【愛.金.水商売3】
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#701 [主]
「梓!!」
煙草と携帯を持ち、鞄を肩にかけ立ち上がりサキに背を向けた。
「‥梓変わった!!
何があったん?!
メールも返事してや!!電話も出てよ!
みんな心配してるねん!!
梓‥変わったよ‥」
喫茶店中に響く大きな声で背中越しに聞こえるサキの声。
:08/10/26 01:16
:W62H
:☆☆☆
#702 [主]
梓‥チューリップ‥サキ‥
圭チャン‥
頭がギシギシする
:08/10/26 01:18
:W62H
:☆☆☆
#703 [主]
「‥
変わったって何が?
私は‥
色をかけて人を騙して客と寝るような女
サキだって見てんやろ?夜サイト
‥梓って呼ばないで」
店内がざわつく。
:08/10/26 01:22
:W62H
:☆☆☆
#704 [主]
「彼氏‥彼氏待ってるやん
戻りなよ」
ヒソヒソと私を白い目で見られるのは慣れた。
ホストやドレスを着た水商売の集まりの店。
また明日にでもサイトに書き込まれたりするんだろう。
私はそんな世界に立っているんだ。
:08/10/26 01:26
:W62H
:☆☆☆
#705 [チィコ]
初めてカキコします

けど、ずっと見てました

最近更新のペース早いですけど体大丈夫ですか


無理ない程度に頑張ってください

:08/10/26 02:57
:N905i
:☆☆☆
#706 [主]
>>705サン
初めまして☆
最近は事情があり前に比べれば少しですが時間があります。
また後程いつになるか分からないですが小説の方にも書かせて頂きます☆
私の心配までして下さりありがとうございますo(^-^)o
みなさんへ
明日は更新出来るか分かりません。
ご承知下さい。梓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:08/10/26 04:02
:W62H
:☆☆☆
#707 [主]
>>704続き
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
サキの事は今でも変わらず大好きで
今でも変わらずたった一人の友達で
今でも変わらずたった一人の私の理解者で
けどのサキ‥
私は後ろを振り向けない
今私がいる場所は
過去の場所じゃない
:08/10/26 15:28
:W62H
:☆☆☆
#708 [主]
過去と今は違って当たり前だよ
サキならきっとそう言う。
だけど‥私は‥
振り向けない
今立ち向かっている
今進んでいる道は
過去を振り向けば
立ち止まってしまう
歩けなくなってしまう
:08/10/26 15:31
:W62H
:☆☆☆
#709 [主]
積み上げてきたものが
音を立てて崩れ落ちてしまう
いつからこうなったかなんて分からない
けど、今はこの道を行く。
ねぇサキ‥
もう少し待ってなんて、いつになるか分からない言葉を、自分勝手に言えないんだ。
:08/10/26 15:34
:W62H
:☆☆☆
#710 [主]
振り向く自信がないの‥
振り向くのが怖いの‥
立ち止まるのが怖いの‥
サキの笑顔を見るのが‥怖いの。
だけどサキは、あんな事があったのに、次の月曜日にも、“今週も頑張ろう”今まで通りのメールを送ってきた。
:08/10/26 15:38
:W62H
:☆☆☆
#711 [主]
私がメールの返信を返すとき
サキからの電話を受け取った時
サキは
私の涙を拭ってくれますか‥――
:08/10/26 15:39
:W62H
:☆☆☆
#712 [主]
こんな自分勝手な私を
迎えてなんて言わない。
だけど、やっぱり自分勝手に、それを願っている私がいる―
サキ‥ごめんね‥――
:08/10/26 15:42
:W62H
:☆☆☆
#713 [主]
私は一番大切な人を傷つけている
きっとサキは泣いている
私の分まで泣いている
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
:08/10/26 16:22
:W62H
:☆☆☆
#714 [主]
「あっチャン海好き?」
返事もせず、たかチャンに仕事帰り連れてこられた場所は、
「ここ海じゃなくて港やん」
