先輩と旅立ちの唄
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#281 [あかり]
最初ページに、今日一日の出来事や、感じたことなどを書き込む。

ペンが思わず進む。

『今日は通り掛かったタクロウ先輩を見ただけど、とても嬉しかった。』―

⏰:08/11/04 02:48 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#282 [あかり]
夏休みの補習も終了し、
学校は二学期に入った―

学校全体で、文化祭に向けての準備に取り掛かろうとしていた。

毎年一年生は展示、二年生はステージ発表と決まっていた。
三年生は受験ということもあって、クラス一丸で何かすることはない。

私のクラスは、皆でソーラン節を踊ることへと進行した。

⏰:08/11/04 02:53 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#283 [あかり]
放課後、クラス一体で柔剣道場へと移動し、ひたすら練習へと励む。

私は藍美と水野名美佳という子と、いつも三人で固まって踊りに励んでいた。

名美佳は「三年三組の坂下幸弘先輩がかっこいい〜。」と私と藍美に話していて、
したがって、私たちは自分たちのことを"先輩に恋する三人組"などと総称していた。

⏰:08/11/04 03:04 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#284 [あかり]
「先輩にこの踊りが届けばいいのになーっ!」
私は両手に持っていた鳴子を天井にかざしながら、二人に言った。

「私も克次先輩の為に踊るーっ!」
私に続くように、藍美も同じポーズを取る。

「アハハ。二人とも熱いねえ。
うちは片思いってほどじゃないからー。
顔ファンって奴かな。」
名美佳が私たち二人を、見届けるような感じで言った。

⏰:08/11/04 03:10 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#285 [あかり]
名美佳は笑っていたが、私のその気持ちは、彼女が思ってる以上に真剣であった。

生まれてこの方、学校でのイベント事などには、
「他の誰かがやってくれるだろう」という気持ちで、自分から積極的に取り組むことはなかった。

本番はタクロウ先輩たち三年生が、ステージの目の前の席で座っている。
下手な踊りは見せられないと焦った。

⏰:08/11/04 03:20 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#286 [あかり]
「翔馬っ!
そっちの練習の方はどう?」
帰りの船の中、間食に菓子パンを食べていた翔馬に話し掛ける。

「んーっ。やっぱり難しい。」
いつもより低いテンションで、彼は言った。

翔馬を含むクラスの一部男子で、ソーラン節の前に、ダブルダッチという長縄を使ったパフォーマンスも、やることが決まっていた。

ソーラン節だけでは尺が短いということと、
クラス全員で踊れるほどステージが広くないということと、
会場を一際湧かせるためということからだった。

⏰:08/11/04 03:32 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#287 [あかり]
「お互い頑張ろうねっ。
私、タクロウ先輩の為に踊るんだ。」
今日藍美が言った台詞を、そっくりそのまま発した。

「何だそれ(笑)。
本番、二つとも上手くいくといいよなー。」

「うん。」

明日の練習は、今日よりもっと打ち込もうと思った。

⏰:08/11/04 03:37 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#288 [あかり]
文化祭も目前に差し迫った頃―
帰りのホームルームで、そのパンフレットが配布された。

放課後、藍美の席でそれを一緒に眺める。

各ゲームのメンバー紹介、体育祭の団長紹介など、様々なことが書かれていた。

「あかり、これ見て。」
藍美がある所に指を差した。

⏰:08/11/04 03:44 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#289 [あかり]
『Dr.塩見タクロウ』
そこには意中の先輩の名前があった。

どうやら友達とバンドを組んで、ライブを行うようであった。
ボーカル、ギター、ベースの名前もそれぞれあった。

他にも数組のバンド名と、そのメンバーの名前が書かれていた。
同級生の名前もあった。

⏰:08/11/04 03:49 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#290 [あかり]
「先輩、ライブするんだぁ…。」

「何か見た目も楽器出来そうな感じだよねーっ。

アハハっ!バンド名『インキン・パーク』だってさー!
まじウケるーっ。」

それは大人気洋楽バンドの名前を、一文字変えた総称であった。

自分の好きな人の下品で小学生みたいな一面を感じると、私はあまり笑えなかった。

⏰:08/11/04 03:56 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


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