26 16:27 📱:W53T 🆔:☆☆☆


#144 [玲海]
あたしもエイズです。
でも元気に生きています。
頑張って下さい。

⏰:08/02/26 17:39 📱:911T 🆔:☆☆☆


#145 [みか]
頑張れー
主さんのペースでいいので応援してます

⏰:08/02/26 18:27 📱:F904i 🆔:☆☆☆


#146 [柊]
―…


そんなことを考えながら俺も眠りについた。







目が覚めるともう昼だった。

みんなまだ寝ていた。

⏰:08/02/26 23:02 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#147 [柊]
美紅はまだ俺の手を握ったままだ。

俺は静かに美紅の手を離して、みんなを起こさないように毛布から抜け出し部屋を出た。

それから外に出て夕べ美紅と来た土手に行った。

⏰:08/02/26 23:06 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#148 [柊]
夕べは暗くてよく見えなかったからわからなかったけど、明るい時に見るとまた全然風景が違う。
…なんだかすごく寂しい気持ちになる…昨日はそんな風になんか思わなかったのに。

昨日は隣に美紅がいたからだろうか…






「…柊?」

⏰:08/02/26 23:35 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#149 [柊]
いきなり後ろから名前を呼ばれてハッとして振り返ると美紅がいた。

「一人で出てったからどこ行くのかと思った」

美紅はクスッと笑っていった。

「なんだよ、起きてたの?」

「柊が閉めた戸の音で起きた」

⏰:08/02/27 00:19 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#150 [柊]
「篤達起きた?」

「まだ寝てるよ」


そしてまた沈黙が続いた。


「…あたし柊の事もう諦めるから…昨日はいろいろごめんなさい」

また先に口を開いたのは美紅だった。

「うん…」

俺はそう言った。

⏰:08/02/27 08:18 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#151 [柊]
ホントは「うん」なんて言いたくなかった。


「ずっと好きでいろ」

って言いたかった。

俺は自分から美紅を手放したくせに、美紅に嫌われたくなかった。ずっと好きでいてほしかった…

「…これからは友達だよね?加奈と篤と4人で昔みたいにいっぱい遊ぼ?」
そういう美紅の顔が少し辛そうに見えた気がした…

⏰:08/02/28 10:11 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#152 [柊]
それから2人で和也んちに戻った。
その間一言も言葉を交わさなかった。


部屋に戻るとみんな起きていた。

俺と篤、加奈と美紅もそれぞれ帰ることにした。
「じゃあお先に帰るね〜」
加奈が車の窓を開けて言う。

俺と篤はそれを見送った。

⏰:08/02/28 23:58 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#153 [柊]
助手席に乗った美紅はこっちを見ようとしない。
加奈と美紅の乗った車が見えなくなるまで見送りながら、俺はもう二度と美紅には会えないようなそんな気がしていた…


「俺らも行くか〜てかどっかで昼飯でも食って帰る?」

加奈達の車が見えなくなると篤が言った。

⏰:08/02/29 00:05 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#154 [柊]
「篤…ちょい話たいことあるんだけど…」

俺は篤に全部話そうって決めた。

きっと篤は昨日の夜美紅と何があったのか心配してくれてると思う。

でもあえて何も聞いてこないのは、俺のためだと思う…

俺がみんなに言えないような何かを抱えてるって篤はきっと分かってる。
篤は俺から言うのを何も言わずに待っててくれてるんだ。

俺はその篤の気持ちを裏切りたくない。

⏰:08/02/29 10:53 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#155 [柊]
篤はしばらく車を走らせると近くのファミレスに車を止めた。


中に入ってしばらく沈黙…


そして俺は少しずつ全部を話した。

病気のこと

それが理由で美紅と別れたこと

美紅は俺の病気を知らないこと

昨日の夜のこと

今朝のこと…

⏰:08/02/29 10:57 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#156 [柊]
篤は黙って俺の話を聞いていた。

最後に今まで篤に黙っていたことを謝った。

「エイズだなんて篤が知ったら…離れてくって思ったんだ…ごめんな」

でも篤は

「俺はどんなことがあったってお前のこと一番の親友だって思ってるよ」
って言った。

篤が少し涙目になっているような気がした…

⏰:08/02/29 11:08 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#157 [柊]
「柊…美紅に言えよ…」