たかチャンは平日も毎日のように店に通い、アフターがない限りどこかへ私を連れて行った。
Gマスには用事があると断る。
Gマスよりたかチャン
たかチャンよりGマス
そんな考えは一切ない。
:08/10/27 15:17
:W62H
:☆☆☆
#715 [主]
ただ一つだけ心配だった。
毎日のように通うたかチャンは、お金が大丈夫なのかと。
サキがマコトにハマり、私は必死に止めた。
私は今マコトと同じ事をしている。
マコトを攻めた私はどこにいったのか。
少しでもの、罪滅ぼしだったのかもしれない。
毎日お金を落とすたかチャンへの。
:08/10/27 15:22
:W62H
:☆☆☆
#716 [我輩は匿名である]
頑張って

:08/10/27 15:24
:SH906i
:☆☆☆
#717 [主]
私が笑うとたかチャンも笑う。
私が不機嫌になるとたかチャンは私をなだめる。
私が何も喋らなければ、たかチャンが喋る。
私が話しかければ、たかチャンは嬉しそうに話す。
たかチャン、一つ一つの行動は、全て私の為だった。
何よりも、誰よりも、私の笑顔を求めた。
:08/10/27 15:25
:W62H
:☆☆☆
#718 [主]
「あっチャン、鍵‥」
まだ返してもらっていない。
だけどあの事があってから、たかチャンは同じ事を繰り返さなかった。
「俺の唯一の宝物やねん‥」
これを持っている事で、俺はあっチャンの彼氏なんだって
安心出来る
不安な時は、これを握りしめる。
:08/10/27 15:29
:W62H
:☆☆☆
#719 [主]
そう言うたかチャンの手には鍵。
寂しそうな横顔を見つめた。
私の仕事は人を笑顔にする事。
だけど私はたかチャンにこんな顔をさせている。
「持ってていいよ」
:08/10/27 15:32
:W62H
:☆☆☆
#720 [主]
前まで言えていた
“返して”
は、なぜかこの時言えなかった。
「よかった‥よかった‥本間によかった‥」
そうこぼし、静かに涙を流すたかチャンに、ハンカチを渡そうとした。
けど、一度鞄から出そうとしたハンカチを私はもう一度鞄になおす。
:08/10/27 15:35
:W62H
:☆☆☆
#721 [主]
たかチャンのこの涙を、拭う権利なんてないと思った。
私には“持ってていいよ”それ以上何も出来ない。
「あっチャン笑って‥」
どうする事も出来ず、ただ立ち尽くす私に、自分で涙を拭きながら温かい声。
:08/10/27 15:39
:W62H
:☆☆☆
#722 [主]
「笑わなあかんのはたかチャンやん」
「淋しそうな目してたから」
「たかチャンがいるから寂しくなんかないよ」
ココナが喋る。
梓じゃなく、ココナが口を開く。
:08/10/27 15:44
:W62H
:☆☆☆
#723 [主]
「あっチャンこれ‥」
「‥何これ」
「開けてみて」
有名ブランドの小さめな箱。
その中には、鍵を付けるキーホルダー。
「ありがとう」
私が目の前で、今たかチャンの手の中にあるものと同じ鍵を付けると、嬉しそうにに笑う。
:08/10/27 15:47
:W62H
:☆☆☆
#724 [主]
ダイヤモンドのネックレス
ブランド物の指輪
金のピアス。
私は物をすぐ無くす。
それがどれだけ高級な物でもすぐにどこかへやってしまう。
大切にしていない証拠だろう。
その中でも、本当に唯一無くさず持っていたのはこの日もらったキーホルダー。
:08/10/27 15:50
:W62H
:☆☆☆
#725 [主]
たかチャンはそれを分かっていたのか、めったな事がない限り無くさないだろう鍵に付けるキーホルダーをくれた。
たかチャンと私を繋ぐものは、心じゃなく鍵だった。
たった一つの物だった。
:08/10/27 15:53
:W62H
:☆☆☆
#726 [主]
>>716サン
リアルタイムにありがとうo(^-^)o
また時間が出来次第更新しますね☆梓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:08/10/27 15:54
:W62H
:☆☆☆
#727 [主]
>>725続き
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ここ最近、あみサンの客層が変わってきていた。
