先輩と旅立ちの唄
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#10 [あかり]
その時、一瞬自分の中で
時間が止まった。

ありがちな表現しかできないけれど、
妙な感覚に陥った。


―あの人はもしかして…―

⏰:08/10/27 05:10 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#11 [あかり]
話は遡って、
それは私が中学三年生の時。

受験シーズン真っ只中。
そろそろ、志望校を絞らないと
いけない時期だった。

私は担任の先生と
二者面談をしていた。

⏰:08/10/27 05:12 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#12 [あかり]
この学校がいかに
小規模だと思わせるくらい、
こじんまりとした保健室。

二者面談はここで行われた。

「今日はお前に
見せたいものがあって
持って来た。」
先生が話を切り出した。

⏰:08/10/27 05:17 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#13 [あかり]
中学から高校に進学するにあたって、
私は一つ、大きな不安があった。

「もしも、持病が周りに知られて
いじめられたりしたらどうしよう。」
先生にはそう相談していた。

新しい生活、新しい環境、
今までとは大幅に違う、
できるなら、穏便に過ごしたい。

⏰:08/10/27 05:26 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#14 [あかり]
先生は一枚の用紙を、
私の前に置いた。

よく見ると、
誰かの字で書かれた作文用紙だった。

「前の学校で受け持っていた生徒のだ。

今、お前の行きたい高校の一年生だ。」
先生はそう説明した。

⏰:08/10/27 05:30 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#15 [あかり]
手に取る私。

作文なのに、書きなぐったような感じで、
「やんちゃな少年時代を過ごしました」的な
男子を連想させるような雰囲気だった。

言うなれば、
作文コンクールとかで、
一目で落選をしいたげられるタイプ。

⏰:08/10/27 05:36 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#16 [あかり]
そんなことをふと想像したが、
作文を読みはじめた私は、
それを詫びたいと思ったほど、
「深刻」という二文字が
脳裏に浮かんだ。

⏰:08/10/27 05:39 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#17 [あかり]
『小さい頃に両親が離婚して、
それからはお母さんと二人暮らし。


どうしてこの世には
争いや殺し合いなどがあるのだろうか

僕は貧乏だけど、とても幸せです。』
自分なりに要約すると、
こんな感じの内容だった。

⏰:08/10/27 05:44 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#18 [あかり]
「そいつな、両親が離婚した時のストレスで、
頭の髪の毛が脱毛症になったんだ。

学校では、帽子の着用を許可して登校させてた。」

先生はそう作文の人の詳しい所載を教えてくれた。

⏰:08/10/27 05:51 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#19 [あかり]
「そうなんだ…」
用紙をじっと見つめたまま、私は悲しげな気持ちでつぶやいた。

字はお世辞にも、上手いとは言い切れないが、
気持ちがこもっているのは伝わっていた。

⏰:08/10/27 05:54 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


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