「え…」

俺は篤の言葉に止まってしまった。

「お前ずりぃよ…お前は美紅の事考えて別れたかもしんねぇよ?でもそれって美紅が決める事じゃねぇの?大事なのは柊の病気知った上で美紅がどうしたいかだろ?」

俺は何も言えなかった。
「お前馬鹿だよ…なんで誰にも何もいわずに一人で抱え込んで決めちまうんだよ?俺も加奈も美紅もお前にとっちゃそんな頼りない存在だったんかよ?」

⏰:08/02/29 11:20 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#158 [長野]
楽しみにしてるので更新待ってますね

⏰:08/03/02 02:21 📱:SO902i 🆔:☆☆☆


#159 [里奈]
更新頑張ツてね(・∀・)

応援してます

⏰:08/03/02 21:42 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#160 [柊]
篤にそう言われて、俺は泣いた。


男なのに泣くなんてかっこわりぃけど、この時は本当に涙が止まらなかった。

今まで一人で抱えてきた大きな不安が、一気に溢れだしてしまった。

平気なフリしてたけど、何ともないフリしてたけど、心の中ではすっげぇ辛かった。

⏰:08/03/02 22:02 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#161 [柊]
感染を告げられてから3ヶ月、明日死ぬんじゃないかっていつも思ってた。

不安で押しつぶされそうだった。


篤に話して、その不安な気持ちが全部溢れだしてしまったんだ。


もっと早く篤に話していたら何か変わっていたのかもしれない。篤を信じで相談すればよかった。

⏰:08/03/02 22:06 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#162 [柊]
篤と話した後、家に帰って俺は篤の言葉を思いだしていた。


“美紅に言えよ”


美紅のためにも、自分のためにも美紅に言うべきなのかもしれない…
美紅が俺の病気を知って離れていくならそれはしょうがない。むしろそれだったら俺もきっとあきらめがつく…

もし…もし俺の病気を知っても俺の側にいてくれるというなら、俺はできる限りの力で美紅を幸せにしてやろう。病気を告げられた3ヶ月前は、病気の俺が美紅を幸せになんか出来るわけないって思った。でも美紅を失って改めて美紅への気持ちの大きさを再確認できた。

⏰:08/03/02 22:16 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#163 [柊]
美紅を手放したくない。
美紅を幸せにしてやりたい。
その気持ちは誰にも負けない自信がある。


もう今更かもしれない。

こんな都合のいい俺に美紅は怒るかもしんねぇ。

だけど美紅に全てを伝えなきゃいけないんだ。




こうして俺はこの日から一週間毎日悩んでいた。

⏰:08/03/02 22:24 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#164 [柊]
今思えば…この時俺がすぐに美紅に電話していれば、一週間も悩んでないですぐに決断していればよかった。

この一週間がなかったら、俺と美紅はきっとこんなにすれ違うことはなかったのに…








一週間悩んだ俺は、ついに美紅に話をする決心をした。

⏰:08/03/02 22:31 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#165 [ケ]
頑張って下さいmフ

⏰:08/03/02 23:53 📱:W41T 🆔:☆☆☆


#166 [柊]
その日俺はいつものように朝学校に行った。
美紅には夜電話をしようと思っていた。

昼休み電話がなった。
篤からだった。


「もしもし篤?」

「柊?美紅に…今日言うって言ってたよな?」

「おぅ、言うつもりだけど…どした?なんだよ」



なんとなく篤の様子がおかしい気がした。


「さっき加奈から聞いたんだけど…美紅彼氏できたらしいわ…」

⏰:08/03/03 00:47 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#167 [柊]
俺は言葉を失った。



美紅に彼氏…!?



「あ…そーなんだ…わかった。教えてくれてサンキュー、篤…」

そう言って一方的に電話を切った。


電話の向こうで俺を呼ぶ篤の声が聞こえたけど、構わずに切ってしまった。





ショックだった。

⏰:08/03/03 00:52 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#168 [柊]
俺が呆然としているとまた携帯が鳴った。


届いたのは…美紅からのアド変だった。





新しい美紅のアドには…



“yuuta”の文字が


…ユウタ―…



美紅の新しい男…

⏰:08/03/03 01:06 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#169 [柊]
そのアドは、美紅に男が出来たという事実をリアルに物語っていた…





なんでだよ…?