いつもは必ず一人で来ていたあっ君が、仕事先の人達と週に三回は団体で来る。
必ず一人であみサンの帰りを待つ彼氏が、仕事先の人や友達など団体で来るようになった。
しかも開店すぐの時間に押しかけるのが多かった。
その分ボックスが埋まる。
:08/10/27 17:08
:W62H
:☆☆☆
#728 [主]
私もお客さんを呼ぶ。
個人で来るお客さんはカウンターに座る。
だけど、私は団体客を何組かもっていた。
あみサン担当の団体がいれば、私から自分担当の団体客は呼ばない。
座れないから。
だけど、連絡なしに来た私のお客さんは、ボックスが埋まるお客さんを見れば、帰ってしまう。
回転させたくても、そんな簡単にいかない。
:08/10/27 17:12
:W62H
:☆☆☆
#729 [主]
ピンのお客さんの場合はM2で先に待っていて、とでもアフターネタを出せば席が空く。
だけど、あみサン担当で、ましてや輪に馴染めない私が帰れと仕向けるのは難しい。
あみサンの作戦だろう。
もうすぐ結果が出るラストスパートなのか、今月はあみサンを抜けたと思っていた私は焦り始める。
どうするべきか考えていた。
:08/10/27 17:17
:W62H
:☆☆☆
#730 [主]
一人‥
毎日毎日来るお客さん。
社長。
Gマスとも十年の付き合いになると言う60近くの社長さん。
億単位を稼ぐこのへんじゃ誰もが知る人。
いつも夜中の一時頃店に電話があり来店する。
少し前まではあみサン目当てだったと聞いた。
:08/10/27 17:46
:W62H
:☆☆☆
#731 [主]
59歳だとGマスから聞いた時は心底驚いた。
本当に若く見える。
見た目ももちろん話し方、飲みかたはそこらの三十代の人より若いだろう。
Gマスも、M2のマスターも、東街西街で社長を知る人は絶対に逆らえない。
社長がYESと言えばみんなYES。
社長がNOと言えばみんなNO。
それが暗黙の了解だった。
:08/10/27 17:50
:W62H
:☆☆☆
#732 [主]
飲みかたも全く周りに迷惑かけない。
騒がしく歌う訳でもなければ、大きな声で話す訳でもない。
必ずカウンターの隅に座り、社長用のお酒グラス。
グラス一つが数万円するブランド物。
あみサンがプレゼントしたと聞いた。
だけどかなり難しい人だと有名だった。
目当ての子が出来れば毎日のようにアフターを誘う。
二人きりになれば、太ももや腕をやらしく触る。
:08/10/27 17:54
:W62H
:☆☆☆
#733 [主]
過去に何人もの従業員が社長のせいで辞めたらしい。
仲良くなり、送ると言われればNOと言えない。
車の中で、無理矢理キスをしたり、胸を触ったり、体中を触る。
それを泣きながらGマスに相談しても、Gマスは我慢してとしか言えないらしい。
社長には逆らえない。
そのターゲットが少し前まであみサンだった。
:08/10/27 17:57
:W62H
:☆☆☆
#734 [主]
あみサンは我慢出来なくなり、社長としかしないアフターを断るようになる。
社長は自分を断るあみサンを煙たがる。
だけど、惜しみもなく毎日お金を使う社長は、店側としてもかなりでかい。
私も社長とはそこそこ仲がいい。
時々アフターに誘われM2に行ったり、連絡先も交換していた。
だけど社長は、その子に向けスイッチが入らない限り、本人に電話して店に来ることはない。
:08/10/27 18:01
:W62H
:☆☆☆
#735 [主]
となれば担当はなし。
そこを狙うしかないと思った。
だけどリスクが高い。
Gマスは言う。
「何だかんだ言いながら目当ての子がいなくても飲みに来る人だから、あまり触らないほうがいいよ」
だけど触るしかないと思った。
:08/10/27 19:04
:W62H
:☆☆☆
#736 [主]
この事を決意すると同時に覚悟は出来ていた。
うまくいった時には、体を求められる事を。
ただ、最後まではしない人だと聞いた。
途中までの行為にムラムラするんだと。
「ココナはもっと形の綺麗な体のラインが出るような服着たら似合うんちゃうか」
:08/10/27 20:00
:W62H
:☆☆☆
#737 [主]
目の前には社長。
私は人よりも露出が多いほうだと思う。
胸が人よりも小さい分、背中やお腹、自信のある部分は出していた。
「例えばどういった服がお好みですか?」
