先輩と旅立ちの唄
最新 最初 🆕
#31 [あかり]
梅雨に入り―
やがて、台風の時期になった。

私の住んでいた離島は、
一度停電が起こると、ひどい時は一日中電気がつかない。

台風が接近した日曜日―
私は暗闇の中、通常の生活が送れることをじっと待っていた。

⏰:08/10/27 22:51 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#32 [あかり]
真っ暗な部屋で、退屈しのぎに
停電に備えて、あらかじめ充電しておいた
MDウォークマンを聴く。

孤独に耐える時間。
あの先輩を初めて見た時のことを思い出す。

⏰:08/10/27 22:58 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#33 [あかり]
なんとなく思い浮かんだ、のではなく、
あの人の姿を思い出したかった。

「先輩は、この台風をどう過ごしてるかな?」

「大丈夫かな、心配だな…」

⏰:08/10/27 23:02 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#34 [あかり]
脳内に、ひたすら好きな音楽が流れてくるが、
頭の中は気が気ではなかった。

あの作文用紙一枚で、
先輩の心の中の闇を見たように感じた。

「ずっと、寂しかったんだろうな…。」

⏰:08/10/27 23:11 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#35 [あかり]
「そういえば私、
あの先輩の名前を知らないなあ。」

「普段はどんな風に過ごしてるんだろう?」

「何かクラブはやっているのかな?」

もはや台風ということを忘れるくらい、
色んな疑問が、頭の中をよぎった。

⏰:08/10/27 23:14 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#36 [あかり]
そうして、夜中には家に明かりが戻り、
押し寄せてきた台風も、通り過ぎていった。

「また明日から学校だあ。」

⏰:08/10/27 23:17 📱:SH705i 🆔:JJ7BuDlA


#37 [あかり]
それから私は、
先輩と同中だった子に、
先輩のことを尋ねてみた。

「帽子の先輩」といえば、
すぐに相手は頷いた。

「塩見 タクロウって人でしょ。
私、テニス部で一緒だったから。」

⏰:08/10/28 03:32 📱:SH705i 🆔:dtU0GNBU


#38 [あかり]
タクロウ先輩…

テニス部…

新たな情報が、頭の中で交錯する。

自分の中で神秘めいていた存在である先輩に
少し近づけたみたいで嬉しかった。

⏰:08/10/28 03:36 📱:SH705i 🆔:dtU0GNBU


#39 [あかり]
そして、色んな人からの情報により、
今は帰宅部らしい。

私は先輩のことを少しずつ知る度、
彼と話してみたいと思うようになった。

しかし同中でない、クラブの接点がない人と
交流を持とうとするのは、なかなか厳しいものである。

⏰:08/10/28 03:41 📱:SH705i 🆔:dtU0GNBU


#40 [あかり]
ある月の掃除区域―
私たちの班は、進路指導室の担当になった。

渡り廊下の時と同じように、たくさんの人が行き交う。

外にあるごみ捨て場に行くには、
ここを通らなければならない。

⏰:08/10/28 06:51 📱:SH705i 🆔:dtU0GNBU


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194