美紅と友達に戻ろうって言ったのは確かに俺だ。



だけど…



だけど…っ

⏰:08/03/03 01:11 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#170 [柊]
一週間前はまだ俺の事を好きだと言ってくれたのに


他の奴は好きになれないって言ったのは嘘だったのかよ…





美紅を責めるのは間違ってるのはよくわかってた。だけど認めたくなかったんだ、美紅に男が出来たという事実を…

⏰:08/03/03 01:15 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#171 [柊]
放課後、また篤から電話がきた。

「もしもし柊?これから加奈と会うんだけどさ、お前も来いよ」

「悪いけど遠慮しとく、帰るわ」

今は誰にも会いたくなかった。

「いーから!とりあえず来いよ!強制だぞ!」

「…わかった」



そして俺は篤たちとの待ち合わせの公園に向かった。

⏰:08/03/03 14:01 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#172 [柊]
公園にはもう篤と加奈がいた。


「柊…あたし…柊がまだ美紅の事好きってさっき篤に聞いて……」


加奈が泣きそうな顔で言ってきた。

篤は病気の事は言ってなくても俺が美紅を好きってことを加奈には言ったらしい…


ここまできたらもう病気の事も加奈に言おうと思った。


ここには詳しく書いてこなかったけど、俺と加奈は知り合った時からお互い一番の相談相手だった。

⏰:08/03/03 14:09 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#173 [柊]
俺もこんななんでも話せる女友達は初めてだった。

お互い付き合う前は篤の相談や美紅の相談をそれぞれしあっていたし、お互い相手が出来てからも異性の一番の理解者はお互いだったと思う。


俺は加奈に病気の事を話した。


加奈はすげぇ驚いてた。


俺の話を泣きながら聞いていた。


「柊…っアンタばかじゃん…自業自得だよ…」
加奈はそう言った。

⏰:08/03/03 14:18 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#174 [ゆかり]
            今日最初から一気に読みました。

読んでて涙がでました゚。(p>∧<q)。゚゚

私も応援してます!
頑張ってください。

⏰:08/03/03 16:13 📱:N903i 🆔:☆☆☆


#175 [柊]
そして加奈は続けた。

「あたし…美紅が柊にふられたって聞いたとき、すっごいショックだった…柊の事最悪だって思った…だけど…っこんな…柊がこんなことになってるなんて…」

「加奈…」

篤がそう言って加奈の肩を抱いた。


「美紅…男出来たんだろ?」

俺は聞いた。


「同じ学校の人みたい…少し前に告られたって…」

⏰:08/03/03 21:36 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#176 [柊]
「もう俺美紅の事あきらめるわ…てか男出来たんならあきらめるしかねぇよな…」


もうなんかどーでもよかった。


篤も美紅も何も言わなかった。
何も言えなかったんだと思う。

⏰:08/03/03 22:03 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#177 [柊]
「篤も美紅も」


ではなく


「篤も加奈も」


です。

⏰:08/03/03 22:12 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#178 [愛]
あげ

⏰:08/03/05 20:31 📱:F703i 🆔:☆☆☆


#179 [我輩は匿名である]
はよかいて

⏰:08/03/09 00:18 📱:W51SA 🆔:☆☆☆


#180 [柊]
その日







俺は美紅をあきらめる決心をした。





もうあきらめざるを得なかった。




美紅は他の男を選んだ。




いつ死ぬかわからない俺が「戻ってこい」なんてもう言えなかった。

⏰:08/03/10 16:59 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#181 []
頑張ってください

⏰:08/03/10 22:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#182 [匿名]
書いて

⏰:08/03/10 23:42 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#183 []
主さん
応援してます
主のペースで、書いてくださいU
楽しみにしてます

⏰:08/03/13 00:58 📱:822SH 🆔:☆☆☆


#184 [ゆき]
初めから読ませて
いただきました。
涙がとまりません(*>m<*)
応援してます☆

⏰:08/03/13 02:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#185 [我輩は匿名である]
柊さん