「それ、ヘソ出すのはええけど、そのヘソに付けてるピアスが何か安っぽい」
私のお腹を指さし、きつい言葉に取れるのに、とても優しい穏やかな話し方。
:08/10/27 20:04
:W62H
:☆☆☆
#738 [主]
「スタイルいいんやから、そんな安売りせんでも、似合う服あるやろ」
社長は私の喜ぶツボを知っている。
露出をすればお客さんは喜ぶけれど、お前の良さをもっと綺麗に引き出せ。
社長の言葉をよく頭に刻み込んだ。
社長は色んな店を飲みに歩く。
安いスナックから高級club。
社長の目は越えている。
:08/10/27 20:14
:W62H
:☆☆☆
#739 [主]
お客さんに指図されるようじゃまだまだだけど、社長の言葉は素直に受け入れようと思う。
社長と歩いても、釣り合うような女になりたい。
私は次の日さっそく買い物に行き、くびれのラインなどが綺麗に見えるような服を購入した。
露出が大好きな私だけど、背中が少し開いているワンピースや、背中がレースのドレスワンピを購入した。
アクセサリーも、ゴツゴツした金などが好きだけど、服に合うような細めのチェーンなどの物を選ぶ。
:08/10/27 21:04
:W62H
:☆☆☆
#740 [主]
とは言っても、社長と初めて会ったのはGclubではなく、ルビーK。
Gclubを何ヶ月かたたんでいた時、社長はGマス関係のルビーKにたまに顔を出していた。
「初めまして♪」
「ココナ酒強いか?」
「私が弱いのは男だけですよ〜(笑)」
「俺もかなり飲むぞ」
「絶対に負けへん!!」
:08/10/27 23:35
:W62H
:☆☆☆
#741 [主]
社長が誰かも、偉いさんだとも知らず、なら飲み比べしましょう、なんて言っていた。
後からGマスに怒られたけど、社長はココナと言うスタッフの印象が強かったと言う。
次の日、さっそく買った服を着て、アクセサリーを身に付ける。
グルグルに巻いていた髪の毛も、アップにする。
:08/10/27 23:39
:W62H
:☆☆☆
#742 [主]
「あっチャン今日なんかあんの?」
Gマスにもたかチャンにも言われる。
「ん〜‥お客さんに進められた格好してみた」
「似合ってるやん」
出勤前の車の中でたかチャンに褒められる。
帰りだけじゃなく、たかチャンは毎日仕事帰りに直接迎えに来てくれる。
私の機嫌が悪く、今日は一人で行くと八つ当たりしたり、たかチャンが五分でも遅れれば勝手に一人で行ったり
:08/10/27 23:44
:W62H
:☆☆☆
#743 [主]
たかチャンを振り回すのは相変わらずだけど、前より少し‥本当に少しだけど、カップルらしいのかななんて思う。
だからと言って、Gマスとの関係も相変わらずで、私の気持ちに変化があるかは分からない。
:08/10/27 23:45
:W62H
:☆☆☆
#744 [主]
サキに会ったあの日から、過去の夢をよく見るようになった。
はっきりとは覚えていなくても、似たような夢を何度も見ればある程度は思い出す。
サキがマコトにハマっている夢
わたがサキに注意している。
だからなのかな‥私がたかチャンへ同情の気持ちが出てきたのは‥。
:08/10/28 02:34
:W62H
:☆☆☆
#745 [主]
「あっチャンいつものとこ今日行くからアフター入れないようにね、無理ならいいけど」
社長に似合ってると嬉しい言葉をもらえ、店は閉店。
いつものとこと言われても分からない。
Gマスと私の間にはそんな馴染みの場所なんてない。
唯一あるとすればM2くらい。
:08/10/28 02:38
:W62H
:☆☆☆
#746 [主]
だけどM2をいつものとこなんて言うだろうか。
なんだかどこなのか少し気になり、たかチャンには用事が出来たと断る。
たかチャンも、用事って何と、しつこく聞く事はしなくなった。
喧嘩を避けたいのか、それは分からない。
「あっチャンと思い出の場所〜♪」
:08/10/28 02:41
:W62H
:☆☆☆
#747 [主]
いつものとこ。
思い出の場所。
そう言って連れてこられた見覚えのある景色。
jpg 18KB
:08/10/28 02:47
:W62H
:☆☆☆
#748 [主]
たまたま社長がいつもより早くに来店したことによって、早くに店を閉めた。
店の閉店時間も社長次第で変わる事が多々ある事。
