先輩と旅立ちの唄
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#104 [あかり]
離島出身ということで
珍しい目で見られたり、入学当初から噂が立ったりするのは毎年恒例。
「あ、島の子のあかりちゃんだ。」
と、私も知らない同級生や先輩から
話しかけられることも何度かあった。
今回もそのノリだな、と解釈していた。
:08/10/29 09:36
:SH705i
:Ttf/sAA6
#105 [あかり]
「あそこの島の方言、怖ぇよなあ〜。」
そう言い出すタクロウ先輩。
「何やったっけ、
『おい』と『わい』かな。」
付け加えて言う大樹先輩。
「えー何それ!(笑)」
これまで二人の身内話で黙っていた順也先輩という人が、
タイミングを狙っていたの如く、話に割り込む。
:08/10/29 09:52
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#106 [あかり]
「自分のことを『おい』、相手を指す時『わい』って言うんぞ。なあ?」
大樹先輩が私の方を見て、確認を促してきた。
「あ、はい!…」
私は取り繕った笑顔で答えた。
「アハハハハ!」
改めて笑い出す順也先輩。
タクロウ先輩も、ニヤニヤしていた。
:08/10/29 09:57
:SH705i
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#107 [あかり]
「あかりちゃん、寒いんじゃないの?こっち来たら?」
それまで黙っていた保健室の先生が口を開いた。
話す時、一人だけ遠くというのもあって、そう言ってくれたのだろう。
「いえ…」
小さくポツリと言った。
本当は少し寒かったのだが、先輩たちの近くに寄るのが恥ずかしくて、先生の言葉を遠慮した。
:08/10/29 10:06
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#108 [あかり]
ソファーの上で、足をしっかり閉じて、両手を膝の上に置いていた私。
寒気から体は少しぶるぶる震えていた。
そんな私を、タクロウ先輩が体を全く動かさずじっと見ていた。
後の先輩二人と、保健室の先生は楽しく話をしていた。
「本当は寒いんでしょ?」
と、彼だけには見抜かれてる気がした。
:08/10/29 10:14
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#109 [あかり]
キーンコーンカーンコーン…
昼休み終了のチャイムが鳴る。
「ほら、掃除の場所に行きなさーい!」
先生がストーブの前で、ぬくぬくとくつろいでいた三人に言う。
先生がそう言わないと、
三人は休み時間が終了しても居座りそうな勢いだった。
私はその間にそそくさと自分の教室に戻ろうとした。
:08/10/29 10:22
:SH705i
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#110 [あかり]
保健室を後にして、ドクンドクンと鳴る心臓音のリズムに合わせて廊下を歩いた。
つい先程の、先輩たちとのやり取りが浮かぶ。
「ああ、恥ずかしかった…」
:08/10/29 10:27
:SH705i
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#111 [あかり]
「タクロウ先輩に、島の方言笑われちゃった…」
ショックに感じたことを一番に思い返して、肩を落とす私。
他の人だったら普段は一緒にアハハと笑うのに、
彼だとなると、穴があったら入りたい気分にまでおちいった。
「『怖い』って思うんだ…
確かに可愛くない喋りだよね…」
方言は学校では出さぬまいと、ますます気持ちを固めた。
:08/10/29 10:37
:SH705i
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#112 [あかり]
「あーあ、これが同じクラスの美奈子ちゃんや沙弥だったら
さっきのやり取りをきっかけに、先輩と親しくなれたんだろうな〜…。」
下向き加減で廊下を歩きながら、
その見た目と似たような気持ちを抱いた。
:08/10/29 10:51
:SH705i
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#113 [あかり]
美奈子ちゃんという子は、キャピキャピした明るくて可愛いギャル風の女の子だ。
地毛なのか染めたのかは分からないが、入学当初から茶髪であった。
愛嬌のよい性格のため、ささいなきっかけからでも先輩とも親しくなる。
彼女が知らない男の先輩と話している光景は、何度も目撃していた。
:08/10/29 10:59
:SH705i
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