がんばれ

⏰:08/03/13 15:13 📱:L704i 🆔:☆☆☆


#186 [りーちゃん]
最初から読んでます
あたしは美紅ちゃんと
似た経験して、なんだか
他人事に思えません
最後まで読むので
柊さんのペースで
頑張って下さい

⏰:08/03/14 16:04 📱:N903i 🆔:☆☆☆


#187 [えぇ(]
最初ヵラ読みましたo
応援してマス(p'v`q◆)
ガンバって下さぃ(・∀・)ゝ゛

⏰:08/03/15 13:20 📱:PC 🆔:☆☆☆


#188 [我輩は匿名である]
>>100-200

⏰:08/03/15 23:49 📱:W53CA 🆔:☆☆☆


#189 [我輩は匿名である]
>>150-200

⏰:08/03/15 23:51 📱:W53CA 🆔:☆☆☆


#190 [柊]
待たせてすみません。今日からまた書きます。みなさん待っててくださりありがとうございました。

⏰:08/03/16 22:20 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#191 [柊]
美紅と最後に会ったゴールデンウィークから半年が経った。


美紅に男が出来たとわかったあの日以来、俺は美紅への想いを封印して毎日を過ごしてきた。

篤と加奈とは付き合いは続いてるけど、美紅とはあの日以来会っていない。

加奈だけは美紅と会ったりしてるみたいだった。

でも加奈も俺に気を使ってか、美紅の事を話題に出すようなことはしない。

⏰:08/03/16 22:25 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#192 []
柊さん
さっき最初からここまで
読みました
これからつらいこと
くるしいこと
いろいろあると
おもいますが、
頑張ってください

なんか…ありきたりで
ごめんなさい

悔いのない人生を。

⏰:08/03/17 02:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#193 [柊]
美紅のアドと番号はずっと俺の携帯の中に残っていた。

この半年の間それを見るたび、美紅に連絡してみようと何度も思ったけど、結局最後の発信ボタンが押せなかった。


俺の体調は相変わらずで、病院には毎日通っていたが発症はまぬがれていた。

⏰:08/03/17 14:40 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#194 [柊]
専門学校1年の12月…

俺は授業で偶然隣の席になったのをきっかけに、同じクラスの栞(しおり)とよく話すようになった。

栞は静かで大人しい女の子らしい子で、優しく笑った笑顔がなんとなく美紅に似ていた。


栞といると俺はすげぇ穏やかな気持ちになれた。
栞が隣にいる時間が心地良くて、俺と栞はいつも一緒にいた。

⏰:08/03/17 14:55 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#195 [柊]
「柊ーっ、次移動だよぉ!和田先生の授業だよ!」

栞が俺を呼ぶ。


「和田かぁι俺アイツに目つけられてっからな〜遅刻できねぇ(笑)」

「柊は和田先生の授業寝すぎだからだよ〜。むしろ起きてたことある?」

「…ないな(笑)」


学校ではもちろん、学校の行きも帰りも栞と一緒だった。

⏰:08/03/17 23:28 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#196 [◆hB/ij5xC9Y]
>>140-300

⏰:08/03/20 15:02 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#197 [柊]
同じ学校の奴らの間では、俺と栞は付き合ってるって噂が立つくらい俺らはいつも一緒だった。


俺は少しずつ美紅の事を忘れていったんだ…

⏰:08/03/20 23:53 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#198 [柊]
12月31日、大晦日。

夜、俺は篤と地元の神社に行く約束をした。

大晦日の夜はここの神社で篤と年を越すのが、毎年の習慣になっている。
篤を迎えに行く車の中で、去年は美紅と加奈と4人で行ったなぁなんてぼんやりと考えていた。


その時携帯が鳴った。

⏰:08/03/21 00:00 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#199 [柊]
電話の相手は栞だ。

「もしもし柊?今日○○神社初詣行く?」

「行くよ」

「あたしも友達と行くの!会えるといーね♪」

「見かけたら声かけてよ。俺もかけるし。」

「はいよぉー。じゃまたあとでー」


そんな事でわざわざ電話してきたんかよ(笑)

電話を切りながら俺は一人で笑った。

⏰:08/03/21 00:05 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#200 [柊]
篤んちに着いて篤を拾って神社に向かった。