社長以外のお客さんはチェックを済ませ、社長はお構いなしに長々といる事は珍しくない。
だけど今日は珍しく早くに店を閉めた。
何度見ても、この景色は輝いて見えないんだ‥――
:08/10/28 02:51
:W62H
:☆☆☆
#749 [主]
景色が輝いていないんじゃない
私の目が色あせてしまっただけ。
そんな私にGマスは気づいている。
人一倍鋭いGマスはきっと気付いてる。
それなのに、Gマスは私をこの場所に連れてくる。
この景色を見ても、感想一つ言わない私を連れて行く。
:08/10/28 02:55
:W62H
:☆☆☆
#750 [主]
「今日はまだ暗いねぇ‥」
「‥」
「こんなの見たら俺らの悩みなんてチッポケに思うよな」
今俺ドラマみたいにかっこいい事言った?そう言ってGマスは携帯を取り出し写真を取る。
俺らの中に、私は含まれているのかな‥
隣にいる私に今撮った写真を送ってくるGマス。
:08/10/28 03:02
:W62H
:☆☆☆
#751 [主]
帰りの車内は二人とも何も話さなかった。
私の好きな音楽だけが何度もリピートされる。
何も話さない沈黙が、私には居心地がよかった。
お客さんとの沈黙が怖くて話が途切れない私には、Gマスとの沈黙が、居心地よかった。
:08/10/28 03:05
:W62H
:☆☆☆
#752 [主]
明日結果が出る。
前半を過ぎるまでは、かなりの差があったはず。
だけど後半最後で、結果が分からなくなった。
結果が‥怖い‥
:08/10/28 03:17
:W62H
:☆☆☆
#753 [主]
次の日、あみサンからの嫌みや嫌がらせがなかった。
結果に怯えているのは私だけじゃない。
今日はお客さんを呼ぶ気にならなかった。
あみサンのお客さんも今日は開店すぐに、まだ来ない。
「コ〜コナサンッ♪」
:08/10/28 23:01
:W62H
:☆☆☆
#754 [主]
もう聞き慣れた声。
一人店の前で煙草をふかす時、必ず声をかけてくる。
四つ葉のホスト。
私が見る限りいつもいるけれど、そんなに暇なのかと思う。
「今日も暇なんだね」
私と話す暇があるならお客さんに営業すればいいのに。
:08/10/28 23:06
:W62H
:☆☆☆
#755 [☆:)]
あげ〜★!
:08/10/28 23:10
:821N
:☆☆☆
#756 [主]
「ココナサンに質問〜♪」
当たりが出たカルピスを勝手に飲んでから、ホストは私と会うたびにカルピスを渡してくる。
そのカルピスは冷たい時もあればヌルいときもある。
いつ買っているのかは知らないけど、私の手にはいつもカルピスと煙草。
そしてホストの手にも毎回同じカルピス。
ホストがカルピスを買っている姿は一度も見たことない。
:08/10/28 23:11
:W62H
:☆☆☆
#757 [主]
「ココナサンにとって俺ってどんな存在ですかぁ?」
カランと空き缶が転がる音。
「拾いなよ」
店の前でゴミを散らかされるのはいい気分がしない。
「俺ココナサンのそゆとこ好き〜♪」
「抱きつかないでよ」
:08/10/28 23:15
:W62H
:☆☆☆
#758 [主]
何か言えばいつも抱きついてくる。
それも会うたびに一回は必ず。
おはよう、としか話さない時だって抱きついてくる。
私より身長が高いのに、抱きしめられるとはまた違う。
このホストはどうして私にこれ程構うのだろう。
:08/10/28 23:18
:W62H
:☆☆☆
#759 [主]
何だかめんどくさくなりホストに背を向ける。
「ねぇ〜って」
ワンピースの裾を引っ張られ足が止まる。
「名前も年齢もどこの誰かも知らない君をどう思うも何もないやろ」
「ココナサンひっどい!!俺自己紹介したやん!」
:08/10/28 23:23
:W62H
:☆☆☆
#760 [主]
いつも一人話しているホスト。
私が煙草を吸い終わる間、何かしら喋っている。
だけど私は耳を傾けた事は一度もない。
私の返事がないのを分かった上での事。
それでも、話は聞いていると思っていたんだろう。
「私はお客さんの話以外まともに聞かんよ」
:08/10/28 23:27
:W62H
:☆☆☆
#761 [主]
勝手にいつも話しかけてくるだけ。
私は相づちさえしない。
「なら俺が客になったら話聞いてくれますか?!」
こいつは本当のバカなんだろうか。