「今日加奈は?連れてくりゃよかったじゃん」

俺はふと気になって篤に聞いた。

「それがさぁ!今日昼間ケンカしたんだよ!」

「マジで(笑)」

「ぜってぇまだキレてっから今夜はとりあえずほっとく!」

篤と加奈はくだらない事でよくケンカするけど、なんだかんだで仲がいい。

⏰:08/03/21 00:10 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#201 [柊]
なにげにもう1年以上続いてる。

あの遊び人だった篤が加奈とこんなに長続きするとは俺も正直思ってなかったし。


そんな話をしながら神社に着いた。


時間は夜11時半。

神社はもうすでに人でいっぱいだった。

⏰:08/03/21 00:15 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#202 [我輩は匿名である]
今日初めて読みました

すごく切なくて
苦しくて泣きながら
読ませてもらいました。

無理せず頑張って下さい
(ノ><)ノ

応援してます

⏰:08/03/21 00:24 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#203 [柊]
「やっべ〜女の子いっぱいいんじゃん♪昔の血が騒ぐな、柊♪」

篤が言った。

「…加奈にチクろ♪」

そう俺がボソっと言うと

「柊〜(泣)」

と篤が泣きマネをした。


高校の時は、大晦日の夜は毎年この神社でナンパしてた。
今じゃもうそんな事も懐かしく感じる。

⏰:08/03/21 00:25 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#204 [柊]
ふと見るとギャルが二人こっちに向かって手を降りながら歩いてきた。

「篤と柊じゃん!かなり久しぶりじゃない!?」

昔ナンパした女達だった。名前は京子(キョウコ)と咲(サキ)。

京子と咲とはナンパした後何度か4人で遊んだりした。

⏰:08/03/21 00:33 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#205 [柊]
「京子と咲じゃん〜!めちゃくちゃ久しぶりじゃん!」

篤が二人に言う。

「てか相変わらず篤と柊はつるんでるんだ〜!てか男二人で初詣とか超ウケるんだけどっ!」

京子が笑いながら言った。

「うるせぇよ(笑)ほっとけ」

俺も返す。

⏰:08/03/21 00:37 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#206 [柊]
「そういえば2人彼女できたって噂あるけどマジ!?」

咲が言った。

「マジでぇ!?そういわれて見れば、あれだけヤリチンって言われてたくせに最近2人のそういう話聞かないかも!」

京子が驚いた顔で俺らを見た。

⏰:08/03/21 00:41 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#207 [柊]
咲と京子がその話題で盛り上がりだして、
「彼女どこの子!?」
「名前は!?」
「いくつ!?」

としつこく聞いてきた。
すると篤が
「彼女〜?いっぱいいるからわかんねぇ♪」

と言った。
たぶん美紅の話題が出ないように篤なりに気使ってくれたんだと思う。

⏰:08/03/22 21:35 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#208 [柊]
「てか俺ら早く帰んなきゃいけねぇからもう行くわ!」
篤がそう言うと

京子と咲は
「え〜!?逃げる気ぃ!?」
と言って笑った。

俺と篤は2人にヒラヒラと手を降りながらその場を後にした。



「サンキュな、篤」

2人になってから俺は篤に言った。

⏰:08/03/22 23:21 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#209 [柊]
「全然いいって!気にすんな!」

つくづく篤はいいヤツだと思う。


「お前最近ちょっと変わってきたよな。美紅の事ふっきれてきたっつうかさ。いい方に変わってきてる」

篤が言った。

「まぁな…美紅の事はもういい。あいつが新しい男と幸せにしてんなら俺は身を引いてよかったって思える」


最近はホントにそう思うんだ。俺は美紅を幸せに出来ないと思ったから美紅と別れたわけで…それで美紅が別の男と幸せになったなら俺は充分だ。

⏰:08/03/23 01:23 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#210 [柊]
あの時美紅と別れてよかったんだって、きっとそのうち思えるはず。


美紅と別れてからも、毎日身につけていたおそろいのネックレスも、最近やっと外すことが出来た。

それは「美紅」から前に進もうと思えるようになった証拠だ。


「…まだ続いてるらしいわ美紅。加奈から聞いたところによると仲良くやってるみたいだし」

篤が言った。

⏰:08/03/23 01:30 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#211 [柊]
美紅には俺を忘れて欲しい…

そして幸せになって欲しい…

俺の願いはただただそれだけだった。



時間を見るともう年明け10分前だった。

「篤〜!今年もおみくじ引こうや!」

「おみくじって年明けてから引いた方がいいんじゃね?笑」

⏰:08/03/23 01:35 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#212 [柊]
「そんなの関係ねえよ!俺は今引きたい気分!笑」

俺はそう言って篤と一緒におみくじの列にならんだ。

「柊〜おみくじの結果勝負な♪」

「おう!負けねぇよ〜」


そして俺達は2人同時におみくじを引いた。

⏰:08/03/23 01:39 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#213 [柊]
俺は見事大吉だった。



…が篤も大吉だった(笑)

「2人で大吉とか今年はなんかいいことありそうじゃね!?」
篤が言う。

たかがおみくじって思うだろうけど、俺はこの時本当に今年は何か起こりそうなそんな気が無性にした。



その時、年越しのカウントダウンが始まった。

神社にいる全員が声をそろえてカウントダウンをし始めた。

⏰:08/03/23 09:12 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#214 [スパイキー]
最初から
読みました
更新まってます

⏰:08/03/23 14:39 📱:N702iD 🆔:☆☆☆


#215 [柊]
…10!


…9!


…8!


…7!


…6!


1月1日になった瞬間にお賽銭を投げたい俺らは、人の波をかき分けて賽銭箱の方へ進んでいく。

⏰:08/03/24 07:50 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#216 [柊]
「柊〜いくら投げる!?」
人混みの中篤がそう言った。

「とりあえずある小銭全部(笑)」

俺は財布の中から小銭を全部握りしめ賽銭箱を見た。






と、その時―………

⏰:08/03/24 22:43 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#217 [柊]
俺は言葉を失った。





美紅がいたから。





俺の視線の先に美紅がいたから。

⏰:08/03/24 22:44 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#218 [柊]
…5!



…4!



…3!



…2!



…1!



年明けと同時に響きわたる歓声。

⏰:08/03/24 22:46 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#219 [柊]
だけど俺の耳にその歓声は届いていなかった。



美紅は俺に気付いていない。



美紅は俺が好きだったあの優しい笑顔で隣の男に笑いかけている。

男は人混みから美紅を守るように肩を抱いている。

⏰:08/03/24 22:53 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#220 [柊]
美紅たちから視線がそらせなくて俺はその場に立ち尽くした。


「柊??どした?」

隣で篤が俺を呼んでいる。

その声が聞こえたのか美紅がこっちを見て俺と美紅の視線が合った。



お賽銭を投げた人達がどんどん賽銭箱から離れていく。

⏰:08/03/25 15:21 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#221 [柊]
「あ?あそこにいんの美紅じゃん」


篤も美紅を見つけたらしく言った。


美紅と…美紅の彼氏…。
美紅が他の男といるのを改めて見て俺はショックを受けていた。

同時に封印しようとしていた美紅への想いが、また一気に溢れだした。

⏰:08/03/25 15:28 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#222 [ゆき]
応援してます☆

⏰:08/03/27 01:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#223 [しずか]
頑張ってください、、(´;ω;`)

⏰:08/03/28 00:19 📱:N903i 🆔:☆☆☆


#224 [柊]
篤の声が聞こえたのか美紅が気付いてこっちを見た。






その時




俺は見てしまったんだ。

美紅の首に光るあのネックレスを。

⏰:08/03/29 20:39 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#225 [柊]
見間違いなんかじゃない。



美紅の首に…あのネックレスがあった。



俺も持っているあのネックレス…

クリスマスに買ったお揃いの…


なんで…

⏰:08/03/29 21:00 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#226 [柊]
なんで美紅がまだあのネックレスを…?




いろんな思いが頭の中をグルグルと回った。



美紅は俺と篤にペコっと軽く頭を下げると、彼氏らしき男とあっちへ行ってしまった。

⏰:08/03/29 22:25 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#227 [柊]
「あれ…きっと美紅の男だよな…」


篤が言った。


篤も実際に美紅が他の男といるのをみて少し驚いてるみたいだった。


「…美紅の横にお前以外の男がいるのって…なんか合わない…俺の中では美紅と柊はセットみたいなもんだからさ…」

少し寂しそうに篤が笑った。

⏰:08/03/29 22:58 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#228 [ス]
 
最初カラ今まで全部
読みましたあ!!