こんなんでホストが通用するのか。
:08/10/28 23:33
:W62H
:☆☆☆
#762 [主]
>>775サン
いつもありがとう☆
今日はもう時間がないのでまた更新します☆梓
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:08/10/28 23:35
:W62H
:☆☆☆
#763 [主(時間が出来たので更新します)]
営業はしていないけど、何だかんだ店もばたつき、今日1日もやっと終わり。
「お疲れ様」
そう言って渡されるのはGclubで働いて二度目の光景。
隣で同じ封筒をもらうあみサンと目があった。
どちらからともなく目を反らす。
:08/10/29 01:03
:W62H
:☆☆☆
#764 [主]
Gマスはいつも通りさっさと帰って行った。
あみサンと同時に小さな薄っぺらい、だけど重たい紙切れを手に取っただろう。
゛ビリッ゛
紙切れが粉々に砕け散る。
:08/10/29 01:05
:W62H
:☆☆☆
#765 [主]
……紙を破ったのは
あみサンだった‥
:08/10/29 01:07
:W62H
:☆☆☆
#766 [主]
私は黙って店を出る。
立ち尽くすあみサンを無視して。
勝った‥
勝った‥
あみサンを
抜いた――…
:08/10/29 01:08
:W62H
:☆☆☆
#767 [主]
たった数千円の差だった。
あみサンのラストの追い上げは、たったの数千円届かなかった。
嬉しい…ざまぁみろ…
心はそう叫ぶ。
なのに‥
頭痛がする
:08/10/29 01:12
:W62H
:☆☆☆
#768 [主]
「君なら出来ると思ってたよ」
M2にいるからおいでと電話がなり足を運ぶ。
「君には期待してるよ、これからも」
Gマスの言葉が頭を痛ます。
あみサンに勝った。
それを誰より望んでいた。
:08/10/29 01:17
:W62H
:☆☆☆
#769 [主]
なのに‥
嬉しさの心は、不安の一色に変わっていた。
明日からの不安だけに変わっていた‥
明日からの期待に脅えていた‥
:08/10/29 01:21
:W62H
:☆☆☆
#770 [主]
あみサンを抜けば
あみサンに勝てば
何が待ち受けているか分からない。
それば不安゙だった。
私へ向けられる
自分で追い込む
苦しみだった。
:08/10/29 01:24
:W62H
:☆☆☆
#771 [主]
あみサンを抜けば、何か変わるのかな。
あみサンに勝てば、何が私を待ちかまえているのかな。
だけど私は進むんだ。
走りつづけるんだ。
そう思った1ヶ月前。
私は本当に立ち止まれなくなる。
追い込まれ、追いつめられ、たった一つの逃げ道は、勝ち続ける事だけだった。
:08/10/29 01:28
:W62H
:☆☆☆
#772 [主]
私はまた
自ら暗闇に足を踏み込んだ
光の見えないトンネルに‥
長い長い真っ暗なトンネルに‥
誰かの差し伸べる手さえ、この暗闇では見えなかった。
トンネルに響き渡る声は、期待と妬み、嫉妬と悪口。
:08/10/29 01:32
:W62H
:☆☆☆
#773 [主]
一本道のトンネルは
迷う道さえない真っ直ぐな線。
右へも左へも、寄り道をする場所がない
長い長い一本道のトンネル。
私の行く道は決められているかのように――‥
:08/10/29 01:36
:W62H
:☆☆☆
#774 [主]
「枕営業で勝つとか汚い
体も汚いGclubココナ」
「ココナは色恋女!みんな気を付けて」
「↑ただの僻みやん?」
「誰とでも寝る女ココナ」
「↑何がしたいんこいつ」
さっそく次のリィユンに見せられたサイトの内容。
もう、あみサンだってもろ分かりだった。
:08/10/29 16:18
:W62H
:☆☆☆
#775 [主]
次の日、あみサンは店を休んだ。
おかんまで風邪だと言って来なかった。
ルビーKから助っ人で何人か来てもらい、店はいつも通り。
あみサンには子供がいる。
バツイチで実家でみんなと暮らしているらしい。
そんな中でも、女手一つで育て、働くあみサンを聞いた時にはカッコイイと素直に思った。
:08/10/29 23:34
:W62H
:☆☆☆
#776 [主]
私から見たあみサンの性格は別として‥みんな何かしら何かを抱えているんだと思った。
だけど、仕事には絶対私情を挟まない人だとも聞いた。
嫌がらせや、嫌みは私情に入るのかは置いといて、あみサンがプライベートを話すとこをあまり見たことがない。
あみサンと同じ席に付くとき、輪に入れない私は、あみサンの接客や話をずっと見ていたから。
だからと言って、あみサンのやりかたにはやっぱり共感出来やしないけど。
:08/10/29 23:39
:W62H
:☆☆☆
#777 [主]
だけど私がGclubに来てから、あみサンが店を休んだのは初めてのこと。
ましてや昨日の今日だ。
あみサンは今何を思っているんだろう。
あみサンが辞める‥
そんな気がした。
:08/10/29 23:44
:W62H
:☆☆☆
#778 [まい]
:08/10/30 03:00
:F906i
:☆☆☆
#779 [主]
Gマスはあみサンが辞める事を、誰よりも先に察していたのか、先週から求人をかけていた。
店に次々と来る面接希望の女の子。
Gマスは自分の居酒屋があり、あみサンがいない今の状況で、私が面接するしかなかった。
数ヶ月前までは下っ端で働いていた私が、店を動かし面接までを任される。
体はそれに動じるしかなく、休む暇を知らなかった。
:08/10/30 14:50
:W62H
:☆☆☆
#780 [主]
二日に三人は来る面接の子達は、体験で終わってしまう子、研修五日で辞めてしまう子、中には、煙草を買ってくると言い、そのまま帰ってこない子までいた。
求人には
“カラオケBAR”
“ガールズBAR”
と書いてあるらしく、こんなにもしっかりしたラウンジ、スナックとは思わなかった。と、新しい子は必ず口にする。
ルビーKからも毎日助っ人に来てもらえる訳もなく、リィユンと二人の時や、最悪な日なんて、この無駄に広い店を私一人で開ける時もあった。
:08/10/30 14:56
:W62H
:☆☆☆
#781 [主]
一週間近くもあみサンは店を休み、お客さんは何故だと聞いてくる。
「お前ら派閥に分かれてたやろ?」
当たり前だけど、お客さんには見抜かれていた。
「リィユンと仲いいだけやで」
隣にいるおかんは口をつぐむ。
あみサンがいないGclubでは、完全に私の指示で動いていた。
それに、おかんは口出しはしなかった。
:08/10/30 15:00
:W62H
:☆☆☆
#782 [主]
そんな中、仕事中に一通のメールが届いた。
【仕事終わったら連絡して、会って話ある】
あみサンとは居酒屋で二度目に会った時に連絡先を交換していた。
それから一度もメールや電話はなかったあみサンから、初めて入った、最初で最後のメールだった。
:08/10/30 15:03
:W62H
:☆☆☆
#783 [主]
あみサンからの話‥
想像がつくようで、つかなかった。
「ココナサン飲み行きません?」
久しぶりにリィユンに誘われ、行きたい気持ちを押さえる。
:08/10/30 16:19
:W62H
:☆☆☆
#784 [主]
「ごめん、行きたいけどあみサンに誘われてるから‥」
「え?あみサンに?
だってあみサン今日も休んでるのに‥」
「うん、今さっきメールしたらM2におるって」
「リユも行ったらあかんかな‥?」
「それは‥あみサンと二人で話してくるよ」
なら、リユは一人でM2の隅で飲んでる!!邪魔しないから、と聞かなかった。
:08/10/30 16:24
:W62H
:☆☆☆
#785 [主]
Gマスからもメールがきていた。
あみチャンの気持ちを聞いてあげて、と。
あみサンはGマスに何かと話を持ちかけていたんだろう。
だけどGマスは私にそんな話一切しなかった。
そんなGマスが人として好きだと思った。
あみサンの気持ちはあみサンから私に言うまで、Gマスは黙っている。
:08/10/30 16:29
:W62H
:☆☆☆
#786 [主]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
「お疲れ様です」
M2の一番奥の広いボックスに一人座るあみサン。
後から聞いた話、GマスがM2のマスターに誰にも話が聞こえないようにと、席をボックスにお願いしてくれたらしい。
「座って」
:08/10/30 16:34
:W62H
:☆☆☆
#787 [主]
あみサンの前に腰をおろし、煙草を取り出す。
「一番になってどう?さぞかし気分いいやろ?