柊サンのペースで更新
がんばッて下さい☆
応援してます*゚
 

⏰:08/03/29 23:27 📱:W51T 🆔:☆☆☆


#229 [イ]
あげますo(^-^)o

⏰:08/03/30 20:09 📱:auKC3D 🆔:☆☆☆


#230 [..]
あげっ

⏰:08/04/02 17:49 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#231 [◆hB/ij5xC9Y]
>>192-400

⏰:08/04/06 20:37 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#232 [25]
あげ(・ω・`)

⏰:08/04/14 21:40 📱:F904i 🆔:☆☆☆


#233 [芽依◆buuUun.OEE]
あげ(^ω^)☆

⏰:08/04/14 22:16 📱:PC 🆔:☆☆☆


#234 [ま〜]
久々に見たら更新なくて
病気悪くなってるんですか

頑張ってると思いますが
無理せず頑張って下さい

⏰:08/05/01 01:22 📱:SH905iTV 🆔:☆☆☆


#235 [..]
あげ

⏰:08/05/08 01:32 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#236 [ゆぃ]
頑張って

⏰:08/05/08 17:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#237 [あ]
頑張って

⏰:08/05/09 12:23 📱:W52CA 🆔:☆☆☆


#238 [は]
あげます
書いて下さい

⏰:08/05/10 16:53 📱:W52SH 🆔:☆☆☆


#239 [ゆぃ]
病気でかけないのかな

⏰:08/05/10 17:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#240 [りなピョン]
柊サン頑張ってー

⏰:08/05/11 20:21 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#241 [つ-ちん]
続きみたぃ

⏰:08/05/11 21:03 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#242 []
頑張ってください

⏰:08/05/16 23:46 📱:N905i 🆔:☆☆☆


#243 [我輩は匿名である]
あげ(´;ω;`)x

一気に読みました
本当に感動です…
辛さが伝わって来ます…

頑張って下さい

⏰:08/05/17 08:36 📱:W53CA 🆔:☆☆☆


#244 [柊]
みなさんすいませんでした。風邪こじらせて肺炎になって入院してました。昨日退院しました。
今日から書きます。今更ですが読んで頂けたら嬉しいです。

⏰:08/05/24 22:19 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#245 [柊]
それから俺達2人は神社を後にして帰った。

篤を送ってから、俺も自分ん家に向かった。でもなんとなく帰る気になれずに、コンビニの駐車場に車を止めて1人考え込んでいた。



…美紅はどうしてまだあのネックレスをしてたんだ…?

見間違いじゃない。

俺とお揃いのあのネックレス。

⏰:08/05/24 22:28 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#246 [柊]
期待しちゃいけないって分かってるけど…期待してしまう自分がいる。

もしかしたら美紅はまだ俺の事…


いや、そんなわけないよな…好きじゃなきゃ彼氏と一年も続かねぇ…

ただデザインが気に入ってるだけかもしれない。


美紅…前会ったときよりまただいぶ綺麗になってたな…

⏰:08/05/24 22:34 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#247 [柊]
あー…俺やっぱり美紅大好きだ…




その時

“コンコン”

車の窓が叩かれた。

そこに立ってたのは栞。

「栞!なにしてんだよ?」

俺は車から下りた。

「柊!偶然!今友達と別れたとこ!柊の車が見えたから」

⏰:08/05/24 22:42 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#248 [柊]
「そっか。神社で会えなかったな(笑)」

「ね、残念〜。てか何してんの?」

「ん?あー、タバコ買いに来た」

とりあえず適当なウソをついた。


それから栞と話しが盛り上がってファミレスに入ることになった。

⏰:08/05/25 11:51 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#249 [柊]
時間は1月1日新年になったばかりの2時。


店員に席に案内されながら栞が言った。

「てかあけましておめでと♪今年もよろしくね♪」

「お〜そーじゃん(笑)忘れてたわ。栞、今年も世話してやるから安心しろ(笑)」

「なにそれぇ〜超えらそうなんだけどっ!(笑)」


そんな話をしながら席に着いた。

⏰:08/05/25 21:33 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#250 []
あげ

⏰:08/05/26 01:58 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


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