あれだけアミに色々言われて、さぞかし気分がいいでしょ?」
少しつり上がった目に、自慢の美脚を綺麗に組むあみサン。
「‥話ってそんなことですか?」
:08/10/30 16:39
:W62H
:☆☆☆
#788 [主]
嫌みたっぷりな発言を聞きにきたなら、カウンターの隅で心配そうに見つめるリィユンの隣に行きたい。
「あみの事嫌いやろ?」
「はい」
ハハッと笑い、やっぱりココチャンは素直だねと、焼酎に手を伸ばすあみサン。
「あみも‥あみもあんた大嫌い」
:08/10/30 16:44
:W62H
:☆☆☆
#789 [主]
「知ってます」
今更そんな事を改めて言われても困る。
「なぁ、答えて
あみに勝って気分いいやろ?」
あみサンは私にどんな返事を求めているのか。
:08/10/30 16:48
:W62H
:☆☆☆
#790 [主]
「あみは‥あみは‥
怖かった。
あんたの存在が‥怖かった‥」
私と言い合いになる時、絶対に目を反らしたことがなかったあみサンが、初めて私から目を反らす。
:08/10/30 16:53
:W62H
:☆☆☆
#791 [主]
いつもと違うあみサンに、少し戸惑う。
「いきなりやって来たあんたは、店を明るくして店を賑やかにして、リユチャンと仲良くなって、Gマスにも気に入られて、
あみあみって言ってたお客さんまで、あんたに流れた
あみから何もかも奪うあんたが怖かった‥」
:08/10/30 16:56
:W62H
:☆☆☆
#792 [主]
昨日まで、俺はあみが好きだよと言っていた人が、数日後にはココナが好きだと言う。
あみと飲むのが一番楽しいと言っていた人が、いつものように飲んでいたら、ココナに変わってよと言う。
あみが必死に積み上げてきたものを、あんたは奪った
あみの過去の努力を、あんたはたった数日で奪った。
あみサンはそう言った。
:08/10/30 17:00
:W62H
:☆☆☆
#793 [主]
「あみは、
あんたが来るまでずっとトップやった。
確かに、少人数やし、売り上げが悪くて店を畳んだのも事実。
けど‥そんなちっぽけな中でも、あみは必死やった。」
大人数で競い合っているキャバクラなんかに比べたら、あみの必死さなんて糞みたいだけど、あみは必死だった。
「なのに‥あんたが来てから、あみがどれだけ頑張っても叶わなかった店を満席にする事や、何よりも数字‥赤字やった数字をあんたは1ヶ月で黒字にした」
:08/10/30 17:07
:W62H
:☆☆☆
#794 [主]
「あみがあんたに嫌がらせでもしたら、すぐにこんな小娘辞めると思った。
あんたに奪われたものを取り返したかった。
なのに‥なのにあんたはあみが何かすればする程、売り上げを伸ばした。
その目‥」
やっと目が合う。
「あんたのその人を見下したような、敵を見るような目が嫌いやねん」
:08/10/30 17:12
:W62H
:☆☆☆
#795 [主]
あんたさえいなければ‥
そう言われた時と同じ‥
「私だって‥あみサンのその目好きになれません」
「私だって努力してる、あみサンが努力していたように
私だって頑張ってる。
あみサンのお客さんを奪う気なんかなかった」
:08/10/30 17:15
:W62H
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#796 [主]
「そうゆう綺麗事ばっか言うのがムカつくねん!!」
あみサンが持つグラスのお酒が飛び散る。
私は反射的に逃げた。
グラスを持つ手が強まったのを見てお酒をかけられると分かったから。
透明なお酒は、壁に流れた落ちる。
:08/10/30 17:21
:W62H
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#797 [主]
M2のスタッフがお絞りを持ってお酒を作りに来たけど、私はいいからと断る。
リィユンと一瞬目が合った時、GマスがM2にやって来た。
Gマスはこっちを一瞬見て、リィユンの隣に座った。
今日M2が暇でよかったと思う。
Gマス関係しかいないのを運良く思う。
:08/10/30 17:36
:W62H
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#798 [主]
「あみサンのやり方は今でも理解出来ません」
サイトの件でも
リィユンに対する件も。
「あんたのその性格は天然記念物やな」
天然記念物と四つ葉の表現が似ている気がした。
「あみは‥辞める」
:08/10/30 18:05
:W62H
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#799 [主]
「はい‥」
「キャバクラに戻ろうと思う」
Gclubの前はずっとキャバクラだったらしい。
「ラストは飾るんですか?」
「ううん、明日で最後やから、あっ君と彼氏にしか言ってない」
あみも落ちぶれたね、そう小声で言うあみサンは、寂しそうだった。
:08/10/30 18:08
:W62H
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#800 [主]
「あんたにとって怖いものなんかないやろ?
思った事は何でも言えて、一人でも平気で、何を言われても平然として」
確かに私は、周りに何を言われようが気にしない。
だけどそれは、気にしないようにしているだけで。
一人でいるのは、人と関わりたくないから。
だけど‥
「私は一番自分が怖いです」
:08/10/30 18:13
:W62H
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#801 [主]
「お客さんに色かけて寝るような自分が怖い?」
そうかもしれない。
だけど一番怖いのは
「自分が分からないんです。
何でここにいるのかも」
やっぱりあんたは変わってる。そう言ったあみサンは笑顔だった。
:08/10/30 18:16
:W62H
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